魔神少女エピソード3 -勇者と愚者-

【まじんしょうじょえぴそーどすりー ゆうしゃとぐしゃ】

ジャンル アクション
対応機種 ニンテンドー3DS
(ニンテンドー3DSダウンロードソフト)
発売元 フライハイワークス
開発元 インサイドシステム
M2
発売日 2017年12月27日
定価 1,000円
判定 なし
ポイント クオリティが上昇した現時点でのナンバリング最終作
システムが大幅に変更
難易度も上昇
特殊武器&リベンジマジックどこ行った?
魔神少女シリーズ

概要

魔神であるジズー・オリンピアを主人公とする2Dアクションゲームの最新作。
ブレイブダンジョン』をはじめとする派生作品群を挟んだ上で制作された久々の本編作品である今作は、クオリティの高い移植作品に定評がある実力派デベロッパー「M2」を開発に据えた事により、これまでのシリーズとは異なるクオリティを見せた作品でもある。

前作同様にイラスト投稿サイトのpixivを経由してのザコキャラ公募が行われており、入賞作品が実際にゲーム内の雑魚敵として採用された経緯がある。

ストーリーはシェガー消失事件を取り扱っていた前作までから一転して「魔法」にフィーチャーした内容になっていて、ライバルキャラである"愚者"「デイ」との戦いや、トレジャーファイターのアルが過去に所属していた魔法獅子団との関わりも描いている。

特徴・前作からの変更点

  • ゲームの流れ
    • 今作はゲームを最初から始めたら、オープニングステージに挑戦。
    • オープニングステージをクリアしたらこれまで通りのステージセレクト画面に移動し、8ステージから自由に選択して進める事になる。
    • これまでのシリーズにおけるチュートリアルは最初に選んだ選択ステージの前半で挿入されていたが、今作ではオープニングステージ挑戦時に表示される形式になっている。
    • また、今作はオプションではなくステージセレクト画面で難易度の選択を行える様になった。
  • 難易度について
    • 前作までのゲームの難易度は、ゲーム中ではオプションの難易度選択でレベルを下げる事は出来ても、元に戻したり、元よりも高い難易度に変更するという点が出来なかったのだが、今作ではブレイブダンジョンからの逆輸入要素として、レベルを元に戻したり、元のレベルよりも高い難易度に変更する事が出来る様になった。
    • 加えて、今作ではパペルネトレードでのプレイヤー強化が全ての難易度に反映される様になっている。
  • インストールシステム
    • 本シリーズではグラディウス譲りのゲージ制パワーアップを採用されているのだが、前作までのトレース蓄積でゲージを貯める形式から、ステージ内に落ちている「シェガーのかけら」を回収する事によって1つずつゲージが上昇する、本家グラディウスさながらのカプセル形式パワーアップに変更された。
    • インストールシステムの変更に伴い、前作まではやり込み要素のアンロック目的に貯める事になった「シェガーのかけら」がゲージ蓄積用になり、ショップ以外のトレースの使い道が各ギャラリー項目のアンロック用(後述)へと用途が変更された。
    • 前作までのインストールゲージはグラディウスよろしく6項目だったが、今作は3と前作までの半分までに減少。加えて鈍色のシェガーを用いたスロット上限の開放が廃止(後述)された事により、インストール上限が全スロット一律で2つまでになった。
  • ロードアタック
    • 使用すると衝撃波を纏いつつ高速で突進する技。前作におけるルディのラーニング技(特殊武器)でもあった。
    • 今作ではデフォルトで使用可能なアクションに昇格していて、キャパシティを消費して高速体当たりを行う。
    • 加えて、今作のロードアタックは空中でも発動可能。空中で連続して発動する事によって、ロックマンXのエアダッシュの様に空中を長距離移動する事が出来る。
  • キャパシティ
    • 前作で導入された要素。
    • 今作では攻撃の際に消費するキャパシティの量が多くなっている事から、前作までで出来た「ショットを大量にばらまきながらステージを前進していく」という行動に際して制限が定められる様になった。
    • 今作ではウイング専用ゲージが廃止されており、キャパシティを消費してウイングを発動させる事が出来る。これに伴い、今作ではデフォルトの状態からウイングを使用する事が出来るようになった。
  • マジックアイテム
    • キャパシティ同様に前作から導入された要素。今作のマジックアイテムはステージ内に1つだけ持ち込む事が可能で、Yボタンで発動する事が出来る。
    • 前作のマジックアイテムは1ステージ中に1回しか発動できなかったのだが、今作では1ステージ内で複数回使える様になった。
    • また、ステージ内でマジックアイテムを全て使い果たしてしまった場合は、1回ミスをするとマジックアイテムのカウントがリセットされ再度使用可能になり、事実上の使用制限撤廃となった。
  • 鈍色のシェガー
    • おなじみの収集要素。
    • 今作における鈍色のシェガーはデザインこそ前作と変更が無いのだが、パワーアップの上限値の変更に伴い効果が変更。
      これまでのシリーズで行えたスロット上限の開放が廃止された代わりに、規定数収集する事によって、「プレイヤーレベル」という名称のパペルネトレードでのプレイヤーの成長上限が解放される物に変更。いわゆる「経験値」の様な物になっている。
    • また、今作では取得した状態で一度ステージを脱出した後に獲得した地点に戻るとシェガーが隠されていた位置に黒い印が表示される様になった。
  • パペルネトレード
    • 前作から引き続き登場の獣人「パペルネ」が経営するショップ。前作同様にステージセレクト画面から移動する事が出来る。
    • 今作ではパワーアップシステムの変更によりトレースの獲得量増加が廃止され、新たに「スピード」「ウイング」のデフォルト状態のプレイヤーを強化する項目が追加された。
    • また、今作のパペルネトレードは前作におけるアルショップの役割を引き継いでいるらしく、「スキルをパワーアップ!」に相当する所持しているトレースを消費する形式のステータス育成機能に加えて、装備中のマジックアイテムを切り替える機能も追加された。
  • ギャラリー
    • 各種データの閲覧モード。
    • 今作のギャラリーではプレイングレベルの項目と統合された。雑魚敵とボスデータは最初から解放されている。
    • プレイングレベルでは実績解除と共に閲覧できた設定画が「アーカイブ」として独立。従って、今作では実績のみが残る形になった。
      • 「アーカイブ」では設定画の他、ゲーム本編のイベントで挿入される一枚絵や登場キャラの公式イラストを閲覧する事が出来る。うち、一枚絵と公式イラストは拡大縮小が可能。
    • 「アーカイブ」「サウンドテスト」の各項目はゲーム内で取得したトレースの量に応じて順次解放されていく。
  • 追加キャラについて
    • 今作はクリア後に恒例の別キャラでのプレーが解禁される。今作でクリア後にプレーが解禁されるキャラは、今作におけるライバルポジションの"愚者"「デイ」。
    • デイはジャンプ、ウイング、ロードアタックの性能こそジズーと同様だが、ショット性能が異なり、飛距離が短く敵を誘導する物になっている。
  • その他システム面
    • セーブデータ関連では「セーブデータのコピー」「セーブデータの消去」の項目が追加された。
    • ステージセレクト画面では前作で使用できたショップとアフタートーク画面へのショートカットが削除された代わりに、前作ではメニューを開く必要があった難易度選択がLRボタンを押すだけで変更出来る様になった。
    • Lボタンでは難易度を下げRボタンでは難易度を上げられる様になっている。
    • シリーズ初の3D立体視対応。立体機能をONにするとステージやデモ画面が立体的に表示される様になる。
    • 今作の各ステージのボスは接触判定があり、ボス戦の際にボスと接触するとダメージを受ける様になった。

評価点

  • 刷新によりすっきりしたシステム
    • 前作は初代作から様々なシステムが追加された事によって順当に進化を遂げた作品ではあるのだが、追加された要素の多さによって、かえって分かりづらくなってしまったという意見のプレイヤーも見受けられてしまった。
    • だが、その様な意見を汲み取ったのか、今作はメインのシステム面の整理・見直しが行われた事により、システム的にはすっきりする事になったと言える。
  • より工夫の凝らされたステージ
    • 前作までのステージは敵やトラップの配置はまだしも、ステージの地形自体は基本的に単調な物が続いていたのだが、今作のステージは上下に起伏が激しく入り組んでいる上、ステージ内のトラップも豊富、敵の耐久力も高く設定されている事から、ステージの攻略のやりごたえに関しては前作以上と言っても良いだろう。
    • ステージ構造の複雑化に伴い、鈍色のシェガーの隠し場所も一癖も二癖もある物になっていて、ステージ内をくまなく探さないと鈍色のシェガーが見つからなくなったのも、攻略のやりごたえを手伝っている。
    • グラディウスの空中戦に当たるステージ最初の亜空間エリアでは、前作ではひたすら敵を倒しまくるエリアという事なのか、基本的に平坦でギミックが少なかった事から、あくまで「装備の準備」という意味合いが強かったのだが、今作の亜空間エリアでは地形が複雑になっていたり様々なギミックが存在していたりと、通常のステージ道中と引けを取らない様な構造になり、たかが「装備の準備用エリア」といっても決して油断が出来ない様な内容になっている。
  • パワーアップシステム変更について
    • 前作までのトレースを用いたパワーアップでは、上手く行けば非常に強い装備を揃えられる反面、獲得トレース数を成長させるにつれて高速で移動するインストールゲージの目押しが必要になってきたり、パワーアップを実行するまでゲージの最初まで戻せないという難点があった。
    • だが、今作のパワーアップに必要になるシェガーのかけらはステージ上に配置されている事から、前作までの様な高速で移動する項目の目押しをする必要が無くなった。
    • ゲージの項目も3つと非常に短くすぐに装備を整えられる上、カーソルがゲージの3番目まで来てしまっても再びシェガーのかけらを取得すれば最初に戻す事が出来る…等々、実質的な簡略化が施された事により、非常に取っつきやすくなったと言える。
    • パワーアップシステムの変更によって、難易度ルナティックで半ば恒例になっていた「一発攻撃を喰らっただけでゲージが空にされてしまう」「最初期はトレースの取得量が非常に低くプレイヤーの成長が遅い」という仕様も廃止されていて、同難易度のルールに慣れやすい仕様になっている。
  • アクションの幅を広げるロードアタック
    • 今作で特殊武器からプレイヤーの標準アクションへと昇格したロードアタックは、単にステージを高速で移動できるだけでなく、空中で発動すると横方向へ空中移動をする事が出来る事から、前作までのウイング以上にプレイヤーの行動範囲を広げてくれる。
    • また、これを用いた体当たり攻撃は敵へのダメージも高めに設定されている事から、ボスをはじめとして硬い敵に有効。
      • 従って、今作の攻撃は「ショットで攻撃するか、ロードアタックで攻撃するか」という駆け引きも生まれる事になった。
  • より扱いやすくなったマジックアイテム
    • 前作のマジックアイテムはいずれもステージ攻略中に1回までしか使えず、結局使いたい場面を見極める必要があった。
    • だが、今作では実質マジックアイテムの使用回数の上限が事実上撤廃された事によって、使い勝手が大幅に上昇する事になった。
    • 各アイテムの効果も、セットする事によって生存率が格段に上昇する「ライフリカバリー」をはじめとして使い勝手が良い物も引き続き登場していて、今作でもプレイヤーの助けになると言えるだろう。
  • 非常に緩くなったミス・ダメージ関連
    • これまでのシリーズでは、基本的に1ミスしてしまった場合はインストールで強化したプレイヤーの装備が剥奪。プレー再開後は最弱状態から立て直す必要があったのだが、今作で1ミスすると前作のベリー(x2)イージーと同じように復活時にはミス前の装備がそのまま残る様になった。
    • 今作では落とし穴に落ちた場合は1ダメージを喰らっただけで直前の地形に戻る仕様になった事によって、落とし穴に対する危険度も前作から下がる事になった。
    • 前作まではノーマル以上の難易度にしていると、例外を除いて体力回復アイテムが出現しなくなる欠点があったのだが、今作はステージ内の中間地点に存在している中ボスを撃破する事によって、確定で体力回復が出現する様になった。
      • これに上限が撤廃されたマジックアイテムの存在も相まって、今作ではこれまでのシリーズ以上に生き延びやすくなったと言える。
  • 難易度設定について
    • 前作までの難易度はゲーム中に一度下げてしまうと二度と元に戻す事が出来なかったのだが、今作では元に戻す事が出来る様になった事により、「詰まってしまった場合は難易度を下げてやり直し、ある程度上達したら元の難易度に戻して再開…」という戦術が出来る様になった。
    • 前作までは上位の難易度でプレーする場合は、それぞれ個別にデータを作る事が必要になっていたのだが、今作では全ての難易度が1つのデータで済む様になった。
    • 今作ではパペルネトレードでのプレイヤー強化が全ての難易度に反映させる事が出来る様になっていて、高難易度への挑戦のハードルが低くなっていたり、逆に高難易度を通じて強化させたプレイヤーを低難易度で活躍させる事が出来る様になった。
  • より強化された演出面
    • 今作は開発担当が変更された影響なのか、音楽面が大きく強化されていて、BGMの音源が生演奏になっていたり、SEもリアル寄りの物が採用されていたりとスケールアップが行われている。
    • 今作はゲームを最初から始めると、いつも通りステージセレクトへ直接移動するのではなく、一旦オープニングステージを挟んでからステージセレクトへ移行する様になっている。
      • 物語の導入部に当たるオープニングステージの登場によって、ストーリーの概要を掴みやすくなったのは良い。
    • アフタートークもプレイヤーキャラだけが喋る独り言が追加されたり、ボスキャラ同士の掛け合いも前作以上に存在している事からパワーアップを果たしている。
    • 今作はシリーズ初の3D立体視が採用された事により、3D表示機能をONにしていた状態では、ゲーム本編及びデモ画面にて迫力のある映像を堪能する事が出来る。
  • 魅力的なキャラクター達
    • 今作は前作までの作品からの続投キャラは主人公のジズーを含めて5名程度と非常に少ないのだが、その分、今作からの新キャラクターの多くは前作並かそれ以上に濃いメンツ揃いになっている。
    • 新キャラは「中二病を患っており単語のあちらこちらで読み方を変える引きこもり系ボーイッシュ女子」をはじめ「ジズーの突っ込みが追いつかない程の度を越したおしゃべり好きなガーデナー」や、「正義の味方を自称してヒーローチックに戦う少女」「ほんわかした雰囲気の天然系義賊」だったりなどなど個性豊か。
    • 各ボスキャラの大技のリベンジマジックも「発動すると一定時間攻撃を防御した後に広範囲へ反撃」「突進攻撃の後に派生して飛び上がって発動。プレイヤーの真上からキックで奇襲をかける」「発動すると使用前より攻撃が激しくなる発狂モードへ移行する」等々、前作と同様に個性豊か。
      • 今作のボス戦でのリベンジマジックは前作とは異なり体力が高い状態からでも使用可能になっている事から、より派手な戦いが繰り広げられる様になった。
  • ミニゲームについて
    • 今作のミニゲームは前作からルディミカルとポーカーが続投しているのだが、前者は「魔神少女音楽外伝」からジャンプの操作が加わり楽曲の演奏時間も倍近くになっている事から、上級者でも満足できるようなやりごたえのある内容になっている。
    • 一方、後者はルール自体は相変わらずなものの、絵柄が今作向けに変更。
      これまでのシリーズのポーカーはプレイングレベルとは無関係になっていたのだが、今作では遂にプレイングレベルの対象に。プレイングレベルのリストを埋めるには必須の存在になっている。
  • やり込み要素について
    • 前作までのやり込み要素のうち、設定画や音楽、敵キャラのデータはプレイングレベルを埋めたりシェガーショップで購入したりしなければならなかったのだが、今作では設定画や音楽は獲得トレースの累積で解禁される形式に変更。
    • 敵キャラのデータもゲームを進めるにつれて解放されていく形式になっているので、あまりゲームをやり込まなくてもこれら要素を閲覧できる様になったのは良い。
    • ギャラリー項目のうち、設定画の仕様は相変わらずだが、今作で初めてゲーム内で見られる様になった公式イラストに関しては拡大・縮小が可能になっていて、シリーズ通しての難点が少々改善された形になる。
    • シリーズのお約束要素としてプレイングレベルも存在するが、今作のプレイングレベルは設定イラストの開放が絡まなくなった事から、純粋に項目の解禁に専念する事が出来る。

賛否両論点

  • 大きく変わったシステム群
    • 今作は開発元がインサイドシステムからM2に代わったのだが、開発元の変更に伴い様々なシステムが新規の物に差し替えられていることから、ファンの間でも大きく賛否が分かれる結果になった。
    • まず、ロックマン系ゲームでは出てて当たり前の特殊武器システムがバッサリと削除されてしまった。この手のゲームを好んでいたプレイヤーからは残念がられていた。
      • ただ、特殊武器が削除された事によって、「魔神少女シリーズとしての個性が強まった」とも言えるのだが。
    • 魔神少女シリーズはロックマン系アクションゲームとはいえ、広範囲に攻撃可能なライナーショットが非常に強く雑魚敵の耐久力も通常攻撃一~二発程度で倒せる様な数値にされていた事から、「強化したライナーショットを撃ちまくって次々と湧いてくる雑魚をジャンジャンなぎ倒していく」という『魂斗羅』チックなショット&ラン系ゲームの面を持ち合わせていたのだが、今作では最大強化時のショットの幅が狭くなった上、雑魚敵の耐久力の上昇、起伏が激しくなったステージ構造といった点が重なり出来なくなってしまった。
    • これらの事から、今作は「前作までから別ゲー化した」と言っても過言では無いだろう。
  • 全体的な難易度の上昇
    • 前作の難易度はシリーズの中でも抑えられていたのだが、その反動なのか、次回作となる今作は全体的に難易度が上昇している。
    • 耐久力の高い敵と激しい攻撃の合わせ技が待ち受けるステージ道中はまだしも、ボスキャラも弾幕を貼ってくる事から、体験版が配信されていない点も相まって、比較的取っつき易かった前作と比べると人を選びやすい内容になってしまった。
    • 難易度ルナティックは恒例の敵の攻撃力や耐久力の上昇に加えて、M2開発のゲームの最高難易度モードでは恒例になっている打ち返し弾が追加。上述の仕様変更による救済措置こそ存在しているものの、攻撃の激しさも相まって、かなりの高難易度へと変貌を遂げてしまう。もはや「魔神少女Reberse」ともいうべき状況。
  • インストールゲージについて
    • インストールゲージのうち、スピードアップとウイングはステージ開始前にパペルネトレードで強化出来ることから、ステージの開始から強い状態で進める事が出来る様になったのだが、その反面として、パペルネトレードでスピード及びウイングを強化していく度にインストールでの強化幅が反比例して低くなっていき、最終的にショット強化のウィズしかインストールゲージの有難みが無くなってしまう。
  • 成長上限について
    • 今作では鈍色のシェガーの効果が変更され、一定数集めるとパペルネトレードでの強化の上限値が上昇するのだが、言い換えれば「鈍色のシェガーを集めなければプレイヤーが育たない」という事でもある。
    • このため、今作を触れたばかりのプレイヤーはどうしてもプレイヤーキャラを成長させる事が出来ず、もどかしい思いを抱いてしまう事も。
    • 最高難易度の出現条件も「鈍色のシェガーを全て集めた状態かつ難易度ノーマルをクリアする」という物になっている事から、育成制限の件も相まって、今作は上級者目線では「鈍色のシェガー集めを強制されている」と言えなくもない。
  • ラスボス戦について
    • 今作のラスボス戦はこれまでと同じく2段階制になっているのだが、第2形態に当たる後半戦が独立しており別のキャラとの戦闘へ移行する形式になっているため、後半でミスしても後半戦からスタートとなる。
    • このことから、復活形式が変更された点も相まってラスボス戦は前作から簡単になったのだが、反面、前作からのプレイヤーの一部は「ラスボス戦での緊張感が薄れてしまった」と嘆く声も見られている。
  • プレイングレベル内容の変更
    • これまでのシリーズのプレイングレベル(実績)には各ボス毎にノーダメージで撃破する事により解放される物も存在していたのだが、ガードやブロッキングが廃止された影響なのか、その様な内容の項目は1種類だけになってしまい、物足りなくなったという意見がある。
    • 前作及び『ブレイブダンジョン』ではシェガーのかけらを用いて未達成のプレイングレベルを無理矢理達成状態に移行させる事が出来る「無理矢理オープン」という物が出来たのだが、今作ではシェガーのかけらの効果が変更された事によってそれが出来なくなり、初代と同じく全ての項目を自力で達成する必要が生じてしまった。
  • ギャラリー項目について
    • 今作のギャラリーは入手したトレースの蓄積によって各項目が解放されていく方式になっているのだが、前作までのプレイングレベルを達成するとイラストが解禁されていく仕様に対して簡単になった感が否めない。
    • 項目の開放の際にトレースを用いる事から、高難度モードでは項目解放に必要なトレースがあっさりと溜まってしまい、結果的に物足りなくなってしまう事もある。
  • ミニゲーム「ルディミカル」について
    • 今作に収録されたミニゲーム「ルディミカル」は操作に使用するボタンが増加した事により操作性が複雑化。 全体的に演奏時間も延長している事から集中力との戦いになる他、前作や『魔神少女音楽外伝』のプレー経験者向けになっているのか、難易度の高い譜面ばかりになっている。
      このため、今作の「ルディミカル」はプレイングレベル埋めにおける鬼門の一つになりやすい。
    • なお、今作の同ミニゲームの楽曲は主にエピソード2における選択8ボスのステージのBGMなのだが、前作が初代のほとんどのステージやラスボスのBGMが収録されていた点から見ると、ボリュームに差があるように見えてしまいがち。

問題点

  • バラエティさに欠けるプレイヤーの攻撃方法
    • 前作までは最終的に通常攻撃1強にはなってしまいがちなゲームバランスだったのだが、それでも特殊武器やリベンジマジックの存在により攻撃方法についてはバラエティに富んでいた。
    • しかし、今作ではそれらが廃止された攻撃方法の種類も少なくなった事により、ロックマン系ゲームの中でも攻撃方法のバラエティさについて欠けるようになってしまったのは否めない。
    • 特殊武器に当たるシステムはマジックアイテムの一部が相当するのだが、モーションの多くが前作から流用されている物である事から新鮮味に欠ける上、各マジックアイテムは1種類ずつしか所持する事が出来ない事から、攻撃のバリエーションに欠ける点に関しては変わっていない。
    • リベンジマジックの削除も痛い。プレイヤーサイドのリベンジマジックの削除されたことによって敵専用になってしまったのは、不公平感が出てしまっている。
      • 中でも、前作で初登場して以来、ジズーのトレードマーク的存在の一つとして定着しつつあった大技の「ハイパーダークアームズ」が敵専用になってしまったのは、シリーズのファンにとっては残念。
    • 隠しプレイヤーキャラのデイに至ってはショット以外の攻撃方法やアクション類がジズーと同一になってしまったため、ショットの違いを楽しむのはともかく、それ以外の個性豊かなアクションを用いた遊びが出来なくなってしまった。
  • 下画面の刷新について
    • 前作の下画面では所持トレースが表示される機能が存在していたのだが、今作では下画面の内容が大幅に変更された事に伴い所持トレース表示が上画面に移動。
    • 下画面に所持トレースが表示されなくなった事に伴い、ボス戦で回収したトレースが表示されなくなってしまった。
  • バリエーションに欠ける中ボス
    • 今作では各ステージの中間地点で中ボスとの戦いが盛り込まれる様になったのだが、要塞型の「キャノンマシーン」たった1種類のみである上、攻撃方法もあまり変化が無い事から、どうもバリエーションに欠ける。
    • また、攻略法も結局の所は大抵「速攻で砲台を潰して死角を作り、安置から弱点を狙い撃つ」という安直な物に絞られてしまうので、ワンパターンという事であまり面白くない。
  • 物語の黒幕について
    • 今作における事件の首謀者にしてジズー編のラスボスを務めるキャラは、存在こそ後半ステージのボスキャラから語られるのだが、結局のところ完全なるぽっと出の存在で、キャラの掘り下げすらほとんどされていない。
    • その一方でデイ編では最終的に彼女と対立する展開になるのだが、アフタートーク内に該当するシーンが存在するものの、直接対決は行われず。最終ステージに入ったところでジズーが先に彼女を倒してしまう展開になってしまい、そのままジズーと対決する展開になる。正直尻すぼみ。
      • 魔神少女シリーズはジズー以外のキャラを操作するストーリーの場合は最終的にジズーと戦うのがお約束になっていたのだが、そこはシリーズの伝統を破った方がマンネリの回避へと繋がったのではないか?
    • なお、デイ編のラスボスは今作で丁寧なキャラの掘り下げが行われている事から、そこまで批判の対象にはなっていない。
  • ミニゲームについて
    • 今作のミニゲーム2種では報酬としてギャラリー解禁用のトレースを獲得出来るのだが、ゲーム本編の後半戦や上位難度では敵から獲得出来るトレースの量が増加する傾向があることから、過去作とは違ってありがたみが薄くなってしまった。このため、今作のミニゲームはプレイングレベルのリストを埋めた後は放置してしまいがち。
    • 中でも「ポーカー」が顕著。前作までのポーカーは大量に「シェガーのかけら」を入手する事が出来た事から、高難度モードに頼らずにやり込み要素を進めるための必需品ということから重要度が高かったのだが、今作ではゲーム本編でもトレースを稼ぐ事が出来る事から、プレーする意義が薄くなってしまい、結果的に、「ポーカーでスリーカードを達成する」という緩い内容のプレイングレベルを達成した後は放置状態に移行してしまいがち。
      • 加えて前作までのポーカーはほぼ全てのゲーム内に収録された楽曲にBGMを変更する事が出来たのだが、今作では一転してルディミカルでプレー可能な楽曲のみと大幅に減少してしまった。

総評

製作スタッフがM2に変わった事により、全体的にクオリティアップが図られ、システム面も一新し心機一転。 システム面も大幅に変更され、「前作までからほぼ別ゲー」とも言える内容になった。

その一方で、全体的な難易度の上昇やシステム面の粗も良くも悪くも見られていて、残念ながら3DS版シリーズの有終の美を飾る事が出来なかったのは否めない。
このため、良くも悪くもシリーズ経験者向けの作品と言わざるを得ない。

余談

  • 他ハードでの展開について
    • 開発元の影響か、今作は前作までとは異なり3DS以外のハードに移植されていない。
      • 3DSにおけるニンテンドーeショップは2023年の3月28日をもって全てのサービスが終了した関係上、2024年現在では新規でのプレーが困難になっている。
      • 今作発売の前後に登場した作品では、Swich『ブレイブダンジョン+魔神少女COMBAT』では今作からの先行出演としての触れ込みとしてボスキャラの一人のネヴィルが、リメイク版『魔神少女』のDLCではゲスト出演として今作のライバルキャラのデイが、スマホアプリ『魔人少女コネクト!』ではエピソード3初出のキャラの大半がそれぞれ出演しているのだが、本来のステージとなる作品のプレーが困難になってしまっては実に皮肉としか言いようがない。一刻も早く3DS以外の機種に移植されるべきだ。
  • 今作のボスキャラの行動ルーチンについて
    • 今作に登場するボスキャラの多くは近距離攻撃を繰り出してくる様になったのだが、これは、インサイドシステムがかつて製作していた同人ゲーム『東方幻想斬』のオマージュと思われる。
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最終更新:2024年04月13日 22:38