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ここでは『ミッキーマニア』のメガドライブ版(良作)、及びスーパーファミコン版(劣化ゲー)について紹介する。
ミッキーマニア (MD)
【みっきーまにあ】
| ジャンル | アクション |  
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| 対応機種 | メガドライブ | 
| メディア | 16MBitROMカートリッジ | 
| 発売元 | セガ | 
| 開発元 | トラベラーズテイルズ | 
| 発売日 | 1995年3月31日 | 
| 定価 | 7,800円(税別) | 
| 判定 | 良作 | 
| ディズニーシリーズリンク | 
 
概要
ディズニーの顔、ミッキーマウスが過去の短編作品を巡って行くアクションゲーム。
元々はミッキーマウス生誕65周年企画の一部として開発されていたゲームだったが、6ヶ月までしか開発期間が設けられず、企画としての開発が断念され、この内容になった。
特徴
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ミッキーが巡って行くステージは6ステージ。
以下6ステージは過去の短編作品を元にデザインされている。
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蒸気船ウィリー(1928年)
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ミッキーのお化け屋敷(1933年)
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ミッキーの猛獣狩り(1937年)
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ミッキーのお化け退治(1937年)
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ミッキーのジャックと豆の木(1947年)
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ミッキーの王子と少年(1990年)
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また、隠しステージとして「ミッキーの大演奏会(1935年)」も登場する。
 
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操作方法はいたってシンプルでAかCボタンでジャンプ、Bボタンでビー玉を投げるというもの。
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ビー玉は弾数に制限があり、ステージ中に配置されているビー玉を取る事で弾数を増やすことができる。
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星(★)を取るとライフが一つ回復、ミッキーの耳帽子を取ると残機が一つ増える。
 
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限定的なアクションとして、天井から吊られて揺れるロープや鎖に触れる事で、ぶら下がってターザンアクションが可能。
評価点
ハードの限界に挑戦したグラフィックや演出
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ステージが全体的に元になった短編作品の雰囲気を非常に上手く再現されている。
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ミッキーを初めとしたキャラクターのアニメーションもよく動き、カートゥーンを動かしている感覚を感じさせる。
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とある箇所ではプリレンダを用いており、立体感を感じさせる。
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ボイスもあり、ミッキーがとにかく喋る。
 
短編作品を元に作られた個性豊かなステージ
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蒸気船ウィリーではステージ開始時に画面端にフィルムが流れていたり、進んでいく事で白黒だった背景に色がついてきたりなど演出がかなり細かい。
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また、クレーンに積まれた木箱もプリレンダで作られており、独特のこだわりを感じさせる。
 
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お化け屋敷では強制スクロールステージや立体感溢れるプリレンダの塔を降りていくステージ、エレベーターに乗ってガイコツを倒していくステージ、爆薬を作って壁を爆破するステージなど様々なギミックが登場。
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また、エレベーターステージの隠しエリアにお化け屋敷時代のミッキーも登場する。
 
快適な操作性
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洋ゲーのアクションゲームは独特の操作性になる事が多いが、本作は日本人でも違和感なく遊ぶ事ができる操作性になっている。
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また、マリオのように上から敵を踏んで倒すのもよし、ビー玉を使って敵を倒すのも有効。
 
賛否両論点
ストーリーらしいストーリーがない
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「なぜ現在のミッキーが過去映画の世界を冒険しているのか?」といったストーリーが語られることは最後までない。エンディングも非常にあっさりしたもの。
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幕間にそのステージの状況や目的らしき一文が挿入されるが、説明不足過ぎて謎は深まるばかり。
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例として最初の「蒸気船ウィリー」ステージは蒸気船から始まり港を進んでいくのだが、最後のボスを撃破した後に「クレーンを止め 蒸気船ウィリーを救出」と出て、初めてこのステージの目的が蒸気船ウィリーを救出することだった事が判明する。
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横スクロールアクションなので、ストーリーがわからずともゲームの進行に支障はない。
 
 
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海外製の為か、ミッキーの表現が日本人のイメージのものよりややバタ臭い。
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ミスシーンの舌を伸ばして降参する様な表現やニッカリと笑うシーンなどが顕著。日本人の「ミッキーマニア」ほどちょっと気になるかも?
 
問題点
難易度が高い
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自機であるミッキーが大きめな割に敵弾やトラップ、足場が小さいものが多く、かわしづらく被弾しやすい。
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ライフゲージがミッキーの手なのは雰囲気はあるが、ぱっと見わかりづらい。
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ダメージを受けるとミッキーの手の指が折りたたまれていき、グーの時にダメージを受けると1ミス。
 ミッキーの指は4本である為、ライフは全部で5ということになる。これが意外と混同しやすい。
 
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蒸気船ウィリーはそこまで難しくはないが、お化け屋敷から初見殺しが多く出てくる。
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お化け屋敷ステージの雑魚敵のガイコツは倒すと大量の骨をばら撒き、骨に当たるとダメージを受けてしまう。
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同ステージの強制スクロールパートではスクロールがとても速く、初見ではトラップに当たってダメージを受けたり、落下死もしやすい。
 
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お化け退治では雑魚敵のお化けを倒す事ができず、避けてステージを進めるしかない。
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とある場面では一定のタイミングで進まないとダメージを回避できない。
 
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ジャックと豆の木ステージでは水に浮かぶ木の葉に乗って進むパートがあるが、上に飛んでいる虫の敵キャラがいるため、ここもタイミングが悪いとダメージを受けるか水に落ちてミスになってしまう。
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ラストステージの王子と少年に登場するザコ敵「兵士」が厄介。
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頭に兜を被っている為踏んで倒すことができず、弾数制限のあるビー玉を3発当てる事でしか倒す事ができない。キャラが大きく飛び道具を撃ってくる為、やり過ごして先に進むのも困難。
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ナイフ兵士はビー玉を当てた後の無敵時間が長く、連続で当てようとするとビー玉がすり抜けてしまうため、タイミングよく投げる必要がある。
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ボウガン兵士はビー玉を当てると即ボウガンで撃ってくるため、油断しているとダメージを受けてしまう。
 
 
一部キャラが未登場
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基本的に登場キャラはミッキーとプルート、ボスキャラのマッドドクターとピートくらいで、登場映画に出演していたミニーやドナルドやグーフィー、ジャックと豆の木に登場する巨人のウィリーも本作では全く登場しない。
ステージ間のバランス
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全6ステージ中、ボス戦があるのは1、2、6ステージで3、4、5ステージはボス戦はなく、かなりぶつ切りな感じでステージが終わるのは気になる所。
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3ステージの猛獣狩りに至っては、落下物とムースをかわすだけの一本道とムースに追いかけられるミニゲームのみと、他のステージと比べてもお世辞にも手が込んでいるとは言い難い。
 
その他
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中間地点が安定しない。
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ミスをした後に中間地点が配置されていなかった場所でも復活するため、あまり機能されていない。
 
総評
美しいグラフィックに細かい演出、快適なゲーム性を持つミッキーゲームの中でもトップクラスの出来。
プリレンダリングや3Dステージなどメガドライブの限界に挑戦した場面も魅力的であり、トラベラーズテイルズの技術力の高さが垣間見える。
子供向けとは思えないほど難易度がかなり高いが、歯ごたえのあるアクションゲームを遊びたい人にはお勧めである。
ミッキーマニア (SFC)
【みっきーまにあ】
| ジャンル | アクション |  
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| 対応機種 | スーパーファミコン | 
| メディア | 16MBitROMカートリッジ | 
| 発売元 | カプコン | 
| 開発元 | トラベラーズテイルズ | 
| 発売日 | 1995年3月31日 | 
| 定価 | 9,500円(税別) | 
| 判定 | 劣化ゲー | 
| ポイント | 一部ステージ削除 カセットなのにCD-ROM並のロードが入る
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概要(SFC)
前述のメガドライブ版と同時にスーパーファミコンにも展開された。
日本ではカプコンが販売している。
問題点(SFC)
一部ステージ及び演出がカットされている
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お化け屋敷ステージの塔を降りるパートが丸ごとカットされている。
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ただ、王子と少年ステージの塔を登るステージは健在のため、ハードの限界ではないと思われるが…。
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また、隠しステージの大演奏会ステージも丸ごとカットされている。
 
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ところどころにある演出もカットされている。
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メガドライブ版では蒸気船ウィリーステージをクリアすると白黒時代のミッキーが再び登場するが、このスーファミ版だとボスを倒した後に「I made it!」のボイスと共に画面が暗転するだけ。
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また、お化け屋敷ステージクリア時のプルートとの掛け合いもカットされていて、スーファミ版ではプルートを通り越して画面が暗転するだけ…とかなり簡素になってしまっている。
 
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ステージ開始時のBGMが無音、及びゲームオーバー時のBGMがタイトル画面とステージクリア時のBGMと同じ曲になっている。
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サウンドテストではそれらのBGMが聴けるが、何故か未使用である。
 
ロード時間
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本バージョンの最大の問題点。
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ステージを始める際、ステージの次のパートに進む際、ミスをした際、ステージをクリアした際…とかなり頻繁にロードが入る。
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しかもロード一回で7、8秒くらいかかるため、地味に長い。
 
 
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プレイステーションなどのCD-ROMのゲームではロードが入るのは普通なのだが、カセットでこれは…。
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恐らく容量制限によるものかと思われるが、MD版と同じ容量なので何とも言えない。
 
その他の問題点
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ミッキーが振り向く際に画面が左右に激しくスクロールするため、非常に見にくい。
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スーパーファミコンの画面比率の影響かメガドライブ版に比べて画面が小さい。
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敵キャラの当たり判定が妙に厳しく、ビー玉を投げる際に縦軸が微妙にズレると当たらない事が多い。
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お化け屋敷ステージとお化け退治ステージに登場するコウモリが特に顕著。
 
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蒸気船ウィリーステージで船にあるベルがなくなっている。
評価点(SFC)
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好みの差もあるが、基本的にBGMやSEの音質はSFC版の方が良好。
総評(SFC)
メガドライブ版と同時に展開されたスーファミ版だが、メガドライブ版と比べるとやはり劣化してる箇所が多い。
とはいえゲーム部分はロード時間や多少の劣化点を除けば、そこそこ遊べる出来ではある。
余談
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他にも海外のみでメガCD版やプレイステーション版も発売された。
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メガCD版はメガドライブ版のグラフィックをそのままに演出やミッキーのボイスなどの追加がされている。
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CD-ROMのゲームという事もあり、ロードが入るがなんとSFC版よりも明らかにロードが短い。
 
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プレイステーション版は欧州のみの発売でタイトルも『Mickey's Wild Adventure』に変更されている。
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また、メガドライブ版では未登場だった巨人のウィリーがジャックと豆の木ステージのボスとして登場する。
 
 
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日本ではカプコンがSFC版の本作の他に「トイ・ストーリー」、「ピノキオ」、「ドナルドダックのマウイマラード」の三作をローカライズ、及び発売した。
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同じくカプコンから発売された「ミッキーのマジカルアドベンチャー」シリーズがあるが、あちらはカプコンが製作したものであり、本作との関連性はない。
 
最終更新:2024年05月03日 08:43