※この記事ではFC版・GB版の両方を扱います。
ヨッシーのたまご
【よっしーのたまご】
ジャンル
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アクションパズル
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対応機種
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ファミリーコンピュータ ゲームボーイ
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発売元
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任天堂
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開発元
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ゲームフリーク エイプ
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発売日
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1991年12月14日
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定価
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【FC】4,900円 【GB】2,700円
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プレイ人数
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1~2人
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象) ※VC版より付与
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配信
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バーチャルコンソール 【Wii】FC版:2007年3月6日/500Wiiポイント(税5%込) 【3DS】FC版:2012年8月22日/514円(税8%込) 【WiiU】FC版:2013年6月12日/514円(税8%込)
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判定
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なし
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ポイント
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連鎖の無い落ちゲー シンプルで分かりやすい
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マリオシリーズ・関連作品リンク
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ヨッシーシリーズリンク
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概要
落ちゲーブームの中、『ドクターマリオ』に続いて発売されたパズルゲーム。ヨッシーのスピンオフタイトル第一弾。
ヨッシーの初登場はスーパーファミコンの『スーパーマリオワールド』だが、今作は旧機種であるファミコンと携帯機のゲームボーイでリリースされた。
そうしたハード展開の都合やヨッシー主役作第一弾という事もあってか、今作は非常にシンプルな作品に仕上がっている。
開発は、後に『ポケモン』で有名になるゲームフリークとコピーライターでもある糸井重里氏が代表を務めるエイプとの共同開発。
ルール
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プレイヤーは画面下のマリオを操作する。左右で移動し、AかBでトレイを入れ替える。
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画面上部からはクリボー・ゲッソー・テレサ・パックンフラワー(ピーパックン)といった敵が2匹ずつ降り注ぎ、トレイの上に乗る。この時同じ敵が重なると消える。
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時間が経過すると3匹降るようにもなる。対戦モードでは4匹同時に降ることもある。
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全ての敵が完全に接地すると次の敵が降ってくる。下キーを押せば落下速度が早くなる。
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同じ敵が重なるとその都度消えるので、1度の降下で同じ列に積もった敵を時間差で2つ以上消すことも可能。
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たまに「ヨッシーのたまご」が下部分の「したたまご」と上部分の「うえたまご」に分かれ、敵の代わりに降ってくる事がある。
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「したたまご」の上に「うえたまご」が乗ると、たまごの間に挟まれた敵が一気に消滅し「ヨッシー」が産まれる。
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間にいる敵の数に応じて産まれるヨッシーのランクが異なり、大量に挟むほど高得点のヨッシーが誕生する。
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「したたまご」は2つ重なると消え、「うえたまご」は「したたまご」が無い場所に落ちるとその場で消滅する。
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「したたまご」→敵キャラ→「したたまご」とサンドした場合は消えず、そこに「うえたまご」を乗せると上の方の「したたまご」から消費される。
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敵が画面上部まで積み重なってしまうとゲームオーバー。
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AtypeとBtypeの2つのルールがあり、Atypeはスコアを競うエンドレスモード、Btypeは予め配置されている敵を全て消すとクリアとなるステージクリアモードである。
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Btypeではステージクリア毎にヨッシーが何かを食べ、ボーナス得点が加算されるというデモが流れる。26面を最後に食べる物が変わらなくなるので、実質的にそこでゲームクリア。
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ゲーム開始前にはモードの他、開始時のレベルを1~5から・落下物の速度・BGMを3種類から選択可能。
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レベル設定はBtypeではステージセレクトおよび最初から積まれている敵の段数も兼ねているが、6以降は選べない。
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対戦モードも存在しており、2Pはルイージを操作する。
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Btypeが元となっており、先にフィールドにあるものを全て消すか、相手をゲームオーバーに追い込むかすれば1本。3本先取した方が勝ち。
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ヨッシーを誕生させると相手に降る敵の数が増える。相手に降らせる敵の数は通常の2匹に加えて、たまごで挟んだ数だけ同時に敵が降る(例として3匹挟めば4匹→3匹と降る)。
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画面サイズの関係から、FC版は8段なのに対してGB版は7段と少ない。
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それに伴い、GB版は上位のヨッシーに必要な挟む敵の数も少なくなっている。
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ゲームオーバーのラインが必然的に増えるため、思考時間を長く取れるFC版の方が若干難易度が低い。
評価点
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非常に分かりやすいゲーム内容。
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降ってくる敵を揃えて消す、沢山挟むと高得点、と単純明快。『ドクターマリオ』以上にシンプル。
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かと言って小技が無いわけではなく、敵が降下する時間差を利用し、敵を重ねて空きが出来たトレーを素早く降下中の敵の下へ持っていき最後消すなどのテクニックもある。
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操作もシンプル。ボタンの役割がAB共に同じで複雑な操作もいらず、ゲームに馴染みの無い人でもとっつきやすい。
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ゲームオーバーまで遊べるスコアアタックのAtypeは、このシンプルなゲームシステムでもチキンレースのような手に汗握る展開が楽しめる。
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ギリギリ限界まで敵を重ねて粘り、最高得点のスターヨッシーを出す…という流れは決まると痛快。縦1列がまとめて消滅するのは中々に気持ちいい。中毒性も感じられるだろう。
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反面、限界まで積んでいると一瞬の油断でゲームオーバーになるというハイリスクな点もある。
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8(7)段積みのスターヨッシーは500点とリターンも非常に大きく、これを狙うためにギリギリのラインで保ち続けるメリットも十分にある。
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降り運に左右されるので欲を出さずに堅実に稼ぎ続ける、処理が追い付かなくなるのでスターヨッシー目前で諦めて消しに入る、という選択肢も取れる。
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Btypeのクリアデモにはマリオキャラやアイテムが多数登場する。登場するアイテムをどこまで知っているか試してみるのも一興か。
問題点
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シンプルすぎるゲーム内容。
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連鎖や積み構築のようなテクニックも無く、プレイヤースキルによって生まれる差はほぼ無いと言い切ってしまっていいだろう。せいぜい下キーを押しっぱなしにして速度を早める程度である。
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要の「したたまご」と「うえたまご」が降るかは基本的に運次第。運が悪いといつまでたってもヨッシーが産まれない。
Btypeモードの問題点
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Btype及びそちらを元にした対戦モードは運ゲー要素が強い。
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Btypeは「降って来る敵の組み合わせが、残った敵の組み合わせとたまたま同じ」時でないとクリア不可能。
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降るパターンは落ちる物6種の二乗、つまり36パターンのため、ゴール手前の時点でクリアできる確率は、単純計算で
1/18か1/36
。トレイに残った敵が別種の2匹か1匹だけの場合は1/18。同じ敵が2匹の場合は1/36となる。また、「したたまご」のみが残った場合は、1/9まで確率が上がる。
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更にこれだけ手間がかかるのにステージセレクトはレベル設定の1~5面のみ。バックアップ機能も無い。
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対戦モードもBtypeが元のため、プレイヤーの運次第では一瞬で終わったり、逆にダラダラ長引いたりといったケースが多発する。
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それ故に余談のテレビ番組では特別ルールでの対戦が行われている。
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これらのことから『終盤で敵を一気に消せるように「したたまご」を用意しておき、いらない敵をそちらに置く』、『終盤が近くなったとき敵が偶数で残るように調整する』などを意識してプレイすれば多少効率よくプレイできる。
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上下に積まれた敵を降下時間差で両方消すテクニックも必須と言えよう。
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開発元によると、麻雀における「待ち」の概念を落ちものパズルに取り入れたシステムとのこと。
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テクニックのみならず偶然性によっても勝敗が大きく左右される要素として、ある程度は意図的な調整でもあるようだ。
総評
正にシンプルイズベストという言葉がピッタリ当てはまるパズルゲーム。
複雑な内容は一切無い為、ゲーム初心者でもすんなり入り込める反面、奥深さに欠けるため飽きも早い。
腰を据えて遊ぶよりも、さくっと遊ぶに打って付けのタイプのゲームと言える。
余談
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移植の機会に恵まれておらず、後の『NINTENDO パズルコレクション』では未収録。VC配信を待つ事となった。
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ゲームフリークが開発に携わっている為ではないかと言われていたが、ルールがシンプルすぎてアレンジしようにもできなかったのではないかという見方もある。
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公式攻略本の冒頭で本作のシステムになぞらえたショートコミックが掲載された。
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ヨッシー達は平和に暮らしていたが、火山の噴火によって全滅してしまい、生まれる前のたまごも上下に割れてしまった。
何百年という時が流れ、本作に登場する敵キャラがしたたまごの化石を住処にしていたところ、スターの流れ星が山の頂上にあったうえたまごを落とし、敵キャラを挟んでしたたまごに合わさったところ、ヨッシーが誕生、周囲の仲間たちも元通りに復活した…という、コミカルながらかなり衝撃的な内容となっている。
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CMは童謡「浦島太郎」の替え歌が使われていた。マリオがオルガンを奏でる中で、今作の敵キャラが
やたらと低いバリトンボイスで自らがヨッシーの素材となる事を歌う
というやたらシュールな内容。
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何故かパックンフラワーのみ高いソプラノボイスである。
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テレビ東京系で放送されていたゲーム番組「スーパーマリオクラブ」の番組内の企画『ファミコン勝ち抜き王座決定戦』は番組開始時から『ドクターマリオ』で行われていたが1992年から本作に代替わりした。
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一定時間内に全てのブロックを消せば勝利となり、時間切れとなった場合、得点で優劣を競うというルールになっている。
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北米版の名称は日本以上に直球の
『Yoshi』
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ゲーム名までシンプルすぎる。
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他地域では『Mario&Yoshi』というタイトルが使われている。
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漫画版での扱い
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『コミックボンボン』に連載されていた漫画『スーパーマリオワールド』(作:本山一城)の1992年2月号では本作をベースにした話が掲載された。
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大筋はヨッシーがピザ屋を開業し、それを潰そうと企んだクッパが「クリボー、パックン、ゲッソー、テレサを吐き出すポンキー」に扮して侵入して邪魔してくるというもの。
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なお、この話でのクリボー、パックン、ゲッソー、テレサは「床や天井といった硬いものに触れると爆発する爆弾(ただ同じのが2つ重なると爆発せず消える)」でマリオとピーチがピザで受け止めて捌いているところ、最後はゲーム同様卵に挟んで復活したヨッシーが根こそぎ食べて片付けるという展開で少々無理矢理ながらもゲームの特徴を上手く落とし込めている。
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『デラックスボンボン』の本山マリオでは、今作を元にした全4話の短編が掲載された。後に単独で単行本化。
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コロコロコミックのスーパーマリオくんでは、スーパーマリオワールド編終盤で敵キャラが降る異常気象という形で今作の話が登場。単行本では5巻に収録。
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2019年5月24日にYouTubeのゲームフリーク公式チャンネルで本作が取り上げられた。(リンク)
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小ネタや開発状況が紹介されるほか、ヨッシーの鳴き声が「でっていう」に聞こえるというネタも取り上げられている。
最終更新:2024年07月27日 14:41