ファミスタ

【ふぁみすた】

ジャンル スポーツ(野球)
対応機種 ゲームボーイ
発売・開発元 ナムコ
発売日 1990年9月14日
定価 3,500円
プレイ人数 1~2人
判定 なし
ポイント ゲームボーイでどこでもファミスタができる
ファミスタシリーズリンク


概要

ナムコから1990年に発売されたゲームボーイソフトの野球ゲーム。
ファミコンで野球ブームの火付け役となった『プロ野球ファミリースタジアム』こと『ファミスタ』のゲームボーイ版。
『ファミリースタジアム』ではなく、『ファミスタ』のみのタイトルが本作の正式名称である。

ファミコンの『'90』と『'91』の間に位置している。


内容

  • 根本的な操作はすべてファミコンのシリーズ作品とまったく同じで、ゲームボーイ初期作品らしくとことんシンプルな構成。
    • クリア条件は自チームを除く13球団相手に全勝できればクリアとなる。
    • ファミコンシリーズでは無印のファミスタからできた「WATCH」はできない。
    • 全体的には『'87』『'88』の中間のようなゲーム性だがBGMは最新の『'90』のものがアレンジされている。
    • 登録されているチームは日本プロ野球12球団モデルのチームと、アメリカのメジャーリーグ選手連合の「メジャーリーガーズ」、ナムコキャラが集合した「ナムコスターズ」の14球団構成。
  • 試合のシステム。
    • 試合は5イニングか9イニングから選択できる。
    • 『'88』から『'90』までファミコンではボールを持った守備の足が極端に速くなり、足で揺さぶりにくくなっていたが、本作ではそれもなく『'87』や無印と同じかちょっと速い程度。
      • イニング選択や野手の足は後にファミコンの『'91』に受け継がれる。
    • 7回の攻撃はラッキー7のデモ演出こそ挿入されないが、機能自体は実装されており全員がバットフリフリの絶好調状態になる。
  • シリーズでも投高打低で有名なのは『'87』だが、本作はそれを更に極端にしており最強のメジャーリーガーズでもほとんどホームランが出ない。
    • ある意味現実に近いバランスになっている。
    • ジャンプキャッチやスライディングキャッチなどファインプレーは可能。
      • ボールのスピードはファミコンシリーズに比べて遅い。
  • 球場のタイプが2種類ある。因みにどちらも正式な中堅や両翼の長さは不明。
    • どうむ
      • 東京ドームがモデル。人工芝で広い構造。
    • なかはら
      • 天然芝でモデルは不明だが、「どうむ」に比べると狭くスタンドが低いためホームランが出やすい。

評価点

  • 慣れ親しんだゲーム性はそのままなので、手軽にどこでもできるゲームボーイと相性がいい。
    • 最低限の機能しかないが、最近のファミスタでも試合中ではそこまで手の込んだ機能はないのでさほど劣化したイメージはない。
  • 豊富な選手データ。
    • わずか1年前に発売された任天堂の『ベースボール』ではチームは固定の2つだけだったが。本作は14チームも用意されている。
    • 同時にピッチャー4人、代打4人とファミスタ初期のバランスがしっかり取り入れられている。

問題点

  • 恒例のリーグ戦は1試合単位で終わってしまうので1試合1試合いちいちパスワードを入れなければならない。
    • パスワードそのものは字数も少なく、その中身も数字とA~Fなので簡単に記憶して入れられるとはいえ、1回1回タイトルに戻されるのは煩わしい。
  • とにかくホームランが出ない投高打低仕様。
    • 『'87』で投手有利バランスがイマイチ受けが悪かったため『'88』では元のバランスに戻したのに、更なる投手有利になったことで、チマチマした野球を強いられる。
    • ある意味現実の野球らしいといえばらしいが、失敗を繰り返すような形になってしまっている。
  • ボールが遅い。
    • 表示上は150km/h超の速球なのに画面では、それほど速く感じない。
    • 一応球威の処理はされているのだが、元々投高打低なので、それもあまり感じられない。
  • 守備の思考ルーチンが単調化。
    • 先頭ランナーの次の塁に送球するだけでランナーがその内野手に近づいても追ってこない。

総評

ボリュームという点に関しては薄いことは間違いないが、当時のゲームボーイとしてはそこまで致命的なものではない。
今まで慣れ親しまれていたファミスタをゲームボーイに移植して、どこでも遊べるようになったというだけでひとまず下地を作った可も不可もないゲームといったところ。
残念なのはホームランが極端に出にくい仕様と、ボールの遅さがファミスタらしい盛り上がりを殺している点に尽きる。


その後の展開

  • ファミコンで恒例の時期である同年の12月に『ファミスタ'91』を発売。
    • 『ファミスタ'90』で飛躍的な進歩を遂げた一方、この作品ではホームラン競争など新しい点もあるものの好評のエディットやリーグモードがなくなり「1990年データで遊べるファミスタ」という程度にとどまっている。
  • ゲームボーイ版のファミスタとしては1年飛ばして1992年7月30日に『ファミスタ2』を発売。
    • 1992年3月に発売されたスーパーファミコンの『スーパーファミスタ』以降はNPBの公式ライセンスを取得しているため、この作品では選手や球団は実名になっている。
    • 上記『'91』からは「ストライク」や「アウト」など音声化されたが、ゲームボーイでは無理があったか旧来の馴染みあるSEが使われている。

余談

  • 上記の通り続編の『2』からは選手、球団が実名化された。
    • そのためゲームボーイのシリーズでは変名選手、変名球団で作られた唯一の作品となった。
  • ゲームボーイではシリーズ初作品のためかパッケージのデザインは初作のがそのまま流用されている。
  • マッピー』はファミコンでは「まつぴ」だったが、何故か本作では「まぴい」となっている。
  • 本作の5回制 or 9回制は上記『ファミスタ'91』に受け継がれている。
    • こちらでは本作と違って7回(ラッキー7)がない5回制の試合を行った場合、代替で4回が「ラッキー4」となる。それアンラッキーでは?

最終更新:2024年08月13日 00:47