ルイージマンション3
【るいーじまんしょんすりー】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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Nintendo Switch
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発売・開発元
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任天堂
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発売日
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2019年10月31日
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定価
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6,578円
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プレイ人数
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1〜8人
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セーブデータ
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3個
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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良作
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ポイント
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ルイージ、三度目の掃除機 ホテルを舞台にマリオ達を救出 探索の自由度が増すも収集要素に難
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マリオシリーズ
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ルイージマンションシリーズ 1 / 2 / AC / 3
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概要
『ルイージマンション』シリーズの3作目。本作の舞台はマンションではなくホテルで、泊まりに来たマリオやピーチ、キノピオたちを救出するというストーリーになっている。
ルイージの分身であるスライムの「グーイージ」が本作の目玉要素であり、様々な場面で彼の助けを借りることになる。
ストーリー
ある日のこと、ルイージのもとに一通の招待状が届きました。大きなホテルのオーナーからです。喜んだルイージは、マリオやピーチ姫を誘います。
ホテルにたどり着き、部屋でうたた寝をしていたルイージ。ピーチ姫の悲鳴で目覚めたルイージを待っていたのは、怪しげに様変わりしたホテルと絵に閉じ込められた仲間たちでした……。
(公式サイトより引用)
ゲームシステム
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ライフ制の3Dアクションアドベンチャーゲームとなっている。ライフが0になった時点でゲームオーバーだが、アイテム「黄金のホネ」を入手していればその場でコンティニューが可能。
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B1階を起点に、ボスを倒しながら上の階に進むための「エレベーターのボタン」を入手していくのが基本の流れ。屋上がゴールとなる。
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臨時にミッションが発生することはあるものの、基本的にステージ内の移動は自由。解放している階にはいつでも行くことができる。
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階の間は原則としてエレベーターでしか連絡しておらず、階ごと「○○フロア」としてテーマが設定されているため、箱庭型の探索ゲームに近いシステムである。
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ルイージの掃除機「オバキューム」には、代表的なものとして3つの機能が追加された。
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1つ目は「スラム」。これまでは吸い込む際のタイミングなどでオバケの挙動が変わっていたが、本作では吸い込み続けると「スラムゲージ」が貯まり、満タンになるとオバケを叩きつけることでダメージを与えることが可能となった。
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2つ目の「キューバンショット」は、吸い込み口から吸盤を飛ばして特定のオブジェクトに吸着させ、引っ張って動かしたり破壊したりできる機能。吸い込みとはボタンで切り替える。
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3つ目は「グーイージ」。ルイージのスライム状の分身で、オバキュームなどの機能を同様に使用できるだけでなく、金網や鉄格子を通過できる能力を持つ。ただし水に関連したギミックは通過できないほか、使用時はルイージのHPが一時的に減少する。
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1人プレイ時はルイージとグーイージのどちらか一方しか同時に操作できず、グーイージを出すとルイージは意識を失って動かなくなるが、操作対象は自由に切り替えられる。2人プレイでは各プレイヤーによってルイージ・グーイージの両方を操作可能。
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収集要素として過去作同様の「宝石」「オバケ」があるほか、『2』で導入された「実績」も多数用意されている。
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ゲームを進めると、本編とは別のマルチプレイモードとして「プレイランド」と「テラータワー」が解放される。
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プレイランドは、本編の操作を応用したスポーツやレースなどのミニゲームが楽しめるモード。ローカルでの多人数プレイ専用で、2チームに分かれて2〜8人でプレイする。
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テラータワーは、「オバケを捕まえろ」「キノピオを探せ」など、階ごとに設定されたさまざまなお題をクリアしていくモードで、こちらはオンラインプレイに対応。5階・10階のほか、無料アップデートで20階も追加され、全3段階の長さから選べる。一応1人でもプレイ可能だが、ミッションの内容は多人数プレイを前提としたものとなっている。
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これらには1000円の有料DLC「マルチプレイパック」が配信されている。購入するとプレイランドではミニゲームが増え、テラータワーではルイージとステージのスキンが追加される。また、本編で開発資料を閲覧できるようになる。
評価点
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操作感・演出が大きく進化
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レストランやディスコをはじめ、ホテルなのに砂漠や海まである館内には、これまでにない様々なシチュエーションが用意されている。
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これにオバキュームの機能追加も掛け合わさって、謎解きのバリエーションが大幅に増加。意外性のあるギミックが多く、階によってテーマそのものが違うため、飽きがこない。
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過去作に比べてルイージのダメージ演出が怖い。刑場で無数の針が付いた壁に押しつぶされたり、巨大な斧に切り刻まれたりと、物理的に傷を負うことがわかりやすいシーンが多く、緊張感が高まる。
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オバキュームで吸い込める物体の種類も数も増え、ゴミやお金を次々に吸い取る感覚は爽快。
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新アクション「スラム」
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効率よくオバケにダメージを与える手段となっており、戦闘のテンポが上がった。
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雑魚敵に関しては吸い込みのみでも倒せるが、かなり時間と手間がかかるため、本作ではスラムのためのつかみ動作という位置付けに近い。ただし吸い込まれた時の演出はコミカルで一見の価値あり。
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オバケをオブジェクトにぶつけて破壊したりとアクション性が大きく増しており、気持ちの良いプレイ感覚が楽しめる。
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マルチプレイ
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プレイランド、テラータワーのどちらも、ゲームシステムとしては非常に高品質。特にプレイランドは単純なおまけにとどまらない熱戦を楽しめること間違いなし。
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ただしボリューム面には問題もある(後述)。
賛否両論点
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グーイージ関連
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グーイージの導入によってこれまで以上にパズルの要素が強くなり、特に1人プレイではルイージとグーイージをどのような順序でどう移動させるかという思考スキルが必要となってくる。
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2つの操作対象ができたことで仕掛けの種類は非常に幅広くなり、解けた際の達成感もひとしお。また、本編での複数人プレイは初めての導入であり、2人で協力すれば戦闘の難易度を大幅に下げることができる。
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反面、1人プレイではどうしてもテンポが悪くなりがちである。グーイージの出し入れは一瞬で終わるのだが、操作切り替えや排水口に入るといったひとつひとつの動作で待たされる時間は決して少なくない。
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また、シリーズファンからは「ルイマンにこういう要素は求めてなかった」「遊ぶ仲間がいない人のことも考えてほしい」という声も上がる。
問題点
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何をすればいいのか分からない場面が出やすい
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本作でも適宜オヤ・マー博士のヒントを参照できるが抽象的なものが多く、どうすれば道が開けるのか、どうすれば敵にダメージが通るのかかなり分かりにくい場面も多い。
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特に、後半にとある敵を追跡する場面では隠れた敵を見つけるのにも攻撃を当てるのにも一癖あり、行程の長さもあってここでダレてしまった人もちらほら見受けられる。
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収集要素にやりがいを感じにくい
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クリア後に3段階のランクが表示されるが、影響するのはオバケ討伐数でもコレクション収集度でもなく所持金のみ。フルコンしたのにBランクやCランククリアになるのはこれが原因である。
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収集要素には実質的にテラータワーの多人数プレイでしか手に入らない「ユニークオバケ」も入っており、その点に配慮した可能性もある。とはいえ事情を知らなければただただ理不尽だし、知っていたら知っていたでどうしても収集意欲は減退してしまう。
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ミス時の演出
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ライフが0になった際の演出が、どういうわけか一度直立してから再度倒れるという理解しがたいものになっている。たとえ圧死や落下死であっても、律儀に再登場してから力尽きる。
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先述した通りダメージシーンそのものはかなり怖いのだが、その後がこれでは興ざめ感も。
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マルチプレイのボリューム
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プレイランド・テラータワーとも発売当初はボリュームがかなり不足しており、やっつけすぎると非難が集まった。
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プレイランドはミニゲームがわずか3つしかなかった。有料DLCで6つ追加されて一気に3倍となったが、1000円と安めとはいえ追加課金要素に充てられたことには不満の声も少なくない。
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テラータワーは初期の階層がわずか10階のみで、無料DLCを追加しても20階まで。前作『2』では初期25階、最大99階まであったので、退化は否めない。
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テラータワーの仕様による問題
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途中のとある階でのみ収集要素の「ユニークオバケ」が出現するという仕様があり、初期は特にその階をクリアした途端の切断が相次いだ。
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大分落ち着いたとはいえ、根本的な部分はその後も全く手が加えられていない。
総評
階ごとにテーマを設けたホテルというシチュエーションに加え、新しい操作方法も多数追加されたことで、多彩なステージが楽しめる作品に仕上がっている。演出や難易度の面で年少者にはやや厳しい部分もあるが、グーイージによるマルチプレイの導入もそうしたプレイヤーへのフォローとなっている。
収集要素やミニゲームなど本編外の部分では前作から評価が落ちた箇所もあるが、総合的に見ればシリーズ作でも特に高いクオリティに仕上がったといえるだろう。
最終更新:2024年10月21日 15:50