スーパーマリオブラザーズデラックス
【すーぱーまりおぶらざーずでらっくす】
| 対応機種 | ゲームボーイカラー(専用) |  | 
| 発売元 | 任天堂 | 
| 開発元 | 任天堂 エスアールディー
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| 発売日 | 2000年3月1日 | 
| 定価 | 1,050円(税5%込) | 
| プレイ人数 | 1~2人 | 
| セーブデータ | 3個(バッテリーバックアップ) | 
| 周辺機器 | 通信ケーブル,ポケットプリンタ対応 | 
| 備考 | 国内ではニンテンドウパワー書き換え専売 | 
| 配信 | バーチャルコンソール 【3DS】2013年12月10日/無料
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| 判定 | 良作 | 
| 劣化ゲー | 
| ポイント | ハードの都合上画面が狭くなった 独自のやり込み要素やおまけの追加は高評価
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| マリオシリーズ・関連作品リンク | 
 
概要
『スーパーマリオブラザーズ』をゲームボーイカラーへと移植した作品。原作の全コースが収録されている他、追加要素もある。
携帯機への初の移植作品となる。
ゲーム内容
基本的なゲーム性はオリジナル版そのままだが、以下の追加要素が存在する。
追加要素
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セーブ機能が追加された。
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『スーパーマリオコレクション』版とは異なりワールドではなくコース単位で可能で、セーブ及びクリア済みのコースを自由選択可能。クリア後に遊べる、いわゆる「裏面」も表面と同様に選択可能となる。
 
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攻略前の画面でマリオとルイージの切り替えが可能。
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ただし初代準拠の移植のため性能差はなく、好みで選べるようになっている。
 
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残機が2桁以上になっても数字のみで表記されるようになり、127でカウンターストップするようになった。残機数も記録される。
ゲームモード
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『ORIGINAL1985』
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ファミコン版を再現したモード。
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基本的にファミコン版と同内容であるが、細かい変更点が多い。
 
 
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『CHALLENGE』モード
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『ORIGINAL1985』でコースをクリアするごとに、それぞれのコース別に解禁される。一種のやりこみモードである。
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原作のコースを舞台に、赤いコインやヨッシーの卵を集めたり、スコアアタックなどの様々な条件を満たしていく。赤コインやヨッシーの卵は、画面表示の狭さを生かして絶妙な場所に隠されているのでやりごたえ抜群。
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1コース完結なので、ワープゾーンはボーナスコースに差し替えられている。
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1ミスで終了なので、1UPキノコを取ると2000点が入る仕組みになっている。甲羅で連続して敵を倒すと1UPの代わりに10000点が入る。階段と甲羅を利用した「無限1UP」を狙った場合、8000点獲得と同時に甲羅が壊れる(倒した扱いになる)。さらに一旦着地しても得点はリセットされない。
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スコアはクリア時のタイムボーナスや花火も含めて集計される。ヨッシーの卵も2000点になるので、極限を目指すならあらゆる要素の利用が求められる。
 
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『VS』モード
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専用コースでゴールまでのタイムアタックを行うモード。
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通信ケーブルを用いての2人対戦モードであり、1Pがマリオ、2Pがルイージを操作する。
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コース各地に存在するスイッチを叩くと、白いブロックと赤いブロックが交互に切り替わる。場所によって足場にも障害物にもなる。
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スイッチの切替は両プレイヤーで連動しているので妨害もできる。
 
 
隠しモード
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『テレサレース』モード
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『ORIGINAL1985』を所定の条件を満たしてクリアすると出現する。
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『VS』モードの1人プレイ専用版。対戦相手が当たり判定の無いテレサになる以外は『VS』モードと同内容。条件を満たせばテレサの色が変わりスピードアップする。
 
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『SUPER MARIO BROS. FOR SUPER PLAYERS』
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『ORIGINAL1985』で所定の条件を満たしてクリアすると出現する。『スーパーマリオブラザーズ2』を遊べる。
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ただしグラフィックと挙動が『1』ベース(パタパタを踏んだときの反動など)、マリオとルイージの性能差は無し、隠しワールドである9・A~Dの削除、追い風が吹かないなど、変更点が多く、難易度が大きく変化している部分もある(『ORIGINAL1985』における変更点も継承している)。『2』の移植というよりは単に「マリオ2風のマップ」をおまけで収録といった感じになっている。
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あくまでおまけであるため、チャレンジモードには対応していない。
 
その他のメニュー
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『レコード』
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トップ10のスコアやチャレンジモードの進行状況が確認できる。
 
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『アルバム』
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今で言う実績・クリアゲッターのようなもの。特定の敵を倒したり、1UPキノコを発見したりなど、様々な条件を満たすことで解放される一枚絵はここで閲覧できる。一枚絵は周辺機器「ポケットプリンタ」でプリントすることもできる。
 
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『トイボックス』
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本編で条件を満たすと解放される。西暦元年から3000年まで表示可能で記念日登録もできるカレンダー、おみくじ、チャレンジモードにおけるヨッシーのヒント、「ポケットプリンタ」を使ったシールのプリント機能、タイトル画面の前に表示されるメモの作成などができる。
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おみくじで「大吉」を引くと5UPという表示が出て、本編の残機が5機増えた状態(5→10)で開始できる。
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メモはただメッセージを表示するだけでなく、楽譜を書き込むことでBGMを鳴らすことも可能。
 
 
評価点
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セーブモードの追加や残機数の常時表示等の変更点により遊びやすくなった。
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特にセーブ機能の実装によりどこでも自由にあそべる携帯機の強みが活かされている。
 
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オリジナルのゲームモードによりやりこみ要素が強化され遊びの幅が広がった。
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おまけ要素も充実しており、単なる移植では終わっていない点も高評価。
 
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操作性などの移植度も良好。ファミコンとほぼ遜色なく遊べる。
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GB移植に伴いスタッフロールも追加。無敵BGMのアレンジ曲が流れる。
賛否両論点
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本編で同コースをクリアしなければ開放されない上位モードとはいえ、『チャレンジ』モードの難易度は高め。
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隠された赤コインを見つけるのはかなり難しい。直接見える場合もあれば隠しブロックの場合もあり、さらに10コインブロックの最後に出てくるパターンもある。
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ヨッシーの卵は新たに追加された隠しブロックの中にある。『トイボックス』でコース別にヒントを見られるが、大体の位置しか表示されない上になぜかランダム表示である。
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コースによっては、ヨッシーの卵の目印であるかのように背景オブジェクトが描き換えられている場合もある。とはいえノーヒントでは発見困難な場所が多い。
 
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先行発売された海外版と比べると、国内版は目標スコアが下方修正されており達成しやすくなっている。
 
問題点
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ゲーム中のグラフィックはファミコン版をほぼそのまま再現しているが、解像度の都合で表示範囲がファミコン版よりも狭く見難くなっている。
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ファミコン版では見えていた敵や穴が見えないことが多々あり、慎重に操作する場面が増えるなど、結果的に難易度が上がっている。
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上下ボタンで上・下、セレクトボタンで右方向への画面スクロールが可能。しかし、十字ボタンから離れたセレクトボタンを使う右スクロールは、マリオを動かしながらでは難しく使いにくい操作である(ポーズ画面は別画面に切り替わるので、「ポーズをかけて見えていない範囲を確認する」ということはできない。)。
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スクロール中は「本来の画面端」がどこにあるのか見えない。このため画面左端とブロックの隙間を使った「壁のぼり」が困難になっている。
 
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また、画面も正方形なので、ファミコン版に慣れていると違和感が否めない。
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プレイ情報の表示レイアウトの調整や、マリオを左端に置いた時に右方向の視界を確保できるようにする、地面に立っているとき上の足場の敵がギリギリで(1ドットのみ)見えるようになっている、一部の地形に手が入れられているなど、制限の中で視界を確保できるようにする配慮はなされている。
 
 
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『チャレンジ』モードのスコア稼ぎの穴
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前述したように、「無限1UP」の要領でノコノコの甲羅を踏み続けても獲得できる得点には限度がある。
 しかしメットとパタパタの場合は、着地を挟むと得点が維持された上に上昇が止まるようになるので、5000点になった時点で一旦着地して地面の上におびき寄せて改めて踏みつけ、「蹴り飛ばす→跳ね返ってきた甲羅を踏んで止める→蹴り飛ばす」を繰り返せば、時間が許す限り5000点を稼ぎ放題になってしまう。
 結果として、一部のコースでは目標スコアの数倍を稼ぐことが可能になってしまっている。
 
総評
ハードの解像度の都合上、画面が小さく見難いことでゲーム性が変わっているため、FC版と同じ感覚では遊びにくい。
特に、原作を未プレイでコースごとの特徴を把握していないのであれば、理不尽にすら感じられてしまうだろう。
反面、原作をやりこんだプレイヤーなら、画面が狭くなることによる難易度の変化やチャレンジモードの歯ごたえを存分に味わうことができる。
画面が小さいという欠点も、隠された追加アイテムを探す楽しみという形で活かしており、欠点に終わらせていない。
また、それ以外の移植度は概ね良好で、ファミコンとほぼ遜色なくマリオを動かせる。
視認性に関してはやや問題があるが、完全移植が不可能なハードウェアにおいて原作とは異なる楽しみ方を追求した姿勢は評価できるだろう。
余談
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画面スクロールの仕様が変わったことにより、いわゆる-1面には行けなくなった。
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めり込み自体が修正されている他、チートで仮に土管の場所まで辿り着けても『スーパーマリオコレクション』版と同様に文字が出る前からワープ土管が正常に機能しており、普通に指定されたワールドに行ってしまう。
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さらに、解析にて本作では-1面そのものが存在しないことが判明している。
 
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本作に収録の『マリオ2』のコースは1~8Wまでだが、実は内部データでは9~DWまでも全て入っていたことが解析で判明している。
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しかしマップ自体は完璧に収録されているものの、敵やゴールの配置がおかしかったり正常にクリアできないものが多く、本作のための調整をする前に没になったものと予想される。(参考動画1/動画2)
 
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2013年12月10日-2014年1月13日の間にニンテンドーネットワークID登録感謝キャンペーン参加者全員の3DSにこのソフトが無料配信された(参照)。
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ハードの都合上、対戦やプリントといった通信ケーブルが必要なモードは遊べない。
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また、おみくじの結果の内「VS GAMEで かてるでしょう。」といった通信要素に関係するものが別の文章に差し替わっているなど、細かい違いもある。
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当時の公式サイトの説明では「後日、一般有料配信します」という記述があったが結局幻になってしまい、日本国内にて一般配信される前に3DSのeショップは2023年3月をもってサービス終了してしまった。海外ではすでに単体配信されていたのだが…。
 
 
最終更新:2023年11月18日 20:58