魔界塔士Sa・Ga
【まかいとうしさが】
| ジャンル | ロールプレイングゲーム | 高解像度で見る 裏を見る
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| 対応機種 | ワンダースワンカラー(専用) | 
| メディア | 32MbitROMカートリッジ | 
| 発売元 | スクウェア | 
| 開発元 | アスペクト | 
| 発売日 | 2002年3月20日 | 
| 定価 | 5,460円(税込) | 
| 判定 | 良作 | 
| サガシリーズ | 
 
概要
WSCへの移植計画『スクウェア マスターピース』のひとつとして行われた、GB版『魔界塔士Sa・Ga』のリメイク作品。
『スクウェア マスターピース』で先に移植された『ロマンシング サ・ガ』や『半熟英雄』などと異なり、ゲーム中のイベント・キャラクターなどの追加はされていない。
しかし本作は、原作のハードがGBであるゆえのグラフィック強化を筆頭に、他の移植作品と遜色ないほど、もしくはそれ以上に洗練されている。
変更点・評価点
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インターフェイスの改良やセーブ数の増加などを始めとした、システム面の強化が光る。
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ハードが変わりボタン数が増えたことで余ったY1~Y4ボタン全てが、メニューを経由せずにアイテム画面などを開くためのショートカットキーとして使用されている。
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どのボタンにどこへのショートカットを設定するかの割り当ても、オプションから変更可能。
 
 
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モンスター図鑑や冒険中の変身履歴も追加され、仲間のモンスターを変身させる楽しみはさらに増えた。
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この関係からか、GB版では変身出来なかった一部モンスターにも変身できるように修正された。
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クリア後のデータをセーブすることで、モンスター図鑑のみを引き継いだ二周目をプレイ可能。
 
 
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アイテムや技の説明、戦闘後の成長告知などがなく不親切だった部分も修正され、ユーザビリティが上がった。
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特に、エスパーの能力成長や特殊能力の変異がいちいちメニューを開かずに確認できるようになったことは大きい。
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モンスターの肉による成長後の予測や、オートターゲットなどの機能については「あると親切すぎるのでない方がいい」という意見にも対応してオンオフ可能になっている。
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威力のバランス調整が行われたり、仲間を一切加えないで進める「1人旅プレイ」も可能になったりと、ゲーム進行の幅も広がっている。
 
 
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カラー化・アレンジされたグラフィック、追加演出がオリジナルのイメージを崩さない良リメイク。
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グラフィックは完全に書き直され、戦闘背景や各所マップの床面など、原作では真っ白または表現に限界を感じられた部分も丁寧に描画されている。
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ドットグラフィックのクオリティ自体も高く、SFCの名作と比べても見劣りしない。
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特に、新しい世界に入った際に挿入されるようになった「大陸世界」「海洋世界」などの一枚絵グラフィックは、ドット絵としては非常に美麗で気合いが入っている。
 
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原作にはなかった演出も多数追加。
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最初の「大陸世界」で言えば「つるぎのおう」が剣を向ける、「むらいちばんのびじん」のイベント完了後に祝福の鳥が飛ぶなど。
 
 
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全てのモンスターに移動グラフィック搭載(GBでは1種類のグラフィックを複数種族で共用していた)、全種族の状態異常グラフィック&死亡グラフィック&肉グラフィック新規描き下ろしと、目立たないところも一切隙がない。
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ちなみに、肉の描写はゾンビ→腐った肉、鳥→血濡れの羽、虫→腹部と妙にリアル。四天王に至っては言葉解すほどの知能の源になる部分である。
 
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GB版に存在したバグはほぼ修正された。
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ベースとなっているのがバグが大幅に修正されたGB後期版であり、さらにそこから新たに直されているバグもある。
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これにより、本来はできないアイテム使用やワープを行うことはできなくなった…が、まあこの辺りは仕方ないところであろう。
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プレイヤーには嬉しいことに、もっとも印象深い「チェーンソーでラスボスを瞬殺」は仕様として残った。普通に倒す場合の強さと、チェーンソーで一撃必殺するあっけなさのギャップは変わらず楽しむことができる。
 
 
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なお、一部のモンスターや技の名称が、他のゲームやアニメ作品を元ネタにしている関係で変更されている。
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『ゲゲゲの鬼太郎』ネタの「ねずみおとこ」→「ねずみおやじ」や「ねこむすめ」→「ねこおんな」、ガンダムネタの「モビルスーツ」→「モビルマシーン」、など。
 
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おまけとして、GB版の原作そのままの(白黒画面の)グラフィック・仕様で楽しめる「オリジナルモード」も搭載。
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ただし、各種バグの修正と一部モンスター名の変更はリメイク後に準じる。
 
問題点
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原作と同じSE(もしくはそれに似せたSE)については、GB音源よりも音質が劣化してしまっている。
総評
2Dのままでのリメイクではあるが、細部にわたってユーザビリティの強化が図られておりグラフィックの仕事も優秀。
シナリオも変更されていない(漢字変換などもない)ので原作の良さは全て保たれており、「世代を進めない」リメイクが敢行されているため原作ファンにも嬉しい出来。
昔のゲームゆえの不便さを徹底的に改善したほぼ完全なGB版の上位互換であるため、十二分に薦められる作品である。
その後
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2007年より、本項のWSC版をベースとした携帯電話アプリ向け『魔界塔士Sa・Ga』が配信されていた。
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オリジナルモードやモンスター図鑑は搭載されていないが、本作をベースとした移植であるため、オリジナルモードがなくても気にならないならこちらで楽しむことができるだろう。
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「○○のもと」が店頭で使用できるなど新しい修正もあるが、セリフは一部漢字表記になっている。
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ガラケーの衰退に伴い残念ながら配信終了となり、現在ではこちらも遊ぶのが困難となっている。
 
最終更新:2023年10月17日 01:42