ファミスタ2
【ふぁみすたつー】
| ジャンル | スポーツ(野球) |  | 
| 対応機種 | ゲームボーイ | 
| 発売・開発元 | ナムコ | 
| 発売日 | 1992年7月30日 | 
| 定価 | 3,500円 | 
| プレイ人数 | 1~2人 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 持ち運んでどこでもできるファミスタの発展形 実名化と採点システムは良い
 新しいアンバランス「足高投打低」
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| ファミスタシリーズリンク | 
 
概要
1992年7月にナムコから発売された人気野球ゲームシリーズのゲームボーイ第2弾。
母体となるファミコンシリーズは年度ナンバリングで年次リリースしてきたが、本作は前作から1年飛んでのリリースとなった。
野球ゲームとしての根本的なゲーム性はこれまで通り前作から引き継いでいる。
この年、ナムコがNPBの公認ライセンスを取得したこともあって選手や球団名が実名化されている。
本項目では前作をはじめ既存シリーズ作品との違いを主に扱うものとする。
変更点
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チーム構成。
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球団名、選手名が実名化された。
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オールスターゲーム用の球団が追加。
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オールセントラル・オールパシフィックのみならず二軍オールスターのウエスタンリーグ・イースタンリーグもある。
 
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旧来の「メジャーリーガーズ」が「アメリカンズ」になり、同時に選手の名前がアメリカの地名になるなど3月に発売された『スーパーファミスタ』に準じたものになっている。
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ナムコスターズの「ぴの」が『'92』に倣って次点選手に大差をつけるブッチギリの超俊足になった。
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ピッチャーを6人制に変更。先発とリリーフに分かれており、他作品のようにリリーフ投手を先発にはできなくなった。
 
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公式戦で1試合終わるごとにいちいちタイトルに戻ることがなくなった。
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パスワードは発行されるが、そのまま続けて試合ができる。
 
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公式戦では自分以外の全13球団に勝つと隠しチームが登場。
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スタジアムズ(14試合目)
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選手は球場名「ところざわ」「こうしえん」「なごや」「グリーン(グリーンスタジアム神戸)」など。
 あまり強さを感じない名前だが隠しチームということもあってアメリカンズ並の強さがある。
 
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オールジャパン(15試合目・最終戦)
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選手は実在12球団のオールスターだが各球団所属の選手よりもグンとパワーアップしており全員が俊足化しているので、もはや別人同然。
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特にこの俊足化の影響が強すぎてゴロをアウトにできないことが多い。
 
 
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前作はかなりの投高打低バランスだったが改善されホームランはそれなりに出るようになっている。
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ラッキー7はデモこそないが全員バットフリフリ絶好調になる仕様は変わらず。
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『'91』以降同様5回制の試合を行うと4回がその代わりになる。
 
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ファミコンシリーズでは『'91』以降は「アウト」「ストライク」「ファール」など音声合成が用いられるようになったが、ゲームボーイでは性能的に問題があるためか前作同様ファミコンでいう『'90』以前の馴染みあるSEが使われている。
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1P時は試合が終わると恒例の結果報知のスポーツ新聞の後、プレーの評価を見ることができる。
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ヒット
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HR
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ホームランを打つだけでなく、その中身(ソロ~満塁)でも加点
 
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四死盗
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連続安打
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スコア点
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守備
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連続OUT
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ピッチング
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奪三振や1人あたりが長いイニングを投げることで加点
 
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特殊点
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各評価を1PとCPのプレーから算出し、項目ごとに「プレイヤー点 - CPU点」で得点を出し(マイナスにはならず最低が0点)、その合計が総合評価となる。
 この評価点で画面下の総評が「てんさいてきだあ!」>「なんてうまいんだ!」>「なかなかやるなぁ」>「まあ ふつうかな」>「こんなときもあるさ」この5段階でされる。
 
評価点
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違う観点から野球が見られる採点機能。
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『燃えプロ!'90 感動編』にもあったような機能だが、これをゲームの根幹に据えているわけではなく目的はあくまで勝ちそのものであり、おまけとして楽しめる。
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人によっては、これを突き詰めていくプレイも楽しめる。
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負けた時でも行われる(上記作品では勝たないと採点が行われなかった)。
 
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前作の極度なホームランが出にくいバランスは解消された。
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ホームラン自体は盛り上げる要素として欠かせないので盛り上がりやすくなった。
 
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システムも前作から改善。
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前作では1試合ごとにタイトルに戻される難点があったが、そこはファミコン作品同様、続けて試合を行えるようになった。
 
問題点
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鈍足な選手が多すぎる。
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チームにもよるがリードオフマン的選手以外は足が非常に遅く内野ゴロではまずゲッツーを取られる。
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後述の通りハード性能のせいでボールのスピードは遅いのだが、ランナーの遅さはそれに輪をかけて遅い。
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併せてインフィールドフライが搭載されていないせいで内野フライならワザと落としてゲッツーという邪道技が残念ながら有効性を増している。
 
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とどのつまりホームランはそれなりに出るようにはなったもののこのような形で「足高投打低」という珍しいアンバランスな野球になった。
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これにより、ザコチームの代名詞「ナムコスターズ」は超俊足選手「ぴの」のアドバンテージがより強くなった。また12球団の並びは1991年シーズン準拠ながらセ・リーグ2位の中日ドラゴンズ、パ・リーグでも2位の近鉄バファローズはともに足の速い選手が少ないせいでザコ同然になり、反面セ・リーグ5位の大洋ホエールズは順位に反して意外と強いチームになっている。
 
 
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やはりまだまだボールのスピードがファミコンレベルには程遠い。
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スーパーファミコン版ほど顕著ではないが広島カープは打力に上方補正がなされているので不公平感が否めない。
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優勝したとはいえ前年シーズンは守り勝った形で、チーム打率.254はリーグ4位、本塁打はチーム88本(個人では江藤智の11本が最多)と得点力は低かった。ゲーム中の選手データがいくらか上方補正されている(例えば4番の西田真二は14本になっているが実際1991年シーズン成績では7本だった)が、そのデータに比べても実際にはそれ以上に長打力がある。
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もちろんスーパーファミコン版同様に佐々岡をはじめとした投手陣は文句なしに強力。
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また、俊足の選手が多く(これは本当でチーム盗塁は90と大洋の130に次ぐリーグ2位)本作のようなバランスではこれと投手力だけでも充分優勝したチームらしい強さは保てるので不自然な打力補正をする必要はなかったのではないだろうか?
 
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『スーパー』同様に旧メジャーリーガーズことアメリカンズがよくわからない選手構成。
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こちらもモデルのメジャー選手がいても、選手の名前が地名では結局誰なのかわからず本末転倒。ライセンスに関わる問題で出せないならば変名の方がまだマシだったかもしれない。
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当時日本ではメジャーリーグ自体日本人無関係のためほとんど報道されず、さほど詳しくない人が多く興味の対象になりにくかったためプレイヤーにとっては旧メジャーリーガーズ時点でも「よくわからないけどとりあえず強いからいい」ぐらいにしか思わなかったのが不幸中の幸い。
 
 
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上記に付随して隠しチームの「スタジアムズ」も、人間らしくない名前で、違和感が強い。
総評
前作は「とりあえずゲームボーイでどこでもできる」という地盤を作っただけでベーシックなスタイルだったが、本作では採点機能を入れるなどちゃんと一工夫入れてきているので他とは違った楽しみ方ができる点が魅力になっている。
またスーパーファミコン同様の実名選手の導入や、オールスター、隠しチームなどファミコンシリーズで取り入れられていたものもちゃんと網羅されている。
あとはボールの速さや足のバランスさえしっかりできていればと考えると惜しいところ。
その後の展開
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1993年10月29日に続編『ファミスタ3』が発売。やはり音声合成は取り入れられずクラシックスタイルなSEがそのままになっている。
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周辺機器「バーコードボーイ」に対応し選手データを読み込ませたりして、オリジナル選手のチームを作ることができる。
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また、ゲームボーイシリーズでは初めてバッテリーバックアップを採用している。ファミコンを含めても『'90』以来。
 
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旧来通りのファミコンでの年度ナンバリングシリーズとしては1992年12月22日に『ファミスタ'93』を発売。
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本作同様公式ライセンスによる実名を採用しており、野球ゲームのみならずサブゲームとしてクイズを搭載している。
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選手の体形がそれまでのずんぐりした姿から一変、実在の野球選手のようにややスリムになった。
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その一方でチーム構成は12球団+ナムコスターズのみと少なくなり、『'87年度版』以降常連だったメジャーリーガーズ(アメリカンズ)は完全になくなったが、わけがわからない名前の選手を入れるぐらいならばこれで良かったと言えるかもしれない。
 
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スーパーファミコンのスーパーシリーズとしての続編は1993年3月12日『スーパーファミスタ2』を発売。
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これまでのエディット系モードとは一味違ったユニークなオリジナル選手作成モード「きみがヒーロー!」が登場。
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ナムコスターズはこれまで女子禁制だったがワルキューレやモモといった女性キャラが登場するようになった。
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だからといって女性型のグラが用意されているわけではない。こんなことならもっと早く起用しても良かったのでは?『'92』では丸尾君じゃなくちゃんと主役のまる子とか…
 
 
余談
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よく見るとパッケージのデザインは背景が違うだけでキャラは『'88年度版』のがそのまま使い回されている。
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上記の通り中日ドラゴンズはゲームのデータ基準に採用されている1991年シーズンは2位なので本来ならば強いはずが、ゲームではシステムとの相性が悪く足の遅さが災いしてゲームではザコ同然になり事実に反したようなものになったが、1992年シーズンは5月以降一度もAクラス(3位以内)に入らなかったほどの惨状で、その上このゲームが発売された時期はそんな中でも最悪な状況だったので奇しくもリアルタイムでのイメージとはピッタリになった。
最終更新:2023年10月09日 15:20