ボスコニアン
【ぼすこにあん】
ジャンル
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シューティング
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対応機種
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アーケード
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発売・開発元
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ナムコ
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稼働開始日
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1981年
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プレイ人数
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1~2人(交互プレイ)
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セーブデータ
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なし
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象) ※バーチャルコンソール版より付加
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配信
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バーチャルコンソール 【Wii】2009年11月17日/800Wiiポイント(税5%込) アーケードアーカイブス 【Switch】2023年8月24日/838円(税10%込) 【PS4】2023年8月24日/837円(税10%込)
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判定
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なし
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ポイント
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ボスコニアンシリーズ元祖 『ラリーX』の弟分
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ボスコニアンシリーズ ボスコニアン/ブラストオフ/ファイナルブラスター
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UGSFシリーズリンク
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概要
1981年にナムコからアーケードにてリリースされたシューティングゲーム。
宇宙空間を舞台に、8方向にスクロールするマップを移動し、「宇宙海賊ボスコニアン」の基地を破壊する。
作品名の元ネタは「スペースオペラの教科書」とまで呼ばれる名作SF小説『レンズマン』に登場する「宇宙海賊ボスコーン」から。
ちなみにこの『レンズマン』は海外作品だが1984年に日本でアニメ化もされている。
特徴
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操作は8方向レバーと1ボタン。
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トップビューで8方向任意にスクロール移動でき、自機は前後1発ずつ同時に弾を発射する。
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自機のショットは自機の軸と常に連動しており、発射後に自機の移動方向を変える事でショットの軌道を少しずらす事ができる。
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画面構成やシステム等は同社の過去作『ラリーX』に近い。
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『ラリーX』と同じく画面右にはレーダーが存在し、マップ内の基地と自機の位置が把握できる。
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マップは上下左右でつながっており、終端のない無限ループとなっている。
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画面内に点在する緑色の敵基地を全て破壊するとステージクリア。
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コアに弾を打ち込むか、コアを囲む6つの球状の砲台を全て破壊すると基地破壊。
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いきなりコアを撃つよりもすべての砲台を破壊して基地を破壊した方が高得点となるが、時間をかけすぎると後述のコンディションが悪くなるといったジレンマもある。
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面が進むと一定周期でコアのシャッターが閉まるものや、コアからミサイルを射出するものが出現し、難易度が上がる。
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ザコ敵は自機を追ってくる各種ミサイルと、障害物としてのアステロイド、宇宙機雷などがある。
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自機と同サイズで、一見コクピットのある戦闘機や宇宙船に見えるものがあるが、どれも「ミサイル」なので体当たり攻撃しかしてこない。
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5機編隊のザコ敵がたまにやってくる。編隊のリーダーを倒すと散り散りになるが、5機全て倒すとボーナス得点。
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ザコ敵のひとつ「偵察機」は、撃ち漏らして画面外に逃すと敵の総攻撃(後述)の開始時間が短縮してしまう。
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アステロイド、宇宙機雷の障害物は自機だけでなく各種ミサイル、偵察機にも当たり破壊する特性を持ち、敵基地砲台からの敵弾は各種ミサイル、偵察機に加えて障害物2種も破壊する。
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自機ショット以外の方法で敵を倒した場合でもスコアが加算される。
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自分のコンディション(=状態)は画面右に色で表示されている。さらに合成音声が自機の状況を常にアナウンスする。
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通常はグリーン、敵が画面内にいるとイエロー。
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そして敵の総攻撃時はレッド。この時は絶えず「コンディション・レッド」のアナウンスとともにすごい速度の敵が大量に出現する。自機が死ぬかステージをクリアしないとグリーンには戻らない。
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先述の偵察機を全機撃墜しても、一定時間を過ぎると強制的にコンディションはレッドになる。これは基地を残してザコで点稼ぎをする永久パターン防止のため。
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ナムコ作品では初となるコンティニューシステムが採用されている。
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基板のディップスイッチで難易度設定を「AUTO(自動変化)」にしてノーミスでステージをクリアすると、追加で「ノーミスボーナス」が得られる。
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ボーナスの内訳は「基準点×そのステージの基地数」。基準点は100点で始まりノーミスでステージをクリアする毎に基準点が100点ずつ増えていく(最大1000点まで上昇)。
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255面をクリアして256面へ進むと画面のスクロールがまともな操作ができなくなるほど高速化し、ゲームの続行が極めて困難になる。
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旧バージョンは基板によってはプログラムの暴走によりリセットがかかるものもある模様。
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バージョンが二つあり、新バージョンでは「難易度の再調整」「マップ構成の変更」「ボタン押しっぱなしで自動で弾が出る」の違いがある。
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旧バージョンは中盤面からコンディション・イエローでもレッド並の物量の敵ミサイルが飛び交う高難易度であったが、新バージョンでは敵ミサイルの物量を中心に再調整が入り、遊びやすくなっている。
評価点
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全方向スクロールながらわかりやすいルール。
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新バージョンであれば初心者でもある程度はサクサク進める難易度。さらにゲームオーバーになってもコンティニュー可能。
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基地の倒し方や偵察機を逃すと難易度上昇など、後の『ゼビウス』に通じる要素。
問題点
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地味。
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BGMは合成音声のためか、スタート時を除いて無音。
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背景はひたすら宇宙空間。『ラリーX』のようなステージによって背景の色が変わるといった変化もない。
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ゲーム攻略において合成音声はほぼ無意味。
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合成音声はあくまで演出にすぎず、状況は画面を見ればわかることなので実際にプレイに役立つようなものではない。
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一応、偵察機出現ボイス(「スパイシップ・サイテッド」)は偵察機がレーダーに映らないため、乱戦状況下で偵察機の出現を知る上で役に立つ。
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当時の技術的問題もあって合成音声は何を言っているか不明瞭。知っていればたしかにそう聞こえるのだが。
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自機は8方向しか向けないので、画面端をチョロチョロしたあと逃げていく偵察機を倒すのは難しい。
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1機目はまだしも2、3機目辺りから逃がすと即座に「コンディション・レッド!」へ移行するリスクが付きまとう。
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ただし旧バージョンでは後半面になるとコンディション・イエロー時の難易度がレッドを上回ってしまうため、あえて偵察機を逃してレッドへ移行させ、敵の攻撃を少しでも緩めさせる戦術がセオリーとされている。
総評
当時のナムコアーケードゲームはヒット作を飛ばしていたが、その中においてはどちらかというと平凡な作品。
しかし、ゲーム性そのものの後継作はないものの、その世界観は続編『ブラストオフ』『ファイナルブラスター』を経た後に後継作『スターラスター』に受け継がれ、さらにそこから『UGSFシリーズ』へ発展していく一大クロスオーバーの流れの礎になった。
余談
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他の多くのナムコゲーの例に漏れず、MSX等のパソコンソフトにおいて様々な機種で移植されている。
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X68000版では、永田英哉と古代祐三によるBGMが挿入されており、雰囲気が全くの別物に変貌している。
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ファミコンに移植がされていないのは、分割スクロールによるレーダー表示を再現できなかったため。
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詳細は同じシステムを採用した『ラリーX』の余談を参照のこと。
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宮部みゆき氏の小説『ここはボツコニアン』の名前の元ネタは言うまでもなく本作である。
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氏は重度のゲーマーとしても知られており、同作は古今東西のゲームネタをひたすらパロったカオスな内容となっている。
が、タイトルにもなっている割にボスコニアンネタはほぼない
最終更新:2024年10月14日 06:24