トイ・ストーリー
【といすとーりー】
ジャンル
|
アクション
|
|
対応機種
|
スーパーファミコン
|
発売元
|
カプコン
|
開発元
|
トラベラーズテイルズ
|
発売日
|
1996年4月26日
|
定価
|
7,500円
|
判定
|
なし
|
ポイント
|
プリレンダ採用による美麗なグラフィック 子供には厳しい難易度 スリンキーどこ行った
|
ディズニーシリーズリンク
|
概要
1995年に上映されたディズニーとピクサーによる世界初のフルCGアニメーション映画の大ヒット作『トイ・ストーリー』のゲーム化作品。
開発は『ミッキーマニア』を手掛けたトラベラーズテイルズ。
日本ではスーパーファミコン版のみ発売で、カプコンから販売されている。
特徴
-
本作は映画の雰囲気を再現するため、『スーパードンキーコング』シリーズと同様に全編プリレンダグラフィックを採用している。
-
基本的に横スクロールアクションだが、随所にトップビューのラジコンステージや『DOOM』シリーズを彷彿させる一人称視点のステージも登場する。
-
全17ステージ。
-
操作キャラクターはウッディで、基本的なアクションとしてはジャンプと背中のヒモを使った攻撃の二つ。
-
一部ステージに配置されているフックをヒモで攻撃すると『海腹川背』のようにぶら下がって移動する事もできる。
-
5回ダメージを受けると1ミスになる。
評価点
グラフィック
-
全編に採用されているプリレンダグラフィックはSFCのゲームの中でもトップクラスの表現力。
-
ステージ1では移動するだけでも床の角度が変わったり、背景の棚の奥行が見えたりと演出が細かい。
-
一人称視点ステージではスーファミでは数少ない疑似3Dを活かしたステージで、壁のテクスチャなども細かく描き込まれている。
-
ウッディを初めとしたキャラクターの動きもかなり滑らか。
バラエティ溢れるステージ
-
基本は横スクロールアクションだが、前述した『DOOM』的なステージやRCを操作するトップビューのラジコンステージ、レックスに乗ってアンディの部屋から脱出する強制スクロールステージなど様々なステージが登場し、プレイヤーを飽きさせない。
-
ステージを始める前にエッチ・ア・スケッチがステージの目的を教えてくれるため、置いてきぼりになる事はほぼない。
BGM
-
原作にも登場する音楽の他に「Revenge of the Toys」などの本作オリジナルのBGMも高評価。
賛否両論点
原作と異なる部分
-
ウッディが悪夢の中で巨大なバズと戦ったり、ウッディがレックスに乗ってアンディの部屋を脱出したりなど、原作にはない展開が割と多く出てくる。
-
とはいえ、映画の内容をそのままゲームにすると物足りなくなるし、ジャンルはアクションゲームなのでプレイに支障は出ない。
問題点
難易度が高い
-
ステージの画面表示が小さく、ウッディの当たり判定が大きいため、ダメージを食らいやすい。
-
ステージ3から初見殺しが多く登場し、敵の配置などもいやらしくなる。
-
ステージ3ではウッディとバズが競争するのだが、二つの足場の間にザコ敵が飛んでくるので突っ切ろうとすると当たり判定の大きさが災いして被弾してしまう。
-
ステージ5ではRCを操作してバズをぶつけるのだが、操作性のクセがかなり強く、初見ではまともに操作できずにゲームオーバーとなった人も多数。
-
十字キーの僅かな左右入力でもかなり曲がるため、壁にぶつかってスピンしやすい。
-
また、バズをぶつける事で落とすバッテリーを拾わないと簡単にバッテリー切れを起こし、ミスになってしまう。
-
ステージ6ではウッディがレックスの行く手を阻む障害物を除去して進んでいくのだが、ここも地味にいやらしい。
-
序盤では無害だったハムやポテトヘッドもザコ敵扱いになり、触れるだけでもダメージを食らう。
-
ステージ10ではかなり変則的に動く足場や上から降ってくるコイン、回転が速いプロペラなどいやらしい場面が多い。
-
ステージ11の『DOOM』風ステージではマップがなく、迷いやすい。
-
ステージ13、14ではシドの部屋に進んでいくのだが…。
-
上からダーツが降ってきたり、花火が飛び交ったり、無数の空き缶が転がって行ったりとかなりデンジャラスな部屋になっている。
-
ステージ15はシドの犬スカッドから逃げていくステージだが、リビングルームであるにもかかわらずロケット花火や爆弾を大量にばら撒いて来る。
こんな家で生活しているシドは一体何者なのか。
-
最終ステージではウッディとバズがアンディの車に向かって
空を飛ぶ
格好つけながら落ちていくのだが、画面表示が狭いせいで前方の車にぶつかりやすい。
-
また、初めはコンティニューが出来ず、取得するにはステージに散らばっている星型のコインを300枚集める必要がある。
-
1ステージにつき、50枚までしか集められないので、ステージ6まで全部集めてようやくコンティニューを取得できる。
一部キャラクターが未登場
-
スリンキードッグやボー、シド本人などは未登場。
-
一応ボーやシドはステージの間に挟まれるカットシーンで登場するが、スリンキーは影も形もない。
-
スリンキーはシリーズにおいても出番が多いキャラクターなので非常に惜しまれる。(原作では疑いが晴れた後に引っ越し用のトラックにウッディ達を掴もうとする重要な場面を務める)
SFC版特有の問題点
-
ウッディのヒモの攻撃判定が先端にしかなく、攻撃をするにはぴったり位置を合わせないといけない。
-
特にステージ12ではエイリアンを使ってバズを連れて行くクレーンのツメを攻撃する必要があるのだが、このヒモの仕様のせいで狙いにくい。
-
『トイ・ストーリー』を象徴とするメインテーマ「君はともだち」が未収録。
-
一方「すべてがストレンジ」は収録されているため、版権問題ではないと思われるが…。
-
海外のみ発売のメガドライブ版では「君はともだち」が二種類(ステージ毎のカットシーン、エンディング)収録されている。
総評
全編プリレンダグラフィックによる美麗なグラフィック、個性豊かなステージを持ったアクションゲーム。
しかし子供には厳しい難易度が足を引っ張っている印象が否めない。
スリンキーの未登場など原作が好きな人ほど物足りない部分もあるが、アクションとしては歯ごたえのあるゲームなので腕に自信のある人は遊んでみても損はないだろう。
余談
-
海外ではSFC版の他にもメガドライブ版やPC版も発売された。
-
メガドライブ版はSFC版に比べて画面表示がやや広くなり、ヒモの当たり判定がヒモ全体につくようになったりと遊びやすくなっている。
-
また、SFC版にはなかったステージが追加で1つ収録されている。
-
ウッディがRCに乗ってバッテリーを回収しながらゴールに向かうステージだが、これも原作にはないシーンなので収録されていなくてもそこまで違和感はない。
-
PC版はSFC版とメガドライブ版の後に発売されたが、フレームレートの低下や一部演出の簡略化など劣化しているところが多い。
-
また、PC版では『DOOM』のような一人称ステージは未収録となっている。
-
開発元のトラベラーズテイルズはその後も、PS1で『バグズ・ライフ』や『トイ・ストーリー2』、ゲームキューブで『ファインディング・ニモ』などのピクサー映画のゲーム化を担当した。
-
長らく『トイ・ストーリー2』は日本未発売だったが、2022年にPS4/PS5向けに日本でも発売された。『3』はDS版が日本でも発売されている。
-
また、本作と同年にセガのソニックチームと共同で『Sonic 3D Blast』も制作された。
最終更新:2024年08月02日 13:27