全日本プロレス´ 世界最強タッグ

【ぜんにほんぷろれすだっしゅ せかいさいきょうたっぐ】

ジャンル スポーツ(プロレス)
対応機種 スーパーファミコン
発売元 メサイヤ
開発元 ナツメ
発売日 1993年12月28日
定価 9,800円
プレイ人数 1~4人
判定 なし
ポイント 合体技により順当な進化したリアルプロレス
そのリアルさで繰り広げるバトルロイヤルは白熱必至
全体のボリュームはあまり変わらず
全日本プロレスシリーズ


概要

5ヶ月前に発売された前作共々、ジャイアント馬場氏によって創設された実在する団体「全日本プロレス」とコラボしたプロレスゲーム。
前作に続いて実在する16名のレスラーとレフェリージョー樋口氏が登場するが、レスラーのラインナップは4人入れ替わり、顔グラフィックも書き直されている。

本項では前作との変更点について主に取り扱うものとする。


内容

登場人物

レスラー

  • ジャイアント馬場
  • ジャンボ鶴田
  • 三沢光晴
  • 川田利明
  • 田上明
  • 小橋建太
  • 秋山準
  • スタン・ハンセン
  • テリー・ゴディ
  • スティーブ・ウィリアムス
  • ダニー・スパイビー
  • ジョニー・エース
  • パトリオット
  • ジ・イーグル
  • ダグ・ファーナス
  • ダニー・クロファット

レフェリー

  • ジョー樋口

タッグの組み合わせ

  • ジャイアント馬場&ジャンボ鶴田
  • 三沢光晴&小橋建太
  • 田上明&川田利明
  • スタン・ハンセン&ジョニー・エース
  • テリー・ゴディ&スティーブ・ウィリアムス
  • パトリオット&ジ・イーグル
  • ダグ・ファーナス&ダニー・クロファット
  • ダニー・スパイビー&秋山準

前作との変更点

試合中のシステム

  • 前作ではタイトルデモだった選手入場シーンが毎回挿入されるようになった(スキップ可)。
  • 全選手共通技として「フロントフェースロック」が追加。
    • この技自身はダメージを与えないが、これで相手を引きずり回すことができる。
    • この技に固めた状態で、大技や中技にスイッチできる。
      • かけられていた側も、一定時間(残り体力に依存)経過すると返し技のハンマースルーで抜ける(体力が満タンだと、かけられて即座にこれで返してくる)。
  • コーナーポスト上での反則負けがなくなった。
    • その代わり、全選手共通でコーナーポストに上った相手を抱え上げて引きずりおろすボディスラム「デッドリードライブ」が追加された*1
  • 馬場と川田もパフォーマンスが追加された(川田はダウンした相手の近くでのみ)。
    • この二人のパフォーマンスは攻撃要素にもなっている。
  • タッグマッチの場合、決められたチーム(デフォルト)の場合、合体技が使えるようになった。
  • 立ち攻撃のキックを出したときに少し前進するようになった。
    • このせいでキック連発→ロープにぶつかったら走り技で倒す(場合によっては折り返して逆に向かう)、と繰り返すだけでCPU相手ならほぼ確実にハメられるようになってしまっている。
    • 特にハンセンなら折り返しにウエスタンラリアットを使えるので相手の体力があっという間に真っ黒になってしまう。
  • ハンセンのテーマ曲が変更になっている。

ゲームモード

基本的に前作のスタイルをそのまま引き継いでいるが団体戦の「鶴田軍VS超世代軍」がなくなり「新春バトルロイヤル」が追加されている。

新春バトルロイヤル

  • 文字通り4人入り乱れて戦うバトルロイヤル(1試合限り)。
    • 最後に残った1人のみが勝利となる。
    • プレイヤー参加人数は0~4人の中から自由に決められる。
  • タイトルで「世界最強タッグ」と謳っているためかゲームモード選択の一番上が「世界最強タッグ決定リーグ戦」になった。

評価点

  • 「世界最強タッグ」のサブタイトルらしく、タッグでの立ち回りを広げた合体技の導入。
    • この技はいずれも必中なので使い方次第でかなり強力なものになる。
    • その動きも実際の特徴がしっかり取り入れられている。
  • 改良された「馬場のプロレス道場」
    • 前作同様、馬場を相手にゲームの練習をするモード(馬場だけ選べない)。
      • 前作はボディスラムのみで事実上タイミングのみの練習だったが、本作では中技や走りながらの技なども練習できるようになった。
      • このモード中にパフォーマンスすると馬場に怒られて16文キックをかまされるというネタもある。
  • 白熱する新モードの「新春バトルロイヤル」
    • 前作の時点でのウリだった大きいサイズのキャラがリアルでスピーディで迫力あるアクションも失われておらず、4人が入り乱れて戦うので非常に盛り上がる。
  • 鮮明に描き直されたレスラーの顔グラフィック。

問題点

  • 新技フロントフェースロックがバランスブレイカーになりがち。
    • この技を経由して繰り出す中技や大技は必中なので、少しでもダメージを与えた状態ならばかけると同時に連打していれば必中の大技が出せてしまう。
  • 合体技ができた影響でタッグチームエディットがあまり意味のないものになった。
    • 「世界最強タッグ決定リーグ戦」以外のタッグモードならば好きな選手同士組めるが、その場合合体技が使えなくなるため面白味が薄くなるので、個人的趣味以外であまりやる意味がなくなった。
  • まだまだボリューム的には不足気味。
    • 元々前作の時点でゲームとして考えるとボリューム不足気味だったが、本作もモードが1つ変わっただけなので、その点は解消されていない。

総評

レスラー自体の人数は16人と変わらない上に、ゲームモードの数として据え置きなので依然としてボリューム不足なのが残念だが、新モードのバトルロイヤルは単戦限定ながら非常に盛り上がる。
当初のウリであったデカキャラのリアルで迫力のあるアクションはそのままに、合体技など新しい要素が加わり順当な進化形と言えるだろう。


その後の展開

  • 翌1994年6月25日にスーパーファミコンソフト『全日本プロレス ファイトだポン!』が発売。
    • キャラが2頭身となり、リアルプロレスゲームではないがネタ的な面白さは満載。
  • また同年7月16日にゲームボーイソフト『全日本プロレス ジェット』が発売。
    • こちらはリアルアクションを求めていたがハード性能の限界で本作のようなリアルなアクションが再現できていない。
    • おまけにゲームモードの数も非常に狭くなるなど、長所を殺し、欠点が一層強まった押しも押されもしないクソゲーになってしまった。
  • 正統派リアルプロレスゲームとしてはスーパーファミコンとしては1995年4月7日に『全日本プロレス2 3・4武道館』が発売された。
    • こちらは全体的にも大幅にグレードアップされたものになっている。

余談

  • 北米では登場レスラーを架空のレスラーに差し替えて『Natsume Championship Wrestling』のタイトルで発売された。

最終更新:2022年04月01日 17:50

*1 馬場は脳天チョップで落とすなど例外もあり。