本記事ではNintendo Switch版について扱います。
ザフライーングトラベラー アーニューフロンティア
【ざふらいーんぐとらべらー あーにゅーふろんてぃあ】
ジャンル
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アクション / アドベンチャー
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対応機種
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Nintendo Switch
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メディア
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ダウンロード専売
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発売・開発元
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EpiXR Games
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発売日
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2022年5月12日
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定価(税込)
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999円
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1箇所・オートセーブ方式
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レーティング
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IARC 3+
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備考
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日本語非対応 PS4/One/Steam版あり PS4版は海外専売 Steam版は本wikiの執筆対象外
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判定
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クソゲー
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ポイント
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雰囲気重視に方針転換 攻略動画無しではクリア困難な不具合 ハードスペックに起因した処理落ち
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Aeryシリーズリンク
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概要
EpiXRが配信している『Aery』シリーズの第8作目『Aery - A New Frontier』のSwitch移植版。
SFの世界観を採用している。
システム
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全8ステージから成る。
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1つのステージごとに羽マークのアイテムが配置されており、それを鳥が触って集めきることでステージクリア。次のステージに進める。
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羽マークは原則、最初は1つだけ出現しており、そのひとつを触ると次が出現する。
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変更点・特色
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1つのステージあたりの広さ・羽マークの数が2〜3倍になった。
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Bボタン長押しで加速が可能になった。
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障害物やステージの端に触れた際、最後に触った羽マークの位置に戻るようになった。
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それまではステージの最初に戻されてしまっていたため、羽マークがチェックポイントの役割も兼ねる事に。(以下、便宜上チェックポイントと表記。)
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羽マークが大型化し触れやすくなった。
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羽マークが1つずつ出現するタイプに統一された。
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羽マークに触れるごとに、画面下に英語の字幕とそれを読み上げるボイスが流れる。
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宇宙空間を模したステージに潜ると大幅に加速するゲートが追加された。
問題点
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シリーズ共通の根本的なボリューム不足
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鳥の舵取りをするだけのゲーム性と短い文章というシリーズ共通の特徴が定価と釣り合っておらず、改善されつつあるものの本作もボリュームは薄め。
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最短で1時間強でクリア可能。BGMもシリーズ内での使い回しで飽きやすい。
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加速するゲートが不便
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新たなギミックとしては宇宙空間の雰囲気にも合っているのだが、加速の効果が切れるまで鳥の方向転換が制限されるため、ゲートをくぐる角度を間違えると再度やり直す羽目になる。
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一応、自ら障害物にぶつかればチェックポイントまで戻されるため、ステージを丸々やり直す訳ではないが。
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処理落ちが多い
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Switchとそれ以外でのプレイ動画を見比べると分かりやすいが、ハードスペックに合わせて調整していないのか処理落ちが目立つ。Switch版は鳥の付近以外は常に不自然にモヤがかかっている。
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『Journey Beyond Time』のステージ7等、本シリーズでは度々アセットのトリミング不足に起因した処理落ちが起きている。本作でも原因の一つとして考えられる。
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ステージ5の致命的な不具合
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ステージ5の最後の羽マークは、周囲に巨大な見えない壁があり、正攻法ではクリアできないという重大な欠陥を抱えている。
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以下、突破法の解説。
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まず、目的の羽マークはひし形状のゲートのような物の向こう側にある。向こう側に辿り着かせないように見えない壁があり、触れるとチェックポイントに戻されてしまう。
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しかしこの壁、どういう訳か左上からきりもみ回転しつつぶつかると通り抜けられる。
その後は急に左右方向の操作が制限され、鳥がゲート内で旋回し続けてしまう。
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この状態から上下方向の操作と加速機能で位置の調整を行う。後は羽マークに触れるまでひたすら耐えるしかない。
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壁の抜け穴は非常に小さく、文字通り針の穴に糸を通すような作業で、YouTubeの攻略動画(One版のものではあるが、攻略手段は共通のため掲載。音量注意。)を視聴しなければまず思い付かないであろう内容。せっかくのリラックス要素が台無しになってしまっている。
シリーズで初めてきりもみ回転に意義が生まれた。
賛否両論点
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アクション性の消失
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シリーズ第5作目の『Calm Mind』以降、アクション性がほとんど無くなり、一本道に出現する羽マークをただ追っていくのみになっている。
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羽マークも取りやすくなっており、『Journey Beyond Time』のステージ10及び11のような高難易度ステージは無い。
評価点
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ボリューム面自体増加はしている
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ステージ数は減少したがマップが広大になり、自由にマップを飛び回る楽しさは増えた。
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もっとも、アセットを多用しているためマップのインパクトの薄さはそのままなのだが……。
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鳥の加速が可能となり、マップは広くなった割にテンポはやや改善されている。
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宇宙空間に広がる満天の星やSFチックな基地等、良い雰囲気には浸れる。
総評
より「雰囲気ゲー」に寄せた作風は、シリーズの問題点を僅かながら改善している。
しかし、クリアを困難にさせる程の不具合が足を引っ張ってしまった。不具合さえ無ければ、シリーズの作風を受け入れられる人ならばそこそこ遊べる代物になっただろう。
たとえ『Aery』シリーズ基準で評価しても、推奨できる作品ではない。『Calm Mind』以降の他作品を選ぶべきだろう。
余談
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海外からYouTube上に投稿されている他機種版の動画の一部では、不具合の修正やオブジェクト位置の違い等が確認できる。
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本項で取り上げたSwitch版(日本のアカウントでの購入)は、2022年11月現在アップデートはされていない。
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『Aery』シリーズは邦題の低品質な翻訳が話題に挙がりやすいが、本作も『A New~』を『アーニュー~』と訳してしまっている。
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One版は今回はタイトルが翻訳されず、原題の『Aery - A New Frontier』のままで配信されている。
最終更新:2022年12月03日 22:35