IN THE WAKE OF VAMPIRE

【いんざうぇいくおぶばんぱいあ】

ジャンル アクション この商品はAmazon商品紹介機能をご利用いただけません。
対応機種 ゲームギア
発売元 シムス
発売日 1992年10月23日
定価 4,500円
配信 バーチャルコンソール
3DS 2012年6月27日/300円
判定 なし
ポイント セガ版『悪魔城ドラキュラ


「満月の吸血鬼」の伝説を聞いたことがありますか?



概要

ゲームギアにて発売されたオリジナルのゴシックホラーアクションゲーム。
世界観や操作方法など、コナミの『悪魔城ドラキュラ』シリーズを彷彿とさせる物になっている。

19世紀のロンドンを舞台にしており、若き超心理学者であるフェルディナンド・ソーシャル博士を主人公にロンドンに突如発生した怪事件の謎を追い求める物語になっている。

システム

  • 操作方法
    • プレイヤーキャラとなるソーシャル博士の基本操作は十字パッドでプレイヤーの移動、Aボタンでジャンプ、Bボタンで通常武器での攻撃。
    • これに加えて、↑+Bボタンで特殊武器での攻撃、十字パッド斜め下押し続けでしゃがみ移動、階段に重なって斜め上で階段の乗り降りを行う。
    • 特殊武器は固有の回数制限があり、ステージ内で同じ特殊武器を取得すると使用回数を増やす事が出来る。
  • 主なルール
    • 今作は体力及び残機制を採用。敵の攻撃を喰らうと体力が減少し、体力が無くなるorステージ内に存在している落とし穴に落ちると1ミスとなる。
      • 減少した体力はステージ内で特定のアイテムを取得すると回復する事が出来る。
      • ステージ内には武器やスコア上昇といったアイテムが隠されている「仮面」が至る所に配置されていて、「仮面」を破壊する事によって、中に入っているアイテムを取得する事が出来る。
      • 仮面の他にステージ上にいくつか壊せる壁が存在、中にアイテムが入っている事がある。
  • 武器について
    • 今作の武器はBボタン単独で発動ができる通常武器と、↑+Bで使用が出来る特殊武器の2つに分かれている。
  • 通常武器
    • ナイフ…小型のナイフで攻撃する。デフォルトで所持している武器でもある。連射力こそあるものの、攻撃力も全ての武器の中で一番低く、リーチも非常に短いので、基本的に使わない。
    • ステッキ…ステッキの突きで攻撃する。リーチ、攻撃力ともに平均的なので、基本的な戦力の一つとなりうる。
    • レイピア…フェンシングで使う突剣であるレイピアで突いて攻撃する。攻撃力こそ低いのだが、リーチが全通常武器の中でも最長なので、攻撃のリーチが求められる場面で有用。
    • …小型の斧を振り回して攻撃する。リーチこそ最も小さい反面、攻撃力は最大なので、今作の武器の中でもコンスタントに使っていける様な性能。
  • 特殊武器
    • ピストル…小型の拳銃でプレイヤーの前方に攻撃する。非常にリーチが長いが攻撃力が低い。通常武器の方が有用という場面も多い。
    • 爆弾…プレイヤーの斜め上に着弾時に多段ヒット判定を出す爆弾を投げる。デフォルトの使用回数こそ少ないものの、プレイヤーの上方向をカバーする武器である事から使いやすく、多くの場面で有用になる。
    • ブーメラン…一定の距離を進んだ後にプレイヤーの元に戻ってくるブーメランを前方に投げる。ピストル同様にリーチがあるものの攻撃力は低い。
    • …吸血鬼の弱点となる杭を前方に投げる。デフォルトの使用回数こそ少ないものの、平均的な攻撃力が高い上、貫通効果もあるので、最終的にこれに頼る事が多い。
  • 武器以外のアイテム
    • 今作の武器以外のアイテムは武器同様にステージ内に配置されている仮面か特定の壁を破壊すると入手する事が出来る。
      • スコアボール…入手すると現在のスコアが上昇する。仮面のみから入手可能。白、赤、黒の三種類が存在していて、それぞれ得られるスコア量が異なる。
      • ジュエル…入手すると画面内の敵を全滅させる、いわゆる「メガクラッシュ」的なアイテム。仮面のみから入手可能。
      • …入手するとプレイヤーの体力を一定の量まで回復する。仮面に加えて壁を破壊する事で入手可能。
      • 人形…入手すると残りプレイヤー数が1つ上昇する、いわゆる「1UP」。仮面に加えて壁を破壊する事で入手可能。

評価点

  • 本家悪魔城に負けず劣らずなダークな世界観
    • 今作はどうみても悪魔城なのだが、グラフィックに定評のあるゲームギアで発売した作品だけあってか、例によってグラフィックの質は良く、ハードならではなカラーが付いている点も相まって、ダークさに関しては同期の携帯機で発売された悪魔城シリーズ作品より勝っている言っても良いだろう。
    • 敵キャラクターもゾンビやコウモリ、スケルトンといった定番の物に加えて、女幽霊やステンドグラスから動く蝋人形といった独自の物も存在しており、独特の雰囲気を醸し出している。
    • ゲーム中では要所要所でストーリー付きのデモ画面が挿入されるのだが、英語でストーリーが書かれている上、同時に登場する一枚絵の存在も相まって、特有の雰囲気に貢献していると言える。
    • BGMも本作の雰囲気に非常にマッチしたダークな曲調で完成度も高い。
  • 非常に強いプレイヤーキャラ
    • 今作は画面が狭く敵の攻撃に当たりやすいのだが、その分プレイヤーキャラとなるソーシャル博士はステータス面では非常に強く、横スクロールアクションゲームの中では相当死ににくいキャラになっている。
      • 今作の敵の攻撃力は基本的に半ライフからライフ1つ程度と非常に低い上、ステージの多くで体力回復アイテムが出現する事からゴリ押しが通用しやすい。
      • 攻撃を喰らった際には横方向に吹っ飛ばず、「敵の攻撃を喰らった反動で穴に落ちてしまい1ミスになってしまう」という事が起こらない。
      • 各ステージには1個以上も1UPアイテムが隠されている事から、プレイヤーのタフさと相まって馴れるとなかなかゲームオーバーにもなりにくい。
  • 独特な武器
    • 今作はゲーム性、雰囲気共に悪魔城ドラキュラにそっくりな内容ではあるのだが、通常武器周りに関しては独自の物を採用している。
      • 通常武器はリーチが短いほど威力が高くなっているのだが、今作のプレイヤーは非常にタフで吹っ飛びにくく、ライフ回復アイテムも大量に存在している事から、リーチの短い斧でも有利に立ち回りやすい場面も数多くある。
      • 長リーチの武器に関しても攻撃を喰らいにくい関係で使い勝手が良く、結果的に通常武器の種類の使い分けが今作攻略の鍵を握っていると言っても良いだろう。
      • サブウェポンに当たる特殊武器も爆弾や杭が有利なのは否めないが、罠装備を避けつつそれら装備中心で立ち回れば問題ない。

賛否両論点

  • 『悪魔城ドラキュラ』に瓜二つな内容
    • 今作は「暗黒のヨーロッパを舞台にドラキュラやゾンビといったモンスターと戦う」というそもそものコンセプトは勿論の事、ゲーム画面や操作性、攻撃系統といったシステム面、墓場や礼拝堂、時計塔といったステージ内のシチュエーションと、ゲーム内の要素の多くが『悪魔城ドラキュラ』と類似している。
      • 十字キーの上と攻撃ボタンで出る特殊武器、十字キー上下を使い階段を昇降するシステム、ステージ上のオブジェクトを破壊する事で出現するアイテム(向こうは燭台でこちらは仮面)、壊せる壁から出現するアイテム、などなど。
    • 特殊武器の特徴も、「攻撃力が低く一直線上に飛ぶ」「プレイヤーの上方向を攻撃出来る上、着弾すると少しの間ダメージ判定が残る」「一直線に飛び画面端まで到達するとプレイヤーの元に戻ってくる」、「最強武器が吸血鬼の弱点」と、悪魔城のサブウェポンそっくりである。
  • 癖のある雑魚敵の「こうもり」
    • 今作に登場する雑魚敵のうち「こうもり」は各ステージのあちらこちらに配置されている上、プレイヤーに反応すると高速で画面を動き回る。
    • また、一度動き出すと狙いを付けづらいので、非常に鬱陶しい。攻撃力こそ非常に低いのが救いか。
  • 携帯機作品故のボリュームの薄さ
    • 今作は携帯機で発売された作品だけあってか、総ステージ数は5と少ない。
    • ボスの数も少ない上そこまで攻撃が激しくない。難易度設定や周回プレーも存在しない点も相まって、上達したプレイヤーにとっては物足りなく感じられる事がある。

問題点

  • 一部ステータスが見辛い
    • というのも、画面が狭いためか、ゲーム内のスコアや残機数、装備中の武器といったステータスの一部はポーズメニューを押すと表示されない仕様になっている事から、これらステータスを確認するにはいちいちポーズを掛けなければならない。
    • もっとも、体力や特殊武器の残数、制限時間といった最低限のステータスは常に画面に表示されているので、ゲームの進行に支障が出ていないのは幸いなのだが。
  • ナイフが弱い
    • 今作のデフォルトで装備している通常武器のナイフはリーチが短い事に加えて、攻撃力が低く攻撃判定も狭い事から非常に弱い。ゲームが始まって早々に他の武器に交換させられるような性能。
    • にもかかわらず、今作はステージ内の仮面からナイフも出現する仕様があり、これを利用してステージ内には罠の様な形でナイフ入りの仮面が配置されている。
      中でもステージボスの直前では必ずナイフ入りの仮面が設置してあるので、何も知らないプレイヤーは強力なアイテムが入っていると思ってしまいがち。もしも誤ってボス前で手に入れてしまった場合は、通常武器ではボスに対して苦戦しやすくなり、ボス戦では特殊武器頼みになってしまう事も。
  • 最終ステージについて
    • 今作の最終ステージであるは、1ステージのみではあるのだが、迷路状になっている事から、初見では迷いやすい。
    • 問題は正解ルートの先に存在するラスボス直前の部屋なのだが、特定のブロックを破壊しないと行くことが出来ない上、ブロックを破壊できるかどうかはノーヒント。

総評

今作はどうみても悪魔城ドラキュラな内容なのだが、ゲームギアならではな力の入ったグラフィックは勿論の事、 非常にタフなプレイヤーキャラや装備内容及び世界観の独特さから、たかが「悪魔城ドラキュラの二番煎じ」とは感じられない作品である。

今作は残念ながらゲームギアミクロには収録されなかったものの、3DSのバーチャルコンソールには配信されているので、 バーチャルコンソールのサービスが終了する前には是非手に取ってみて欲しい。

移植

  • 今作は海外のみマスターシステム(海外マークIII)に移植されている。タイトルは『Master of Darkness』。1993年発売。
    • マスターシステム版はシステムなどはGG版と同様だが、画面比率が変更された事によってゲーム内容にも影響が出ている。以下SMS版での変更点。
      • ステージ構成はそのままに各エリアの広さが拡大している。また、キャラも微妙に小さくなっている。
      • 画面拡大に伴い、GG版ではポーズ画面でしか確認できなかったスコアや残機が常時画面に表示される様になった。ボス戦の際にはボスの体力もプレイヤーの体力ゲージの下に表示される様になった。

余談

  • その後のセガハードにて
    • 本作は内容から「セガ版悪魔城ドラキュラ」と言われていたのだが、本作発売から約2年後の1994年3月18日には、本家悪魔城ドラキュラシリーズの新作である『バンパイアキラー』が発売された。

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最終更新:2022年07月14日 16:03