Need for Speed: Most Wanted (2012)

【にーどふぉーすぴーど もすとうぉんてっど (2012)】

ジャンル レーシング
対応機種 Windows
プレイステーション3
プレイステーション・ヴィータ
Xbox360
Wii U
発売元 エレクトロニック・アーツ
開発元 Criterion Games
発売日 【PSV(ダウンロード版)/360】2012年11月15日
【WiiU】2013年03月20日
【PS3/PSV(パッケージ版)】2013年09月19日

定価 【PSV(ダウンロード版)】2,484円
【PS3/PSV(パッケージ版)】2,800円
【WiiU】6,300円
【360】7,300円
レーティング CERO:B(12才以上対象)
判定 なし
ポイント ストーリー一切なしというシリーズ屈指の自由度
慣れると楽しいがそこまでが長い
NFSファンには不評だがバーンアウトファンは絶賛
Need for Speedシリーズリンク

概要

  • 2012年06月04日のEAのE3にて発表されたオープンワールドレーシングゲーム。
  • Need for Speedシリーズの第19作目。
  • ゲームシステムはバーンアウトシリーズ とほぼ同じ。
    • 開発元のCriterion Gamesは本作の発表時に「Burnout paradiseの精神的続編」と明言している。
  • このゲームにはストーリーが一切ない。
  • 広大なマップと数多くある車種には評価が高い。

ゲームの流れ

10人のボスとのレース

  • 『Most Wanted レーサー』(略:MWレーサー)と呼ばれる10人のレーサーとの一対一のレースで勝ち、この街のトップに立つ、すなわち全MWレーサーに勝利することがエンディングを見る条件。
    • MWレーサーと対決するには、オープンワールド型のマップを自由に探索して様々なレースに挑戦し、スコアを獲得して順位を上げていく必要がある。
    • 『オーバードライビン』等を除けば日本で発売されたシリーズで珍しく、プレーヤーもボスレーサー達も誰一人として顔どころか姿も見せない。
  • マップにレース会場が表示されており、そこに向かい、スタート付近でアクセルとブレーキのボタンを同時長押しするとレースが始まる。
    • ちなみにレース開始までのロードを兼ねたムービーは、非常に演出や映像美に凝っており何度も見ていても飽きにくく、評価が高い。
  • レースに勝つと、そのレーサーは逃げていく。
    • それもそのはず、負かしたレーサーをテイクダウン(ゲーム中の呼称は『シャットダウン』)させるとその車種を手に入れることができるためだ。つまり相手からすれば車をプレーヤーに盗られるということ。
    • 例え逃がしても、しばらくするとプレイヤーの視界にさりげなく現れるので何度でもテイクダウンのチャンスを狙える。
  • MWレーサーの車はジャックスポット(後述)で手に入らないため、入手すれば攻略に有益でもある。

通常のレース

  • レースの始め方はMWレーサーと同様、マップ上にあるレース会場に行き、アクセルとブレーキのボタンを同時長押しでレースが始まる。
    • ここでもロードを兼ねたムービーが入る。やはりどれも個性的で美しく、プレーヤーの目を楽しませてくれる。
  • レースには、4~8人のNPCと戦う『スプリントレース』、コースを2~3周する『サーキットレース』、警察から逃げ切る『待ち伏せ』がある。
  • バーンアウトシリーズ同様、壁や木にぶつかるとクラッシュする。
    • 他のレーサーをテイクダウンすることも可能。NPCにテイクダウンされることもしばしば…。
      • テイクダウンの方法は「触れる」だけ。その効果は凄まじい。
      • 横からでも真後ろからでもとりあえず触れれば勝手に相手がバランスを崩してクラッシュする事が多い。…が、車の重さによってやりやすさが無茶苦茶違う。重い車だと少し触れただけでも相手をKOできるし、軽い車だと重い車に思いっきり体当たりしてもこちらが玉砕するのみ。
      • ちなみに正面衝突は両者ともテイクダウン扱い。
    • オンラインでもこんなノリな為、接近戦はとにかく危険と隣り合わせ。綺麗なレースをしたければ、相当気を遣うことになる。

Easy Drive システム

  • どんな時(マシン操作中)でも十字キーの右を押すとEasy Driveと呼ばれるメニューが表示される。
  • ここでモッド(車の性能改造パーツ)の変更やマルチへの参加、レース会場へのマップの目的地設定、車の変更などが出来る。
    • レース選択では、Easy・Normal・Hardの難易度が5つの各レースに表示されている。
    • 車の変更は、登録されたジャックスポットに瞬間移動出来るもので、瞬間移動後は既に対象の車に乗り換えられている。
      • なお瞬間移動とは言うがロードは挟む。
      • 警察の手配中は移動不可。しかしジャックスポットを目的地に設定し、その場で直接乗り換えることは可能。
      • 乗り換え時に「バンッ」というドアの閉める音がするが、ドアを動かしているモーションはない。

車種を増やす

  • 今作には収録された車種が42台ある。全て実在車。
    • うち、31台がジャックスポットから、10台がMWレーサーから入手可能。他にオンライン専用が1台ある。
      • 『ジャックスポット』とは、レースに使用できる車が置いてある場所のこと。しかしガレージなどにあるわけでなく、ほぼ全て野ざらし。BMWが野球グランドにあったり、F1のようなレーシングカーが山の中腹にあったりと、乗り捨てたとしてもおかしいような場所に置いてある。しかも車種ひとつにつき三台このスポットがあるので、41×3=123台ワールドのどこかに野ざらしで乗り捨てられている。
      • 一度近づき、「△(Y)(X)を押して乗り換え」と出るとジャックスポットの位置が登録され、ワールドのどこにいてもEasy Driveを使ってこのスポットへと瞬間移動して乗り換えられる。
  • 収録された車種は、一般のスポーツカーやSUVなどから、F1のようなレーシングカーまで、バリエーションが豊富である。

カスタム

  • 車のパーツはEasy Driveの「モッド」から変更可能。
    • モッドを変更すると車体がフワっと揺れるだけでその他に何もモーションやロードがないので、初見でモッドを変更して「本当に変更出来たか?」と戸惑う人もちらほら。
      • モッドの変更は瞬間なので、普段はトラックタイヤ(オンロード用)を装備し、レース中にEasy Driveを操作してレースでオフロードに入った瞬間にオフロードタイヤに履き替えることも出来てしまう。しかしEasy Drive操作中でもレースはポーズされないし、Easy Driveのメニューを開いておくのは時間制限があり、レース中にEasy Driveを操作するのはかなり難しい。
    • モッドは通常のレースで入手可能。ショップ等がなく、お金でモッドを入手することは出来ない。
      • モッドの入手はEasy Driveで表示されるレースの難易度によってレベルが変わる。
      • 入手したモッドはEasy Driveで表示される条件をクリアするとプロモッドへランクアップが可能。
    • パーツの種類はシリーズとしては比較的多め。ギア比の調整もあるため、単なる強化にとどまらず、自身のドライビングスタイルに合わせた改造もできる。
    • パーツの変更をしても外観は変わらない。
    • 装飾パーツはない。
  • カラーはガスステーションで変更可能。
    • マップの至るところにこのステーションがある。ステーションは門のようになっており、そこを通ることでランダムでカラーが瞬間的に変更出来る。
      • オンラインではEasy Driveでカラーを設定でき、勝手に変えられることはない。
    • 通るとカラー変更の他に、ボディーの傷が消え、パンクが直り、ナイトロゲージが満タンになる。レース中でも積極的に通ってナイトロを確保できるため、勝利の鍵となる。

Wii U版について

  • Wii U版最大の特徴として「コドライバーモード」というものがある。
    • GamePadを使ったサポート機能で一般車両を消したり昼夜を切り替えたり警察に追われている時限定だが警察車両の足止めをしたりすることができる。
  • 最初から「ブーストU」というモッドが搭載されており、全車両最初からブーストが使用可能となっている*1
  • ある場所にマリオシリーズでおなじみの土管が設置されている。土管の上に乗って左スティックの下を入力することで入ることができる。
  • その他グラフィックがPC版と同等になったりフレームレートの安定化など各種調整がなされている。

賛否両論点

  • ストーリーが無いので、ひたすらレースをすることに。やはり飽き性には最後までのプレイが難しい。
    • イベントの舞台や条件はなかなか刺激的なものが多いが、あとは走りや演出で楽しむ必要がある。
  • ドリフト特化の挙動だが、とにかく滑る。
    • リッジレーサーシリーズのように、シリーズでおそらく最も滑る。
    • スピンによる減速がかなり少ない。大きな建物の周りも回る際も、一回のスピンでカーブ可能。
    • ブレーキの効きもやや悪いため、良くも悪くも大味な運転は禁物。バーンアウトと同じ感覚で走れば大惨事間違いなし。
    • タイヤを変更しても滑りには全く変化がない。
      • 「オフロードタイヤ」はオフロードでもスピードが落ちなく、「トラックタイヤ」では舗装道路上でスピードが出るがオフロードではスピードが落ちる。といったように、タイヤは主にスピードにしか干渉しない。
  • 速い車もすぐに手に入る。
    • 今までのシリーズでは、最初は遅い車から始めてレースを勝ちあがって徐々に速い車に乗り換えて行く… というシステムだったが、今作は速い車種のジャックスポットを見つけてしまえばプレイ開始直後に速い車に乗り換え、運転することが出来る。プレイ5分で最高時速400kmの車にも乗れてしまう。
  • 敵車のスピード補正があまりにわざとらしい。
    • NFSは基本的に敵がプレイヤーの走りや車の性能に合わせてくれる。この作品も例外ではないため、それこそ難易度は上がるがSUVでMWレーサーを倒すことまで可能。
      • しかし前述のテイクダウンなどの要素により、レースにライバルとの距離に大差がつく状況も多い。そのため本作のライバルはテイクダウンされてもワープのような勢いで追い上げてくるなど、補正にしても不自然すぎる走りをよく見せる。
  • 車一台につきイベント五つだけが割り振られている。
    • どういうことかというと、車一台が挑戦できるイベントが合計で五つ。つまりさらなるイベントをこなすには、必ず多くの車に乗り換えなければならない。
    • 言い換えれば、遅い車にも速い車にも乗る機会が多く、そういう意味ではマンネリ化しないとは言えるだろう。

評価点

  • マップが広い。高速道路のICも立体的に複雑に絡み合っている場所もある。
    • シリーズの中でも道路以外に行ける場所の広さは最大であろう。
    • ダートや敷地、その他にもレース中にも使えるような道(なき道)が数多く存在し、慣れるほど速さと格好良さを両立した運転ができるようになっていく。
    • 街の中には一定以上のスピードで通過すると写真を撮られたり、ジャンプしてぶち破れる看板などのレース以外の探索要素もあり、マップを巡るだけでもなかなか楽しい。
  • 演出が好評。
    • まるで映画のワンシーンのような演出が出来る。ただ地下の高速道路へと飛び降りるというNFSでは日常的なシーンも、視点を変えれば映画のワンシーンに見えるだろう。
  • グラフィックが良い
    • オブジェクトの質感や遠景はリッチに描かれていて非常に綺麗。特に時間や気候の概念があるので日々移り変わる風景は飽きさせない。
  • サウンドも良い。
    • エンジン音は重みがあり、臨場感あふれる。トンネル内での残響音も綺麗。
    • ラジオの曲は有名な洋楽ロックが収録されていたり、なかなか曲だけでも楽しめる。サウンドトラックCDが発売されていない事が惜しい。
    • 警察に追跡されている時の警官のボイスも種類は少ないものの日本語音声ローカライズにより、これも臨場感を上げるのに一役かっている。
  • マップのナビゲーションシステムも優秀。
    • 案内のルートを誤ってもルートの対応が早い。
    • バーンアウト パラダイスではルート表示が無く頻繁に全体マップで目的地を確認する必要があったため、バーンアウトからして見ると正当に進化しているといえる。
    • ナビ上に自由に目的地をセットすることも出来るし、一度プレイ済みのレースイベントに再挑戦する場合はマップからファストトラベルも出来る。
  • すべてのレースで1位にならなくても進行できるシステムのため詰むということもない。このあたりのさじ加減がよく調整されている。前作のThe RUNとは対照的。
  • レースも車種により趣が全く異なる。
    • スポーツカータイプでは300㎞超えの超高速でのスリリングなスピード感が味わえる上、ドリフトカーでは曲がりくねったコーナの連続をドリフトを駆使しながら攻略する爽快感、SUVタイプではダートレースのようなオフロードをゴリゴリと走り抜ける迫力感…といったように別のゲームをプレイしているかのよう。それらをひとつの箱庭の中にシームレスに納めてしまったのには驚く。
  • 8台のプレイヤーが入り乱れるマルチプレイも良い。
    • ただストイックにレース一位を目指すだけでは無く、プレイ中の様々な行動によってポイントが得られるため「上級プレイヤーが圧倒的で勝負にならない」という状況になりづらい。
    • 「チャレンジ」というモードではジャンプの距離を競うものや建物の屋上など特殊な場所に集合するものなど箱庭をうまく活かした条件が豊富に用意されている。チャレンジによって「こんなロケーションあったんだ」とオフラインでは気づかなかった場所を知ることが出来る。
  • PSVita版もあるのだが、携帯機とは思えない程のグラフィック。ロード時間も携帯機としては非常に早い。ネットではロード時間の長さが評価を落としているようだが、あくまで携帯機として見るとこのクオリティでは屈指の早さ。
    • また、据置機版とPSVita版では主な変更点は無い。あると言えば雨が無いのと操作とグラフィックぐらいである。モーションや演出がほとんど削られていないのは開発スタッフの意地だったであろう。

問題点

  • とにかくロード時間が長い。
    • ゲーム開始のロードが、環境にもよるが約45秒。それが据置機でも携帯機でもPCでもほとんど同じ。
      • 先程も言ったように、PSVitaやスマホでこのクオリティのゲームを45秒のロードでプレイし始められることは評価すべき点。
      • しかしPS3/Xbox360/WiiU/Windowsでこのロード時間は長すぎである。
  • フリーズが多い。
    • おそらく、ポリスの音声ファイルや音楽ファイルへの読み込み・同時再生オン/オフとLR切り替え処理が、処理落ちを招いてると考えられる(GOD EATER 2も同様)。
    • PSVitaのソフトの中では一二を争う程のフリーズ数で、警察の手配度が最大になるとほぼ間違いなくフリーズする。
    • しかしこれは警察の増援や相手レーサーの多さが主な原因である。なので普通にドライビングしていたり、普通にレースをしている限りほとんどフリーズはしない。
  • 見えない壁がある。
    • 高速道路のガードレールにはほとんどの場所で見えない何かしらの突起物があり、車はそこに当たると壮大に「バーン」と音がしてそれなりに減速する。それなりに。
    • 地面にもある。上を通過すると車の軌道が大きく変わったり、上に大きく跳ねたりする。マップで現在確認されているところで3カ所ある。
  • 一般車両がバカ。
    • 公道では一般車が走っているが、目の前に何かがあっても止まらない。なので目の前にプレイヤー自身の運転している車や、クラッシュさせた残骸等があっても平気で突っ込む。
    • 警察も同じなので、路肩で車を止めてEasy Driveを操作している時に後ろからパトカーが来たら勝手に向こうからぶつかってくる。しかしこちら側が手配される。理不尽。
  • シフトチェンジが出来ない。レースゲームとしては珍しく、オートマチック固定なのでギアを変えることがプレイヤーの意思で出来ない。設定からでも変更は不可。オートで困るような挙動でもないが、違和感を感じる人はいるだろう。
  • 車両の外見カスタマイズ機能が貧弱。前述のようにランダムでカラー変更(マルチプレイではカラー選択できる)の他はナンバープレートのデザイン設定のみである。

総評

シリーズ最新作の発売のたびに新たな要素を追加するNFSシリーズ。しかし本作では大胆に様相を一変させたが故にファンからは不評であったものの、一方でバーンアウトのファンには好評である。「NFSの新作」と見るより「バーンアウトシリーズの精神的続編」と考えた方が良い。
レースゲームとしても斬新で画期的な要素は多いが、今までのNFSを踏まえてのプレイはオススメ出来ない。しかしながらグラフィック等には制作陣の熱意が伝わってくる。「慣れ」があり、「飽き」がない人にはレースゲームの異端児として最もオススメしたい一作である。


余談

  • 本作ではセールが頻繁にある。
    • PSNでは年に3回程500円セールをしている。
    • Win版はEAの運営するゲームストア「Origin」で、数ヶ月程無料配布キャンペーンを実施していた(DLCは未収録・現在は終了)。これ目的でOriginをインストールする人もいたようだ。
    • しかしそれでも中古市場では、どのプラットフォームでも3,000円以上の高値で取引されており、やはり本作の人気が感じられる。
  • タイトルに『(2012)』の記述があるのは、本作が2005年に発売されたシリーズ9作目と同タイトルの「リブート作品」とされているため*2
    • ちなみにCriterionは2010年にもシリーズ3作目の『Need For Speed III:HotPursuit』と、その続編でシリーズ6作目の『Need For Speed:HotPursuit2』のリメイクに当たる、シリーズ16作目『Need for Speed: Hot Pursuit(2010)』を手がけている。
  • DLCパックの一つに空港エリアを追加したものがあるが、離陸する飛行機に負けじと大ジャンプをしたり、空港建物のロビー内や屋根の上でレースをしたりするというハチャメチャな内容であり、ますます「バーンアウト」的要素が強くなった。