クラッシュ・バンディクー レーシング ブッとびニトロ!

【くらっしゅ ばんでぃくー れーしんぐ ぶっとびにとろ】

ジャンル レースゲーム

対応機種 Nintendo Switch
プレイステーション4
Xbox One
発売元 【Switch/PS4】セガゲームス
【One】Activision
開発元 Beenox
発売日 【Switch/PS4】2019年8月1日
【One】2019年8月15日*1
定価 4,900円(税別)
プレイ人数 1人~4人(オンラインは最大8人)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定(Switch/Ver.1.0.1) なし
判定
(Switch/Ver.1.0.2以降)
良作
改善
判定(PS4/One) 良作
ポイント 原作に忠実なリメイク
ターボ維持ゲーに変化
シリーズオールスター
充実したDLC
クラッシュ・バンディクーシリーズ


概要

初代PSの名作レースゲーム『クラッシュ・バンディクー レーシング』のリメイク作品。
開発は『The Amazing Spider-Man』や『Call of Duty: Modern Warfare 2 Campaign Remastered』などを手掛けた、アクティビジョン傘下であるカナダのデベロッパー、Beenoxが担当している。


追加要素

  • オンライン対戦
    • レースとバトルをオンラインで楽しむことができる。
    • 見知らぬ人とマッチングすることもできるし、フレンドと対戦することもできる。
    • 機種を跨いでマッチングすることはできない。
  • 走行タイプの追加
    • 原作にあったバランス型、スピード型、加速型、ハンドル型に加えドリフト型が追加された(アップデートでの追加)。
    • ドリフト型はスピード型と同じスピード重視*2だが、加速は全タイプ中最低、ハンドルは加速型と同等となっている。
  • カスタマイズ
    • 本作では新たにキャラクタースキン、カート(本体、デカール、ホイール、色、ステッカー)をカスタマイズできるようになった。
    • 1レースorバトルをクリアする度にウンパ・コインを入手でき、そのコインを用いてピットストップで購入する。
      • 週末では貰えるコインが2倍になり、オンラインモードであれば毎日30分間は貰えるコインが5倍になるウンパタイム*3が設けられている。
    • ピットストップで売られているキャラクタースキンは服装が大きく変化し、表彰台でのモーションも専用の物になる。
  • 『ニトロカート』からの逆輸入
    • 『レーシング』の続編である『クラッシュ・バンディクー 爆走!ニトロカート』のキャラクターとコースも収録されており、実質的に『ニトロカート』のリメイクともいえる内容になっている。
    • あくまで、コースやシステム面での話。ニトロカートのキャラがオキサイド達と会話するような、ストーリーにおいてのクロスオーバーは無い。
    • バトルモードのルールもこの作品からの逆輸入である。
    • ただし、X箱と反重力は廃止されている。X箱は通常の?箱に変更され、反重力があったコースは形状が変更されている。
  • おはなしモードの仕様変更
    • 「やさしい」「ふつう」「むずかしい」の3段階で難易度を設定できるようになった。
      • 最高難易度「むずかしい」では、CPUの基本速度が速くなり、おっかけボールやびりびりウォッチを使ってくるようになる。
    • ワープエリアでは自由にキャラやカートのカスタマイズを変更できる。
    • 従来のキャラクター固定の方法も「クラシック」という名称で残っている。難易度は「ふつう」相当。なお、使えるキャラクターは『レーシング』から使える8人のみ。
    • アップデートで各エリアに金色の卵が登場。全て取ってある場所に向かうと…?
  • ターボの仕様の変更
    • ドリフトターボによるターベスト状態と、加速床を用いた時*4のターベスト状態が区別されるようになった。
      • 後者の方がマフラーから出る炎が大きい。ただし、ドリフトターボで適度にパーフェクトを出さないと維持できず、前者の状態になってしまう。
    • また、ニトロカートと同様、壁に触れた瞬間にターボが切れてしまう。
      • そのため、いかに加速床を使った時の大きな炎を維持できるかがこのゲームのカギとなる。
    • 一部の加速床を使うとカートから青い炎が出て、通常の加速床よりもさらに速く走れるようになる。これは原作のテクニック「超加速」を仕様変更したものである(以後、この青い炎が出ている状態を超加速と呼ぶ。)。
      • 原作では超加速中に通常のターボがかかると減速する仕様だった。本作では逆に、ドリフトターボによって維持時間を延長できるようになった。
      • 加速床によってターボの強さや最初の維持時間は異なる。
      • カートの制御が非常に難しくなるが、これを維持して走ることができれば十分上級者だろう。Beenoxスタッフのゴーストに勝つには、これの維持は必須となる。
  • リングレース
    • アップデートで追加されたモード。
    • コースに複数のリングが設置されており、時間内にいくつ通れるかを競う。
    • リングを通ると制限時間が少しプラスされ、短いターボがかかる。ラップを経る度にリングの面積が狭くなり、かかるターボが強くなっていく。
  • グランプリ
    • 1ヶ月の期間で開催されるイベント。
    • アップデートによるキャラクターとボーナスコースの追加は、このグランプリに内包される形となっている。
    • 設定されたチャレンジをクリアするとニトロポイントを獲得でき、そのポイントが一定数貯まると限定のコンテンツが貰える。
    • また、オンラインレースの順位に応じてカップが貯まっていく。
      • 期間終了時に貯めたニトロあるいはカップ数のランキングから上位5%のプレイヤーには、専用のカートとデカールが贈呈される。
    • 獲得できなかったコンテンツは開催終了後にしばらくしてピットストップに並ぶ。
    • 全グランプリ終了後は「ウンパ・チャレンジ」に変更。チャレンジを達成することでコインを得ることができる。
+ グランプリ詳細
  • ニトロツアー グランプリ
    • 開催期間:2019/7/2~7/28
      • 日本版発売前なので、海外版のみの開催。
    • 新キャラクター:タウナ、イザベラ*5、エイミー、エリザベス、メグミ
      • レースクイーンは4人とも原作ではココの頭身を上げたようなデザインだったが、本作ではタウナと同じようなリアル寄りのデザインになっている。
      • エイミーは体育会系、エリザベスはクール系とキャラが若干変わっている。
    • ボーナスコース:「トワイライト ツアー」
      • 前半は夜のエジプト、後半は昼のアラビアが舞台。
      • カーペット研究員がシマ箱を大量に運んでいる。
      • アラビアゾーンに2枚超加速床がある。
  • タイムトラベルグランプリ
    • 開催期間:2019/8/2~8/25
      • Switch版のみ未開催。
    • 新キャラクター:ベイビーT、ベイビークラッシュ、ベイビーココ
    • ボーナスコース:「こだいのあそびば」
      • 大昔の恐竜がいた時代が舞台。『がっちゃんこ』のコース「のってけ!ジュラ・クラシック」からインスパイアを受けて制作されたようだ。
      • 背景の原始人の格好をしたニセクラッシュが石の車を作っている。
      • ゴール手前とコース序盤に超加速床が1枚ずつある。
  • スパイロとなかまたち
    • 開催期間:2019/8/30~9/30
    • スパイロ』シリーズとのコラボレーション*6
    • 新キャラクター:スパイロ*7、ハンター、ナスティ・ノーク
    • スパイロサーキット
      • スパイロ・ザ・ドラゴン』のステージが舞台。「グリーンガーデン ホーム」→「フェアリー キッス」→「ウィザード ピーク」という順でワープしながら進む。
      • BGMはスパイロシリーズ3作目「Spyro: Year of the Dragon」のステージ「Mushroom Speedway」のもの。
      • 全キャラクターをスパークスが守る*8
      • コース上のリンゴや箱がスパイロの世界観に合わせ、ダイヤ*9と独自の箱になっている。 コースの障害物として爆弾*10があり、接触すると爆発して一時行動不能になるが、辺りにダイヤが散らばる。
  • おばけパニック
    • 開催期間:2019/10/4~11/3
    • ハロウィーンがテーマ。
    • このグランプリでは箱を壊すとたまにオバケが飛び出てくる。これをたくさん捕まえるチャレンジが存在。
    • 新キャラクター:ニーナ・コルテックス*11、コモド・モー、ニトラス・ブリオ
    • ボーナスコース:「ニーナのあくむ」
      • 『5』に登場した少年時代のコルテックスやエビル・ツインズ、アンバリー校長の絵がある。
      • 粘液を垂れ流すジャック・オー・ランタンや、踏み潰してくる巨大なモンスターなど障害物が多い。
      • 終盤に超加速床が1枚ある。
      • 全クランプリ終了後、このコースのみ再びオバケが出るようになった。ただし、オバケを捕まえても意味はない。
  • ネオンサーカス
    • 開催期間:2019/11/8~12/8
    • 新キャラクター:パサディーナ・オポッサム、エベニーザー・ボン・クラッチ、コアラコング、キングチキン
      • キングチキンは『3』や『5』に登場した鶏の親玉的存在であるらしい*12
        当初はグリンと同じく、ランダムでアクアクとウカウカのどちらかが守り*13アイコンと逆の仮面になることもあったが、現在はアクアク・ウカウカ・ベロ・スパークス・アポアポのどれかがランダムで守るようになっている。
    • ボーナスコース:「コアラ カーニバル」
      • 道幅が広く難易度は低め。
      • 中盤に超加速床が1枚ある。
  • ウィンターフェスティバル
    • 開催期間:2019/12/12~2020/1/12
    • クリスマスがテーマ。
    • 新キャラクター:ヤヤ・パンダ、リラ・ルー、ハスティ、チック、スチュー
      • チック、スチューはプレイヤーキャラとして登場する前に、各種グランプリ開催時のオープニングムービーに出演している。
      • ヤヤ・パンダは『ニトロカート3D』からの参戦。
      • ハスティはクラッシュシリーズとは一切関係が無い、原作のデザイナーが描いたオリキャラを参考に作られたキャラである。謎の参戦ではあるが、トナカイのようなキャラなのでテーマに合ってはいる。
    • ボーナスコース:「ジングル クッキーロード」
      • コースや背景はお菓子で作られている。
      • ゴール前の規則的に跳ねるゼリーに当たると潰される。
      • CTRチャレンジで文字を1周で取り切れない。
      • 加速床の色が白と赤になっている。
      • 前半に超加速床が1枚ある。
  • ガラクタこうや
    • 開催期間:2020/1/16~2/16
    • 新キャラクター:メガミックス
    • ボーナスコース:「メガミックスマニア」
      • 落書き・インクまみれの荒廃したコース。舞台は川底から干上がった後のものと思われる*14
      • あちこちに配置されている地雷が厄介。
      • 『5』で登場したエヌ・ジンの戦闘艇がボロボロになって登場し、内部を通る。ウォーラスの絵の落書きもある。
      • 全キャラクターをアポアポという仮面が守る*15
      • 序盤に超加速床が1枚ある。
  • ガスモキシア
    • 開催期間:2020/2/20~3/22
    • オープニングはエヌ・オキサイドの通信。
    • 新キャラクター:ベロ皇帝27世
    • ボーナスコース:「ハラハラ ドライブスルー」
      • エヌ・オキサイドの故郷「ガスモキシア」が舞台。2つのファストフード複合企業がスポンサー争いをしているという設定。企業名はそれぞれ「どくバーガー」「ばくだんピザ」である。
      • コーナーも起伏も激しい、最終グランプリらしくかなり難易度の高いコース。
      • 各週ごとに1位の人がスタート直後の分岐のどっちを通るかで、加速床の配置が変わる。
      • 序盤に超加速床が1枚ある。
  • グランプリ終了後
    • 新キャラクター:けんきゅういん、ベイビーコルテックス、ベイビートロピー、ブロックチェックポイントばこ
      • ブロックチェックポイントばこにはTNT箱やニトロ箱などのスキンがある。また、アクアク・ウカウカ・ベロ・スパークス・アポアポのどれかがランダムで守るようになっている。
      • なお、ブロックチェックポイントばこはCPUとしては出てこない唯一のキャラクターである。
  • ゴーストの追加
    • エヌ・トロピー、エヌ・オキサイドに加え、アップデートでベロ皇帝27世とBeenoxスタッフのゴーストが追加された。
  • 金のリンゴ
    • アップデートで追加。?箱やシマ箱がときどき光っていることがあり、壊すと金色のリンゴが飛び出してくる。追いついて獲得すれば200コイン加算される。
    • 一定時間経つとそのリンゴは消えてしまうが、再び箱が光って挑戦できる。

評価点

  • 原作にかなり忠実な操作性
    • 原作と全く同じではないが、ドリフトやジャンプなどの挙動はかなり近く再現されている。
    • 原作をやり込んだプレイヤーでも取っつきやすいだろう。
    • 原作では無かった超加速維持は練習が必要だが、できるようになればかなり疾走感のあるレースを楽しめる。
  • 長期的に遊べる。
    • オンラインの実装やキャラ・カスタマイズといった解禁要素の実装により、モチベを保って長く遊びやすい。
  • グラフィックの向上
    • 3段もり』と同様にグラフィックはかなり綺麗になっている。
    • 本作はそれだけではなく背景が原作以上に作り込まれており、かなり遠くまでの描写がされているコースが増えた。
    • また、これまでに登場した雑魚キャラクターが至る所に登場しており、シリーズファンであればニヤリとする要素となっている。
  • 自由度の高いカスタマイズ
    • カスタムパーツが豊富、集めるだけでもかなりの時間がかかる。
    • アップデートでキャラクターと走行タイプを別々にできるようになったため、好きなキャラ、カスタマイズを楽しむことができる。
  • BGM
    • 全体的に原曲に忠実なアレンジとなっている。「あめのスカイサーキット」など、大胆にアレンジされているコースもある。
    • コースによっては、一部区間に入ると曲にアレンジが加わることもある。
    • ボス戦BGMは対戦相手によってアレンジが地味に変わる。
    • レーシングとニトロカートのコースとアリーナではオリジナル版のBGMにすることも可能。その際にはメニュー画面や表彰台等のBGMもオリジナル版になる。ただし追加コースは対象外。
    • アップデートでコースBGMを鑑賞することができるようになった。ただし無敵アイテムのBGMや表彰台のBGM、ボス戦BGMは聴けない。
  • シリーズオールスター
    • 追加キャラクターは、主に原作と『ニトロカート』で未登場だったシリーズ作品から登場している。
    • 『ニトロカート』のボスキャラはベロを除きGBA版でしか使えなかったが、本作ではしっかり使える。
    • 前述した雑魚キャラのカメオ出演も含め、まさにクラッシュオールスターといえる内容となっている。
    • 原作登場キャラにも、シリーズで登場した様々なコスチュームがスキンとして登場している。
      • 『3』の乗り物ステージの衣装を着たクラッシュ、『2』のボス戦を彷彿とさせるジェントルマン衣装のリパー・ルー、『がっちゃんこワールド』のニンジャペンギンの服を着たグリン、『Mind over Mutant』で洗脳されたココとクランチなど。
    • キャラだけでなく、カートも過去レース作品に登場したものが再登場している。例えば原作のオキサイドが乗っていたホバークラフトが使える。
  • 充実したアーケードモード
    • おはなしモードでしか遊べなかったタイムアタックやCTRメダルチャレンジ、パワーストーン集めといったチャレンジは、アーケードモードですぐに遊ぶことができる。
    • 『ニトロカート』のコース・アリーナを収録しただけでなく、上記チャレンジもしっかりプレイできるのは嬉しい。新規追加コースも同様。
    • ミラーモードが実装され、コースを反転させてプレイできるようになった。飽きたときに使うといいかもしれない。
    • オフラインでもCPUを交えてバトルモードを1人でプレイできるようになった。
      • ニトロカートのバトルモードのルールで、原作のバトルコースで遊ぶことも可能になっている。
    • 新規モードのリングレースは、超加速床が無いコースでも超スピードで走りぬける爽快感があるため好評。
  • 数ある追加要素がすべて無料
    • 新コースや新キャラは普通なら有料DLCでもよい内容だが、購入特典を除けばすべて無料で手に入れることができる。
    • グランプリが半年以上に渡って開催されたことを考えると、かなり奮発している。

賛否両論点

  • 原作以上のターボゲー
    • 原作からしてターボゲーと呼ばれており、良くも悪くもクラッシュレーシングの特徴となっていた。本作でも原作と同様に、ターボゲーともいえるバランスとなっている。
    • 当然リメイクであるのだから原作と一緒でなければならず、そういう意味では原作通りのバランスは評価できる。操作性に関しても原作とほとんど一緒である。
    • しかし、オンラインが導入された本作では、実力差が出やすいことがハッキリと見える形になった。さらに、ターボ維持の高難易度化や後述のエアブレーキの存在の存在により、原作以上に極端なバランスになってしまった。
  • 非公式テクニック「エアブレーキ」の存在
    • ジャンプ中に急に方向転換するテクニック。やり方は、ジャンプ中にアクセルを離してブレーキをしながら斜め下を入力する。
    • これによりきついカーブをターボ維持しながら走ることができ、すべてのコースで超加速を維持して走り抜くことができる。リングレースで高得点を狙える。
    • 操作自体は練習すれば難しくない。問題なのは公式で一切説明されていないことである。
      • 自力で試行錯誤するか、SNSや動画サイト等で有志の説明を聞かない限りはこのテクニックを見つけることはできない。知っているか知っていないかで実力にどうしようもない差が出る。
      • ちなみに、Beenoxスタッフのゴーストは普通にこのテクニックを使ってターボ維持をしている。公式は把握しているということだが、なぜ説明してくれないのだろうか。
      • 一応、ヒントに「むずかしいテクニックをおぼえれば」という記述もあるが、エアブレーキを意味しているかどうかは定かではない。
  • オンラインレートが存在しない。
    • 前述の通り実力差がかなり出やすいゲームなのだが、レートが存在せず、部屋内のプレイヤーの実力は基本的にバラバラ。
    • 1位がゴールした後30秒でレースが強制終了になってしまうため、走りきれなかったプレイヤーからは不満が出る。
    • しかし、過疎になるのを恐れ、レートは無いほうが良いと考えるプレイヤーもいる。
    • Beenoxの公式Twitterにて、マッチングをプレイヤーのスキルに合わせたものにするか検討中とのアナウンスがされている。
  • 反重力のオミット
    • ニトロカートの目玉要素だった反重力が無くなっている。
    • 全体的に反重力ゾーンの部分は違和感の無い内容に作り直されてはいる。
      • 特に「ギャラクシーハイウェイ」は、前半の反重力ゾーンが丸々オミットされた。

問題点

  • 1位独走ゲーになりやすい。
    • 同じくらいの実力のプレイヤー同士の対戦でも、1位は独走、下位は団子状態という状況になりやすい。
    • これには主に2つの理由がある。
    • アイテムバランスが悪い。
      • 攻撃アイテムが弱い。ミサイルは近距離でしか使えず、速度も遅いので超加速中の相手には使えない。1位を直接攻撃できる手段はおっかけボールとびりびりウォッチがあるが、オンラインでは出現確率がかなり低めに設定されている*16
      • 一方で防御アイテムは強い。青シールドはびりびりウォッチやおっかけボールをいつでも守れるし、オイルやニトロ箱もへっちゃらである。また、稀に1位でも無敵アイテムが出ることがある。
      • よって、1位はアイテムによる直接攻撃を受ける可能性が低いのである。一方で下位はミサイルやシールド、無敵などにより潰し合いになりやすい。
    • ターボ維持の仕様
      • 本作では仕様変更により、レース序盤からゴールまでずっと超加速状態で走り抜ける事が可能になった。
      • 当然、実力ゲーの助長になる仕様変更と言わざるを得ないし、上級者同士の対戦だと基本的に「超加速状態が切れた方の負け」となる。超加速床が一部しかないコースで超加速が切れてしまうと、追い付くことはまず不可能になってしまう。
    • 以上の2つの理由により、1位は邪魔されること無くターボ維持して独走しやすい環境が出来上がっている。
  • おはなしモードの問題点
    • 全体的に難易度が高い。「ふつう」でも原作より上と言われている。
    • CPUの基本速度が速く、普通に走るだけでは1位を狙うことはまず不可能。3段階ターボのテクニックを覚えてようやくスタートラインに立ったと言える。
    • たとえ3段階ターボが使えたとしても、壁にぶつかるなどのミスをすればあっと言う間に順位を奪われてしまう。
    • かといって「やさしい」でプレイするとターボをほとんど使わなくても簡単に勝ててしまうという極端な調整がされている。
      • 「やさしい」をクリアしたのでそのまま「ふつう」に挑戦すると、最初のコースでも1位が取れないほど。
      • 前述の通りアイテムが弱めなので、アイテム運で勝利するのも困難。
    • 「やさしい」と「ふつう」の間にもう1つ難易度があれば…という意見が多い。
  • オンラインの問題点
    • 開始までに時間がかかるため、快適に遊ぶことができない。
      • マッチに時間がかかり、マッチ後はコース選びの投票に1分かかる。
    • 部屋の1人がホストになっているらしく、その人が抜けてしまうと部屋が解散となってしまう。
    • 接続に失敗したのか、それともホスト抜けが起こったのか、レース開始までのカウントが0になった瞬間に部屋が解散されることがたまにある。その場合はまたマッチング→1分の投票時間が発生してしまう。
    • スタートラインに並んだ状態で無限ロードが発生する場合がある。そうなった場合いつまで経ってもレースは始まらず、ポーズ画面も開けないためPSボタンで「アプリケーションを終了」を選ぶしかない*17
    • オンラインモードを選択した後は、マッチメイキング中でしかカスタマイズを変更できない。マッチングすると制限時間が出るので、迅速に変更することが求められる。
      • 一応、プライベートマッチを選択すれば、そこでもカスタムが可能なので問題はないが、初見では気づきにくいであろう。
  • ピットストップの問題点
    • オンラインプレイを前提としているのか、景品の値段が高め。
      • でんせつランクのペイントは1500コインなのに対し、でんせつランクのホイールはスキンと同じ2500コインで割に合わない。
    • 並ぶ景品がランダムのため、目当ての景品に辿りつきにくい。
      • 1日おきに自動的に変更されるが、それ以外では景品を買って新しい景品を出す方法でしか変更できない。
      • アップデートで、1ヶ月のウンパ・チャレンジ期間で2回まで一括にすべて変更できるようにされた。少なすぎてほとんど意味が無いが。
  • グランプリ(ウンパ・チャンレンジ)の問題点
    • 誤訳がある。「ひたすらトライアル」と「タイムアタック」を間違えていることが多い。他にも無敵マスクを「いないバーマスク」と訳していたりと雑。
    • 一部チャレンジの達成条件が不明瞭。例えば「箱を壊さずゴールする」という条件では、リンゴも取ってはならない等。
    • レース中に日付を跨ぐと、デイリーチャレンジがおかしくなることがある。
    • 条件を達成したのに、レース後のレポートで表示されないことがある。ただし、内部ではニトロ量やコインはしっかり換算されている。
    • ウンパ・チャレンジではもらえるコインが少ない。プロチャレンジでもたった200しかもらえない。
  • カスタマイズ
    • 設定する項目が多いため、変えるのがやや面倒。マイセットを登録できるようにすればよいのだが…。
    • キャラクタースキンが偏っており、シリーズ初期から存在するキャラクターのスキンが多く実装されている一方で、キャラクタースキンが全く追加されないキャラクターもいる。
      • 服装は変わらずにカラーリングだけが変わるスキンも存在するが、赤い肌のコルテックスといった少々気味の悪いものがある。
  • バグ
    • 処理落ちが起きる。レース開始時に時々起き、自分以外全員がフライング状態になることも。
    • エラーが出てゲームが強制終了されることがある。
    • ジャンプ台でドリフトターボをかけながらジャンプすると、謎の壁にぶつかることがある。
    • 新しいアイテムを入手したときに出る「!」アイコンが消えないことがある。
    • ピットストップで景品を買っても、しばらくピットストップから消えないことがある。
    • おはなしモードのセーブデータが何かの拍子で消えることがある。
    • クラシックモードでプレイすると優勝カップ獲得後にいきなりタイトル画面に戻されたり、CTRチャレンジの際クリアに必要な文字が無くなったりすることもある。
    • テキストが文字化けしていることがある。
  • ローカライズが手薄
    • 『3段もり』と同様に海外版準拠なので、キャラの吹き替えとメニューの翻訳以外はそのまま。
      • フォントも相変わらず角ゴシック体である。
      • 本作に至ってはタイトルまで「CTR」というロゴ表示で、さらに手薄になっているように感じられる。
        メダルも「CTRメダル」のままなので、いっそのことゲームタイトルをCTRに略せるものにした方がよかったのかもしれない。
    • 原作で喋っていたクラッシュやリパー・ルーは掛け声・奇声のみ*18になってしまった。
      • また、リラ・ルーは『カーニバル』では関西弁を喋るキャラだったのに、海外版に合わせウホウホ言うだけのキャラになってしまっている。
    • 吹き替えの声について
      • 『3段もり』ではオリジナルキャストがエヌ・ジンを除いてそろっていたが、本作では全員の吹き替えキャストが他の人になっている。
      • 声質が海外版のものと似た人を選んでおり、特にオキサイドは原作と全く似ていないと不評。
      • キャストは公開されておらず、一部声優がTwitterで公表したものや一部声優事務所の公表でしか分かっていない。
        今のところ判明しているのは、ココは野水伊織氏、ピンストライプは白石稔氏、ヤヤ・パンダは大森日雅氏、メグミは花園愛美氏ということだけである。
  • 海外版限定の要素がある
    • 海外でのみ販売されている菓子とのタイアップで入手できるパーツが存在する。
  • ロード時間が全体的に長い
    • レースを開始するのに大体30秒程かかる。同じコースを連続でやる分にはロード時間は短いが、他のコースを選択するときは終了時もロードが発生するためゲームテンポが悪い。
  • アップデート前の問題点
    • Switch版は発売直後にアップデート対応がされず、タイムトラベルグランプリ(8/2~8/25)が未開催となった上、海外とのマッチングもできずオンラインは過疎状態になっていた。
    • 一部コースにグリッチが見つかり、オンラインから外されていた。この時に出されたタイムレコードは残ったままになってしまっている。
    • おっかけボールが遅すぎて、超加速を維持中の1位に追い付けなかった。
    • 選択していたキャラやカスタマイズが初期化され、また選ばないといけなくなることがある。
    • リラ・ルーがひょっとこ口ではなくドンキーコングのような口に変更されて不評を買った。
      • 後に、小さい口に変更されたデザインが「リラ・ルーV2」*19として実装された。変更前のものは削除されていない。

総評

原作からかなりの追加要素があり、ファンサービスも多い。
ただし原作以上に対戦バランスが悪化してしまったのは残念だろう。
とはいえ元から完成度の高かった作品をきちんとリメイクされており、初めて遊ぶ人にもお勧めの一作となっている。


余談

  • キャラクターのエピローグの変更
    • 「レーシング」では完全クリアで見ることのできたキャラクター達のエピローグが、本作では「おはなしモード」をクリアするだけで見ることができる。
    • しかし、その内容のほとんどが変更されている。海外版に関しても変更されているので、ローカライズ時に変更されたわけではない。
      • N・トロピーのエピローグが原語では「未来の世界で赤いコートとオシャレな靴の男に出会う*20」となっているが日本では「赤いコートの素敵な人にひとめぼれ」となっており、原語版を合わせるとN・トロピーはゲイ、あるいはバイだった?と勘違いしかねないことになっている。
最終更新:2024年08月12日 06:30

*1 当初海外版と同じ6月21日の予定だったが変更された。

*2 ただし、スピード型より若干最高速が低い。

*3 アップデート前はデイリーボーナスと呼ばれていた。

*4 ぶっとびブースターの強化時も同様。

*5 原作ではタウナとイザベラが同一人物とされていたが、本作の共演により別人だと明らかになった。

*6 『スパイロ』シリーズもアクティビジョンが版権を持っており、同時期にリメイク作「Spyro Reignited Trilogy」を海外で出している。

*7 スパイロは既にGBA版『ニトロカート』に参戦している。『ニトロカート』ではなぜかウカウカが守っていた。

*8 それ以外のコースではスパイロ、ハンター、ナスティ・ノークとランダムで出てくるキングチキン、ブロックチェックポイントばこのみ

*9 ダイヤの色に合わせてダイヤの取得数が変わる。

*10 アイテムのドクロ爆弾やTNT箱とは異なりスパイロの世界の物。

*11 『がっちゃんこワールド』で既に登場している。

*12 ちなみに普通のチキンは各コースのどっかに最低1匹、背景に登場しているので探してみよう。

*13 グリンは原作では常にアクアクだった。

*14 コースの一部にホネホネ かいていトンネルと似ている場所がある。

*15 それ以外のコースでは一部キャラのスキンとランダムで出てくるキングチキン、ブロックチェックポイントばこのみ。

*16 アップデートで出にくくされた。

*17 筆者はPS4版のみ。Switch/One版は要検証。

*18 リパー・ルーのボス戦前後には字幕が表示される。

*19 海外版では「FIXED RILLA ROO」

*20 バックトゥザフューチャーのマーティのパロディ。