パチ・パチ! ON・A・ROLL
【ぱちぱち おんあろーる】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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Nintendo Switch プレイステーション4 プレイステーション・ヴィータ
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メディア
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ダウンロード専売
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発売元
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eastasiasoft
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開発元
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Dolores Entertainment
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配信開始日
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【Switch】2021年2月18日 【PS4/PSV】2021年2月19日
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定価
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700円
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備考
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パッケージ版はアジア向けPSVのみ
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1箇所・オートセーブ方式
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レーティング
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CERO:D(17才以上対象)
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判定
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クソゲー
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ポイント
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2021年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門次点
パチンコ風の脱衣スコアアタックゲーム ゲームテンポが遅く、脱衣要素も微妙 全く遊べなくはないが面白みは薄い
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クソゲーオブザイヤー関連作品一覧
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概要
eastasiasoft発売によるNintendo Switch及びプレイステーション4向けのダウンロード専売ソフト。開発は『Bit Dungeon』などで知られるスペインのDolores Entertainment。
ジャンルはパチンコ風のゲーム性を採り入れた固定画面のアクションゲームだが、どちらかといえばメダルゲームにおけるコイン落としに近い。
4つのステージを舞台にヒロインの女大泥棒「フジコ」と「ロビン」の活躍が描かれるという設定。彼女たちはステージの背景として表示される
CERO:D相当の脱衣要素が含まれており、攻略次第で背景として表示されたフジコとロビンの衣装が脱げる(下着止まり)。
大手同人サイトにて本作の成人指定バージョンが発売されているが、それに関しては本ページでは触れないものとする。
ゲームルール
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ゲームの流れ
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4つのステージを選んでプレイしていく。後方3つのステージは前のステージにて条件を満たさないとプレイできない。
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ステージを終えるとステージ別でハイスコアが記録される。本作はスコアアタック方式であり、ステージクリアの概念は存在しない。
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ステージルール
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発射台が上部で左右を往復するように自動で動いているので、頃合いを見計らってボールを下方向へと発射していく。
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ボールは重力に従って落下していき、画面下部に落ち切ったり何かの仕掛けに吸い込まれると消滅。ボールは必ず1回ずつしか発射できない制限がある。
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ボールには初期50発のストックがあり、すべてのボールを発射しつくすとステージ終了。ストック有限なため、無駄なボール発射はスコアに悪影響を及ぼす。
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ステージギミック
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ステージ内には様々なスコアギミックがあり、ボールの状況次第で大小様々なスコアが入る。
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具体的にはボールが「ピンやバンパーに触れる」「画面下部のポケットに落ちる」「スコアアイテムを回収する」などの要因でスコアが加算されていく。
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とある条件を満たすとブロック崩しやピンボールなどのミニゲームイベントが発生し、これもスコアボーナスの大きなチャンスとなる。
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ステージ固有のギミックも多いが、各ステージ間で共通するものについては以下の通り。
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ピン…クローバーやダイヤのマークのついたピン。パチンコやスマートボールで言う釘の役割として大量に配置されており、ボールの動きを変える。1度でもボールの当たったピンはピンク色に光り、全てのピンを光らせるとファンファーレが鳴って大量の得点が貰える。
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脱衣ピン…ハートが3つ描かれたピン。背景にいるヒロインの衣装のところに配置されており、ボールを当てるごとにハートが1つずつ光る。3つのハートを光らせた状態でボールを当てる、つまり計4回ボールを当てると、ピンが消滅して喘ぎ声と共にヒロインの衣装が1段階脱げる。上下の衣装を1段階脱がすと、新たな脱衣ピンが追加される。
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ポケット…画面下部に並んでいる多数のポケット。ギミックに吸われなかったボールは最終的にここに落ちていく。1度でもボールの落ちたポケットはライトが点灯し、全てのポケットを点灯させるとファンファーレが鳴って大量の得点が貰える。
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得点アイテム…ステージ内にランダムに置かれる得点アイテム。ボールが当たると消えて得点になる。ボールを1発打ち出すごとに場所が変更される。
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ミッション
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画面左側にはミッションが表示される。ステージギミックを全て完結させる、または規定回数起動させるといった条件を満たすと達成となり、報酬として得点が加算され、ボールのストックが5個追加される。
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上記のギミックの例で言えば、ピンやポケットを全て光らせてコンプリートする、脱衣を最後まで完結させる、得点アイテムを規定数取る、といったものになる。
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1度に表示されるミッションは4つまでで、達成されたミッションは消えて次のミッションと入れ替わる。同じミッションを再度要求されることはなく、そのステージに用意されたミッションが無くなるとミッション欄は空になる。
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ミッションは、基本的にそのミッションが表示されている間に達成しないとクリアにならない。
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上記のポケットを例に取ると、ポケットを全て点灯させるミッションが出て来る前にポケットを全て点灯させても、後でミッションが出て来た際にクリア扱いにはなっておらず、再度全て点灯させ直す必要がある。
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ただし、脱衣などの1度しか発生しないギミックについては、ミッション表示前に完結させてしまっても後からミッションが表示された段階で即達成扱いになる。
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操作体系
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原則としてボタンによるボール発射のみが操作対象。ミニゲームにおいてはアナログスティック等も操作範囲に含まれる。
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イラストギャラリーについて
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ステージプレイの結果によって、全22枚のイラストギャラリーの鑑賞が随時解禁される。
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ギャラリーでは脱衣前後の各キャラの画像や、初期デザイン、ラフ画などが見られる。
問題点
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一見すると運ゲー、慣れたとしても作業感やストレス要素は消えない
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そもそもボールの落ち方がピンにぶつかりながら毎回バラバラに分岐するため、スコアアタックとしてのゲーム性が成り立っていない。
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発射位置の調整はでき、動きにランダム性は無いので、可動するギミックを除けば基本的に同じところに落とせば同じところに落ちるため、一応ある程度特定のターゲットを狙って打つことは可能であり、慣れれば運ゲー要素はそこまで大きくなくなる。
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とは言え、発射台は自動で動き続けているためやはり狙うのは難しく、どこに落とせばターゲットに当たるかを探るにもボールを消費するため、思うようにはいかずストレスにもなりやすい。内容自体も、運ゲーでは無くなるだけで楽しい要素とは言い難い。
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特にステージ3~4はピンや仕掛けの位置が無駄に厳しく配置されており、ろくなスコアが稼げないままにステージが終了してしまうケースが多発しやすい。
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ゲームテンポが遅い
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パチンコのようにボールを連続発射できる機能がないため、おのずとゲームテンポが遅くなりがち。
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「ボールを一発発射 ⇔ ボールが消えるまで待つ」の繰り返しとなり、パチンコ感覚でプレイするとかなりのもっさり感を覚える。
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とある条件で数十秒ほどの褒美的演出が発生するのだが、その間のスキップは一切不可。これもテンポ悪化に拍車をかける要因となる。
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ステージ数が少ない
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総ステージが4つしかなく、それ以外に遊べる部分が見当たらない。
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そのステージも運依存のスコアアタック方式なためやり込むのも困難。後はイラストギャラリーの解禁を目指す位しかやり込みがない。
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微妙な脱衣要素
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脱衣といってもヒロインの衣装パーツが1つずつ剝がされるだけで、脱がせ方がかなり淡泊でそそるものがない。
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各キャラは背景の中で棒立ち状態であり、Live2Dで手や髪などが揺れる動きはあるものの、脱衣してもそれに伴う動きはしない。脱衣というよりは背景が変化している位のもので、00年代に流行した脱衣ブラウザゲームを彷彿とさせる。
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一応は脱衣のたびに喘ぎ声が発せられたり、限界まで脱がすと恥じらいの表情を見せるといった演出はあるが、素直にエロいと呼べるかはかなり微妙。
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これはどちらかといえば賛否両論な点といえるが、ヒロインの絵柄に好みが分かれやすい。
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洋ゲーライクな絵柄で日本感覚でみるとクセが強く、イベント描写が皆無な事もあり、ヒロインに対していまいち魅力を感じにくい傾向がある。
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とはいえ作画崩壊している訳ではなく、あくまでも絵柄にクセがある程度のもの。絵柄を受け入れられるのであれば一定の魅力は感じられるかもしれない。
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携帯機としての問題点
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ディスプレイサイズや解像度の都合上、Nintendo Switch(特にライト)やPS VITAでプレイすると一部のギミックが見辛く感じる。
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特にヒロインの脱衣の条件となるハートマークの付いたピンが通常のピンと殆ど見分けが付かなくなる。
評価点
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演出そのものはある程度凝っている
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ヒロインの脱衣に魅力を感じにくいのはともかく、ゲーム全体の演出は多くそこそこ凝った部分は見られる。
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ボールにピンを当てるたびに心地よい効果音が鳴り、聴覚的な意味ではなかなかに華やか。仕掛けが発動すると同様の心地よい効果音が鳴る。
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ピン接触や仕掛け発動が発生するたびにスコア表示がされる演出があり、状況によっては雪崩式に表示されるため、連続発動すれば爽快感は無いわけではない。
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ヒロインは常時立ち絵表示だが、その立ち絵の中でぬるぬると動く。4つのステージに個別の衣装とモーションが用意されているのも嬉しい。
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BGMは概ね好評
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派手さはあまりないものの、ステージの雰囲気に合った特色のあるBGMが流される。心地よい効果音との親和性も申し分なし。
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タイトル画面ではファンキーな女性ボーカルのBGMが流れるが、良曲といっても過言ではない楽曲である。
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ただしPremiumbeatというサイトで配布されているフリー音楽のようである。
総評
「スコアアタック方式なのに運依存が強すぎる」「売りと思われし脱衣要素が微妙」と、残念な部分が目立つ一作。
運ゲーとして割り切るならば遊べなくはない内容だが、ゲームとしての面白みは大分薄い。ゲームの発想としては悪くないだけに惜しさも感じられる。
ただ、ショボさがあるとはいえ、脱衣というギミックに射幸心を感じるプレイヤーも一定数いるのかそれなりにファンも多く翌年には続編までリリースされている。
余談
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上記のような問題点が指摘された結果、『Pacific Wings』と並ぶKOTY2021据置部門の門番となった。
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上記の通り、2022年には続編の『パチ・パチ 2 ON・A・ROOL』が海外でリリースされている。日本では2022年10月27日に発売。
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ゲーム性そのものは相変わらずだが、癖のあった前作の絵柄とは異なり日本向けを意識したキャラデザインの変更や演出の強化は評価出来る反面、発射台の移動速度が異常に速くなった上にステージ中のギミックの高難易度化(特に3面)やボールの挙動が明らかにおかしくなり、更には詰みバグの多発等で更に酷くなってしまっている。
最終更新:2022年10月30日 08:42