マリオパーティ スターラッシュ
【まりおぱーてぃ すたーらっしゅ】
ジャンル
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パーティゲーム
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対応機種
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ニンテンドー3DS
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発売元
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任天堂
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開発元
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エヌディーキューブ シーエイプロダクション(開発協力)
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発売日
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2016年10月20日
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定価
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4,700円(税別)
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判定
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良作
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マリオシリーズ
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概要
3DS2作目となるマリオパーティシリーズで、過去の携帯ハード向けマリオパーティシリーズと同様にタイトル名にナンバリングは含まれていない。
特徴
キノピオパレード
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本作のメインモード。4人全員がキノピオとなって同時にサイコロ(6面)を振って移動し、マップのどこかにいるボスからスターを取り返していく。
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最後にコイン10枚が1スターに交換され、スターの数が一番多いプレイヤーが勝ちとなる。同数の場合、コインの数で勝敗が決まる。
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誰かがボスの元にたどり着くとボスバトルが始まる。その場にいなかったプレイヤーはボタン連打でボスの元に辿り着く必要があり、到着次第バトルに参戦できる。
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マリオなどのキャラクターは仲間として登場し、仲間になるとボスバトルで味方NPCとして参戦し、協力してくれる。
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また、仲間になったキャラクターは固有のサイコロを持っており、移動時に使用ができる。例えばドンキーコングの場合、(0,0,0,0,10,10)という両極端な出目のサイコロを持っており、運が良ければ一気に進むことが可能。
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操作していないキャラクターは、1か2の出るサイコロを振り、出目に加わる。
コインアスロン
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2人から4人でプレイできるモード。専用の1人用ミニゲームをひたすらプレイしてコインを稼ぎ、集めたコインの数だけマスを進む。
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専用のミニゲームはゲームを進めていくと難しくなる。
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ある程度コインを稼ぐごとにミニゲーム内にアイテムボックスが登場し、それを回収するとアイテムが使用できる。効果は他人を妨害したり、自分のコイン回収をしやすくしたりするなど様々。
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周回数は、3周・5周・7周の3種類ある。
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5周以上の場合、途中でクッパが登場して発生するクッパサバイバルゲームで負けると、後ろへ飛ばされてしまう。
バルーンマッチ
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「キノピオパレード」と同様に4人で同時に移動する。プレイヤーキャラは自由に選択可能。
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ただし、スターはマップのどこかにあるスターバルーンを割って、コインと引き換えに入手する。今作の「4人同時操作」と、スターを購入していく従来の「マリオパーティ」が合わさったゲームモード。
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コインのバルーンが常に2個 出現する。また、2個以上のコインバルーンが同じターンに回収されるとボスバトルが発生する。
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ボスバトルは1位と4位、2位と3位がチームを組んで2vs2で戦う。また、ボスの体力は通常の半分に設定されており、後半の強化パートもない。
みんなでおんがくかい
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4人でプレイする音ゲー。それぞれが別々の楽器を担当し、タイミングよくAボタン(又は下画面タッチ)を押して演奏していく。曲はマリオシリーズの様々なゲームのものが収録されている。
マリオギャモン
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2人で対戦するゲーム。自分が持つ3つのコマを先にゴールさせる。
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サイコロを2つ振り、2つのコマを選んで進める。
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ぞろ目が出ると、動かせるコマをすべて進める。逆に言うと全てのコマが強制的に進むため、思わぬハプニングが発生する可能性もある。
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道中には特殊なマスもあり、更に進められたり、逆に戻されたりする。
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真ん中の!マスに止まると、スタートに戻されてしまう。
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進んでいる最中に相手のコマを通ると1回休みにさせることができ、相手のいるコマにぴったり止まるとスタート地点に戻させることができる。
テレサパズル
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同じ数字を縦か横に3つそろえて消すパズルゲーム。ルールは「パネルでポン」に似ている。
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ブロックを選び、数字を増減させる。Aボタンを押すと1→2→3→4→1...の順に、Bボタンを押すとその逆順に数字が変化する。同じ数字が3つ並ぶと消える。
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光っているブロックを消すと、同じ数字のブロックがすべて消える。
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テレサのブロックも出現する。普通には消すことができず、隣接するマスで数字のブロックを消すことによってのみ消せる。
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2人で戦うバトルと、1人でひたすら高得点を目指すスコアアタックがある。
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バトルではある程度得点を稼ぐたびにアイテムを入手でき、場の数字を全てシャッフルするか、相手の盤面にテレサを送り込むことができる(選択可)。
チャレンジタワー
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パネルに触れると、周囲のビリキューの数が色で表示されるので、それをヒントにビリキューに当たらないように進むゲーム。「マインスイーパー」と迷路を合わせたようなイメージ。
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青…周囲にビリキューなし
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黄…上下左右のうち1箇所にビリキューがいる
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赤…上下左右のうち2箇所にビリキューがいる
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紫…この先の3箇所全てにビリキューがいる(戻らなければならない)
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また、ビリキューは隣り合って配置されることはない。
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プレイヤーは上下左右の4方向に進める。
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ゲームの途中でも中断セーブが可能。また、失敗してしまった場合は、amiiboを使用することでコンティニューができる。
amiibo
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本作でもamiiboに対応しており、「みんなでおんがくたい」以外のゲームモードで、1人プレイの際に使える。
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『10』のデータが入っているamiiboを読み込むことによる連動要素もある。
評価点
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待ち時間なしでテンポ良く遊べるように
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過去作では、1人がサイコロを振って移動している間、他のプレイヤーは待たなければならなかった。しかし、本作では4人同時にサイコロを振り、4人同時に移動するので、他のプレイヤーが終わるまで待たされることはない。
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テンポの良さを実現するため、他の場面でも工夫がみられる。例えば、「ジャンプでほうせきはこび」などの一部のミニゲームは、人間プレイヤーが先に終えるとCPUの動きがスムーズになり、極力待ち時間を発生させないようになっている。
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その他の例は、「CPUの使用するキャラクターはランダムに決まる」(気に入らなければ変更可能)など。さっさと遊びたい人にとっては非常にありがたい。
キノピオパレード
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シリーズ最多の15マップを収録している。
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最初の3つはれんしゅうWorldであるが、それらを除いても12マップある。
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過去作では6~8マップであったので、本作はマップが豊富だといえる。
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スターはボスバトルで1位になることでもらえるが、2位以下でもコインがもらえる。
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最後にコイン10枚をスター1つに替えてくれるので、コインばかり集めても問題ない。
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だからと言ってスターに意味が無いかと言われたらそうではなく、コインを奪われるときに被害が最小限で済むという利点がある。
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駆け引きの要素も豊富。
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例えば今作のアイテム「どくキノコ」は、移動先を確定させてようやく使用されたことが相手に知らされ、本来移動したかった場所の2マス手前で止まってしまうという仕様になっている。これにより、アイテムをいつ誰に使うかの駆け引きが生まれた。逆に使用されることを見越したうえで移動先を決めるのも手。
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一部の例外を除き、必ずしも目的地を目指さないといけないわけではない。後のことを考えてアイテムや仲間を集めるのも立派な戦術。
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相手とぴったり同じマスに止まると「うばいあいバトル」が発生し、仲間キャラを奪い合うミニゲームが発生する。狙ってやることは困難だが、相手の人数有利を崩すチャンスとなる。しかしミニゲームの内容は...(後述)
コインアスロン
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とにかくミニゲームでコインを稼げばゴールにたどり着くので、シンプルでわかりやすい。
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どのミニゲームもコインを多く集めるためには工夫が必要で、やり込んでいく楽しみもある。
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アイテムで巻き返すこともできる。
バルーンマッチ
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「キノピオパレード」のテンポの良さはそのままに、キャラクターが自由に選べる・アイテムはショップでも買えるなど、『8』以前の旧ルールに近くなっている。
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いくらコインを集めても、バルーンを回収しスターと交換できない限り勝てないので、ミニゲームが苦手な初心者でもバルーンの配置場所次第では勝つことも可能。
みんなでおんがくかい
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過去の作品から特に人気の高いBGMが収録されており、それらの曲で音ゲーができるというだけでもかなり楽しい。
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演奏が終わると合奏ランクが発表されるのだが、AやSを取るのはそこそこ難しい。そのため、上級者でも楽しめる。
マリオギャモン
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相手がスタート付近にいるのであえて通り越して休ませたり、わざと戻るマスを踏んで後ろの相手をスタートに戻させたりと戦略性がある。
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しかし、サイコロで出る目は当然ランダムであるので、運の要素も絡んでくる。
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そのため、戦略を考えることが苦手な初心者でも勝てるチャンスはある。
チャレンジタワー
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中断セーブが可能であるので、毎日10階ずつ進めるなどといったこともできる。じっくり考えてプレイしていくシステムと上手く噛み合っている。
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ビリキューは2つ並んで配置されることはないため、運ゲーになることはなく、行き詰っても周囲のマスの色をよく見れば必ず道は開ける。
amiibo
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本作では、主に1人プレイ時においてプレイヤーを助けてくれる。
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amiiboを使わないと遊べないモードなどは存在しない。
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読み込みのみ対応のため、他のソフトデータが入っているamiiboでも問題なく使用できる。
問題点
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「キノピオパレード」で相手の仲間を奪う時、及び「バルーンマッチ」でコインを奪う時のゲームがほぼ運ゲーである。
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ミニゲームの内容はサイコロをたたいて大きい目を出す・カードをめくって大きい数を出す・タイマーを5秒で止めるの3種類。最初の2つは運ゲーであり、実力差関係なしに奪われてしまうことがある。
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また、「キノピオパレード」において負けた側が仲間を持っていない場合、代わりにコインが支給されるのだが、貰えるコインはたったの2枚であり、仲間を奪われるリスクに到底見合っていない。
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一部、テンポの悪い場面もある。
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評価点の項目で「人間が先に終えるとCPUが速くなるミニゲームがある」と述べたが、全てがそうであるというわけではなく、一部のミニゲームではCPUがミスを繰り返し、なかなか終了しないことがある。
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「キノピオパレード」「バルーンマッチ」のうばいあいバトルは、CPU同士の対戦であってもスキップすることが出来ない。10秒程度とはいえ、毎回見せられるとイライラしてくるだろう。
その上、前述の通り一瞬で終わってしまう運ゲーなのでいまいち盛り上がれない。
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UIが不親切な部分も多々見受けられる。
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大きな問題としては、ミニゲームモードでミニゲームを終えた後の選択肢で、最初にカーソルがあっているのが「おまかせ」である点。記録狙いなどで同じミニゲームをやり直したいときや、遊びたいミニゲームが決まっているときなどは不便...というか、この仕様が役に立つ状況の方が少ない。
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そのくせ、ミニゲーム一覧のメニューには「おまかせ」の項目は無い。
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コインアスロンの「チャレンジャーレース」モードの問題点
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次々と現れるライバル相手に10連勝することが目的で、敵CPUは段々と強くなっていくのだが、6戦目の時点で相手が「たつじん」(最高レベル)になる。いくらなんでも早すぎないだろうか。
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その後はひたすら「たつじん」を相手に勝負していくだけ。敵の人数や周回数などは変わるが、結局代わり映えがなく、次第に飽きてくる。
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そして「10連勝」というのが問題で、一度でも負けると最初からやり直しとなる。
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決着がつく前であれば、メニューから終了することで試合を無かったことにできるのが救いか。
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さらに、「めざせ10連勝」と書いているものの、
10連勝したところで何も得られない
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解禁要素がないだけなら一概に問題とは言えないが、ハイスコアなども一切記録されないのはここまで頑張ってきたプレイヤーに対して酷である。
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ミニゲームに関する問題点
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ミニゲームの数が53種類と少ない
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これは初代『マリオパーティ』と並び、歴代で2番目に少ない。
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モード別だと「キノピオパレード」「バルーンマッチ」で遊べるミニゲームが38種類、「コインアスロン」で遊べるミニゲームが12種類となる。
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「キノピオパレード」などのモードでミニゲームを遊んでミニゲームを解禁するという仕様に戻った。
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今作は1ターンごとにミニゲームが発生することはなく、ミニゲームのバルーンを取った時にしか発生しないため、全て解禁するには時間がかかる。
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ミニゲームの説明が簡易的で、わかりにくい場合がある。
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今作での説明は、最終目的とボタンの役割しか表示されない。また、説明ムービー等も無いため「そもそもどんなゲームなのか分からない」という状況になりやすい。
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特に「かけひきクッキー」や「かぞえてフルーツ」などはミニゲームの仕様を適切に説明できているとは言い難い。
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「フーフーセーリング」はマイクに息を吹きかけて操作するのだが、雑音の多い場所だと操作が困難になる。このミニゲームが選ばれることを防ぐこともできない。3DSという携帯機のゲームであるというのに、遊ぶ場所が事実上制限されてしまっている。
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「テレサめいろ」は、どこかにあるゴールをいち早く見つけるミニゲームだが、ミニゲーム開始時のムービーに映る部屋の出入り口からゴールの位置をおおよそ特定できてしまうため、経験者が明らかに有利。
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ドンキーコングの表情がやや不自然
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勝利、成功演出などで『10』や『スーパー マリオパーティ』などでは白い歯をむき出しにしてにっこりと笑うドンキーコングだが、3DSの解像度の関係か本作では口を閉じた状態で勝利演出を行う。それだけなら特におかしくはないが、口角を上げずにムスッとした表情で喜んでいる声を出すためやや不自然。
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ゲームプレイ上特に操作性等に不自由はないと言ってしまえばそれまでだが、ユーザーによっては違和感を感じるかもしれない。
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チャレンジタワーで、amiiboの数=残機、となっている。
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決して運ゲーになることはなく、冷静に考えれば必ずクリアできるようにはなっているが、それでもamiiboを持っているだけで失敗をなかったことにできるというのは少々やりすぎ感がある。
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同じamiiboであっても1日たてば再び使用可能になるというのが救いだろうか。
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CPUのゲームバランスには問題がある。特に難易度「たつじん」で顕著。
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「正しいものを選ぶ」系統のミニゲームでは、「1問ごとに一定確率で正解する」という仕様になっているのか、たつじん設定でも0点になることがある。
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逆に満点を取ってくることもある。「プレイヤーが勝てるようにわざと満点を取らない」という仕様はない。
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「のぼってネジ式リフト」「すすめ!アメンボマシーン」などはとても強い。どちらも下画面をひたすら擦り、その速度を競うミニゲームなのだが、たつじんCPUは非常に速く、追いつくことすらも困難。
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その上プレイヤーは丁寧にやらないとタッチスクリーンを壊してしまうおそれがあるため、心理的にも全力が出しづらい。
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「はやおし絵あわせ」では超反応が目立つ。「下画面に表示された絵に対応する絵が何かを考え」、「それを4択の中から探し」、「それに対応するボタン(ランダム)が何かを確認し」、「実際にボタンを押す」という手順を素早くやる必要があるのだが、たつじんはかなりの速度で選んでくる。お手つきも殆ど無い。
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瞬間判断力が相当高い人でない限り、ヤマを張らなければまず勝てない。
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ボードマップでの「うばいあいバトル」の、タイマーを5秒ぴったりで止めるゲームで、稀にたつじんCPUが誤差0.01秒という凄まじい精度で止めてくることがある。当然これを超えなければ負けとなるため、かなり理不尽。
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かと思えば0.8秒近い誤差を出すこともあり、記録が安定しない。CPU戦に限って言えばこのミニゲームも運ゲーとなってしまっている。
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逆に最低難易度「ふつう」のCPUも状況によってはそこそこ強く、上級者でも苦戦するような動きをするときもある。当然初心者は勝てるはずもない。
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例えば「はやうちパックンフラワー」はCPUが無駄な動きをしてくることが少なく、時々たつじんに匹敵するスコアを出してくることもある。
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たつじんの強さを問題として挙げた「はやおし絵あわせ」についても、ふつうの段階でそれなりの強さを誇り、少しでも戸惑ってしまうとCPUに正解を取られてしまう。ミスをする確率も相応に高いのが幸いか。
総評
『アイランドツアー』『10』の反省を踏まえてか、本作では様々な改善がされた。
ミニゲームの数は少ないがゲームモードが豊富であり、色々な遊びで1人または複数人で楽しめる。
余談
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ソフトを持っていない人と遊ぶ場合は制限が付けられるのは従来の携帯機シリーズと同様。
ただし、事前にニンテンドーeショップで無料で配信されている『おまけ付き マリオパーティ スターラッシュ 持っている人と対戦版』をダウンロードしておけば制限なしの通信プレイが楽しめる。
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通信プレイだけではなく、おまけとして本編にもある「まわしてパズル」を遊ぶことができるように、体験版としての側面もある。また、持っている人と対戦してマリパレベルを上げていくと、他のミニゲームも体験することができるようになる。
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現在は3DS用のニンテンドーeショップがサービス終了してしまったため、制限なしで対戦したければソフトを人数分買う必要がある。
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本作の販売本数は日本では15.9万本、世界では87万本であり、マリオパーティシリーズとしてはかなり低め。
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参考までに『DS』は日本216万本、世界931万本。『アイランドツアー』は日本56.1万本、世界295万本。『100 ミニゲームコレクション』は日本25万本、世界69万本。
最終更新:2024年07月22日 21:49