9-in-1 アーケードコレクション
【ないんいんわん あーけーどこれくしょん】
ジャンル
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アーケード(オムニバス)
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対応機種
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ニンテンドー3DS
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メディア
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ダウンロード専売
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発売元
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テヨンジャパン
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開発元
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Gamelion
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配信開始日
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2014年3月26日
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定価
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150円
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1箇所・オートセーブ方式
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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備考
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2021年5月26日に配信終了
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判定
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なし
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ポイント
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レトロアーケード風オムニバスゲーム集 9タイトルのゲームを収録 遊べなくはないがかなり微妙な出来
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概要
テヨンジャパン発売のニンテンドー3DSダウンロードソフト。開発はテヨン発売ではお馴染みのGamelionが担当。
レトロ感溢れるアーケードを意識したゲームを9つ収録している。
なお、あくまでも「レトロアーケード風」であり、実在するアーケードゲームとの関係は一切ない。
ゲームルール
ここでは9タイトルのゲーム全般に共通するゲームルールの表記を行う。収録ゲームによるルールは下記を参照されたし。
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初めから9タイトルのゲームの選択が可能で、特に隠しゲームなどのサプライズはない。
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ゲーム中の操作はアナログスティックとボタン関連のみ。タッチ操作はメニュー画面などのゲーム本編と直接関係しない場面のみに対応。
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クリアの概念のない『幽霊の籠』を除き、全20ステージ構成のループ制となっている。『ボックスロジック』以外はコンティニューやステージセレクトは行えない。
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ほとんどのゲームはライフや残機のストックが尽きるとゲームオーバー。『ボックスロジック』『幽霊の籠』のみゲームオーバー条件が異なる。
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ゲームオーバー後はそれまでに獲得したスコアなどが表示され、ハイスコアは各ゲーム毎に記録される。なお、ネームエントリーには対応していない。
収録ゲーム
レンガブレーカー
ジャンルは固定画面によるブロック崩しゲーム。特に表記する事が見当たらないスタンダードなブロック崩しである。
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ゲームルール
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アナログスティック等でパドルの左右移動。Aボタンでボールの発射もしくは特定アイテム取得時のショット発射。
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画面内にあるブロックをすべて破壊するとステージクリア。一部のブロックを破壊するとアイテムが出現する場合がある。
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残機制でボールを画面下に落とすとミス。ミス後はブロックがそのままの状態で再開される。
スペシャルデリバリー
ジャンルは強制スクロール式横視線アクション。有名どころでいえば『高橋名人の冒険島』における常時スケボー状態で操作をする感覚となる。
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ゲームルール
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アナログスティック等で自機の左右移動兼スクルールスピード調整。AかXボタンでパチンコ攻撃。Bボタンでジャンプ。
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ステージ奥にあるゴールに到達すればステージクリア。ステージ内に定期配置されているコインを一定数獲得するとライフ回復。
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ライフ制で自機が一部の敵や攻撃に触れるか、落とし穴に落ちるとダメージ。前者はそのままステージ継続だが、後者はステージ最初に戻されてしまう。
忍者モンキー
ジャンルは固定画面によるインベーダーライクなシューティング。自機が動けない代わりに攻撃操作範囲が広い特性あり。
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ゲームルール
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アナログスティック等で自機の攻撃方向を前方180度範囲で調整。Aボタン押しっぱなしで手裏剣ショット。
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ステージ内にある敵を特定数倒すとステージクリア。時折出現する救急箱を撃つと一定量のライフ回復。
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ライフ制で敵の攻撃が画面下にある地面及び自機そのものに触れるとダメージ。
ボックスロジック
ジャンルは固定画面による思考系パズルゲーム。『倉庫番』のクローンゲームであり、ルールも大体同じとなる。
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ゲームルール
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アナログスティック等で自機の4方向移動。ブロックの前でスティック操作をすると前方に1マス押し出す。行った操作の巻き戻しやリセットもできる。
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ステージ内にあるブロックすべてを指定箇所に押し込むとステージクリア。各ステージはクリアまでの操作回数が表示される。
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制限時間以内クリアできないとゲームオーバー。このゲームのみプレイした分のステージセレクトが可能となっている。
もつれたスペース
ジャンルは固定画面による縦視線シューティング。『アステロイド』のクローンゲームであり、自機の移動に慣性が働く点も同じ。
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ゲームルール
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アナログスティック等左右で自機の左右旋回で、上で自機前方への移動。Aボタンでショット発射。
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ステージ内にある小惑星及びUFOをすべて破壊すればステージクリア。時折アイテムが出現し、取得すると自機のパワーアップなどの効果が起きる。
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残機制で自機が小惑星などの触れるとミス。ミス後は小惑星などがそのままの状態での再開となる。
パーフェクトランディング
ジャンルは下方向へスクロールする縦視線シューティング。敵が多く出現する割にはショットの弾数制限があり、敵を避ける事に特化した内容となっている。
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ゲームルール
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アナログスティック等で自機の左右移動。Aボタンで自機下側にへのショット発射。
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スクロールの奥にある地形へと自機を着地させるとステージクリア。時折アイテムが出現し、取得すると弾数回復などの効果が起きる。
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ライフ制で自機が敵に触れるとダメージ。
ソーサールーム
ジャンルは若干のスクロールが発生する縦視線のドットイートアクション。自機の動きがヘビのようにうねる。
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ゲームルール
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アナログスティック等で自機の8方向向き調整。自機は常に自動で向き方向に動いてる。また、時間が経過する度に自機後方に当たり判定のある分身が付き続ける。
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ステージ内に順次出現する「モジュール」を特定数獲得し、その後に出現する「ゴールドキー」を獲得した後にゴール地点に触れるとステージクリア。
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残機制で自機が障害物に触れるか、壁や自身の分身に触れるとミス。前者はそのままステージ継続だが、後者はステージ最初に戻されてしまう。
悪魔の迷宮
ジャンルは固定画面の横視線ドットイートアクション。ステージの密閉感が非常に強く、収録タイトルの中でもステージクリアが短時間で済みやすい。
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ゲームルール
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アナログスティック等で自機の4方向移動。
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ステージ内にあるすべての「星アイテム」を獲得すればステージクリア。通常では敵を倒す手段はないが、特定アイテムを獲得すれば体当たりで倒せる。
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残機制で自機が敵に触れるとミス。ミス後はステージ最初からのやり直しとなる。
幽霊の籠
ジャンルは落ちものパズル。収録タイトルの中で唯一ステージクリアの概念を持たない耐久戦ゲームとなる。
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ゲームルール
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アナログスティック等で落下ブロックの左右移動及び高速落下。AかBボタンでブロックの90度回転。
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落下ブロックは最大で2×2マスの4つ。落下ブロックだけでなく、溜めたブロック周辺から無限に追加ブロックが湧いてくる場面あり。
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同色ブロックを縦横4つに並べると消滅。溜めたブロックを落下ブロックの投下位置まで溜めてしまうとゲームオーバー。
評価点
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価格の割にボリュームあり
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150円という安価販売でありながら、アーケード風のゲームが9タイトルも収録されているのは純粋に凄い。
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ゲーム単体のクオリティはともかく、暇潰しとして遊ぶ分には悪くはない内容。オムニバス集としてはステージ数がそこそこあるので、それなりの時間は遊べる。
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一部除き各タイトルのステージクリア時間はかなり短期で済む。そのため、攻略が順調であればテンポ良く先に進める小気味良さがある。
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グラフィックとBGMのレトロ感はそれなり
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各タイトルのグラフィック・BGM周りはレトロ感を演出するためにあえてチープに描かれている。
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レトロアーケード風という意味ではそれっぽい外観で味わいあり。キャラの動きのぎこちなさやドットの粗さ、ピコピコサウンドもコンセプト的には適切な表現である。
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ただし、本家のレトロアーケードに比べるとグラフィックが3DS相当の小綺麗さで、レトロな再現度という意味では若干の違和感を覚える節もある。
問題点
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ゲームバランス上の問題
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タイトル全般における操作キャラの当たり判定が大きい。特に『ソーサールーム』と『悪魔の迷宮』における自機の当たり判定は極悪の域。
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『悪魔の迷宮』はステージの密閉感が狭く、それでいて敵が執拗に追い回してくるという非道さである。当たり判定の件もありあっけない位にミスしやすい。
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『ソーサールーム』は当たり判定の件に加えステージクリアまでの時間が異様に長引きやすく、他のタイトルと比べてもクリアの難易度が飛びぬけて高い。
「緩慢な自機の動き」「時間経過で当たり判定の分身が大量発生」「ゴールドキーがなかなか出現しない」「ミスすると大方ステージ最初に戻される」と過酷な厳しさ。
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『幽霊の籠』がほぼ運ゲーの領域で、真面目なプレイが馬鹿らしくなってくる。
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落下ブロックはもちろんの事、溜めたブロック側にも大量の追加ブロックが発生するので、どう頑張って操作しようがブロックがじわじわと溜まってくる。
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おまけにブロックの種類が無駄に多く、落ちゲーの肝である「考えながら落とす」という行動も極めてやりにくい有様である。連鎖消しなど狙える環境ではない。
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先述では述べなかったタイトルは比較的まともだが、総合的なゲームバランスはあまりよろしくない。
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とはいえ、本元のレトロアーケードのタイトルにおいても、ゲームバランスに多少の粗があるのはそう珍しいものではない。
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操作性上の問題
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同じシューティングである『忍者モンキー』はオートショットなのに、『もつれたスペース』はなぜか手動ショットである。
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各タイトル共に敵の出現率が高くショットを多く撃たないと対処がしきれないのに、なぜ両タイトルをオートショット化しないのかという疑問がある。
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一応はシューティングにあたる『パーフェクトランディング』も手動ショットだが、こちらはショットを撃つ機会そのものが少ないのさほどの問題ではない。
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『スペシャルデリバリー』のジャンプ操作が暴発しやすく、変なミスを招きやすい。
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ボタンの押し方次第でジャンプ回数が複数入力扱いとなるらしい。実際、ボタンを押しっぱなしにすると何度でもジャンプを繰り返す仕様となっている。
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『もつれたスペース』の移動慣性や、『ボックスロジック』『悪魔の迷宮』の4方向移動といったゲームの性質上の特有操作もあるが、これらは問題という程ではない。
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コンティニュー・ステージセレクトができない
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いくらレトロアーケード風とはいえ、2010年代のゲームにコンティニューやステージセレクトが搭載されていないのはおかしい。
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本作の難易度は全体的に高く、タイトルによっては同じステージにおけるミス連発のゲームオーバーになってもおかしくないものもある。
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コンティニュー等は単なる救済処置に留まらず、ミスを繰り返して攻略を覚えていく意味合いもあるため、それを搭載しないのは不親切といわざるを得ない。
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唯一のステージセレクト対象である『ボックスロジック』はそもそもアーケード向けのゲーム内容ではない。
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完全思考重視のパズルをレトロアーケードとしてチョイスした意義があったのかといわれるとかなり謎。これは元ネタである『倉庫番』においてもいえる事である。
総評
たったの150円で、9タイトルものレトロアーケード風ゲームがプレイできるボリューム感は純粋に評価できる。
しかし、個々のタイトルの出来が芳しくなく、まさに安価相当の出来の微妙さが際立っている。暇潰し感覚のプレイでもない限りはあまりお勧めできるものではない。
最終更新:2023年01月31日 20:42