かしおり
【かしおり】
ジャンル
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落ち物パズルゲーム
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対応機種
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Nintendo Switch アーケード(ALL.Net P-ras MULTI Ver.3) Windows(Steam)
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発売・開発元
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サクセス
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発売日
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【Switch】2021年5月27日 【AC】2021年11月26日 【Win】2024年5月13日
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定価
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1,000円(税込)
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判定
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なし
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ポイント
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キャラクターの可愛さは満点 見た目と裏腹にやや癖があるゲーム性
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概要
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お菓子がメインの落ち物パズルゲーム。
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学校で開催される大食い大会の優勝権「優勝者は卒業式のかしおりを好きなお菓子に出来る」という言葉につられて女の子達(と1匹)が対戦していくという内容である。
特徴
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自分のフィールドに降ってくるお菓子(以下、記述を「お菓子ブロック」に統一)を十字キーで移動、ボタンで回転させ同色3つ以上隣接させて消していく(斜めは不可)。
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落下するお菓子ブロックは『ぱにっくボンバー』のように常に鉤型3個で降ってくる。
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対戦時は消した数や連鎖に応じて、相手のフィールドに猫顔のおじゃまブロックを送り込める。おじゃまブロックは凹みがあればそこに優先して落ちていく。おじゃまブロックはお菓子ブロックを消した時に隣接しているとつられて消える。
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フィールドのどこか1列が枠外から溢れてしまうと(例え空間に余裕があったとしても)負けとなる。その為偏った積み方をすると負けやすくなる。
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時折、ビンに入ったお菓子ブロックが降ってくるが、こちらは落下時にビン同士を上下でぶつけてやるとビンが割れて中身が出てくる。このビン割りも連鎖扱いとなる。
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ビンには2種類あり、2回ぶつけないと中身が取り出せないものも存在する。
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また、ビンをぶつけた時に8方向にビンがあればそれも巻き込んで割る事が可能。巻き込まれたビンに隣接したビンも割れるので、上手く繋げると一度に沢山のビンを割れる。
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対戦時は「オープンアタック」が1試合に2回まで使用可能。
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次のブロックが落下するまでの間、自分のフィールドと相手のフィールドがくっつき発動中は相手のブロックも自分のブロックとして扱える。発動された側は効果が終わるまで操作が出来ない。
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ゲームモードは3つ。
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「ひとりでとことん」は所謂エンドレスモード。ゲームオーバーになるまでひたすら続く。
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このモードのみキャラクター固有の持ち色の影響がなくなり3色でスタートするが、暫くすると1色ずつ増えていく。
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「ひとりで対戦」はCPU戦でキャラクターを1人選び、コットンを除いた7人と対戦する。負けてもコンティニュー可能。
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「対戦」は対人戦。お互いに好きなキャラクターを選んで対戦する。同キャラ戦も可能。
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2024年5月のアップデートで、switchオンラインに加入していればオンライン対戦をする事が可能になった。
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選んだキャラクターに応じて降ってくるブロックの色が異なる。これは「オープンアタック」時に影響が出る。色は全部で7種類。
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登場キャラクター
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燈中こむぎ
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元気いっぱいの女の子。ちょっとドジだが裏表がない為友人も多い。
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好物はパンケーキで抹茶が苦手。持ち色は赤、オレンジ、青、ピンク。
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空風れいん
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無口でクール。お菓子の事以外には興味が無くマイペース。
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好物はチョコミント。持ち色は赤、青、緑、白。
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赤城もか
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こちらはツンデレ。つんけんしている事が多いが、こむぎやめるに助言をする等面倒見のいい一面もある。
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好物はチョコレート。ただしチョコが主役のお菓子に限る(本人曰くチョコミントは邪道との事、なので、れいんとはライバル)。持ち色は赤、オレンジ、ピンク、茶。
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胡桃坂りんな
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表向きは愛想が良いが、時折毒づいたり口が悪くなる、所謂猫かぶり。
何がとは言わないがかなり大きい
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好物はイチゴドーナツ。持ち色はオレンジ、青、ピンク、茶。
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志葉ちやき
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メガネを掛けた気弱で内気な子。パニックになりやすいがお菓子を食べると落ち着いて話せるという体質を持つ。りんなとは幼なじみ。
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好物は抹茶わらび餅。持ち色はオレンジ、青、緑、白。
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間違われやすいが「ちやき」であり「ちあき」ではない。
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二色みる
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二色めると双子の姉。いたずら好きで、よく妹のめるを巻き込んで騒動を起こす。
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好物はコーヒーゼリー。持ち色は青、ピンク、茶、白。
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二色める
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二色みると双子の妹。みると違いぽやぽやほんわかとした性格。彼女のストーリーではみるから八百長試合を持ちかけられるが…?
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好物はわたあめ。持ち色は赤、緑、茶、白。
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ザット
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なぜかしゃべれる2頭身のネズミ。お菓子しか食べない肥えた舌の持ち主。尊大な性格でネズミと呼ばれると怒るが、根は悪くない。
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好物はお菓子全般。持ち色は赤、オレンジ、青。
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持ち色が3色しかない為、複雑な連鎖を組みにくいが立て直しもしやすい初心者向けキャラクターである。
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コットンとシルク
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同社のシューティングゲーム『コットン』シリーズからのゲストキャラクター。幻のお菓子「WILLOW」に目がない魔法少女と真面目な相棒の妖精のコンビ。なお、実在するお菓子の「ういろう」とは違う。
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持ち色はなんと7色全部。またブロックのグラフィックが専用のものになる。「ひとりで対戦」を彼女でクリアするのは、もはややり込みの域。
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後発のアーケード版では持ち色が「7色のうちランダムで4色」に変更されたが、隠しコマンド入力でSwitch版準拠の7色に変更可能。
Switch版でもアップデートで持ち色の変更が可能になった(こちらはデフォルトが「7色全て」、変更で「7色のうちランダムで4色」とアーケード版とは逆パターン)。
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評価点
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個性的なキャラクター達がゲームを盛り上げてくれる。
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登場する女の子も元気っ娘・クール・ツンデレ・巨乳ぶりっ子・内気メガネ・片方が活発で片方が大人しいロリ双子……と属性が幅広く揃っている。
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対戦中も連鎖ボイスが8段階まであったり、ピンチ時用のボイスもあったり、おじゃまブロックを送り込まれた時のボイスも2種類ある(少量時・大量時で2種類)。
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りんながピンチ時に発する
「見せてやろうじゃないの…」
と低い声で呟くボイスは、見た目とのギャップが強い為、初めて聞いた人は面食らうこと請け合いである。
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ネズミのザットもどこか憎めないところがあり、女の子達とは違ったベクトルの可愛さがある。
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また、学校内では制服、海辺では水着といった具合に対戦時のロケーションによってキャラクターの服装が変わる点も(人にもよるが)嬉しい。
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なお、殆どのキャラが海辺ステージでは水着になるので露出が増えるのに対し、ザットだけは日差し対策としてグラサンを着用する為、逆に露出が減るという逆転現象が起こる。
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ぶつけると割れる「ビン」、相手のブロックを奪える「オープンアタック」等、システムが画期的。
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特にビン同士の連鎖が決まると弾けるような効果音も相まって爽快感がある。
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オープンアタックは後述するように扱いが難しいが、相手のフィールドをかき回すという本来の用途とは違った扱いが出来るところも面白い。
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落ち物のお菓子ブロックも見ていて可愛らしい。また、お菓子ブロックが消える時には、実際にそのお菓子を食べたような「カリッ」といった効果音が鳴ったり、お菓子を実際に食べたような消え方をするなど芸が細かい。
因みに、みるの好物+髪飾りにしているアクセサリーの為に間違われやすいが、茶色に該当するお菓子はコーヒーゼリーではなくカヌレ。消すところをよく見ると、チョコの中にクッキーらしきものが一瞬見えるし、効果音もビスケット系をかじったような音になっている。
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キャラ間において極端な性能差がない。
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色が3色しかないザットが1強とはよく言われるものの、裏を返せば他の8人(コットンはランダム4色にした場合に限る)にはほぼ性能差はなく、プレイヤーがそれぞれ気に入ったキャラを臆する必要もなく使う事が出来るとも解釈できる。
問題点
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基本的に「攻めたもの勝ち」ゲー。
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初代『ぷよぷよ』のように相殺がない為、先に致死量のおじゃまブロックを送り込むような連鎖を組んだ時点で勝敗が決まる。
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ビンの連鎖でおじゃまブロックが消せないのは痛い。他のパズルゲームに比べておじゃまブロックが消しにくい点、1列でも溢れてしまうと負けという点も「攻めたもの勝ち」の傾向を助長している。
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特に追い込まれている時にビンばかりが出てくるとおじゃまブロックがなかなか消せず、起死回生の一手すら許されずそのままなし崩し的に終わってしまう事も多い。
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従って、本作では小さい連鎖を小出しにするよりも3~4列以上降らせるような大連鎖を狙っていく方が有利である。
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慣れないうちは試合が長引きやすい。
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一度の連鎖で消した数が多いほど、それでいて連鎖数が多いほど相手におじゃまブロックを送り込むシステムとなっている。
瓶による連鎖も連鎖数にはカウントされるが、おじゃまブロックの数にはあまり影響しない。
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ノルマシステムなどもない為、なかなか連鎖を組めない初心者などの場合は、小さな連鎖を繰り返して少量のおじゃまブロックを送る事の応酬になりやすく、試合が長丁場になりやすい。
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また、連鎖の最後を瓶割りで〆てしまうと、最終的な攻撃玉の倍率が下がってしまい、多く連鎖したのに思ったより送れていない…という事態になってしまう。
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逆に上級者同士の試合は展開が早い傾向にある。相手がある程度積んだのを確認しつつ、先手を撃って連鎖開始+オープンアタックで相手の動きを止める…という戦法で一気に決着をつける展開がよく見られる。
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対戦時は双方で降るブロックの構成が異なる為、少々アンフェア感がある。
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キャラクターによって持ち色の種類が変わるので致し方ないとも言えるが…。
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オープンアタックの扱いが難しい。
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相手のブロックを利用して連鎖を起こせるという発想自体は面白いのだが、乱戦中はそこまで気が回らない事も多くよしんば奪えたとしても大した連鎖にならず却って相手を助けてしまうケースもある。
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また、対戦カードによってはこのオープンアタックが殆ど生かせない組み合わせも存在する。特にめるは他のキャラクターと比べて色被りが少ない為、オープンアタックによる連鎖を生かしにくい。逆を言えばオープンアタックで妨害を受けにくいとも言えるが、画期的なシステムなだけに些か勿体ない。
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CPU戦の難易度が固定。かつ難易度はやや高い。
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後半のCPUはなかなかに強く、追い詰められてもきっちり大連鎖を組んで返してくる。色数が3色のザットに後半で出てこられると、なかなか決着をつけられない事も。
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前述したが、7色も持つコットンの場合は特に辛い。連鎖をしたくても目的の色が来ない事が多く、そのまま上まで詰まってしまう事が殆どである。
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最新版ではswitch版のコットンもアーケード版と同様にランダムの4色にできるので、よほどの事が無い限りはこの状態でプレイするのを推奨する。
総評
一風変わったシステムを導入する等、改革的な姿勢は評価できる。
だがそれらがうまく噛みあわず空回りしてしまい、パズルゲームとしては少々灰汁の強い作品となってしまった。
かと言って駄作かというと全然そんな事はなく、そこは個性的で可愛らしい女の子達(と1匹)がしっかりカバーしてくれる。
もし興味が湧いたなら、ゲーム中に出てくるお菓子でも食べながらまったりプレーしてみては如何か。
最終更新:2024年08月17日 09:04