本記事では『ピクロスS』シリーズ各タイトル(2023年4月27日現在9作)および『けものフレンズピクロス』『PICROSS LORD OF THE NAZARICK』『ピクロスS MEGA DRIVE & MARK III edition』を紹介しています。判定はすべて「なし」です。
ピクロスSシリーズ
【ぴくろすえすしりーず】
ジャンル
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パズル
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対応機種
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Nintendo Switch
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メディア
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ダウンロード専売
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発売・開発元
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ジュピター
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配信開始日
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S:2017年9月28日
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S2:2018年8月2日
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S3:2019年4月25日
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S4:2020年4月23日
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S5:2020年11月26日
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S6:2021年4月22日
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S7:2021年12月23日
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S8:2022年9月29日
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S9:2023年4月27日
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定価
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S:800円 S2:900円 S3以降:1,000円(すべて税込)
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プレイ人数
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S7まで:1~2人 S8以降:1~4人
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レーティング
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S4まで:CERO:A(全年齢対象) S5以降:IARC 3+
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判定
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なし
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ポイント
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Nintendo Switch初のピクロス 全体的に初心者向けの難易度 オプション面は強化された 問題数や価格は3DS未満 活かしきれていない画面サイズ S2ではクリップピクロス登場 S3ではカラーピクロス登場 S4では問題サイズ限界突破
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ピクロスシリーズ
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概要
『ピクロスeシリーズ』のシステムを踏襲し、ニンテンドースイッチ向けにアレンジしたピクロス。
テレビに繋いで遊べるピクロスとしては『ピクロスNP Vol.8』(SFC)以来、約17年ぶりとなる。
主なルール
『ピクロスeシリーズ』から受け継がれた点
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ヒントルーレットとアシスト機能が制限されるノーアシスト問題、ノーアシストでクリアすると表示されるメダル、仮置きのマーキング機能などは受け継がれた。
『ピクロスeシリーズ』との相違点
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コントローラをおすそ分けすることで2人同時プレイができるようになった。システムは『マリオのスーパーピクロス』に近く、問題クリア時に各プレイヤーが何マス塗れたかが表示される。
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『ピクロスNPシリーズ』のように対戦がメインのモードがあるわけではないが、同じ画面で2人同時プレイができるのはこちらも『ピクロスNP Vol.8』以来約17年ぶりである。
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従来におけるノーマルルール・フリールールが任意で変更可能になり、「塗り間違いの自動修正のオン・オフ」表記になった。
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また、制限時間ノルマや塗り間違いによる時間加算のペナルティが廃止されている。
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「今の盤面の状態と完成図を比較して、塗り間違い・バツのつけ間違いをしている全てのマスの位置を教えてくれる」機能が追加された。ただし、1回のプレイにつき一度だけしか使えない。また、この機能を使っている間はタイマーが停止する。
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オプション機能が強化されている。
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ナビゲーション機能に「使わない」「確定できるマスがある列を強調する」の他に「矛盾しているマスがある列を強調する」の項目が追加された。
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デフォルト設定は青く表示されるのに対し、矛盾した列を表示する設定の場合は赤いナビゲーションとして表示される。
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カーソルの挙動が細かく設定できるようになった。
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移動速度は5段階から、カーソルが画面端に来たときの動きは「一旦止まる」「常にループする」「ループしない」の3種類から選べるようになった。
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BGMが3種類の中から選べるようになった。
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また、BGMと効果音の音量が調節できるようになった。
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残念ながら「ミクロス」はオミットされてしまった。ただしS2以降は新モードとして「クリップピクロス」が搭載されている (後述)。
『S2』/『S3』での新要素
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S2では「クリップピクロス」が登場。
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ピクロスeシリーズに搭載されていた「ミクロス」は「まず問題の大まかな形を解いた後、その各マスの問題を個別に解く」というものだったのに対し、こちらは1つの巨大なイラストの中から切り出した問題の集合体である。
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ミクロスではイラスト全体を均等に全て問題にする関係上しばしば極端に難易度の低い問題が存在したのに対し、クリップピクロスではイラストの中で問題にしやすい部分だけを切り出しているのでこれが起こりづらい利点がある。
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問題のサイズは「一辺のマスの数が5の倍数」「20×15を超えない」以外の基準はなく、「20×5」「5×15」のような極端なサイズの問題も存在する。
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S3では3~4色(+空白マス)の色つき問題を解く「カラーピクロス」が登場。
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カラーピクロスでは、色の異なるヒント数字が並んでいる場合それに対応するマスが空白をはさまず隣接することがある。
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操作設定も他のモードとは別に存在しており、色の切り替え方法の異なる4つから選択する。
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シンプル - 色変更ボタンで色を選ぶ、通常のピクロスにおける操作に+αした操作。
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チョイス - 色変更ボタンを押しながら方向操作で色を選択する。
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スライド - 色選択をL/R(Joy-Conを一方だけ使う場合はSL/SR)で行う。
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ダイレクト - 塗るボタンが色ごとに用意されるが、マークやカウント機能が使えなくなる弊害もある。
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ヒント表示も独自のものになっており、「色で塗れるマスがある」「空白で確定するマスがある」のどちらかを表示する形となっている。
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通常のヒント情報では一切わからなくなった場合、色のついた吹き出しのような表示が出現する。
これは色ごとに絞り込んだ際に確定する情報があることを表し、こちらも空白マスのみ確定というパターンもある。
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余談だが、クリアしたカラーピクロス問題は以後プレビューではアニメーションするようになっている。
『S4』での新要素
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2人同時プレイ時の塗りマス区別マーカーが「塗り」以外に「マーク」でも表示できるようになった。
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エクストラ枠で30×30や40×30の問題が登場。40×30は『S』『S2』『S3』のプレー履歴があることで開放される(各作品1問ずつ)。
『S5』での新要素
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モードごとに全問題クリアとフルコンプリートの合計クリアタイムが集計される。
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カラーピクロスの回答中の色を見分けやすく設定可能に。
『S6』での新要素
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マスをカウントするグリッドを10マス単位で色を変え強調表示する措置を追加。
『S7』での新要素
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タッチスクリーンに対応
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タッチ&ホールドとタッチ&スイッチの2種類の操作が可能。
『S8』での新要素
『S9』での新要素
問題数内訳
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5作ともピクロスおよびメガピクロスは5×5が3問、10×10が57問、15×15が75問、20×15が15問の各150問。これがそれぞれのルールで遊べる。
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クリップピクロスは『S2』が計120問、『S3』以降は各150問。
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カラーピクロス(『S3』以降)はそれぞれ5×5が2問、10×10が13問、15×15が10問、20×15が5問の計30問。
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エクストラ枠(『S4』以降)はそれぞれ30×30が2問、40×30が3問。
評価点
チュートリアルがとても親切
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従来のピクロスシリーズでは、基本的なルールと「確定したマスを手がかりにする」程度の説明しかされなかったが、今作ではそれに加えて「確定マスが絞り込めるパターン」「簡単な背理法」などの少し高度なテクニックも教わることができる。
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特にメガピクロスは難易度の高さもあってか「メガ数字の処理の仕方」「普通のヒント数字に対応するマスから繋がる手がかり」「バツで狭まった通路の活用方法」などと、重要なロジックはほぼ完璧に網羅している。
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加えて自分の手で問題を解きながら教わるチュートリアルやアニメーションによる解説もあるので、初心者でも理解しやすく、さらにチュートリアルはいつでも見直せるので行き詰まったときのひらめきの種にもなる。
大画面のテレビで楽しめる
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『ピクロスDS』以降はハードの性質上手元サイズの画面でしか遊べなかったが、今作で久々に大画面のテレビで遊べるようになった。
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コントローラも無線式なので、自由な姿勢で遊べる。
「矛盾しているマスがある列を強調する」ナビゲーションオプション
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この赤ナビゲーションは「数え間違って1マス多く塗ってしまった」や「既に塗った数字を誤ってもう一度使ってしまった」といった単純なケアレスミスの多くを防いでくれる機能。
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一方で、プレイヤーの知らない正解を教えるヒントにはなっていないし、確定していないマスを誤って塗ったとしても、列内で矛盾が無い限りそれを知らせることもない。
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総じて、ノーヒントで解く邪魔をすることなく、ミスは防いでくれるという、いい塩梅のアシストになっている。
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ちなみに赤ナビゲーションを設定し、かつルーレットヒントを使用せずにスタートした場合は、矛盾した列が一度でも現れてしまわない限りはノーアシストとして認められる仕様になっている。
賛否両論点
カーソルが端を超えて反対側へ回り込む時の挙動が変更され、旧来の挙動には戻せない。
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ピクロスeシリーズでは、「塗り/×付け中は回り込まず、そうでない時は長押しでも引っ掛かり無く回り込む」。
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本作では、塗り/×付け中か否かにかかわらず、「常に回り込まない」「引っ掛かり無く回り込む」「長押しでは回り込まず、端で改めて方向キーを押して初めて回り込む」の選択式。
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選択肢ができたのは良いことであるし、塗り/×付け中でも回り込むのは列の途中から全体を塗り/×付けしようとした時など便利な場合も多い。
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しかし端の方を塗り/×付けしていてうっかり方向キーを多く押しすぎて反対側にはみ出して塗ってしまうなど新たな問題も発生する。
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せっかく選択肢を付けたのだから以前の挙動も選べるようにしてくれればよかったものを。
問題点
全体的な難易度の低下
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ピクロスシリーズはロジックパズルである以上、確定する場所を探して時には矛盾と格闘するのが醍醐味でもああった。そして従来のピクロスシリーズではずる賢いプレイができないように、塗り間違いのペナルティや時間制限を設ける(タイムオーバーすると絵がカラーにならずクリア失敗となるなどの制限をかけていた)。しかし今シリーズではそれらの制限がなく、それに加えて充実したオプションのおかげで最悪ほぼコンピュータ任せで解けてしまう。
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それでもノーアシスト問題が壁となるのだが、こちらも抜け道があり、前述の「間違った塗りやバツをつけている場所を全て教えてくれる機能」が許されていることとスクリーンショットを撮る機能を悪用すれば簡単にカンニングができてしまう。
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しかしそれらを実行するとノーアシストクリアとしての記録にはならず、メダルが安っぽい物になったりするので、完全にゲームバランスが崩れたわけではない。豪華なメダルや難問を解いた時の達成感を求めるならばプレイヤーのスキルアップが必要となる。
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……と思いきや、中断データから再開してもその時点では中断データが削除されない仕様のため、「一度中断してその中断データから再開し、ミスチェック機能を使って確認した後ギブアップした上で再度中断データから再開することで、ミスチェック機能を使ったことをなかったことにしてしまう」という抜け道が存在してしまっている。
ヒント数字の自動チェック機能をオフにすることができなくなった
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自動チェックは場合によりマスが確定するかのヒントになることがある。これにより本作では上述のノーアシスト問題ですら完全なノーヒントで解くことができなくなっている。
問題数のボリューム
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初代では「ピクロス」「メガピクロス」の2つのモードしかなく、普通のピクロス150問とそれを流用してヒントを複雑にしたメガピクロス150問の合計300問となっている。
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それでいて価格は800円と、『ピクロスeシリーズ』と比べたら価格も問題数も劣っている。
問題のサイズが最大20×15まで
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せっかくNew3DSLLの上画面より大きい画面と高い解像度を手に入れたのに、問題のサイズは従来通りともったいない。
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縦は携帯モードのことを考えると厳しいかもしれないが、横はかなり余白があるので25~30マスぐらいまではいけたのではなかろうか。
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『S4』以降エクストラ枠で30×30や40×30が登場したがオマケの域である。
タッチ操作のオミット(『S6』まで)
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Switch本体はタッチスクリーンを搭載しているが、タッチで操作することはできない。タッチペンに頼っていた人にとっては厳しい。
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ただし、タッチペンで操作していた『ピクロスeシリーズ』と異なり指によるタッチ操作になるため、搭載されていたとしてストレスなくプレイできる精度が得られていたか疑問はある。
『S2』以降の問題点
クリップピクロス関連
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クリップピクロスの問題追加はピクロスを一定数解くごとに行われるが、5つあるうち後ろ2つはその他に最初3つをコンプリートするのも開放条件となっているため面倒といえば面倒。
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また、最初の問題でもサイズの大きなものが含まれている。そういったことから、メインのピクロスをある程度解いていることが前提の流れとなっているようである。
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なおクリップピクロスの個々の問題にメガピクロスはないため、メガピクロスについては考慮しなくてよい。
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クリップピクロスは「巨大なイラストからの切り出しの集合」という形であるため、見方によっては問題数の水増しと取れなくもない。
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上述したように、ミクロスが「完成形の概形+各マスの詳細」という構造だったのに対してこちらは完成形の中から切り出したものとなっているため。
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完成形の中から切り出したものという関係上、全問解いた時にどの問題にもかからなかった部分が勝手に補完されるという気持ち悪さもある。
『S4』以降の問題点
エクストラ問題の見づらさ
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エキストラ問題は前述のとおり最大40×30の問題を解けるのだが、ただでさえカツカツだった縦のサイズとヒント数字を拡張した結果、ヒント数字とマス目がかなり小さくなっており、特に携帯モードで遊ぶとかなり目に悪い。
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一応ピクロス2のように現在のカーソルと交わるヒント数字の列が拡大されるものの、気休め程度であるうえ、そもそもカーソル自体盤面に溶け込んでいて見えにくいという問題点も抱えている。
総評
「ミクロス」削除による問題数の減少や、画面サイズを活かしきれていないなどの粗は目立つものの、問題の質としては従来通り、チュートリアルはそれ以上となっており、気楽に解きたい人やピクロス初心者に向いていると言えるだろう。
惜しむらくは、3DSの『ピクロスeシリーズ』の方が価格や問題数、持ち運びやすさなどの面で大きく勝っているところか。
シリーズを重ねるごとにクリップピクロスやカラーピクロスといった形でボリュームアップを図ってはいるものの、『S3』までは作品を負うごとに若干値上がりしていた。
『S4』では据え置かれたものの『S3』までの各作品のプレー特典が用意されているため、そこまで考慮すると結果的に割高感を感じてしまうかもしれない。
『PICROSS LORD OF THE NAZARICK』『S4』『S5』は体験版が配信されているため、これらの体験版を本シリーズの体験版としてプレーしてみるのもありだろう。
余談
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『S2』に限り一時更新データでタイトルが『ピクロス S2』と空白が入ってタイトル順ソートがおかしくなる(S2→S→S3→S4となる)問題があったが修正済。
けものフレンズピクロス
【けものふれんずぴくろす】
ジャンル
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パズル
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対応機種
|
Nintendo Switch
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メディア
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ダウンロード専売ソフト
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発売・開発元
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ジュピター
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配信開始日
|
2018年10月4日
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定価
|
1,000円(税抜)
|
プレイ人数
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1~2人
|
レーティング
|
CERO:A(全年齢対象)
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判定
|
なし
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ポイント
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問題が(ほぼ)フレンズの顔
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ピクロスシリーズ
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概要(けもフレ)
ピクロスSの『けものフレンズプロジェクト』とのコラボバージョン。
2か月前に発売された『S2』をベースにしており、そちらの新要素である「クリップピクロス」も搭載している。
問題数はピクロスおよびメガピクロスが各150問、その他にクリップピクロスが5つ合計110問の計410問。
評価点(けもフレ)
忠実に作られた課題
-
ほとんどの問題は野生動物を美少女化した「フレンズ」の顔が課題となっているが、その忠実さは評価に値する。
-
クリア後やギャラリーではイラストと並べて表示されるが、比べて見るときちんと再現されているのがわかる。
賛否両論点(けもフレ)
難易度が低い
-
コラボ作品のためか『ピクロスSシリーズ』と比較しても更に難易度が全体的に抑えめであり手応えは薄い。
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逆に言えば、敷居は低いためシリーズを未プレイでも気軽にプレイできる。
問題のほとんどがフレンズの顔
-
ピクロスおよびメガピクロスの課題のうち9割以上はフレンズの顔である。
そのため「問題がフレンズの顔ばかりで飽きる」ということはありうる。
-
もっとも、大元は野生動物の美少女化というキャラクターコンテンツなのでその意味では間違ってはいない。
-
その他の課題としては風景や小道具、ラッキービーストなど。
-
余談だが、翌年リリースされた『PICROSS LORD OF THE NAZARICK』ではキャラクターが課題となっている問題の比率は本作よりやや少なめである。
問題点(けもフレ)
ノーアシスト問題やノーアシストクリアメダルがない
-
本作では元の『ピクロスSシリーズ』にあるノーアシスト問題や、アシスト機能を使わずにクリアしても優先して記録されるなどの仕様がない。そのため、ノーアシストでプレーするのは趣味の領域となっている。
-
これが難易度にどのような影響をもたらすかはピクロスS側の記述として上述しているので参照されたし。
一部課題にはギャラリー用のイラストが用意されていない
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セルリアンはともかく、じゃぱりまんやカフェの看板は作中のイラストがあってもよかったのではないだろうか。
総評(けもフレ)
グッズアイテムとして非常にシンプルではあるが、難易度も抑えめで気軽にプレイできる。
既存のピクロスプレイヤーには難易度面などで物足りない面もあるが、けものフレンズのファンならは十分楽しめるだろう。
余談(けもフレ)
-
タイトル画面のBGM「ハッピービスケット」はタイトル画面→メインメニューへの移動時はシームレスにボーカルなしバージョンに移行するが、逆は曲の先頭に戻る。
PICROSS LORD OF THE NAZARICK
【ぴくろす ろーど おぶ ざ なざりっく】
ジャンル
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パズル
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対応機種
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Nintendo Switch
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メディア
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ダウンロード専売ソフト
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発売・開発元
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ジュピター
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配信開始日
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2019年7月25日
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定価
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1,000円(税抜)
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プレイ人数
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1~2人
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レーティング
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CERO:B(12才以上対象)
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判定
|
なし
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ポイント
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『オーバーロード』初心者でも理解できる回想ストーリー
|
ピクロスシリーズ
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概要(NAZARICK)
これまでの「復習」を行おうか……
(PV冒頭より)
「ピクロス」と「オーバーロード」のコラボが実現!
登場人物たちと共にピクロスの問題を解いてオーバーロードの物語を追体験しよう。
時は魔導国建国直後、ナザリック地下大墳墓にて、アインズと臣下たちが、これまでのアインズ・ウール・ゴウンの偉業を振り返る。
彼らの物語にまつわる人物やキーアイテムの記憶を、ピクロスを解いて呼び起こそう。
(My Nintendo Storeより)
ピクロスSの『オーバーロード』コラボバージョン。
時間軸としてはアインズ・ウール・ゴウンが魔導国を建国し、帝国と組んでのリ・エスティーゼ王国との戦争の結果、王国国境近辺の城塞都市「エ・ランテル」の割譲を受けた直後となっている。
また、シリーズでは唯一、『仲間たちとこれまでのことを振り返る』というストーリーが付いている。
システムは『S3』をベースにしており新ルールの「カラーピクロス」も搭載しているが、ストーリーデモの存在やメニュー周りの独自仕様がある。
問題数は総計519問(ピクロスおよびメガピクロスが1キャラあたり各9問、カラーピクロスが1キャラあたり3問、クリップピクロスの問題数はキャラごとに異なり9キャラ合計330問)。
+
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問題数内訳詳細
|
問題数内訳詳細
ピクロスおよびカラーピクロスの子項目は横幅、縦は20以外は横幅と同じ(横20は20×15)。
キャラ
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ピクロス メガピクロス
|
カラーピクロス
|
クリップピクロス
|
5
|
10
|
15
|
20
|
5
|
10
|
15
|
20
|
アインズ
|
3
|
3
|
2
|
1
|
2
|
1
|
-
|
-
|
25
|
ナーベラル
|
-
|
4
|
3
|
2
|
-
|
3
|
-
|
-
|
25
|
シャルティア
|
-
|
3
|
3
|
3
|
-
|
2
|
1
|
-
|
25
|
コキュートス
|
-
|
3
|
3
|
3
|
-
|
2
|
1
|
-
|
40
|
セバス
|
-
|
3
|
3
|
3
|
-
|
2
|
1
|
-
|
40
|
デミウルゴス
|
-
|
3
|
3
|
3
|
-
|
2
|
1
|
-
|
40
|
ルプスレギナ
|
-
|
2
|
4
|
3
|
-
|
1
|
2
|
-
|
40
|
アウラ&マーレ
|
-
|
2
|
4
|
3
|
-
|
1
|
1
|
1
|
45
|
アルベド
|
-
|
2
|
4
|
3
|
-
|
1
|
1
|
1
|
50
|
|
評価点(NAZARICK)
『オーバーロード』初心者でも理解できる回想シーン
-
ジャンルを複合しない純粋なデジタルピクロスゲームとしては珍しい試み。原作のあらすじを理解するには十分。
賛否両論点(NAZARICK)
カテゴリがサイズごとではなくキャラ(エピソード)ごと
-
本作では回想したいエピソードをともに確認しあうキャラの選択という形で選択し、そのキャラに属するピクロスを解くことでストーリーが進む。
そのため、最初のカテゴリとなるアインズのものですら20×15の問題が存在するという点には、難易度的な意味で賛否が分かれるところ。
-
一応、アインズから左回りで順次平均難度が上がっていく傾向はある。
-
一方、ルールの切り替えやギャラリーへの移動はL/R、同じ問題に対するピクロスとメガピクロスの切り替えはXボタン1つで可能となっている点は、他のピクロスSシリーズ以上に操作面でスムーズになっている。
問題点(NAZARICK)
ノーアシスト問題やノーアシストクリアメダルがない
-
これについては先行コラボ作品である『けものフレンズピクロス』と同様。
ギャラリーの追加シーン解放条件が列単位
-
ギャラリーでは問題となった12個の他にアニメ作中と思われるシーンも1キャラにつき4つ収録されているが、その解放条件がピクロスについては「同じ列の3問をクリア」となっている。
このため、普通に番号順で進めていると3つクリアごとではなく7~9問クリアで1つずつという流れになり、途中での達成感を感じづらいかもしれない。
総評(NAZARICK)
『オーバーロード』初心者向け作品としての存在感がある。
また、本作は体験版が配信されているため、そちらを『ピクロスS』シリーズ全体の体験版としてプレーしてみるのもあり。
余談(NAZARICK)
-
ピクロスシリーズでは珍しくCEROレーティングがB(12才以上対象)。
コンテンツデスクリプターが恋愛とセクシャルなのだが、アルベドの姿や胸の谷間が描かれたイラストからセクシャルは一定の説得力があるものの、恋愛については(キスシーンのイラストが該当した可能性があるが)根拠は不明。CEROにはよくあることである
-
ちなみに、ESRBではT(13才以上)だが、コンテンツデスクリプターはLanguage, Violent Referencesと、性表現とは全く関係がない。
ピクロスS MEGA DRIVE & MARKIII edition
【ぴくろすえす めがどらいぶ あんど まーくすりー えでぃしょん】
ジャンル
|
パズル
|
|
対応機種
|
Nintendo Switch
|
メディア
|
ダウンロード専売ソフト
|
発売・開発元
|
ジュピター
|
配信開始日
|
2021年8月5日
|
定価
|
1,000円(税抜)
|
プレイ人数
|
1~2人
|
レーティング
|
IARC:3+(3才以上対象)
|
判定
|
なし
|
ポイント
|
セガ往年のゲームのキャラクターが登場
|
ピクロスシリーズ
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セガ クロスオーバー関連作品シリーズ
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概要(MD&MK III)
ピクロスSとセガ往年の名機であるメガドライブとセガ・マークIIIとのコラボバージョン。
システムは『S6』がベース。メニューなどに独自要素が存在した上述のコラボ2作と比べ、こちらはメニューやチュートリアルなどは『S』シリーズと同様になっており、「『ピクロスS』の問題がセガになった」という趣が強い。
問題数は総計480問(ピクロスおよびメガピクロスが合計300問、カラーピクロスが30問、クリップピクロスは150問)。
評価点(MD&MK III)
とにかくセガ尽くしな内容
-
『アレックスキッド』『ファンタシースター』『ソニック』『ぷよぷよ』といった有名どころから、かなりのマイナー作まで、さまざまな作品からキャラクターやアイテムの問題が収録されており、問題のバラエティーが豊か。
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『ファンタジーゾーン』『スペースハリアー』をはじめ、ACからMK IIIやMDに移植された作品からの出題もある。
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クリップピクロスもセガの名作のタイトル画面を再現したものになっており、解きごたえがある。
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BGMもセガの名曲を採用。
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デフォルトではピクロスには『アウトラン』の「PASSING BREEZE」、メガピクロスには『ファンタジーゾーン』の「OPA-OPA!」、カラーピクロスには『スペースハリアー』の「THEME」、クリップピクロスには『アレックスキッドのミラクルワールド』のメインテーマが割り当てられているが、モードごとに好きなBGMに割り当てを変更可能。
-
なお『アレックスキッド』以外のBGMについてはAC版の音源が使われている。
ノーアシストクリアメダルとノーアシスト問題の復活
-
今までのコラボ作品ではピクロス未経験者への配慮から削除されていたノーアシストクリアメダルとノーアシスト問題が復活している。
賛否両論点(MD&MK III)
問題がややマニアック
-
上述の通りマイナーな作品からの出題も多く、「ソニックやぷよぷよくらいしか知らない」というライトなセガファンやピクロスファンだと「問題を解いても何のキャラクターか分からない」ということが起こりがち。一応キャラクター名と出典は問題完成時に表示されるのだが…
-
逆にコアなセガファンなら「こんな作品もあるのか!」と感心できるはず。
-
マイナーなキャラクターが多いのにもかかわらず、先発のコラボ2作品に存在したギャラリーや解説機能が存在しないのも残念。
問題点(MD&MK III)
一部問題で出典に誤りがある
総評(MD&MK III)
出典の解説がないのは残念だが、バラエティー豊かな問題やノーアシスト問題の復活などにより、セガマニアもピクロスファンも満足できる作品に仕上がっている。
本作も体験版が配信されているため、そちらを『ピクロスS』シリーズ全体の体験版としてプレーしてみるのもあり。
余談(MD&MK III)
-
実は意外と難産タイトル。
-
2020年6月に『S4』のCMと同時に発表された(参考)が、そこから長らくアナウンスがなかった。
-
その後、1年後の2021年7月にようやく配信日が発表された。
最終更新:2025年03月22日 12:36