ルイージマンション アーケード
【るいーじまんしょん あーけーど】
ジャンル
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オバキュームシューティング
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対応機種
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アーケード(Nu 1.1)
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開発元/販売元
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カプコン
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発売日
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2015年6月18日
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料金
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1プレイ:200円 (コンティニュー100円)
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プレイ人数
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1人~2人
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判定
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良作
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ポイント
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任天堂らしさあふれる体感型ゲーム 『2』をシューティングに オバキュームの素晴らしい実物感 コンティニューでも損をさせない作り
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マリオシリーズ・関連作品リンク
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ルイージマンションシリーズ 1 / 2 / AC / 3
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概要
『ルイージマンション2』をアーケード用にアレンジしたもの。
内容そのものは『2』をベースとした実質的な新作である。
ジャンルとしては、アーケードゲームではおなじみである主観視点・自動スクロール進行のガンシューティングゲームとなっており、オバキュームの先端を模したオバキュームコントローラを操作し、おばけを吸収していく。
使用基板はセガのWindows PCベース基板「Nu 1.1」でカプコン初のAll-Net対応ソフトでもある。2018年6月18日にサービス終了。
ゲーム内容
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ストロボでお化けを驚かし、ひるんでいる隙に吸い取るというシリーズ特有の操作は変わらない。
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オバキューム型コントローラを両手で持ち、口の付近に付いているストロボボタン(チャージ可)と、後ろに付いているトリガーボタンを扱いながらプレイする。
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基本操作となる「ノーマル操作」ではストロボボタンを押し続けているとストロボのチャージが可能で、「チャージ中にストロボボタンを離す」か「チャージ中にトリガーボタンを押す」(ストロボと吸い込みは同時使用不可)か、そのいずれかでストロボを発動する。トリガーボタンは押している間、フルオートで吸い込みを続ける(時間に制限は特にない)。
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オバキュームコントローラはオバキュームを再現しているだけでなく、画面内のアクションに合わせて振動するなど臨場感を演出している。
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吸い込み続けるとゲージが上がる。このゲージが最大になった状態でストロボボタンを押すと、吸っている敵に大ダメージを与えられる「クイックプル」が発動する。
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また、切り札として画面全体にストロボの効果を発生させる「ストロボム」という回数制限付き特殊武器が存在する。これは筐体に備わっているスタートボタンで使用する。コンティニュー以外では一切補充できない点に注意。
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2016年3月からは、操作系統が簡略化された「シンプル操作」をゲーム開始時に選べるようになりプレイの敷居が若干下がった。前述の通り、元々の操作系は「ノーマル操作」表記となる。
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「シンプル操作」ではトリガーボタンとストロボボタンの機能が、1ボタンに統合される(どちらを使っても同じ)。「ボタンを離している間はストロボのチャージ」「ボタンを押した際にストロボ発動(ストロボのクールタイムが終わっている状態に限る)」「ボタンを押し続けていると吸い込み」という複数の段階を少ないボタンで使い分ける挙動に変化する。
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また、「シンプル操作」においては吸い込みゲージが最大になると同時に、追加操作なしで最速のタイミングで「クイックプル」が自動発動するように変更されている。その為、「シンプル操作」は結果的に「ノーマル操作」より少し攻撃力が高くなっているのとほぼ同じ状態になっているとも言える。
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本作はチュートリアルステージ+本編全3ステージで構成される。ステージ毎に大まかな難易度の目安が表示されており、雰囲気が分かりやすい。
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また、チュートリアルのステージと最初のステージは、ゲーム開始時に丸ごとスキップする選択肢が存在。「いきなり最終面からスタートする」という事はできないが、プレイヤーの腕前に応じた開始ステージを選択することも可能。
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2016年9月以降はアップデートにより、超上級者向けの「チャレンジモード」が選択できるようになった。クリアすると、エンディングに追加の映像が……。
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多くのガンシューティング同様、進行途中でルート分岐が発生することもある。ルート分岐はステージ1にのみ登場する。
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ライフ回復のチャンスも豊富ではないながらも存在し、途中のミスもある程度は取り戻せるようになっている。腕に覚えのあるガンシューティングプレイヤーは、ノーコンティニューもしくは少ないクレジットでどこまで進めるか腕を磨くのもいいだろう。
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ステージ道中、ハート1個分のライフを回復するアイテムは固定で配置されておりランダム要素は無い。取得タイミングもかなり緩く、敵の妨害が無い場所に限定されているので、隠し場所が分かっていれば必ず入手可能。
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ステージクリア時のリザルト画面で、「ステージ中に取得したコイン」が1000コイン毎にハートが1個回復する。2000コイン稼いでいたならば、デフォルト設定(ハート2個設定)ならライフ完全回復。
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ストーリームービーなどは『2』のものを流用している。
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チュートリアルステージを除き、全3ステージに各1個ずつシリーズ常連アイテム「金の骨」が隠されている。3個とも入手してクリアすると、エンディングに追加の映像が足される。
評価点
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「オバキューム」でオバケを吸い取る感覚や大量のオバケを吸い込む爽快感が巧みに表現されている。
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ストロボボタンと吸引ボタンの二つに分かれているという扱いやすい機構もさることながら、任天堂らしく振動機能が搭載されている。
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このゲームではおばけとコインを吸い取ることが出来るが、コインを吸い取るとオバキュームが「コトン」と金属を吸い込んだような音を立てるため、非常に臨場感がある。これにまず驚くプレイヤーも多いだろう。
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勿論お化け吸引時の振動もリアルに表現されており、その爽快感はオリジナル版である家庭用作品群を大きくしのぐと言える。
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ガンシューティングゲームのシステムを応用しており、お化けを吸い取る時はお化けが逃げるのと逆方向にカーソルを動かして吸い取る、というシステムを上手く噛み合わせている。
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ボタンの使い分けもさることながら、こういった臨場感へのこだわりはある意味任天堂監修ならではといったところか。
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コンティニューに大きな旨味がある
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ガンシューティング以外のジャンルにも言えることだが、アーケードゲームの宿命として「ノーコンティニューでのクリア」自体がやり込んだ末のエンドコンテンツに相当する都合上、見逃せない評価点といえる。
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本作では、コンティニューを行った時点で「ストロボム」が完全回復、コンティニューした側の自機が場面転換まで大幅なパワーアップが持続する仕組みになっている。コンティニューを渋るプレイヤーの背中を押すようなシステムであり、なかなか商売上手な要素と言えよう。
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お値段自体は100円と安いのもついつい手が伸びてしまうところ。
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ちなみに2Pでプレイしていると、生存している相方のライフも回復するというお得仕様。本作はライフ回復の手段が乏しいため、これは結構大きなことである。
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美麗な3Dで遊べる
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アーケードということもあり、ゲーム画面は3DS版以上に美麗なグラフィックで描かれている。
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2Pプレイが楽しめる
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協力しながらプレイするという要素はオリジナルの『2』にもあったが、本作ではより協力が重要になってくるため、連帯感が楽しめる。
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この協力プレイ自体は絶対必要というほどではなく、あくまでもそうすることの「旨味」を強調している。
問題点
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ゲーム内容以前に、操作そのものの難易度が少々高い
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慣れればそうでもないが、最初のうちは変わったコントローラーにあくせくして、上手く操作できないこともしばしば。
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チュートリアルもあるためいきなり放り出されることはないが、あくまでアーケードなので普通のゲームと比べれば、時間的余裕にはやや乏しい。
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前述の通り「ノーマル操作」と「シンプル操作」が選択可能になっているが、「シンプル操作」も別ベクトルで挙動が少々複雑なところがあり、どちらを選択しても操作が難しい点が残る。
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ダメージコントロールが非常に難しい。
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ライフは1人につきデフォルト設定でハート2個(基板の設定上は「4」とされる)なのだが、これは「初期値」でもあり「最大値」でもある。
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ライフ回復アイテムは隠しアイテムであり、ステージクリア時のライフ回復もコイン取得数に依存した隠し要素。敵から受ける単発の最大ダメージは「ハート1個丸ごと」という凄まじい大ダメージであり、これ一般兵に相当するは緑色のオバケ「ルノーマ」のうち剣を持った個体による斬撃が該当。
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更にチャレンジモードではライフの初期値および最大値がノーマルモードの半分。つまり、前述した「ハート1個分の大ダメージを与えてくる敵」から攻撃を受けると即死という事態が普通に起こる。
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しかしただストロボを当てて吸い込むだけの単調なゲーム性ではなく、盾持ち相手にはタイミングが重要になるなど、一筋縄ではいかない要素が楽しくもある。
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一気におばけが出てきた時の敵のまとめ方やストロボムの使い方が勝敗を分けること場面も多く、難しいことに変わりはない。ストロボム自体も回数制限があるので難しい。
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ラッシュの時は吸い込みをストロボで「キャンセル」しながら攻撃を受けないようにしつつ、「大勢の敵をひとまとめに吸い込んで敵全滅まで一方的に蹂躙できる」という安全な状況を作り出す技術が超重要。
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高い体力を持つ赤いおばけ「ルブリー」は、節々に登場するうえ中盤以降は数も増えるため、このゲームの操作を忙しくする原因となっている。
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スタートボタンを押すのが少々大変。
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そこそこ重たいオバキュームを持ちながら筐体のスタートボタンを押すという操作が少々大変。シンプル操作にしても同じで、体格の小さな子供にとっては尚の事大変。
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この点はストロボのボタンとトリガーという2つの機構がガンコントローラーについているため、押すボタンの増加による煩雑を避けるという配慮と共に、二人プレイ時に片方のプレイヤーがピンチに陥った際、同伴のプレイヤーがとっさにそちら側のストロボムを発動することでカバーするといった協力プレイを想定しての措置とも考えられる。
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ただしクイックプルに関しては完全にこれが足枷になってしまっているのだが……。
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出番は少ないながら、常軌を逸した強さの敵がいる。
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ザコ敵では、紫色のオバケ「ルクリパ」が該当。ストロボを当てると4体まで分裂するのだが、瞬殺できなかった場合はそれぞれ自由に動き出す上に分裂した1体1体も攻撃力がそこそこある。全然ストロボの連射が利かない本作のゲームシステム上、「出現と同時に倒せなかった」時点でストロボム使用はほぼ確定。ストロボムが無かった場合、「ルクリパ」を瞬殺できなかった事自体が即死と同義。
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ボスでは、ステージ2ボス「オバケ3姉妹」が該当。攻撃自体はシンプルなのだが、「防御態勢を解いてから攻撃を繰り出すまでの動作」がとんでもなく素早い上に、三姉妹が2名以上残っている場合は誰が攻撃担当になるかがパターン化できない。ホラーゲームが題材であるにもかかわらず、これではまるで西部劇の早撃ち。
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2人プレイ時に敵が凄まじく素早くなる
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ストロボが命中した際の効果が大きいためか、2人プレイ時は1人プレイ時とは比較にならないほど敵が素早い。
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特に、ガンシューティングではポピュラーな「出会い頭にいきなり奇襲してくる初見殺し目的のザコ敵」の存在が2人プレイ時では凄まじい脅威となる。本作のゲームシステム上、出現してから慌ててストロボを溜めても手遅れ。それどころか、出現した瞬間に「溜めたストロボボタンを離す」動作が終わっていないと攻撃を喰らう、というほど極端に素早い者まで現れる始末。出現タイミングと出現座標を完璧に把握していない限り、全く対処できない。
総評
原作ゲームのシステムをガンシューティングゲームのシステムにうまく落とし込み、オバケを吸い込む際のオバキュームのリアルな挙動や吸い込む際の感触などをリアルに味わえる体感型のシューティングゲームとして、違和感なく再構築している。
ガンシューティングに体感ゲームの要素をプラスした点が個性的であり、ガンシューティング特有の殺伐さがない分、誰にでも楽しめる。
元が任天堂作品だけあって老若男女を問わない万人向けゲームだが、シューティングプレイヤーとしても新しいゲーム感覚が味わえるだろう。
家族・友達・恋人連れなら、二人で盛り上がれる協力プレイもオススメである。
またルイージがついに単独でアーケードデビューという、ある意味大躍進的な作品でもあり、ファンにとってはたまらない作品となっている。
余談
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公式ツイッターは全国におけるハイスコアなどを集計し、ランキングを発表していた。(現在は更新されていない)
最終更新:2023年09月15日 21:41