スヌーピーのマジックショー
【すぬーぴーのまじっくしょー】
| ジャンル | アクションパズル |  
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| 対応機種 | ゲームボーイ | 
| 発売・開発元 | ケムコ | 
| 発売日 | 1990年4月28日 | 
| 定価 | 2,900円(税別) | 
| プレイ人数 | 1~2人 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 裏切りのスパイク マジック要素は皆無
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| スヌーピーシリーズ | 
 
概要
日本だけでなく世界中で人気のキャラクター「スヌーピー」が主役のアクションパズル。
スヌーピーを操作して、縦8マス×横9マスの固定画面内に4匹いるウッドストックを全て集めるのがステージの目的。表面、裏面60面ずつの全120面構成。
ケムコの旧公式サイトではタイトルが『スヌーピー・マジックショー』と表記されているが、本項では取扱説明書の表記に従う。
特徴
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キャラクター
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スヌーピー:操作キャラ。十字ボタンで移動する。詰まった時の対策として、SELECTボタンを押すと自滅できるようになっている。
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ウッドストック:スヌーピーの親友。概要の通り、各ステージごとに4匹いる彼らを集めることでステージクリアとなる。
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ボール:ステージ内に1~2個配置されているお邪魔キャラ。ななめ方向に直進し、壁にぶつかると跳ね返る。跳ね返った時の進行方向(角度)が微妙に変わることがある。
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スパイク:スヌーピーの兄。61面以降の裏面(構成自体は1面~60面と同じ)で登場し、スヌーピーを追いかけ回すお邪魔キャラ。通信対戦では2P側の操作キャラになる。
 
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ステージの構成物
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制限時間:外壁の周囲にある目盛り(全64目盛り)が制限時間を表している。一周する前にステージをクリアしなければならない。
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壁:動かすことのできない障害物だが、一部はスヌーピーかスパイクが押すと動かすことができる。
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壊せる壁:真ん中に◇がついた壁。隣接してAボタンを押すと壊せる。壊した後は元に戻せない。
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黒い壁:一定時間ごとに出現と消滅をくり返す壁。
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ワープパネル:スヌーピー、スパイク、ボールが上に乗ると特定の場所にワープする。2枚一組になっているものと、一方通行になっているものの2種類がある。
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矢印パネル:スヌーピーとスパイクが上に乗ると矢印の方向に強制的に移動させられる。矢印と反対方向に十字ボタンを入れっぱなしにしておくと一時的に止まることもできるが、一度乗ってしまうと矢印パネルから出るまで自由に移動することができない。
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矢印の先に壁があるときはそこで止まる。この場合に限り、矢印と直角方向には進むことができる。これを利用しないとクリアできないステージもいくつか存在する。
 
 
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アイテム:特定の動かせる壁や壊せる壁の中に入っている。
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Pマーク:取ると一定時間無敵状態になり、お邪魔キャラに接触するだけで倒せるようになる。
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時計:取ると一定時間お邪魔キャラが停止する。通信対戦では対戦相手も停止する。
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ただし制限時間は停止せず、止まっている状態でもお邪魔キャラに触れたらミスになる。
 
 
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ステージをクリアすると無条件で1UPする。また、ウッドストック1匹につき1000点(すなわち4000点)と、残った制限時間1目盛りにつき100点が得点として加算される。
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得点によって1UPするなどのメリットはないので、ある意味やり込み要素である。
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ステージクリアしないと得点が加算されないので、残機潰しによる得点稼ぎは通用しない。
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なお最大得点は電源を切るとリセットされる。
 
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時間切れになる、お邪魔キャラに接触する、セレクトボタンで自滅するのいずれかでミスになる。ミスした場合はそのステージを最初からやり直すことになる。
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残機1の状態でミスするとゲームオーバーになり、ゲームオーバーになったステージのパスワード(アルファベット+数字4文字)が表示される。また、その場でゲームオーバーになったステージからコンティニューも可能。ただし、得点はリセットされる。
 
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通信対戦が可能。6種のコースから1つを選び、全10面における勝敗を競う。
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ゲーム内容は一人プレイとほぼ同じ(制限時間が無い点、スパイクに相当するお邪魔キャラがいない点が異なる)で、先にウッドストックを4匹集めた方が勝ちになり、ミスすると負けになる。場合によっては引き分けにもなる。
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プレイ画面はプレイヤーごとに独立しており、対戦相手への干渉は時計アイテムでのみ行える。
 
評価点
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ステージが全120面と多い。
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最初のうちは様々なギミックを少しずつ登場させることで、それぞれどんな役割をするのかが取扱説明書を見なくても学べるようになっている。
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ステージを進めていくと、お邪魔キャラの動きを把握しつつ壁やパネルを上手く活用することが求められるようになるため、意外と歯ごたえがある難易度になる。
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ステージの構成も、1マス幅の通路のステージ、矢印パネルだらけのステージ、壁の中に隠れているワープパネルを探す必要があるステージなど、多種多様な配置があり、飽きが来ない。
 
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タイトル画面や20ステージクリアごとに出てくるデモのグラフィックが秀逸。
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中でもスヌーピーが屋根で寝ている一枚絵やエンディングのアニメーションは、初期のGBソフトにしては非常にクオリティが高い。
 
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ステージに使用されているBGMとクリア時のミュージックエフェクトが良質で、ステージBGMが10種類、クリア時のMEも8種類と非常に豊富。ステージ攻略を飽きさせない要素として機能している。
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表面最後の60面と裏面最後の120面では、本作の前に発売されたケムコのRPG『SELECTION 選ばれし者』の戦闘BGMと勝利時のMEが流用されている。RPGの曲とはいえ違和感は無く、最終面を盛り上げてくれる演出として一役買っている。
 
問題点
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スヌーピーを題材にする必要性が薄い。
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スヌーピーと仲が良い兄弟のスパイクが何故か敵キャラになっている。原作の意地悪キャラとしてはルーシーがいるのだが、マスに合わせた限られたドット絵では表現が厳しかったのかもしれない(スヌーピーですらギリギリのレベル)。
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先述の通りデモやエンディングで表示されるイラストのクオリティは高いが、演出としては非常に簡素。
 
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ゲームオーバーにならないとパスワードが表示されない。ステージクリアごとに1UPする仕様も相まって、パスワードを確認するためにたくさんある残機を繰り返し自滅して潰すだけでも相当時間がかかってしまう。
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ステージクリア時やポーズをかけた時にパスワードが表示されれば何とかなったところだが…。
 
総評
当時のキャラゲーにありがちだが、キャラゲーとしてのスヌーピー要素は非常に薄く、それ目的で遊ぶと肩すかしを喰らう。
それでも、独自要素を備えたアクションパズルとしては十分楽しめるので、アクションに自信のある人、トライ&エラーをくり返して粘り強く攻略するのを厭わない人は一度挑戦してみてほしい。
余談
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タイトルの「マジックショー」について
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取扱説明書のプロローグでは「かわいいスヌーピーと遊ぼうよッ!」と書いてあるだけで「マジックショー」の説明が全くなく、ゲーム本編でも一切触れられない。
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海外版のパッケージ裏にある説明を要約すると「スヌーピーが実行したボールマジックが暴走したため、アシスタントであるウッドストックを救出する」となっている。ゲーム本編か取扱説明書でも明確に取り上げてほしかったところ。
 
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本作は発売中止となったケムコのアクションパズル『デスボール』が原型と思われる。
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1989年当時のゲーム雑誌で公開されたゲーム内容が本作と酷似している。
 
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日本版のパッケージは「黄色の背景にスヌーピーの顔のイラストが載っているだけ」と良くも悪くもシンプルなデザインだが、海外版では「マジシャンに変装したスヌーピーがステージ上で多数のボールを避ける」という、本作のゲーム内容を表した派手なデザインになっている。前述の説明といい、なぜ日本版でこれを採用しなかったのか……
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アニメにも同名タイトルのエピソードが存在するが、本作とは無関係。
最終更新:2025年09月04日 12:47