【てんすいのさくなひめ】
ジャンル | 和風アクションRPG | ![]() 裏を見る ![]() |
対応機種 |
Nintendo Switch プレイステーション4 Windows(Steam) |
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発売元 | マーベラス | |
開発元 | えーでるわいす | |
発売日 | 2020年11月12日 | |
定価(税別) |
通常版: 4,980円 彩色画集付限定版: 6,980円 |
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プレイ人数 | 1人 | |
レーティング | CERO:B(12才以上対象) | |
廉価版(税別) |
天穂のサクナヒメ BEST PRICE 2021年12月9日/2,980円 |
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判定 | 良作 | |
ポイント |
本格的すぎる稲作で話題沸騰 農林水産省HPが攻略サイト 現実を巻き込んだ令和の米騒動 通称「TOKIO体験ゲーム」 羽衣技で爽快感あるアクション 限りなくスルメゲーに近い良作 |
米は力だ
インディーゲームサークル「えーでるわいす」が開発した和風アクションRPG。
このサークルのメンバーはたったの2人しか在籍しておらず、これまでの活動実績で繋がりを得た複数の同人ゲームサークルメンバーやフリーランスアーティスト10人ほどがサポートとして参加している。
英語翻訳版が収録されており、そちらのタイトルは『Sakuna: Of Rice and Ruin』となっており、本作のゲームカードにもこの名前で記載されている。
日本人に馴染みの深い稲作をテーマとしたアクションゲームかと思いきや、その稲作があまりにも本格的であることから発売直後に国内外共にSNS上で話題となり、ゲーム業界に空前の稲作ブームを巻き起こした。
遥か東方の果て ヤナトの国あり
古来よりこの地では神の世と人の世
すなわち " 二つ世 " があると信じられてきた
これは我が布教の旅の中 異教の神サクナと出会い
共に暮らした日々の記録である
――宣教師ミルテ著 "
耶那土 見聞記 " より
+ | 登場人物紹介 |
ただし、全ての作業が初年度から行える訳ではなく一部の要素はストーリー進行に従って解放されていく物となっている。
田植え期
育成期
収穫期
……と米の作り方に関して徹底しており、もはやゲームの説明ではなく実際の米づくりの解説である。
ちなみに、このゲーム内では上記が必ず正解でもなく、米の上げたいステータスによって工程の内容を調節する必要がある。
ストーリーにやや前後の流れが繋がらない場面やご都合的な部分がある。
各キャラクターの第一印象や一~二年目の言動がよろしくなく、序盤はプレイしていてフラストレーションが溜まりやすい。
+ | ネタバレ注意 |
米づくりという日本人になじみあるようで、現代では知らない人も多いテーマを突き詰めた作品であり、新鮮な気持ちでプレイできる。
ゲーム自体も非常に丁寧に作られており、キャラクターが生き生きと描かれていることも評価を後押ししている。
農業ゲームは数あれど、本作は稲作1本に絞ったことで他に類を見ない独自性を醸し出している。
稲作知識ゼロの一般人からすれば、ゲーマーであろうと初心者であろうと関係なくスタートラインが全員一緒とも言えるある意味稀有なゲームである。
やろうと思えばアクションパートの技量の差も、稲作パートのレベル差で逆転することもできる。
逆に言えばアクションパートは良くも悪くも大味な出来となっているが、緩急やバリエーションは豊富でこちらも決して飽きさせるような作りではない。
稲作パートの本格さと序盤のキャラクター描写に人を選ぶ部分はあるものの、和風な世界観で日本人の心に訴えかける作品であり、雰囲気や稲作に興味があればプレイしてみてはいかがだろうか。
NG農法
+ | 完璧じゃ!これ以上ない働きっぷりよ |
肥溜め保存バグ
その他
制作裏事情
通称「TOKIO体験ゲーム」
販売事情
情勢など
*1 豊穣神は唯一無二ではなく神界に複数いる模様。
*2 公式設定で、登場人物の中で唯一明言されている。
*3 サクナヒメのベースとなったアクションゲーム。フリーゲームとして配信されている初代『花咲か妖精』と、PLAYISM/Steamで購入可能な『花咲か妖精フリージア』に加え、かつてPLAYISMで販売されていた『花咲か妖精ウルトラアンコール』が存在する。
*4 ただし、牛の操作はプレイヤーが行う。
*5 ゲーム実況者がいろいろな専門家の方とゲームを「さんぽ」して世界の見え方の違いっぷりを学ぶという動画シリーズ。
*6 ただ、本物の米農家からは「腰が痛くならないし、獣害も天候被害、現代的なトラブル(人間関係やゴミ問題)も起きないから現実より楽」と言われている。
*7 次の日と言うより、システム的に「その季節の前期・中期・後期」と表記しているので、その辺を考えると辻褄は合っている。
*8 このモーションだけで実に140個もあるとか。
*9 種をまいたら苗への水やりや全ての苗が均等かつ田植えに適切な長さになるように育てる必要がある。
*10 田んぼの外周部は小動物が穴をあけたり自然と崩れるため田植え前に田んぼの泥を塗り補修して保水力を高める必要がある。
*11 本作のマスクデータの数は1000を超えており、本作のデータを解析しようとした海外ユーザーの心が折れたという話もある。
*12 正確には同人ゲームサークル「にゃっほい屋」が開発した「ラグナロクエンジン」も、内製のエンジンでは不足していた部分を補うために使用されている。
*13 えーでるわいす代表のなる氏もTwitter上で「開発費は自腹を切っている」旨を述べている。
*14 さらに、本作発売直後の番組内容が稲刈りであったこともあり、尚更話題となった。また、本作発売後に劇中にもある「種籾の塩水選」が番組で取り上げられた際には、サクナヒメの話題で盛り上がったこともある。
*15 韓国でも本作発売後に農林畜産食品部のサイトへのアクセスが急増し、サーバーが落ちた。
*16 なお、その後開発スタッフは日本の農林水産省から本作についてインタビューを受けている。
*17 オーストラリアでは「ヒメアカカツオブシムシに対する緊急措置」として、米など複数の品目を輸入禁止にしているため。ただし、本作の場合は国によっては特典として本物の米が付属している場合もあったため、この対応を一概にやり過ぎとは言えない。
*18 他の限定スピリッツ同様、後のアップデートで恒常登場に追加されている。
*19 この日時は「397=サクナ」の語呂合わせである。
*20 ちなみに、この会社は社長が兼業農家だったりする。