ちびまる子ちゃん まる子デラックス劇場
【ちびまるこちゃん まるこでらっくすげきじょう】
| ジャンル | アドベンチャー |  
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| 対応機種 | ゲームボーイ | 
| 発売元 | タカラ | 
| 開発元 | キッド | 
| 発売日 | 1995年5月26日 | 
| 定価 | 3,980円 | 
| 書換 | ニンテンドウパワー 2000年11月1日/1,000円 F×1・B×0
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| プレイ人数 | 1人 | 
| 備考 | スーパーゲームボーイ対応 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | やたら多い無駄な選択肢 | 
| ちびまる子ちゃんシリーズ | 
 
概要
ちびまる子ちゃんの物語3話をゲーム化し、ミニゲームを挟みながら話の流れを追っていくアドベンチャーゲームである。話の終わりとミニゲームの後にはパスワードが表示され、再開時に入力することで続きから遊べる。
特徴・評価点
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豊富なミニゲーム
    
    
        | + | ミニゲーム一覧 | 
マトあて ぽん!
手前から順に10点、20点、30点と書かれたマトに弾を当てて90点以上取れればクリア。しかし、このミニゲームはかなりの鬼門である。詳しくは後述の問題点にて。
スシくいねえ
ベルトコンベアの上に乗った寿司ネタをUFOキャッチャーよろしくアームで掴んでまる子に食べさせるミニゲーム。30点以上取れればクリア。回らない寿司屋に来ているのに回る寿司を食べているという点は気にしてはならない。
寿司ネタは6つ乗っており、チャンスは6回分あるため全部取ることも可能。
まちがいを さがせ!
最初に表示される絵を20秒で覚えて残りの40秒で4つの間違いを当てるミニゲーム。
絵は16分割されており、3回お手つきするか時間切れになると失敗。
でばんですよ
決められた時間の間にタイミングよくボタンを押すミニゲーム。
チャンスは4回までで、3回成功でクリア。1回成功するごとに制限時間の間隔が短くなっていく。
こいぬは どこ?
16分割された地図に犬の顔が表示され、表示された順番にパネルを選ぶミニゲーム。
犬の顔は最初は3回表示で、1回成功するごとに犬の顔が表示される回数が1回ずつ増えていき、4回成功でクリア。
余談だが、このミニゲームを出してくるのはオネエでもないれっきとした男子の山田なのだが、ミニゲーム内のナレーションは何故か女言葉である。
むしとり がっせん!
60秒以内にカブトムシを手掴みで18匹捕まえるミニゲーム。
虫が苦手な人にとってはビジュアル的に苦痛だが、そうでなくともカブトムシの動きやグラフィックはやや人を選ぶ。詳しくは後述の賛否両論点にて。
カブトムシを掴む際のタイムロスはやや長く、カブトムシの動きも不規則なため難易度は高め。
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名(迷)エピソード「まる子 おすし屋さんに行くの巻」を収録している
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さすがにゲームボーイのカセットに3話分詰め込むということでカットされたシーンもあるが、大まかな話の流れはほぼ原作通りである。
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残りの2話も起承転結がはっきりしており、しっかりオチもつけている。
 
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ゲームオーバーがない
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シナリオはほぼ一本道で、ifストーリーやミニゲーム失敗による分岐もないが、逆に言えばミニゲームさえクリアできれば(1つしかないが)エンディングに辿り着けるということでもある。
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むしろ一般的なアドベンチャーゲームのように下手にバッドエンディングを用意してしまうと、ちびまる子ちゃんという日常とギャグが混ざった世界観が壊れてしまう恐れもあるため、バッドエンディングやゲームオーバーがないのはある意味正解とも言える。
 
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アドベンチャーモードのキャラクターの表現方法
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移動中のシーンなどで会話が発生する際にメインキャラはバストアップでセリフを言い、喋っているキャラのリアクションはかなり豊富で、無邪気なまる子の発言に友蔵が驚愕したり、みぎわさんや丸尾君がショックを受けた際に背景にでかでかと「ガーン」の文字が降りてきたりと、演出の腕は確かである。
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ナレーションのツッコミは画面下部にほぼ専用のスペースが設けられていたりと、芸が細かい。
 
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その一方で、喋っていないキャラはなぜかカメラ目線で棒立ちしている。
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恐らくスタッフの技術不足だろうが、せめてカメラ目線ぐらいはどうにかならなかったのだろうか。
 
 
賛否両論点
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ミニゲームのカブトムシ
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5番目あるいは最後にやることになるミニゲーム「むしとり がっせん!」はカブトムシを捕まえるミニゲームなのだが、飛びもせず画面内を不規則に動く様は台所とかに現れる黒いアイツを彷彿とさせる。
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黒くないからギリギリ許容範囲内かもしれないが、色以外のグラフィックは黒いアイツにかなり近い。これを手づかみできるまる子の肝はかなり据わっていると言えるだろう。
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実際ミニゲーム開始前の寸劇でまる子も嫌々引き受けているそぶりを見せている。
 
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そもそも、まる子がゴキブリに四苦八苦する回が放映されているくらいであり、イメージに合わない。だが、まる子よ。ゲームの中くらいゴキ……もとい、カブトムシに立ち向かう気概を見せたって良いではないか。
 
問題点
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ほぼ完全に一本道のシナリオ
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物語の途中で頻繁に「はなす」「かんがえる」「いどう」「よいしょ」の4つの選択肢を選ぶことになるのだが、そのうち3つの選択肢は選んでも「間違いです」と言わんばかりにブザー音が鳴るだけで展開が変わるわけではない。何のための選択肢なのだろうか。
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ミニゲームに失敗してもクリアできるまでリトライするだけで分岐はない。
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他にも3択の選択肢が時々出てくるが、正しい選択肢以外はまる子がごねたり友蔵がツッコんだりするだけ。
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唯一話が分岐する選択肢が出る場面があるが、2つのミニゲームのうちどちらを先にやるかだけで結局話は合流する。
 
 
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のっけから高難易度のミニゲーム
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最初のミニゲーム「マトあて ぽん!」は弾を4発撃ってマトに当て、90点以上取れればクリアとなる。マトは手前から順に10点、20点、30点の3種類。
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ここで察した人もいるかもしれないが、4発の弾で90点以上取るには最低でも1発は30点のマトに当てる必要がある。また、10点のマトに2発当てた時点で失敗確定となる。
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しかもマトの動きは20点が一番速く、間隔も狭い。弾のスピードも遅く、マトの動きを読んで撃ついわゆる偏差射撃の腕を求められる。
 
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ちなみに話の流れはおもちゃ屋で本気で欲しい物を選ぶという流れで、屋台の射的でもないのでマト当ては全く関係ない。
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他のミニゲームも唐突にやらされたり、ミニゲームを無理矢理ねじ込んだ感じで流れがおかしい、というのは否めない。というものの話の流れには一応組み込まれているため、露骨に話と無関係のミニゲームはこれだけである。
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ゲームでは原作とは関係ない要素ばかり目立つのは仕方のないところである。
 
 
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ミニゲームの練習の存在意義
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タイトル画面から6つのミニゲームを自由に選んで練習できるが、前述のとおりミニゲーム失敗による分岐もなく、クリアタイム等の評価やハイスコアの記録もないので練習する意味はほとんどない。
 
総評
やたら多い無意味な選択肢やミニゲームの難易度の高さなどの問題点はあるものの、「ちびまる子ちゃん」の世界観はしっかり表現できており、これでも『ちびまる子ちゃん おこづかい大作戦!』から見ればかなり良心的とは言える。
他のアドベンチャーゲームとは違ってゲームオーバーもバッドエンディングもないが、その代償としてほぼ完全な一本道ゲームになってしまったのはとても惜しいと言えよう。
余談
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ファミコン通信によるクロスレビューは25点。あまり点数が伸びなかったのは、やはり『おこづかい大作戦!』の爪痕が大きかったということか。
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エンディングではまる子がスタッフの名前を読み上げるのだが、役職名は子供にわかりやすい言い回しにしている。
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その中でも独特なのが「けいさんきのおにいさん」と「むしとりのおにいさん」と「ありがとうのひとたち」。
 恐らく「プログラマー」「デバッガー」「スペシャルサンクス」と言いたかったのだろう。特にデバッガーは「バグ(虫)を取り除く」という意味では合っている。
 
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GBのちびまる子ちゃんのゲームは全部で6作出ており、本作は5作目にあたる。
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2作目の『デラックスまる子ワールド』とストーリーを変えただけで、ほぼ同じ構成をしている。
 
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本作から4か月後にSFC『ちびまる子ちゃん めざせ!南のアイランド!!』が発売されている。
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ニンテンドウパワーで2000年11月1日から書換開始された。
最終更新:2023年11月08日 13:05