ミラクルアドベンチャー
【みらくるあどべんちゃー】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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アーケード(MVS)
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発売・開発元
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データイースト
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稼動開始日
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1994年
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象) ※アーケードアーカイブス版より付与
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配信
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バーチャルコンソール 【Wii】2010年8月3日/926Wiiポイント(配信終了) アーケードアーカイブス 【PS4】2017年9月14日/838円(税込)
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プレイ人数
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1~2人(同時プレイ)
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判定
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なし
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ポイント
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インディ・ジョーンズ風コミカルアクション かなりあっさりとした低難易度
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概要
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1994年に今は亡きデータイースト(デコ)がリリースした横スクロールアクションゲーム。
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映画『インディ・ジョーンズシリーズ』の影響を多く受けたであろう世界観であり、デコならではの若干濃い目なキャラクターデザインとカートゥーン的なコミカルさが特徴の一作である。
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主人公であるジョニーとトムを操作して、悪のマッドサイエンティスト・ドゲード博士から、さらわれたトムの恋人メアリー救出と財宝のありかを示す5つの地図のかけらを入手するのが目的のストーリー設定。
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1~2人同時プレイ可能、全5ステージ(各ステージは複数のエリアが存在)。
主なルール
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使用コントローラーはレバー+3ボタン。レバーにて主人公操作、Aボタンでショット攻撃、Bボタンでジャンプ、Cボタンは使用回数制限のあるボンバー攻撃となっている。
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レバー左右で主人公の移動、下でしゃがみが可能。
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Aボタンでショットを放つ。レバー上(もしくは斜め上)+Aボタンで上(斜め上)ショット攻撃、ジャンプ中にレバー下(もしくは斜め下)+Aボタンでジャンプ下(ジャンプ斜め下)攻撃ができる。
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Aボタン押しっぱなしにして主人公が全身が光り出した頃合にボタンを離すと溜めショット攻撃が可能。
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Bボタンで主人公のジャンプ(レバー左右にてジャンプ中の制御は可能だが、ジャンプ距離は常に一定)。ジャンプ中の足元には攻撃判定があり、ほとんどの敵を踏みつけて倒す事が可能(連続で踏みつけると入手スコアが倍増する)。
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しゃがみ中にA+Bボタン同時押しでスライディング(攻撃判定あり)が可能。また、主人公の下位置に足場がある状態にて、レバー下とBボタンでその地形に下りる事が可能。
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Cボタンを押すと画面全体を覆う程の強力なボンバーが放てる。ボンバー中は完全無敵で、敵からの緊急回避の効果も兼ねる。ボンバーストックがないと一切のボンバーは出せない他、主人公が地面に立っている状態でないと発動できない(ジャンプ中などではボタン入力が効かない)。
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主人公の最初からストックされているボンバーは3つ。ボンバーアイテム(下記)を取得すれば最大5までストックを増やせる他、ボンバーストックが2以下の状態でステージクリアすると、次ステージにてストックが初期値の3に戻っている。また、ミス後の復活時もストック3の状態で再開される。
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所々に存在する宝箱を壊すとアイテムが出現する(稀にそのまま放置されている場合もある)。以下その詳細を示す。
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ショット系
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「ヨーヨー」「ダブル」「グローブ」「ファイヤー」「アイス」「ボム」「サンダー」の7種類が存在。詳しい効果は下記家庭用移植のVCリンクを参考にして頂きたい。
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主人公の初期装備はヨーヨーで、ミス後の復活時はミス前にどのショットを取得してようが必ずヨーヨーに戻る。また、このゲームにはショットのパワーアップという概念はなく、装備アイテムと同じものを取得するとスコアボーナスとなる。
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取得したショットアイテムにより、通常ショット、溜めショット、ボンバーの各性能がすべてにおいて変化する。
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その他アイテム
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「果物」…ライフを1回復。
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「コイン」…スコアボーナス。
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「ボンバー」…ボンバーストック1回復。
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残機+ライフ制の途中復活ですべてなくなるとゲームオーバー。ライフは最大3つあり、エリア及びステージをクリアしても一切の回復はしない(ミス後の復活か、果物アイテムを取得する以外に回復方法なし)。
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ミス条件は「ダメージを受けてライフが全部なくなる」「制限時間(ゲーム中非表示)が0になる」のいずれか。
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なお、本作はマルチエンディング制を採用している。最終ステージをクリアすると選択肢があり、どれを選ぶかによってエンディングに変化がある。
特徴
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キャラデザインが濃い面はあるが、そこまでくどい作風でもなく、特にデコマニアでなくとも普通に馴染めるであろう作品。コミカルならではのギャグはあるものの、旧デコの常軌を逸したようなクセは皆無である。
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強いてネタ方面を述べるならば、ステージ開始前にさらわれるメアリーのボイス「HELP ME!」が、「ちゃっぴー ちゃっぴー」にしか聞こえなかったり、ドゲード博士がボス出現時にてそのステージにあったコスプレをしている、という面はある。
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ショットの種類が若干『チェルノブ』を彷彿とさせるものとなっているのも特徴(ショットの一つ、サンダーは「赤城山ミサイル」にそっくり、出現数が少ないのも共通)…かもしれない。
評価点
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ゲームとしては、特別に複雑は操作はほぼ存在せず、当時のACの中でもかなり遊びやすい内容。短めのエリア構成で非常に進行テンポが良く、敵を倒しまくる(撃ちまくる)爽快感を重視し、軽いテイストでガスガス攻撃したい時にはうってつけなゲームである。
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主人公がライフ+残機制という事で許容ダメージ数が多く、初見でもかなり長く先に進みやすい為に、難易度は同時期のAC作の中でもかなり低い方。それに加え、ボンバーストックの数も多く、ステージクリアでストックが回復する親切仕様な影響も相まって、ある程度のごり押しも通用してしまう。
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それを抜きにしても、敵がそれほど強くはない上全体的に耐久度が低めに設定されているのも、難易度の低さに拍車をかけている。
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さすがに最終面ともなると敵やトラップの配置が厳しく、ラスボスは幾つもの形態を持っており相応に強い。
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初心者や小難しいルールを嫌うプレイヤーにとっては非常に評価が高く、ややマイナーながらもそれなりの人気を博していた模様。
問題点
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難易度の低さ故に即効でクリアするプレイヤーが続出した。
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当時の対戦格闘ブームの事情もあり、長期間稼動する事は叶わなかった。
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ダブルが強すぎて他のショットを選ぶ意義が薄い。
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本作は様々な種類のショットが存在し、パッと見ではこれらを使い分けるゲームと思われがちなのだが、数あるショットの中でダブルが群を抜いて強い性能にされている。
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ダブルはレバーニュートラル時のショットでも斜め上に撃つ事が出来て攻撃範囲が広く、通常ショットや溜め撃ち、ボンバーで発生する多段ヒット判定と高い連射力の相乗効果によって攻撃力自体も非常に高い。
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これら要素を挙げた時点で十分に強いのだが、実質ダブル一択になっている一番の理由はしゃがみ攻撃で、ダブルの場合は他の武器では不可能な斜め下への攻撃が可能になっている点が強い。
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ダブル以外の武器も十分に個性的ではあるのだが、威力や軌道、連射力に難がある装備だらけなのも、本作のダブルゲー化を促していると言えるだろう。
総評
デコとは思えぬような初心者に優しく、誰でも気軽に遊べる作りであるのは評価に値するだろう。
しかし、その優しさが仇となり、人気には繋がらなかった悲しさが泣ける。
家庭用移植
家庭用移植はネオジオROMのみで、それ以外(ネオジオCD含む)には一切の移植はされなかった。しかし、バーチャルコンソールやアーケードアーカイブスにて配信され、少しではあるが日の目をみる機会が増えている。
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ネオジオ ROM版(1994年2月18日発売、データイースト)
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もちろん完全移植だが、やはりソフト価格が高いのがネックである。
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2010年8月3日からネオジオROM版がWiiのバーチャルコンソールにて配信された(現在は配信終了)。
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2017年9月14日からPS4のアーケードアーカイブスにて配信されている。
余談
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本作は実はジェネシス(海外メガドライブ)で発売された日本未発売のゲーム『ダッシュ・イン・デスペラード』の続編だったりする。
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海外版は「Spinmaster」のタイトルで稼働。
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ゲーム本編に差異はないが、ステージ1がスペインになっている。
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本作の悪役のドゲード博士は、『タンブルポップ』をはじめとする同社からリリースされていた固定画面アクションゲームシリーズのラスボスを務めていた悪の科学者にそっくり。『カルノフ』や『チェルノブ』と同様の外部出演と思われる。
最終更新:2025年02月03日 16:53