この記事では『高橋名人の冒険島II』のFC版・GB版を共に取り扱っています。判定は2作とも「 良作 」です。



高橋名人の冒険島II

【たかはしめいじんのぼうけんじまつー】

ジャンル アクション
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売元 ハドソン
開発元 ナウプロダクション
発売日 1991年4月26日
定価 5,800円
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2010年12月28日/500円
【3DS】2013年4月24日/500円
プレイ人数 1人
判定 良作
ポイント 実に4年ぶりに帰ってきた高橋名人
極悪難易度が一転好バランスに進化
様々な個性豊かな恐竜に乗って戦う高橋名人
高橋名人関連作品シリーズ

概要

1991年4月にハドソンから発売されたファミリーコンピュータロムカセットのアクションゲーム。
ファミコンブーム初期の1986年に発売された『高橋名人の冒険島』の実に5年越し続編。外伝的な『高橋名人のBugってハニー』を含めても4年越しとなる。
原始人に扮した高橋名人を主役に据えた作品。

前作はセガの『ワンダーボーイ』のキャラを高橋名人に差し替えただけの「ガワ替え移植」だったが、本作はハドソンによる完全オリジナルであるため実質初作品という見方もできる。
ただし原始人スタイルは上記作品から引き継がれている。


ストーリー

キュラ大王との死闘に果てに恋人のティナを助け出した高橋名人。
アドベンチャーアイランドは元の平和な国に戻り、二人は大自然の仲間たちとのんびり暮らしていた。
そんなある日、悪の侵略者ベルゼバフがこの国に目をつけ侵略を開始。瞬く間にティナは連れ去られ8つの島がベルゼバフの手下によって占領されてしまった。
名人と仲間たちはティナを助け出し、再びアイランドに平和を取り戻すため戦いの旅へと出発した。


内容

  • アクションの根本は前作を受け継いでいるが、本作ではマップ面が登場。
    • 「しだの森島」→「恐竜湖島」→「砂漠島」→「氷河期島」→「洞窟島」→「ふんわか雲島」→「火山島」→「大恐竜島」の8つの島がある。
    • その島それぞれにマップがあり、その中にいるボスを目指して進んでいくことになる。
      • ステージをクリアするたびにマップの上で名人が進んでいきボスのいる所に来ると、そのステージをクリア後にボスとの対決ステージに突入する。
      • ボスに勝てばクリアで次の島に行けるが、やられてしまうとボスの位置が変わるので、こんどはまたそこに向かって進まなければならないという『スーパーマリオブラザーズ3』のようなシステム。
  • ステージクリア後には「CHOOSE AN EGG」に突入し、8つの卵が順番に出てきて高速で回るので、それに体当りして1つを選ぶ。
    • 選んだ卵によってボーナス点(50~2000点)又は1UPとなる。
    • 隠し要素だが、何番目の卵を取るかによって次に進むルートが決まる(上から順に時計回りで8方向に対応)。
  • アイテムストックシステム。
    • ステージ開始前に恐竜キャラ4種(後述)と石オノをタマゴに入れてストックしておくことができる。それぞれ9個までストック可能。
    • それらを持った状態でステージ開始前にBボタンを押すと、それを外してストックしておくことができる。
    • ストックした上記アイテムは、ミスなどをして再スタートする時、Aボタンでストックから出して装備させてスタートすることが可能。
  • 後ろへの戻りスクロールができるようになった。
    • 前作は前方向にしかスクロールしなかったが、それによりうっかり通過のリスクが激減。
  • コンティニューは無条件で何度でも可能になった。
    • ただし後述の通り「ハチスケ」を手に入れた上で隠しコマンドを入力してスタートしないと持っていたストックアイテムがすべて無効となる。
  • スコア要素による残機増加はそのまま続投。2万点毎に1人増えるが、上限の9人に達していると増えない。
  • 基本的な操作は前作と変わらないが、補助として恐竜キャラが登場。
    • 恐竜キャラはトランプマークのカードを取ることで出現する。スケボーに乗った状態で取るとスケボーは消滅する。
    • 恐竜に乗った状態ならばスケボー同様に、一度ミスしても恐竜の方がやられてかばってくれるような形になりミスにならない。
      • マークと対応したキャラは下記の通り。
    • それぞれのカードを取ると、取ったカードに対応した恐竜にその場で強制乗り換えとなるが、それまで乗っていた恐竜はストックとして残る。
      • もちろん、今乗っている恐竜に対応したカードを取った場合もストックとして1つ増える。
    • 恐竜に乗ったままボス戦になると、名人は恐竜から降りて別々に戦うことになる。恐竜は名人と連動して攻撃やジャンプをする。
      • ボス戦では恐竜は無敵になる。敵の攻撃のターゲットにはなるので、名人への被弾を減らせる。

恐竜キャラ(名人を乗せてくれるもの)

  • 赤チラノ(スペード)
    • 溶岩の沼に入っても平気。口から炎を吐く。石オノで壊せない岩を壊せたり、2発必要な敵を一撃で倒せる。
    • スケボーと同じスピードでダッシュできる。もちろん停止したり後退も可能。
  • 青チラノ(ハート)
    • 氷の上で滑らない。尻尾から雷撃を放つ。攻撃力やスピードは赤チラノと同等。
  • ノッシー(ダイヤ)
    • 攻撃はできないが水中をスイスイ移動でき泡を体当たりで割ることができる。攻撃は名人自身が石オノで行う。
    • 名人単独で泡にあたるとしばらく泡の中に閉じ込められてしまい動けなくなる。
    • ノッシー以外は水に入ると同時に死んでしまう(煙のように消滅)。
  • プテラ(クローバー)
    • 空を飛べる。石を投下して爆撃のように攻撃できる。ただし威力は石オノと同じで、岩も壊せない。
    • 空中のボス戦で落下しない(他の恐竜は落下死してストックからも消えてしまう)。

その他恐竜キャラ

  • グレートノッシー
    • 特定のカギで登場。
    • 戦いはせず名人にアイテムをくれる。
  • マザープテラ
    • 特定のカギで登場。
    • 戦いはせず次の島へワープさせてくれる(拒否も可能)。

その他アイテムの仕様変更

  • カギ(新アイテム)
    • 取ると雲が出てきてボーナスステージや隠し部屋に行ける。
  • 肉(新アイテム)
    • バイタリティーを一気に満タンにする(ミルクと同じ効果)。
  • ハチスケ
    • タイトルでコンティニュー時に十字キー(どこでもよい)を押しながらスタートを押すと、ゲームオーバー前に持っていたアイテムを持ち越してスタートできる。
    • 一度入手すれば(電源を切るまで)何度でも持ち越しコンティニューは可能だが、このやり方自体は基本的にシークレット。
  • フラワーの効果が「その場で1,000点が入る」に変わった。
  • 「1UP」の名称が「としゆきくん」ではなく、そのまんまの「1アップ」になった。
    • 他に「3アップ」も新しく登場。
  • スケボーは基本的な性能は変わらないが、ステージクリア時に消滅して次ステージに持ち越されなくなった。
    • クリアまで乗っていると2,000点のボーナスが入る。

評価点

  • 新登場の恐竜キャラにより大幅に広がったアクション。
    • 前作は名人の石オノとそれが強化されたマジックファイヤーのみだったが、4種類もの恐竜キャラのうち3種類がそれぞれ個性ある攻撃を繰り出してくれる。
    • 攻撃を持たないノッシーにしても水中における機動性や、泡を無視して進めるなど明確な個性がある。
      • こういった部分はスーパーファミコンローンチの『スーパーマリオワールド』のヨッシーにも似たところがあり、好評な要素をいち早く取り込めている。
    • ステージ構成も水中ステージ、タテ方向特化(画面上方に向かって進む)のステージが新設されるなど、より中身が濃くなった。
  • アイテムストックのシステムが導入されて一層プレイしやすくなった。
    • これにより前作にあった、再スタート時にしばらく武器が出ず丸腰で進むことを強いられたりする理不尽なケースが緩和された。
    • また、苦手と思えるステージも予めストックしておいた恐竜の力を借りることで展開をラクにできたりと、いろいろ使い勝手が良い。
      • 恐竜を連れ込むと名人の初期バイタリティが通常の12メモリ(最大値は16メモリ)から減少して開始される点には留意が必要(プテラは7メモリ、他の恐竜は9メモリで開始)。
  • 隠しタマゴがある位置を攻撃すると効果音が鳴るようになった。
    • これによって隠し面を発見する事が初見プレーでも比較的容易になった。
  • 前作の過剰な高難易度が大幅に緩和。
    • 前作は最初のステージこそそこそこに抑えられているとはいえ以降はとんでもない高難度なステージが終始続いたが、その点本作は後半ステージに進んでも、多少の波が設けられ手ごたえを感じられるステージと息抜きになるようなステージが上手くミックスされている。
    • 前作では「1-1」から触れるとアウトのたき火や、上下に大きく動くリフトが登場するなど、アクションゲーム初心者にはなかなか厳しい難易度だったが、本作では最初の「平野コース」にたき火や落下死する穴が一切存在しないなど、序盤はプレイヤーにゲームに慣れてもらうための配慮が大いになされた難易度設定となっている。
    • 前作ではツルツル滑る氷の床が「1-3」で早くも登場したが、今作では氷の床が初登場するのが「氷河期島」のボスステージ道中とボス戦であり、後は「大恐竜島」の「氷の洞窟コース」でしか登場しない。つまりゲーム中2コースしか氷の床は登場しない。
  • 上記に加えて豊富なステージがあり、道のりは長いものの快適な冒険を存分に味わうことができる。
    • 同じ島の中でも洞窟や水中、ジャングルなど様々なステージが用意されており、違う意味で「ファミコンは1日1時間で終われない」となった。
    • 他に救済的機能としてマザープテラによるワープなども実装された。
    • ストレートにクリアーした場合では見られないようなステージまで存在するなど、かなり細かいところまで作りこまれている。
  • 名人自身のアクションは元より、恐竜たちのアクションも非常に感応が良く操作は至ってスムーズ。
    • 前作と比べて名人の移動にかかる慣性が大幅に減少したため、プレイ感覚が非常にスムーズになった。
    • また、前作では攻撃ボタンを押しっぱなしでないと出来なかった大ジャンプが、今作ではジャンプボタン長押しだけでできるようになった利便性も見逃せない。
  • バイタリティがどんどん減っていってしまうマイナスアイテム「なすび」の仕様も緩和。
    • 前作では「バイタリティが残り2メモリになるまで高速で減り続ける」というものであり、一度取ってしまったが最後、立て直しが非常に困難になってしまうものだったが、本作では「6秒間バイタリティがどんどん減り続ける」というものであり、元のバイタリティが十分にあれば取ってしまっても立て直しは十分可能。
    • また、なすびが出現する卵そのものの配置も減らされ、1つ目の島、5つめの島、7つ目の島にそれぞれ1つづつしか出現せず、配置そのものも知ってさえいれば容易に避けられる位置に緩和された。
  • その島の特色を生かしたボスも登場するようになった。
    • 前作のボスは頭のグラフィックと耐久力と移動速度と攻撃頻度が違うだけのものだったが、本作では「恐竜湖島」のボス「ヤドカリン」とは水中戦となったり、「ふんわか雲島」のボス「始祖鳥」とは上から下に動く雲のリフトを次々と乗り継ぎながら攻撃しなければならないといった、前作とは一風変わった攻略法が必要なボスも多い。
  • 奥山みよし氏が手掛けたBGMも良好。
    • 「平野コース」「森コース」「火山コース」「地下コース」「水中コース」「雪山コース」「砂漠コース」「空中コース」などなど、コースの種類が大幅に増え、そのそれぞれにノリのいい専用BGMが用意されている。
    • 最終面専用の「体内コース」のBGMはラストに相応しい雰囲気を醸し出している。

賛否両論点

  • ボスに負けると追いかけなければならない仕様。
    • 上記『マリオ3』はクリア済ステージはゲームオーバーのコンティニューしない限り再クリアの必要はなかったが、本作ではそのために中間ステージをいくつもクリアしなければならない。
    • ただし、ステージ自体は短いことと、道中でアイテム回収ができるためこれを利用して稼ぐなど仕様を逆手に取ったことができる。
      • なお、ステージ自体が短くなった分、中間ポイントはオミットされ、途中でミスをすればまた最初からやり直しとなる。
  • 空を飛べる「プテラ」も連れ込むと初期バイタリティが低下し、道中でうまくフルーツを補充しながら進まないとゴールに辿り着く前にバイタリティ切れとなってしまう。連れ込んで空を飛んで一気にクリアというわけにはいかない。勿論、狭い地形や水中など、プテラが役に立たないコースも存在する。
    • 一見不親切なようだがこうでもしないとプテラで飛んで行ってあっさりスルークリアできるバランスブレイカーになり少々味気ないゲームになってしまうので無難な形でバランスが取れている。

問題点

  • ハチスケの効果がノーヒント。
    • しかも、特殊なコマンドを入れなければ効果が発揮されず知らないとコンティニューのたびにアイテムゼロからスタートしなければならず、より苦しい状況からのスタートとなってしまう。
    • 上述のボス戦による稼ぎもこれを知らないと、稼ぐつもりが全部パーになって本末転倒になりかねない。
  • 石オノのストックが少々しにくい。
    • のっけから石オノとして道中に転がっている水中面はまだしも、地上面で石オノを既に持った状態で本来石オノが出てくる卵を割るとスケボーかボーナス点のフラワーになってしまう。
    • このためメタ読みして意図的に外しておく必要がある。うっかり石オノが取れないステージなら手も足も出ず自殺を余儀なくされるハメになることも。
      • ステージ開始時のアイテム着脱で「恐竜に乗っているが、石オノを持っていない」状態にすれば、攻撃能力を確保しつつ石オノを収集できる。
  • 中断できない。
    • これは『マリオ3』にも似た問題で、ステージは多彩で難易度も程よいという好バランスながら、いかんせんボリューミーな内容なので1日で一気に走り切るしかないのはちょっと荷が重い。
      • マザープテラによるワープがあるとはいえそれありきにしてしまうのは間違っている感もあるし、もちろんその方法ではアイテムのストックが乏しくなりがちになるなど一概に喜べたものではない。
      • そのマザープテラも、1つ目の島、3つ目の島、5つ目の島にしか存在しない。
    • マリオ3から2年半も経っており、バッテリーバックアップももはや標準仕様だったことを思うと少々気が利かない。
  • 難しい面はやっぱり難しい。
    • 5つめの島となる「洞窟島」以降、パワーアップアイテムが一切出現しないどころか、バイタリティを回復させてくれるフルーツすらほぼ出現しない、あるいは一切出現しない高難易度の面が登場する。そのようなステージはプレイヤー自身でパターンを組み、一気にダッシュで駆け抜けなければクリアはできない。
    • ゲーム中3コースしか存在しないのが救いだが、一切パワーアップアイテムが存在しない上に、足場となる小さな火山や、背景の大きな火山から噴き出てくる火山弾の噴出周期を見計らって突破しなければならない「大火山コース」の難易度は相当なもの。
  • 最終ボスは「ワーム」→「ベルゼバブ」の2段階構えだが、ワームを倒した後、特定のタイミングでミスをすると、マップ画面に戻らなくなってしまい、リセットするしかなくなっててしまうという不具合がある。

総評

初代の要素を踏襲しつつ、あの過剰な高難易度は抑えられ、さらにアイテムストックや新キャラの恐竜たちなども加わって初心者にもかなり遊びやすくなった。
また上記要素は単なる難易度の緩和だけにとどまらずゲーム内容自体も一層充実したものにしているなど、どれを取っても抜け目なく良化に繋がっている。
ゲーム内容を純粋に見れば初心者の門戸の広さに加え変化に富んだ多くのステージ、さらにアクション要素の充実などファミコン後期らしくどれを取ってもハイレベルな仕上がり。
当時高橋名人はファミコンを離れて久しく過去の人になってしまった一面もあるだろうが、前作を含めた当時の高橋名人ファンならば懐かしさを感じつつ新しい面白味を存分に味わえたことだろう。


その後の展開

  • 翌1992年3月に本作のゲームボーイ移植版が発売。
    • 詳細は下記項目にて。
  • 上記の少し前にあたる1992年1月にはスーパーファミコンで『高橋名人の大冒険島』を発売。
    • この作品では本作で登場した恐竜キャラは登場しないが、名人がブーメランを使うようになった。
    • ハドソン全体でもスーパーファミコン初作品である。
  • 本作の直接的続編として1992年8月発売に『高橋名人の冒険島III』をファミコンロムカセットとして発売。
    • この作品では本作を受け継いで恐竜キャラの数が増え、上記『大冒険島』で取り入れられたブーメランなども違った形で取り入れられ更なる発展形となっている。
  • ゲームボーイアドバンスのベストコレクションの第6弾『冒険島コレクション』(2006年1月19日発売)は本作を含めたファミコン発売の4作品全部が収録されている。

余談

  • 本作のバイタリティが回復する「フルーツ」は前作から大幅に種類が増え、中にはピーマン、ニンジン、カボチャといった明らかにフルーツではないものも加わっているが、効果は他の果物同様なのでご安心を。
  • 本作は『Bugってハニー』から数えても既に4年というそこそこの時間が経過しており、高橋名人がスターでいられたファミコンのシューティングブームが過ぎ去って久しいなどゲーム業界の構図はだいぶ変わっていた。
    • 実際、この当時の高橋名人はその名を忘れられてこそいないものの実質的に「名人」は引退しているような状態であり「ハドソン宣伝部社員の高橋利幸」に戻っていたようなものだった。
      • 本人もそう認めていたように1992年1月に発行されたマイクロデザイン出版局発行の「ドラゴンスレイヤー英雄伝説 全機種完全攻略大辞典」にて、巻末のインタビューでPCエンジン版は高橋名人がコメントしていたが名義は本名の「高橋利幸」となっていた。
  • 時代はスーパーファミコンが発売され注目度が落ちたファミコン、純粋なアクションゲームは時代遅れのように思われた世相、また高橋名人もファミコンを離れて3年半といろいろ時代遅れに感じられる色が濃く、当時はそういった時代の要因が災いした不遇に見舞われかつてのゲームスター高橋名人久しぶりのファミコン登場もそこまで話題にならなかった。
    • ゲーム自体の完成度は高いながら、これも時代がもたらした悲劇だろう。
  • 首長竜「ノッシー」のルーツは言わずもがな当時スコットランドのネス湖に生息していると思われた「ネス湖の怪獣」ことネッシーにある。
    • 日本のゲーム主力層である少年少女にとっても『ドラえもん』で何度も取り上げられたことから知名度が高かった。
    • 後の1994年に、これはおもちゃの潜水艦を利用したジョークだったと公表されたが、これを訝しむ声もあり現在でも一部の者にはネッシーはいると信じられている。

高橋名人の冒険島II(GB)

【たかはしめいじんのぼうけんじまつー】

ジャンル アクション
対応機種 ゲームボーイ
発売元 ハドソン
開発元 ナウプロダクション
発売日 1992年3月6日
定価 3,800円
配信 バーチャルコンソール
【3DS】2011年7月13日/500円
プレイ人数 1人
判定 良作
ポイント GBになっても劣化感は少ない
地味に高橋名人自身もパワーアップしたイージータイプ
高橋名人関連作品シリーズ

概要(GB)

1992年3月に発売された上記作品のゲームボーイへのアレンジ移植版。
根本的なゲーム性はそのままだが、若干アレンジがあり同時に難易度も少し下がったものになっている。

本項目ではオリジナル版との相違点のみに絞って記述するものとする。


相違点(GB)

  • タイトルのストーリーデモがなくなった。
  • ボスの位置は固定で、負けても逃げて行ったりはしないので、追跡で複数ステージクリアする必要はなくなった。
    • マップ面がなくなり、ステージは常に特定の手順での進行になり、1つの島につきステージ数も5面で固定となった。
    • またステージ構成も一部短縮変更があり、アイテムの配置も大幅に変更されている。
  • ステージクリア後「CHOOSE AN EGG」の卵の数が6つになっている。
    • 中身は同じなので相対的に1UPを当てやすくなった。
  • グレートノッシーやマザープテラのメッセージが英語になっている。
    • マザープテラはメッセージウインドウでの選択ではなく、名人を右に出口へ向かわせるとワープ承諾、左の出口から出ると拒否となった。
  • 名人のジャンプ力がオリジナル版よりも高い。
  • モノクロ表示の都合上「赤チラノ」が「黒チラノ」に、「青チラノ」が「白チラノ」に変わっている。
    • 「黒チラノ(オリジラルの赤チラノ)」の吐く炎が2連射できるようになっている。
  • 恐竜に乗ったままボスとの戦いになった場合、そのまま戦う。
    • オリジナル版では名人が恐竜から降りてバラバラに戦っていた。
  • FC版同様一部のつまづき岩を破壊すると1UPが出てくることがある。
  • バイタリティが最大値まで回復するアイテムの「肉」がオミットされ、「ミルク」のみとなった。
  • ステージ開始時の名人のバイタリティが原則として最大値の16メモリで始まるようになった。
    • プテラを連れ込んで開始すると8メモリ、他の恐竜を連れ込んで開始すると12メモリで始まる。
  • ボス敵の耐久力が減少した。黒チラノや白チラノの攻撃を連打すれば瞬殺する事も可能。
    • 道中の敵キャラ及び、たき火、つまづき岩といったトラップの配置量が減少した。
    • ステージが短くなった分、無敵アイテムの「ハニー」の効果持続時間が短縮。
    • リフトの上下移動距離が短くなり、速度も大幅に低下した。乗ると落下する雲の足場も落下が遅くなった。
    • FC版では名人が石オノを所持している場合のみ弾を撃ってきた水中ステージの敵「イソギン」が一切弾を撃たなくなり、事実上無害な存在と化した。
    • 「雪山コース」に出現し、ちょうど名人のいる位置に雪玉を降らせてくる難敵「ペンペン」の攻撃開始が遅くなり、雪玉を降らせる前に簡単に倒せるようになった。
    • 「氷河期島」のボス戦で上から氷柱が降ってこなくなり、足場の配置も変更された。
    • 「ふんわか雲島」のボス戦で雲のリフトが上下に動かなくなった。
    • 「大火山コース」で小さな火山が火山弾を吹き出さなくなった。
    • 最終ボス戦で触れるとミスとなるしずくが天井から落ちてこなくなった。
    • ハチスケの効果がタイトル画面で「CONTINUE」を選択するだけで発動するようになった。

評価点(GB)

  • より遊びやすい難易度にモデルチェンジ。
    • 名人自身のジャンプ力が上がったり、更に1UPが出やすくなったりとオリジナル版でも遊びやすくなっていたが、それが更に強化されとっつきやすいものになっている。
    • オリジナル版経験者にとっても、持ち運んで遊ぶに適したコンパクト仕様にモデルチェンジした一面があるため一味違ったものとして楽しめる。
      • 片や単純なステージクリア式になったというマイナス面もあるにはあるが、全体的なビギナー向き仕様になったと考えれば理想的だろう。
  • ゲームボーイになっても、ぎこちなさがまったくなくアクションの感応は衰えていない。
    • ゲームボーイではあるがハードの性能上、このようなアクションを劣化せずの移植を苦手とし、大きく劣化しやすい悪癖があるがそれを微塵も感じさせない。
      • もちろんゲームボーイ作品のアクションゲームとしては充分すぎるほど高いクオリティを誇っている。

問題点(GB)

  • 読みづらい英語表記メッセージ。
    • アイテムを貰うだけのグレートノッシーはともかく、ワープするか否か選択するマザープテラに関してはちょっと気が利かない。
  • BGMはどうしても劣化を感じてしまうレベル。
    • こればかりはハードの性能上仕方ないことだが、性能が低い分そこはよりピコピコ感が増してしまっている。

総評(GB)

ハード性能のためBGMなど多少の劣化は否めないところではあるものの、ゲームボーイ移植の中ではよくできている方で、元々良質だったアクション部分の根幹はバッチリ取り込めている。
また、一部の簡略はあるものの、それが転じて難易度の低下によりオリジナル版とは一味違ったイージータイプとして無難に仕上げている一面があり、初心者に対してはオリジナル版よりもオススメできるほど。


その後の展開(GB)

  • GB版は初代のみ発売されてないため、海外版では本作が『Adventure Islands』のタイトルで1作目として発売、『高橋名人の冒険島III』は『Adventure Islands II』とナンバリングをずらして販売されている。
  • 続編『高橋名人の冒険島III』のゲームボーイ版は1993年2月に発売。
    • この作品ではオリジナル版にないパスワードによる中断やクリア済ステージを何度もプレイできたりと根本的なシステムでもより便利になった。
    • 上記を含め本作同様オリジナルのファミコン版よりとっつきやすい難易度でアレンジ移植されている。

最終更新:2024年04月23日 14:26