魔界島 七つの島大冒険

【まかいじま ななつのしまだいぼうけん】

ジャンル アクション
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売元 カプコン
開発元 カプコン第1企画室
発売日 1987年4月14日
価格 5,500円
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント 謎を解いて財宝を手に入れろ!(大真面目)


概要

同社のアーケードゲーム『ひげ丸』を基に大幅にアレンジ移植した作品。
元々は『ひげ丸』のFCへの移植とは別に『魔界島』というオリジナル作品として企画されたが、やがて『ひげ丸』が『魔界島』に吸収される形で統合され、本作が誕生した。
主人公や敵キャラクターは原作からの続投で、物を投げて戦うシステムは踏襲しているがそれ以外は全て新しく作り直されている。

主人公の船乗り「モモタルー」桃太郎ではないを操作して、伝説の海賊「キャプテン・ビアド」の財宝を見つけ出すのが目的。
『魔界島』というタイトルから同社の『魔界村』を想起させられるが、実際に『魔界村』とは世界観を共有しており、同作の敵キャラクターも一部登場している。


ゲームの流れ

  • まずは主人公の船「アンカー号」を操作して海上を探索する「マップモード」から始まる。冒険の舞台となる7つの島は全て入り口に鍵が掛かっているため、海賊船から鍵を奪う必要がある。
    • 海上には海賊船が登場するが、鍵があるのは特定の位置に停泊している船で、マップ上を移動しているのはランダムで出現するダミー船。後者はクリアしても何も無い。
    • 海上マップでは海賊船の他にも商船と出会う事があり、3回まで情報を貰える*1。4回目からは何も知らないと言われる。
  • 海賊船や島に上陸するとアクションパートに移る。原作同様の見下ろし視点で、マップ上に配置された岩などのオブジェクトを投げつけて敵を倒しながら進む。島の場合は「上陸モード」と呼ぶ。
    • 主人公はオブジェクトを掴む、転がす、投げるの動作が可能であり、投げたオブジェクトは一直線に転がっていき、壁や障害物にぶつかると壊れて消滅する。敵にぶつけて攻撃する他、これを駆使して隠しアイテムなどを探す事もある。
    • 原作は固定画面だったが、今作では『ゼルダの伝説』のような切り替えスクロール方式で、島の一つ一つが数十画面に及ぶ広大なマップとなっている。
    • 画面を切り替えると敵やオブジェクトは再配置される。画面を跨いでオブジェクトを持ち運ぶ事はできない。
      • オブジェクトを持ったまま画面を移動すると、オブジェクトは消えるのに主人公の掴み判定は残る。そのため、一旦Bボタンで手を放す動作を行わないと新しいオブジェクトを掴めない。
    • 今作では主人公はジャンプが可能。オブジェクトを飛び越えたり足場を飛び移る際に使う。敵も飛び越せるがあまり実用的ではない。
      • 主人公はONE PIECE』の先駆けの如く船乗りなのにカナヅチらしく、血の池やクレバスのみならず、水に落ちるだけで大ダメージを受ける。時には慎重なジャンプアクションも求められる。
      • また、ジャンプ中にオブジェクトを投げると原作宛らに跳ねながら転がっていく。攻撃力が上がったりはしないが、上に向かって投げると若干スピードが上がる。
  • 海賊船では原作の雰囲気を踏襲し、雑魚のひげ丸を樽で倒しながら進む。数マップ程度の短いステージだが、ボス部屋に入るには規定数のひげ丸を倒さなければならない。こちらは「デッキモード」と呼ぶ。
  • 敵を倒したりアイテムを取るとスコアが増加するのは他のゲームと同じだが、本作ではこのスコアがそのまま主人公のライフになっている特徴がある。
    • そのため、他のゲームで言うスコア稼ぎ用アイテムは全て回復アイテムと同義であり、敵を倒しても少しずつ回復する事になる。キーアイテムも同じくスコアが入るのので、回復効果も併せ持つ事になる。
    • 敵に接触したり攻撃を受けるとスコアが減少するが、その度合いは百〜数千とかなり幅広い。弱かろうが強かろうがダメージエフェクトは変わらないので、スコアを常にチェックして強いダメージを喰らわないように努める事が重要である。
  • 各ステージにはボスが存在し、オブジェクトをぶつけてライフを削りきれば撃破となる。
    • ボス部屋には攻撃用に多数のオブジェクトが配置されているが、倒す前にオブジェクトを使い切ってしまうと画面を切り替えて再挑戦しなければならない。無論、ボスのライフも回復する。
  • 基本的には島のボスを倒すと次の島の鍵がある海賊船が出現するため、それを攻略して次の島へ…を繰り返して進む。
    • しかし宝探しが目的なだけあり、漫然とボスを倒して進むだけではクリアは出来ない。財宝を見つけるには、各島に秘められた謎を解き明かす必要がある。
    • 全ての島に最低一つは財宝に関係する何かが存在する。ボスを倒す以外にもそれを探し出さなければならない。
    • 全部で三つある「宝玉」は入手は必須ではないが、手に入れた数に応じてエンディングの演出が追加される。

7つの島

  • クック島
    • 最初に訪れる島。ジャングルに覆われており、原住民が襲いかかってくる。
    • 名前の由来は多大な功績を残しながらも最期はハワイ島の先住民に殺されたクック船長だろうか。ただ、綴りは違うが…*2エンディングの例を鑑みると間違いの可能性も。
  • カース島
    • 邪教が支配している洞窟の島で邪教徒たちが襲い掛かってくる。彼らが崇めているのは「伝説の悪魔」ではなく、より上位の存在であるサタンである。そのため、サタンに由来する隠しアイテムが存在する。
  • マーメイド島
    • 人魚がいるとされる湖の島。明るい雰囲気とは裏腹に水に落下すると大ダメージを受ける上、敵も巨大イカのクラーケンなどひげ丸を除いて倒せない敵ばかりという厄介なステージ。
  • ヘビ島
    • 巨大な塔が聳える島。塔の中にはゾンビなど『魔界村』の魔物たちが潜んでいる。
    • 名前は島、或いは塔の形状からと諸説ある。何故「カース」「マーメイド」と来て「スネーク」ではなく「ヘビ」なのかは謎。
  • ドクロ島
    • 名前通りドクロの形をしている呪われた死者の島。封印が施されているため、鍵だけでは上陸できない。血の池に落ちると湖以上のダメージを受ける。
    • 「スカル」ではないのはこちらの方が響きが怖いからだろうか。
  • オオカミ島
    • 港や要塞が築かれた砂漠の島。ひげ丸軍団の本拠地でもある。
    • 島の形はその名の通り口を開けた狼のように見える。何故「ウルフ」ではな(ry
  • ジャックナイフ島
    • 雪と氷に覆われた極寒の島。滑る氷や、落ちると血の池以上のダメージを受けるクレバスが厄介。
    • 一見、ナイフというよりは柄のような形をしているが…。

評価点

  • 親しみやすい操作性
    • 原作の長所を受け継ぎ、「オブジェクトを掴んで投げて敵にぶつける」というシンプルなシステムによりゲームに入り込みやすい。
    • 原作同様、攻撃が当たった敵は大げさに吹っ飛んで消滅する。コミカルな演出がプレイヤーの取っ付きやすさにも繋がっている。
    • 効果音も小気味よく独特で耳に残る。
  • アクション面に限ればゲームバランスも比較的良好
    • 最初のうちは簡単だが、ゲームが進むと徐々に強い敵が出てくる。受けるダメージもバカにならなくなっていくが、アイテムもそれなりに配置されており、理不尽という事は無い。
    • ボスも相応の強さだが、敵に応じた戦法を見出せば問題無く倒せ、そうでなくともスコアを稼いでいけばゴリ押しも利く。
    • 隠しアイテムを取ると大幅に回復し、かなり余裕ができる。一種の救済措置のようになっている。特に最初のクック島にはカプコン作品で御馴染みの「弥七」が存在し、これを取ると取らないで難易度が全く変わる。
    • 各ステージには入り口にショートカットできるスタートホールが存在し、帰りは幾分楽になるように設計されている。
    • パスワードは海上以外ならいつでも参照できる。
  • バリエーション豊かな舞台
    • 原作は海賊船のみだったが、本作では様々な島を訪れるため飽きが来ない。BGMもそれぞれの島の雰囲気によく合ったものになっている。
    • カース島やヘビ島のような不気味な島もあれば、マーメイド島のような明るい島、オオカミ島のような勇ましい雰囲気の島もある。サンバのリズムでノリのいいマーメイド島やアップテンポでリズミカルなジャックナイフ島はBGMの評価も高い。
    • 特に5番目のドクロ島は黒い地面、血の池*3、骸骨の岩など、子供にはトラウマ級の怖さである。鍵だけ持って上陸しようとした際の「このしまはふういんされている」のテキストも淡々とした怖さがある。
  • 『魔界村』からのゲスト出演
    • 本作の舞台となる海域は魔界村の戦いに敗れた魔物達が逃げてきたという設定があり、4番目のヘビ島はその魔物達を封印した塔が舞台となる。
    • そのため、内部にはブルーキラー、ゾンビ、一角獣と懐かしの面々が姿を見せる。島のボスである一角獣に至っては台詞付きの登場である。塔の入り口には『魔界村』の主人公であるアーサーも登場する。
    • 箱に描かれているように、あのレッドアリーマーも登場するのだが…。
      + ネタバレ
      • なんとラスボスへの大出世を果たしている。しかも、伝説の悪魔「デビル・ザ・レッドアリーマー」という大仰な肩書きを引っさげての登場である。
      • この海域に逃れた後に悪神として崇拝されて力を付けたらしく、より獰猛化している。体もモモタルーが小さいから相対的に大きく見えるのではなく、本当に巨大化している模様。

問題点

不便にして面倒な航海

  • マップモードでは全体マップが参照できず、スタート早々自分がどこにいるのか分からなくなる。海は広く、目印となるものが少ないので現在地の把握も困難である。
    • 各島も海上からでは見分けが付かず、地形を覚えない限りは上陸してみないとどの島なのかが分からない。特に序盤は鍵も無いので、どこに上陸しても「カギがかかっている」の表示しか出ず余計に分からない。
      • 当時のゲームに野暮なツッコミではあるが、ただの島でいくらでも上陸する術はあるのに「鍵で門を開けなければ入れない」というのも不自然に感じる部分である。
    • 無論、鍵を持つ海賊船の位置もノーヒント。島をクリアする度に毎回宛てもなく海を彷徨う羽目になる。
      • 基本、陸地に隣接して停泊しているとは言え、ステージクリア毎に陸に沿って海を探し回るのはかなり苦痛である。
    • 一応、地図は存在するが手に入るのは6番目のオオカミ島のボス撃破後。今更としか言いようがない。
      • そもそも海上ではメニューが開けないので、いざ手に入れてもほとんど役に立たない。精々、自分が現在どの位置にある島にいるのかが分かる程度。
      • ゲーム上の用途としては最終ステージ関連の仕掛けに気付くためのアイテムなのだが、出来れば序盤に入手&海上でも参照出来るようにして、本来の用途で使わせて欲しかった所。
    • 海上マップの東西はループするのではなく見えない壁に阻まれる。しかもいくつかの島はその壁に密着するように存在するため、思うように航海ができずストレスになりがち。障害物の岩もそこかしこに配置されているため、地味にストレス要因に。
      • それでいて南北はループする。その所為で却って混乱しやすく、壁の煩わしさも相乗効果的に増している。
    • 海賊船に乗り込むとクリアまで出られないので、もしダミー船に乗ってしまったら時間とスコアを浪費するだけである。しかも場所によっては船がハマって詰む事も。
    • 後半には島間を行き来する事が何度かあるので、たとえ謎解きの答えが分かっていても尚更面倒に。
  • 一つ島を攻略する度に代わり映えのしない海賊船をクリアしなければならないため、ダレやすい。
    • 後半になるほどボス部屋開放に必要なひげ丸撃破数も増えていくので更に面倒に。そしてボスの船長はずっと同じ。
    • 終盤には幽霊船が登場するのだが、内装がボロくなっているだけで、登場する敵もBGMすらも同じ。いつもの楽しげな曲の中、いつものひげ丸達と船長を相手にすることになるので、幽霊船の雰囲気など皆無も同然である*4

本当に宝探しをやっているような厳しい謎解き

  • 最初のうちはボスを倒しさえすれば良いのだが、ヘビ島が終わった頃から仕掛けが登場する。
  • ドクロ島には封印が施されており、解除しなければ上陸できない。
    • 正解はヘビ島にあるランプでクック島の燭台に火を灯す事。それ自体は商船で教えてもらえる。寧ろ商船の情報はほぼこれだけのようなものである。
      • ただ、燭台とランプの在り処は教えて貰えないので、これは探す必要がある。燭台はクック島のボス部屋の隣にあるのでプレイヤーがちゃんと覚えていれば問題は無い。
    • 肝心のランプはヘビ島の塔の地下に隠されており、隠し通路を発見しなければ入手できない。しかも塔の途中には偽のランプが配置されている。入手してもスコアが入るだけで、これを持ってクック島に行っても無意味。しかし初見ではそんな事など分かりようも無い。
      • 一応、メニュー画面でキーアイテムが確認できるので、「ランプが追加されていない=今取ったのは違う」という事に気付けるようになっているが、初見では(ry*5
  • 三箇所存在する「モノリス」という石碑には、古代文字で謎解きのヒントが表示され、これを解く事で財宝に近付けるのだが、この謎解きがまた難解で「こんなの解るか!」と言いたくなること請け合い。
    • 古代文字そのものを見た所で解る訳も無く、後半に入手する「古文書」で参照できる古代文字のアルファベット対応表を見ながら自力で解読する必要がある。
    • これだけでも結構難易度が高いが、解読して出てきた文字はもっと意味不明。
+ ※謎解きに関する重大なネタバレ
  • モノリスの文字を解読すると「MARU」「NISHIKARASAN」「TARUZYUU」となる。
    • これはローマ字で「マル」「ニシカラサン」「タルジュウ」と読むのが正しく、最後に登場するカイン族から「まるとは船の事じゃよ」とは教えてもらえるので、つまり「船、西から3、樽10」が正しい意味となるが、それを自力で導き出すのは難易度が高く、子供には恐らく無理であろう。
  • そして導き出したとしてもこの後が…
    + 更にネタバレ
    • 具体的にどうしろと言うと、オオカミ島の港に停泊している西(左)から3番目の船に樽を10個ぶつけろという事である。これを実行するとあるマップに橋が架かり、財宝に関わる重要な場所に行く事ができる。
      • 船と樽がセットである島はオオカミ島だけとは言え、これだけでその財宝とも関係なさそうな単なる背景である船を導き出せるとは限らず、もしも見当違いに海でダミー船漁りなどし始めたら財宝から遠ざかる一方である。
    • 更に、答えが分かったとしてもここでまた問題が発生する。
      • まずオオカミ島には港が二つあり、どちらで「マル、ニシカラサン、タルジュウ」をすれば良いのかが分からない。正解は入り口のすぐ近くの港なのだが、位置的にはもう一方の港の方が西にあるため、こちらを正解と思ってしまう可能性もある。何も考えずにすぐ近くで実践すれば良いものの、深く考えてしまうと却って詰まる。また、船の両脇に小舟があるのも紛らわしい。
    • 何より実行した所で、エフェクトや効果音などの反応が何一つ無い。実際にその場所に行って橋が架かるのを見て初めて正解したと分かるので、この時点では何も分からない。自力で正解したとしても、初見では恐らくこの二つの因果関係すらよく分からないだろう。
      • 島の奥に向かえば必ず通過する場所とは言え、そこに変化が起きていることも一切アナウンスされないので、そのまま気付かず島を出てしまうこともあり得る。
      • 尚、他のオブジェクトを当てる事で出現する隠しアイテムや隠し通路などの場合、その一歩手前でオブジェクトが壊れ、「あ、ここに何かあるな」と窺わせる演出があるのだが、ここにはそれすら無い。あったら謎を解く前に気付かれるからかもしれないが、いざ謎が解けても「反応が無い=ここは違う」と思わせ、余計に分かりにくくしている。
    • 橋の先でも重要オブジェクトがあるだけで何をすれば良いのか完全にノーヒント。尤も、ここまで辿り着けたプレイヤーなら察しは付くだろうが…。
      • ちなみにこちらはアクションを起こすとしっかり反応がある。なら船に樽を10個当てた時にも反応を付けられなかったんですかね…?
      • 謎解きの理不尽さに比べれば些細な事だが、モノリスだの古文書だの言った古代の謎を解き明かして辿り着いた先の解答が、港の船や樽というのも変な話である。もしかして実は古の時代から存在する船なのだろうか?
  • 他にも最後の石版の在り処、ラストステージの入り方、財宝入手に不可欠なアイテムの取り方など、ヒントに乏しく解り難い仕掛け・謎が多々。解答が解った後で考えると「なるほど」と思えるかもしれないが、これを全くのノーヒントでやるとなると相当なひらめきやしらみ潰しの探索を要求される。
    • 一方、エンディングに関わる「宝玉」は隠しアイテムらしく凝った隠し方をしているのだが、3つ目はただサボテンに岩をぶつけるだけで出現する。ネタ切れだろうか。
  • ヒントをくれるカイン族が各所に存在するのだが、どれもこれも抽象的で漠然としていて分かり辛い。また、後から情報を見返す機能などもちろん無いので、自力でのクリアを目指すならメモは必須である。

その他

  • ドクロ島に嫌らしいバグがある
    • ドクロ島の血の川の源流として巨大心臓が存在する。そのマップに行くと心臓らしく心音が聞こえるのだが、これが鳴ってからスタートホールを通らず徒歩で戻ると心臓から離れてもドックンドックンと鼓動が聞こえ続ける。ゲームオーバーになっても止まらず、そのままゲームを再開しても鳴り続ける。ガチのホラーである
      • スタートホールは心臓の画面の隣にあるので、ボス撃破後のプレイヤーはそのまま帰るだろうが、その前に来たプレイヤーは引き返し、ドクロ島の呪いを思わぬ形で受ける羽目になる。本作のプレイヤーがトラウマとして挙げるバグであり、正真正銘の「呪いの心臓」となっている。
      • どうやらスタートホールに飛び込んだ際やボス撃破時と言った特定のSEが鳴るとこの心音も止まる模様。そのため、心音が鳴ってからこの島のボスを倒せば止まる事になるが、何も知らずその前に死んだ日には…。
    • また、スクロールの関係でハマりに陥る箇所も幾つかある。プログラム的な意味でも呪われた島なのである。
  • その他バグ
    • ライフが10万を超えると、敵の攻撃を一発喰らっただけで即死=ゲームオーバーとなってしまう。
    • オオカミ島でボウス船長を倒した後に出るビアドの涙を取らずに部屋から出るとゲームが詰む。
      • 部屋に入りなおしてもボウス船長もビアドの涙も復活しない為。ただこれは意図的にやらない限りは発生しないだろう。
    • 上述のオオカミ島の仕掛けで画面が左右に揺れている時に横方向にスクロールする(画面を切り替える)と画面がおかしくなってハマる。
  • グラフィック
    • ドット絵は出来の良いものと悪いものの差が激しい。マップやボスは比較的描き込まれているが、主人公やザコ敵は貧相なものが多い。
    • ドクロ島の封印を解く「金のランプ」は。中身は黒い。全く金じゃない。偽物である「銀のランプ」も中身を青くしただけ。

総評

至ってシンプルな作りのACゲームをベースに、ボリューミーな冒険物へと昇華した一作。ゲーム性そのものはとっつき易く、アクションに限るなら慣れさえすれば難し過ぎることも無い。
しかし謎解き込みで自力クリアを目指すとなると、正にゲーム通り財宝を探して海を右往左往するかの如く苦労を重ねることになる。特に事前情報が何も無い状態では、延々と海を彷徨うばかりのゲームになりかねない。
現在と違ってネットも無く、情報源は攻略本ぐらいだった当時では何人ものキッズが財宝を見る事なく海の藻屑と消えたことだろう。せめて攻略周りについてのヒントが充実さえしていれば適度な歯応えで謎解きと冒険を楽しめただろうだけに、惜しい所である。


余談

  • タイトル画面でBボタンを押しながらスタートボタンを押すと、画面がバグった状態で始まる。
    • 最初の海上マップからして、海や船は何とも無いが陸地が船のチップに変わっており木製の島と化している。そして海賊船や島に上陸するとすごい事に…。
    • この状態だと主人公が無敵な上、普段通行できない場所にも行く事ができる。ハマりの確率も高いがゲーム自体は普通に進行でき、クリアも可能である。
    • そのため、事実上のイージーモードとなっている。プレイヤーの視覚的にはハードモードだが…。
  • カース島である条件を満たすと手に入る「サタンの剣」は、ラスボスを瞬殺してしまうトンデモアイテムとなっている。
    • その条件とは、スコアの下3桁が000の状態でカース島のスタートホールに入ること。当然、ラストが拍子抜けすることになるため、ラスボスと戦いたくない場合以外は(確率は低いだろうが)うっかり条件を満たさないように気をつけよう。
    • 魔界島近辺で崇められて強大化したとは言え、『魔界村』本編ではレッドアリーマーはボスキャラクターであるサタンよりも格下の魔物。より上位の力には逆らえなかったと言うところか。
      • 『魔界村』ではボスキャラクターだった一角獣と立場が逆転するほどの力を付けたレッドアリーマーだが、残念ながらサタンと同格までには及ばなかったようだ。
  • 宝玉を2つ以上集めてクリアすると、エンディングに敵キャラクター紹介が追加される。作中に登場する敵キャラクターが画像と名前付きで紹介される。
    • しかしここで表示される敵の名前の綴りが間違いだらけになっている。例えばゾンビは「ZOMBIE」のはずが「ZONBI」。他の敵は「CRUSH FISH」などちゃんと英語で書かれているので、別にローマ字で書いている訳ではないはず。
      • ブルーキラーやキラースネークも「KILLER」ではなく「KILER」になっている。開眼神木ことツリーアイも「TREE IEE」である。
    • 実は全キャラクターを紹介している訳ではなく、マーメイド島に出現する触手、ジャックナイフ島のボスであるアイスロックはハブられている。表示の問題だろうか。
    • レッドアリーマーは何故か怪我人姿で登場し、最後は転倒してしまう。そして例のごとく名前の綴りが間違っている*6
  • タイトル画面左上にはPTSという文字と、下にスコアが表示されている。一見、前のプレイのハイスコアでも表示するのかと思えるが、実際にゲームオーバーやクリアでタイトルに戻ってもここの表示は000000のままである*7
    • 実はこれ、タイトル画面で放置すると始まるデモプレイで得たスコアが反映される。何の意味があるのかと言うと、このPTSの下3桁は次のデモおよび、コンティニュー時のスコアに加算される仕組みとなっている。
    • バグなのか意図的なのかは分からないが、これによりスコアを若干加算して始める事ができる。後半にしてみれば雀の涙ではあるが、そのまま始めるよりは少しはマシだろう。
  • 実はドクロ島の血の池に落下判定があるのは水際だけであり、うまく飛び越せれば上を歩く事ができる。やったところで利点はあまりなく、リスクの方が大きいがなんともシュール。
    • 尚、マーメイド島の湖で同じ事をやると沈むので注意。
  • 本作のストーリーでは伝説の悪魔と呼ばれるようになったレッドアリーマーが7つの島を支配し、後に封印されたことが語られる。そしてその後、キャプテン・ビアドが伝説の海賊として知られるようになった。本編はそれから長い年月が経った時代の話であり、『魔界村』から相当未来であることが窺える。
    • …にもかかわらず、ヘビ島にはアーサーが登場している。一体何年生きているのだろうか…。
    • 全くの余談だが、小学館の「小学一年生」などの幼年誌ではわかり易さ重視のためか、レッドアリーマーはキャプテン・ビアドのペットなどと紹介されていた。

移植

  • MSX2版
    • 開発はコンパイルが担当。一部謎解きに変更が加えられている。また、FC版では地形以外が他の海賊船と変わりなかった幽霊船は個別のBGMが用意され、ボスもFC版の没キャラクターの「骸骨船長」に変更されている。
    • FC版では謎さえわかれば倒す必要がないアイスロックも倒さなければならなくなった。*8
  • 携帯アプリ版
    • マップモードがバッサリカットされ、カーソルで行き先を選ぶ形式になった。それに伴い、海賊船も削除。デッキモードは幽霊船のみ残っている。
    • また、新規にエンディングが作られた新モードも追加されている。
最終更新:2022年11月25日 22:58

*1 こちらは航路が固定であり、1回出会えば簡単に連続して出会える。

*2 本作では「cuck」。クック船長は「cook」。

*3 しかもこれは山の上部にある巨大な心臓から流れ出ている。

*4 ちなみにROM内には亡霊化したひげ丸や骸骨船長のグラフィックが存在するため、当初はしっかり幽霊船として作り込む予定だった事が窺える。

*5 そもそも本物のランプがヘビ島にあるという情報も無いので、仮に偽物と気付いたとしても同じ島に本物があるとは分からず、そのままヘビ島の探索を行うとは限らない。

*6 表示はDEVIL THE RED ARYMERだが、正しくはDEVIL THE RED ARREMER

*7 そもそも本作はスコア=ライフであるため、ゲームオーバーになれば当然スコアは0になる。

*8 アイスロックを倒していない場合、オオカミ島で船に樽をぶつけても橋が架からない