【ろまんしんぐ さが】
ジャンル | RPG | ![]() 裏を見る |
対応機種 | スーパーファミコン | |
メディア | 8MbitROMカートリッジ | |
発売・開発元 | スクウェア | |
発売日 | 1992年1月28日 | |
定価 | 9,500円(税抜) | |
セーブデータ | 3個(バッテリーバックアップ) | |
配信 |
バーチャルコンソール 【Wii】2009年11月24日/800Wiiポイント 【WiiU】2013年12月18日/800円 【New3DS】2016年11月21日/823円 |
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レーティング |
CERO:C(15才以上対象) アイコン:犯罪 ※バーチャルコンソール版のみ |
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判定 | ゲームバランスが不安定 | |
賛否両論 | ||
ポイント |
当時の他RPGとは一線を画す自由度 バグの塊 イベント作りかけ 通路を埋め尽くす敵 肩透かしばっか 自慢から始まる悲喜劇 これら全てひっくるめて多大な魅力となる |
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サガシリーズ |
ゲームボーイから始まった『サガシリーズ』の第4作にして、シリーズ初のSFC作品。
『魔界塔士Sa・Ga』および『Sa・Ga2 秘宝伝説』のスタッフが制作してはいるものの、同シリーズはおろか他のどのRPGにも見られない斬新なシステムの数々が盛り込まれており、実質まったく別のゲームとなっている。
キャラクターデザイン・イメージイラストも幻想的な絵柄の小林智美氏が担当となり、世界観も近未来的なものから中世ファンタジーに方向性が変わっている。
創造神マルダーによって作られたマルディアスと呼ばれる世界。
人間が世界に生まれてまだ間もない頃、デス、シェラハ、サルーインという三柱の邪神がいた。
この兄弟神たちは恐ろしいモンスターを率いて神々の王エロールと人間たちに戦いを挑み、
激しい戦いの末にデスとシェラハは降参したが、サルーインだけは戦いをやめなかった。
人間の英雄ミルザは、神々の王エロールから与えられた10種の宝石「デステニィストーン」によって
その命と引き換えにサルーインの封印に成功したのであった。
時が経つにつれ邪神の存在は伝承上の存在として語られるのみとなっていったが、邪神はひそかに復活の気配を色濃くしつつあった。そんな中、運命に導かれし8人の戦士たちがデステニィストーンを巡る戦いに身を投じていくことになる。
+ | ネタバレ |
+ | ネタバレ |
+ | 条件ネタバレ注意 |
本作には発生しやすい上に数知れないバグ・不具合がある。
+ | ... |
全体的に突き放したゲームであり、初プレイヤーはまず戸惑う。
ゲームバランスにも問題がある。
全10種類(*9)あるという「デステニィストーン」。
これはかつて銀の騎士ミルザに与えられラスボスを封印するために使われた宝石で、OPデモやゲーム中でもいかにも重要アイテムであるかのように扱われているのだが、実際はすべてを揃える事は不可能かつ1つも取らなくてもクリアできる。
多くの問題点と強い魅力を併せ持ち、人によってがらりと評価が変わるという毀誉褒貶が著しい作品。
サガシリーズにバグが多いのはいつものことだが、本作は普通にプレイしていても発生するほど頻度が高く、モロに戦闘バランスに影響を与えているのが問題。
しかしその一方で、当時既に異彩を放っていたスクウェア音楽スタッフ陣のBGMも相まって、今尚その魅力の虜となっているプレイヤーも少なくない。
単純にクソゲーと断じられる作品でないことは、一度ならず二度までもリメイク(*14)された事実が物語っている。
散々な評価をされながらも数知れぬファンサイトを持ち、その一部ではよくわからないカルト的な人気を誇る作品でもあり、挙句本家から複数回のリメイク…というこの異様な経歴こそ、まさに「クソゲーと人気作は紙一重である」ということを非常によく表しているソフトの1つと言えるだろう。実際、バグ多発、新しい試みが多いという点で同時期に生まれたクソゲーと共通点が多いのである。
また本作はまだ荒削りの感が強いが、シンボルエンカウント制や陣形・地相の概念など、本作から採用され、後のシリーズでより改良と発展が加えられていったシステムも多い。野心的なシステムを導入した方向性自体は失敗とも言えない所である。
主人公にアイスソードを 殺 してでも奪い取られる悲喜劇の男・ガラハドや数知れぬ迷台詞(「な なにをする きさまらー!」「おおー しんじられぬー」「てめえがつよすぎるんだよ 大 女 め!(*15)」など)、それに数々のネタ(アルベルトにハルベルト、伝説の武器の「レフトハンドソード」というネーミング、命名の仕様で名づけられやすいキャプテンキャプテンホーク(*16)など)も未だに人々に愛される要因である。
【ろまんしんぐ さが】
ジャンル | RPG | ![]() |
対応機種 | ワンダースワンカラー(専用) | |
メディア | 32MbitROMカートリッジ | |
発売・開発元 | スクウェア | |
発売日 | 2001年12月20日 | |
定価 | 5,200円(税抜) | |
判定 | ゲームバランスが不安定 | |
賛否両論 | ||
ポイント |
原作にあった多数のバグはほぼ全て削除 デステニィストーン関連イベントなどいくつか追加要素 ハードの関係で劣化点あり 作りかけイベントの一部が放置されたことに不満意見も |
SFC初のサガシリーズで、非常に野心的な作品としてシリーズの新しい方向性を示す画期的な作品であった一方、そのあまりに多いバグ・プログラムミス・イベント作りかけなどの中途半端ぶりでも良くも悪くも有名になってしまったソフト『ロマンシング サ・ガ』のWSC移植版。
原作から約10年経っての移植であった。
後に同作が携帯アプリに移植された際は、本作を元として製作されている。
当時のWSCへのスクウェア作品移植計画「スクウェアマスターピース」の一環であり、他の移植作品と同様、大きな追加要素は少なくあくまで忠実移植に近いものである。
バグだらけで、普通にプレイするだけでも多数のバグと遭遇していた原作からバグはほぼ全て取り除かれており、新たなバグもあるがそこまで遭遇しやすいものではなくなった。
『半熟英雄』や『魔界塔士Sa・Ga』と同様、追加イベントの導入やインターフェースの強化もありがたい。
ハード性能による音源や処理の劣化が残念だが、やるべきことはやった及第点レベルの移植作品である。
マイナー機の作品であるため今からやる機会は少ないだろうが、後のリメイクである『ミンストレルソング』とはまた違う味が出ており、プレイには十分耐えうる。
惜しむらくは、おざなりな部分が多かったイベントの仕様に修正が入らなかったことだが、忠実移植が念頭に置かれている「スクウェアマスターピース」のブランドの趣旨を考えればやむを得ない部分でもある。遊び易く調整を施した点だけでも評価に値する作品と言えよう。
*1 ゲームボーイのサガシリーズにもシンボルエンカウントはあったが一部の場所のみで、基本的にはランダムエンカウントだった。
*2 「仲間の命を貰うぞ」という恐ろしい状況で出てくる選択肢がこれ。
*3 ちなみに主人公一人の場合「な、なにをする きさま!」となる。細かい。
*4 敵が即死する効果はクリティカル効果によって起こる。「一文字斬り」「一文字突き」は即死属性とクリティカル効果の両方を持つが、「竜破剣」「燕返し」「鳥殺弓」「撃魔斬」は種族特攻だけでクリティカル効果が設定されていない。
*5 [敵グループLV0~20+ 同系統武器の最大LVと使用武器LVの差0~15 + 戦闘中の通常攻撃使用回数÷2]x10という計算が行われて、260以上だと256引いた値になってしまう。
*6 ノースポイントの酒場でゲラハを仲間に加えた直後にセーブ&ロードすると、バグによってシェリルがカウンター上に出現して酒場の中を歩かせたり話しかけることは一応可能。ただし会話が設定されていないので話しかけてもこちらを向くだけ。
*7 8人の主人公以外でどの主人公でも仲間にできるのはミリアム、ガラハド、ゲラ=ハ、ラファエルくらい。
*8 「クロスカウンター」と「ソニックブーム」は技でありながら片手行動。他2つのパンチ技は両手行動。
*9 本作に登場する術法の種類と対応している。
*10 実際には1つだけ。2つという案のあったものかもしれない。(後述)
*11 つまり設定上では、闇のブラックダイヤを破壊すれば「光」の力が戻り、邪のオブシダンを破壊すれば「気」の力が戻り、火のルビーを破壊すれば「水」の力が戻る。
*12 アメジストは唯一の防御力がある首飾りでもある
*13 同じ出版社の別の本にはシェラハの人格を封印しているという設定が書かれていて、後に出た設定資料集でもこちらの設定が書かれている。
*14 発売当時から否定的な評価ばかりだったわけでは無く、ゲーム雑誌の読者投稿も賑わい、ファンも多くいた。だからこそリメイクによるキャラクターデザイン変更に多大な反発があった事を記憶している人も多い事だろう。
*15 前述のとおり、漢字の文字サイズが大きいので「大女」が大きく表示され、なかなかシュール。
*16 海賊のホークが説明書に「キャプテンホーク」と紹介されており、名前入力も最大8文字でぴったり収まってしまうため、「キャプテンホーク」という名前で入力してしまうとOPで「レイディラック号の船長、キャプテンキャプテンホーク!!」とマヌケな紹介になってしまう。なお彼を仲間にする際の名前は「ホーク」となっている
*17 後にリメイク作品『ミンストレルソング』でリメイク再録された際には、『呼び醒まされた記憶』と改題。
*18 ちなみに、この曲は直前で発売した『ワイルドカード』の「真真・最後の戦い」のセルフアレンジとなっている。