爆笑!!人生劇場
【ばくしょうじんせいげきじょう】
| ジャンル | ボードゲーム |  | 
| 対応機種 | ファミリーコンピュータ | 
| メディア | 3MbitROMカートリッジ | 
| 発売元 | タイトー | 
| 開発元 | クロストーク ココナッツジャパン
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| 発売日 | 1989年3月17日 | 
| 定価 | 5,900円(税別) | 
| プレイ人数 | 1~4人 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | シリーズ初代でやや硬い雰囲気 4人プレイ必須で時間がかかる
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| 爆笑!!人生劇場シリーズ | 
 
概要
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タイトーから発売された人生劇場シリーズの初代で、ボードゲーム『人生ゲーム』のように人生を歩んで金持ちを目指すことになる。
ゲーム内容
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基本はサイコロを振って進むオーソドックスなボードゲームで止まったマスによってイベントが発生、能力やお金の増減がある。
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能力は知力、体力、つきの3種類で、能力の高さによって成否が変わるイベントもある。
 
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キャラメイクでは名前、性別、血液型、顔(頭、前髪、目元、口元)を設定する。名前はひらがなしか使えない上、濁点、半濁点、小文字も使えない。
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キャラメイクが終わった後プレイヤーが4人に満たない場合、CPUがプレイヤーが使わなかった顔パーツからランダムに作成された顔で「僕(私)もいれて」とお願いしてくるので足りない分のCPUを加えて必ず4人でプレーすることになる。
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最初は幼児から始まり、小学校、中学校、高校、大人編(大学、就職、恋愛)、怒涛編、老後の海外編と進んでいく。小学校、中学校、高校ではそれぞれ別の短いマップを進む。高校入学時に顔が大人の物に変化し、怒涛編の後半には年寄りの物に変化する。
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高校卒業時に進路の選択があり、一部例外を除いて大学に進学か就職かを選択することになる。
 
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行く先々には様々なマスがあり、良いイベントや悪いイベント等様々なことが起こる。
    
    
        | + | マスの種類 | 
白マス
何も書かれていない白いマスで、日常のイベントを中心にさまざまなイベントが起こる。一部強制停止のマスもある。
 
ゴールドマス
お小遣い、給料等収入が発生するマスで、オーバーする目でも必ず止まる。イベント後に目が残っていればその分進める。
大人編以降ではピッタリ止まるとボーナスとなり通常の倍額がもらえる。
 
カードマス
カードを引く演出とともにイベントが発生する。発生するイベントは時代によって決まっており、良いイベントもあるがそれ以上に強烈なマイナスイベントもある。
 
テストマス
小学、中学、高校のマップにあるマスで、インベーダーのようなミニゲームを行う。点数によって知力が増えるが0点でも現状維持になり下がることはない。
 
?マス
小学校卒業後から登場するマスで、最初にあるのは特別なフィールドを歩いて決まったポイントに進むと3つまでイベントが発生するフリーウォークイベントになっている。それ以降に登場するものは知力、体力、つきのいずれか1つを選んで上げられるマスになる。
 
鉛筆マス
大学受験前と大学の中にのみあるマスで、受験勉強や卒業に向けた勉強をすることになる。場合によっては体力が減ることも…。
 
青い星マス
就職活動をするマスで、内容はマスによって決まっているが学歴(大学を出ているかどうか)によって変化する。
 
赤い星マス
出世ができるマスだが、怒涛編前半には同じ見た目の職業交換マスが混ざっている。
出世すると給料が上がる。しかし以前に起こしたイベントによって帳消し(出世が遅れる)になってしまう場合もある。
職業交換は自分とほかの人の職業を強制的に交換させられる物で、交換先を選べる場合と選べない場合がある。
 
ハートマス
恋愛イベントが発生し、ハートが増減する。人によってデートスポットに好き嫌いがあり、デート後の能力上昇もそれぞれ違う。ただランダム性が強く後述の問題がかなり影響する。
 
STOPマス
一定の区切りにあり、目が余っていても必ず止まりそれ以上進めない。
就職活動のラストチャンスだったり、大きな分岐の選択だったりといろいろある。
 
株マス
怒涛編にのみ登場するマスで、1枚5万円で株券を買える。株券を持った状態で止まるとニュースで株価の報告があった後、買い増しができる。
 
カジノマス
 
老後の海外編から登場するマスで、カードかスロットマシンに挑戦できる。勝てれば莫大な収入が得られる。
 
橋マス
小学校卒業後の青い橋と、海外編の灰色の橋の2つがあり、青い橋はちょっとしたイベントが起こるだけだが、灰色の橋は橋が壊れて1回休みになるだけの迷惑なマス。
 
ゴール
ゴールすると着順によってボーナスが入り、財産が計算され、神様から一事貰える。全員ゴールすれば終了で順位の発表となる。
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イベントでの支出でお金が足りなくなった場合、大人編までは『足りないお金は親に出してもらう』となり、所持金は0になるが借金を背負うことはない。
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怒涛編からは所持金がマイナスになるようになり、借金を背負うことになる。利息などはない。
 
評価点
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初代にしてゲームの流れが完成されている。
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子供時代から学生時代を経て上京、社会に出て荒波と戦い、老後へと進む流れがしっかりと出来ている。
 
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充実のミニゲーム
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本作にはミニゲームが数多くあり、ゲームセンターに行くイベントで挑戦できるアルカノイド、学校のテストマスでプレイできるインベーダー風シューティング、カートレース、カジノのスロットマシンとカードなど種類が多く、医者の試験でできるバイオアタックなどプレイできる機会が少ないレアな物もある。
 
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音楽がよくできている。
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学生時代の勉学に励むような雰囲気の曲、大人編の恋愛、就職などの荒波を思わせるちょっとチャラい曲、怒涛編のキリッとした社会人のような雰囲気の曲などバラエティに富んでいる。
 
賛否両論点
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良くも悪くも大味なバランス
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ゲームが進むにつれて動く金額の幅が大きくなるのは当然と言えば当然なのだが、今作は特に幅が大きい。
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大人編までは数百万、行っても2000万くらいなのだが怒涛編からは数千万単位、海外編になると一気に億を超えてくる。
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このせいで怒涛編まで順調だった人が海外編で転落し、逆に怒涛編まで全くと言っていいほど良い所がなかった人が海外編、それもカジノだけでトップに立つという逆転劇がよく起こる。
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逆転が多いこと自体はドラマチックであり悪い事ではないのだが、調整不足な感じもする。
 
 
問題点
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ちゃんとバグチェックができなかったのか、バグが多く存在する。
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職業の中にレーサーがあるのだが、これを選んで合格してもなぜか弁護士になってしまう。
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マスによってはレーサーを選んだのに弁護士の試験を受けることになってしまうこともある。
 
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ゴールした時に資産が精算されるのだが、持っているはずのものが加算されなかったり、持っていないのに加算されたりする。
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これは先にゴールした人の計算が後の人にも適用されてしまっているためと思われる。
 
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ゴールした時に神様からひとこと貰えるのだが、子供がいるのに「子供がいない○○くん(さん)」と言われてしまう。
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最終盤に香港に宮殿を建てるというイベントがあるのだが、建てたときに2億円取られるのに精算では5000万円にしかならない。これは間違いなく設定ミス。
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しかも上記の通り加算されないことも多いので凶悪なマイナスイベントと化している。
 
 
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恋愛イベントのランダム性がきつい。
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恋愛イベントでは異性と付き合い結婚するのが目的だが、ランダムで「さよなら」と突然別れさせられたり、「新しい出会い」でそれまでの恋人とは別れて強制的に新しい恋人と出会わされたりする。タイミングによってはほぼ結婚不可能になる場合も。
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同じくランダムでできちゃった結婚も発生するが、ステータス的には損をしてしまう。
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出会いの際はイベントが完全ランダムのせいでなんと既にほかのプレイヤーと結婚している人まで出てくる。その場合「だが、相手は結婚していた 別れる」となりただの無駄になる。
 
 
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男女の優劣が激しい。
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ほとんど女性が有利になっていて、デートでは奢ってもらえる、離婚した時に慰謝料をもらえる、痴漢をして職を失うイベントが発生しないといい事ばかり。
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女性限定職のテニスプレイヤーがバグでちゃんと出世できないという点はあるものの、それ例外に欠点がない。
 
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シューティングのルールが分かりにくい。
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ゲーム中では「A、B、C順に文字を消せ」とある通り文字が3つずつ飛んできて、AからEの順番に文字を撃っていき正しいアルファベットを撃つと10点、違うアルファベットを撃っても得点にならず、自機の鉛筆が被弾するかアルファベット10個撃つと終了で最高100点なのだが、正確なルールが理解しづらい。
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例えばスタートして最初にA、C、Eの3つが飛んできた場合Aを撃ってCとEはスルーしてBを待つのが正解なのだが、上記の説明だと続けて撃ってしまいやすい。また、同じアルファベットが複数出た時も1つでいいのに全部撃っていいと誤認してしまいやすい。
 
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ミニゲームに時間がかかる。
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特に学生時代は「テストマス」に止まるたびに何度もシューティングゲームをやることになる。前述の通り、狙いたいアルファベットが画面内にない場合は出てくるまでひたすら待たなければならない。高得点を狙おうとすると2~3分かかることもある。
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ミニゲームは全て一人プレイ専用なので、他のプレイヤーは終わるまで待っていなければならない。多人数でワイワイやること前提のボードゲームでこれはいただけない。
 
 
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初代ゆえに仕方ない所もあるが、イベントの雰囲気が全体的に暗めな印象を受ける。
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マイクがないとクリアできないイベントがある
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歌合戦はマイクで少しでも操作するとクリアできるが、操作を全くしないと失敗になる。ニューファミコンではクリア不可
 
総評
ボードゲームとしての完成度は高く、シリーズのデビュー作としては悪くない出来であり、シリーズの礎を築いた一作。
とはいえ、対戦結果に響くバグも多く初代ゆえの粗さや不完全さが目立つのが残念。
時間が気にならないのならばじっくり楽しめる作品である。
余談
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パッケージデザインはイラストレーターの佐々木晃(TONG KING SHOW)で、人生劇場シリーズ全作のパッケージデザインを担当している。
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CPUの名前としてかとう(男性)、さとう(女性)が存在する。
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この二人が高校卒業後に進学コースへ進んで仕送りをもらうと母親からのメッセージが「かとう(さとう) 元気でやってるか?」とおかしなことになってしまう。
 
最終更新:2023年12月28日 03:13