熱血魔法物語
【ねっけつまほうものがたり】
| ジャンル | 熱血2Dアクション |  | 
| 対応機種 | ニンテンドー3DS | 
| メディア | ダウンロード専売ソフト | 
| 発売元 | アークシステムワークス | 
| 発売日 | 2014年4月30日 | 
| 定価 | 994円 | 
| 判定 | なし | 
| くにおくんシリーズ | 
 
ストーリー
虹色に輝くクリスタルタワーが深い黒雲に覆われ、光を失って数年がたった。
混乱が続いている中、“救世主が現れる”という伝説が突如として各地に広がり始めた。
混乱の波がようやく押しよせ始めた辺境の村に、1人の剣士がふらりと現れた。
彼の名は『クーニー・ヴァルフォード』。
概要
シリーズ初の、剣と魔法のファンタジー世界が舞台。
今までの作品と違い主人公のクーニー(くにお)は喋らない『ドラクエ』型の主人公になっている。
キャラはダウンタウンシリーズからの出演で、本作もダウンタウンシリーズに含まれる模様。
キャラ名も時代劇と同様、世界観に合わせる形で微妙に変更されている。
システム
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武器に剣と杖が追加。
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剣は「聖剣」「魔剣」と呼ばれる分類のものがありシナリオ分岐にも関わってくる。
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今までの技に加えて新たに「魔法」とMPが登場。
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魔法は杖に付属していて、武器ごとに異なる魔法が使用できる。
 
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お気に入り
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予め手持ちの武器or回復アイテムを7つまでセット(+素手)でき、戦闘中にワンボタンでそれを手持ち武器として装備できる。お気に入りのスペースを開けておくことにより、戦闘中に拾った武器をストックする事も可能。
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ただし戦闘中にはアイテム欄の変更ができないので、こと回復アイテムは予め用意しておく必要がある。
 
 
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指輪、巻物、護符
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いわゆる装飾品枠。シリーズ恒例の必殺技も、巻物扱いとして装備しておく必要がある。
 
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ジュエル
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鎧にセットする事でステータスが上昇する。イベントに関わるジュエルも存在する。
 
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敵に人間以外の種族が登場する。「スライム」や「ゴースト」「ドラゴン」など。
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このため武器にも、種族特攻の性質を持つ物が登場した。
 
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仲間
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操作可能キャラとNPCの2種類が存在し、操作可能キャラは2人まで同行可能で、ワンボタンで戦闘中にリアルタイムで切り替えが可能。
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NPCは人数制限はなく、また戦闘不能になる事もない。
 
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操作可能な仲間キャラを外す事もできるが、外れた仲間は永久離脱してしまう。
 
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クエスト
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ストーリーの本筋のクエストと、任意で行えるサブクエストがある。一度に何種類も受けることが可能。
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また『乱闘協奏曲』とは異なりアルバイト施設のようなものはなく、話した人から直接頼まれる。
 
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レベル、経験値の概念はない。戦闘によって得られる報酬は現金と、落ちていたならアイテムが拾えることのみ。
評価点
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剣と魔法を主力に戦うように調整されており、格闘メインだった今までのシリーズとは一味違った感覚を楽しめる。
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シリーズには珍しいストーリー分岐。
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特定の仲間キャラを連れているかどうかや、装備によってもストーリーがある程度分岐する。ただしマルチエンドではない。
 
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お気に入り
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任意にアイテムを持ち込める事、それ自体がこれまでにも待望されていた機能。
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武器を持ち替える事で気軽に新たな別のアイテムを拾えたり、敵から奪った武器を自分のものとして落とさずに確保できるため、今後も導入して欲しいと好評。
 
問題点
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ランダムエンカウント
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逃走はできるものの、エンカウントそのものを回避したり確率を下げる手段は存在しない。
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ワールドマップ式の移動も併せて、いくら剣と魔法の世界といっても、くにおくんらしさに欠けると不評。
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クエストであちこち歩きまわることになる癖に移動が遅く、エンカウント率も高い。
 
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仲間と別れると永久離脱。
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上限である二人の仲間を連れていると、新たな仲間の加入フラグそのものが立たない。このためシナリオ中で強制加入するキャラのために、わざと今いる仲間を永久離脱させなければならない場面も存在する。
 
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街が無駄に広い。
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村や街ごとに3マップはあるのだが、入れる施設は5~6程度しかない。
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これまでのシリーズと違い、街中では特定のイベント以外で戦闘が発生することもないので、ただ移動だけに無駄に時間がかかる。
 
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お金。
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物価が非常に高いわりに、敵から得られるお金は1~2桁、ボス級でやっと3桁。ほとんど貯まらないため、クエストで稼がないと全く足りない。
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そのクエストも、売っているアイテムを欲しがる場合があるが、
必要数の合計金額が礼金より高い場合がある
。その場合、やるだけ損。
 
 
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敵味方、町人の当たり判定。
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敵は仕方がないにしても、味方や町人にまで当たり判定がある。このため他キャラに引っかかる事が多く、特に街は無駄に広い事もあってわずらわしい。
 
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レベルの概念がない。
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そのため戦闘にクエストの目標や金稼ぎ以上の意味を見出しにくく、楽しみが少ない。
 
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アイテムロスト。
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お気に入りにセットしておいたアイテムでも、戦闘中に手放して、そのまま戦闘が終わってしまうとロストする。
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戦闘が終わってもマップを切り替えるまで何も変化がなかった今までのシリーズと違い、ランダムエンカウントでは戦闘終了時に切り替わってしまうため、非常にロストし易くなってしまっている。
 
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一品物の武器も存在するのだが、基本的には無くすと二度と取り返しがつかない。
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シナリオ進行に必要なアイテムだけは再獲得が可能。アイテムロストにより進行そのものが詰む心配はない。
 
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町中に転がっている壺や箱。
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たいてい拾うことはできるが、お気に入りにも入れられないし、次のエリアに移動すると消えてしまうので持ち出せない。敵が出ないので戦いにも使えない。
 
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シリーズの準主人公で2Pキャラのりきもといリッキーだが、今作では何故か悪役であり…
    
    
        | + | ネタバレ注意 | 
そのためクーニーと最初出会った時には敵対しており、彼を殺害するかどうかの選択肢すら存在する。殺害する方を選べばそのまま物語から退場する。生存すれば味方NPCとして同行するが、ラスボス戦でクーニーを裏切る。
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数々の消化不良要素。
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上記のリッキーの事など、語られないまま終わる要素が多い。そもそも主人公クーニーの事ですら本編中で謎ばかり残している。
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シナリオで何度も出てくる「西の大陸」なる場所には、一度も行かないまま終わる。
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あからさまなまでの打ち切り展開であり、次回作に続けるための布石か、さもなくば作りかけのまま投げ出されたとしか思えない。
 
総評
魔法の導入など新しい要素はあるものの、やはりいつものくにおくん。
だがランダムエンカウントやレベルの概念がない事などストレス要素も目立つことから、名作というにはいま一つ足りない。
そして何よりも露骨に次回作を意識して消化不良に終わるシナリオのため、オススメしていいかやや疑問も残る。
最終更新:2022年03月29日 00:48