以下、ポケモン名の後ろは非御三家特性を記す。
第一世代
フシギバナ:ようりょくそ(晴れのときすばやさ2倍)
リザードン:サンパワー(晴れのとき毎ターンHPの1/8だけダメージを受けるがとくこう1.5倍)
カメックス:あめうけざら(雨の時毎ターンHPの1/16だけ回復)
隠れ特性を獲得してからは通常特性が選ばれるケースは少なめである。
第五世代では天候特性により始動した天候は書き換えられるまでは永続したため天候パーティでの活躍を期待されたためであり、
第六世代~第七世代ではメガシンカでどっちみちメガ前特性が死ぬため、交代時恩恵を受けやすかったり、
メガ枠を他と競り合った際に優秀な方を選択するという事例が見られたためである。
第八世代でも通常のダイマックスわざはダイバーンが晴れ、ダイストリームが雨にする都合上、
当初はそれにあわせて(フシギバナの場合は相手の不一致ダイバーンに便乗して)天候依存の隠れ特性にするケースが多かったが、
キョダイマックス型が流行りだすとキョダイマックスわざが天候依存特性との相性が悪いため通常特性個体が増えた。
キョダイベンタツ・キョダイゴクエン・キョダイホウゲキがスリップダメージを齎すため、
タスキを潰せるメインウェポンという点で有用なので、キョダイマックスわざの効果を優先した結果と言える。
ただしその後、ダブルバトルではひでりコータスと組み合わせる形で隠れ特性+キョダイマックスでの運用も登場している。特にフシギバナの葉緑素キョダイベンタツは制圧力も高い。
第二世代
メガニウム:リーフガード(晴れのとき状態異常無効)
バクフーン:もらいび(ほのおわざを受けるとダメージを無効にしてとくこう1段階アップ)
オーダイル:
ちからずく(追加効果のあるわざをその効果を無効にして威力1.3倍)
メガニウムに関してはリーフガードが有効になる場面があまりに稀なケースになってしまうという理由でリーフガード型があまり採用されない。
というのも、第六世代以降の粉技はくさタイプに無効であり、耐久型をはるためにやけども対して影響はない(ダメージもやどりぎなどでカバー可能)上に、天候依存なため。
これが第一世代組みたいに天候が能力アップに関係するなら天候パーティに組み入れるという選択肢もあったが……。
そもそも耐久が高いのでしんりょくが活かせる機会が多く、態々リーフガードで運用する意味は無い。
バクフーンの場合は、ダメージを受けてふんかが弱くなった際に撃つオーバーヒートの威力を上げるためもうかが主流。
そもそもダブルで味方にふんえんでも打たせない限りバクフーンがほのおわざを受ける機会がない(せいぜい受け出し)。
オーダイルは単タイプゆえに一致技の有効範囲が狭いこともあり、
サブウェポンも十分強化可能なちからずくが美味しいのでちからずくが主流。
いのちのたまのデメリットを無視できるちからずくの仕様もあり、わざわざげきりゅうにするメリットが薄い。
第三世代
ジュカインは第五世代では消費しやすいジュエルの存在や道具がないときに威力が上がるアクロバットの存在もあり、かるわざがメジャーになった。
メガジュカインの場合は消費できないアイテムのためしんりょく一択だが、すぐメガシンカすればしんりょくも発動機会はないので、どっちでもいいから厳選の楽なしんりょくが優先されるだけとも言える。
バシャーモはかそくがメジャー。
ポケモン対戦に置いてすばやさは行動保証の点から無視できないステータスであり、威力が上がるもうか以上に恩恵が大きいからである。
受け出しターンでもSを上げられるメリットや
バトンタッチ、
カプ・テテフの存在もあってメガ型・非メガ型問わずかそく優先である。
もっと言えば、もうか型ではゴウカザルの劣化にしかならないというのもある。
ラグラージは非メガ型ならしめりけの生きる場面が少なすぎるのでげきりゅうが優先されたが、
メガ型ならメガシンカする前に爆発技を受けないようにしめりけを優先することもなかったわけではない。
また第八世代で起点型としての起用が高まると、相手の強引な自主退場を防げるしめりけの評価も上がっている。
第四世代
ドダイトス:シェルアーマー(急所に当たらない)
ゴウカザル:てつのこぶし(
パンチ技の威力1.2倍)
エンペルト:
まけんき(能力を下げられるとこうげき2段階アップ)→かちき(能力を下げられるととくこう2段階アップ)
ドダイトスはシェルアーマー……なのだが、そもそも急所に当たるケース自体そう多くはなく、ドダイトスのタイプの都合上耐久型も厳しいのでしんりょくが採用されやすい。
ゴウカザルはてつのこぶしだが、上昇幅が小さい上に適用技は5種類のみなので恩恵が少なく、物理型でメガギャラドス単メタでかみなりパンチを搭載した際に採用された程度。
特殊型はもうか一択。
エンペルトはまけんき。
物理アタッカーとしてはいかく対策で有用だが、特殊受けを兼ねる特殊アタッカーになりやすく、攻撃を耐えてげきりゅうを発動する機会の多いエンペルトにはげきりゅうが主流。せめて「かちき」がもう少し早く登場していれば……となっていたが、第9世代のDLC「碧の仮面」の配信から本当に「かちき」に変更された。御三家の隠れ特性が変更されたのは初。
以前はげきりゅうが主流になっていたが、現在は「いかく」相手を起点に出来るかちきが圧倒的に多め。
総じて第四世代組の隠れ特性はあまり活かされにくいこともあり、
第五世代当時は第三世代組との格差を嘆かれる声も強かった。ラグラージ「言うほどかなぁ?」
第五世代
ヤナッキー:くいしんぼう(HP1/4以下で発動するきのみをもたせたとき、HP1/2以下で発動するようになる)
バオッキー:くいしんぼう(HP1/4以下で発動するきのみをもたせたとき、HP1/2以下で発動するようになる)
ヒヤッキー:くいしんぼう(HP1/4以下で発動するきのみをもたせたとき、HP1/2以下で発動するようになる)
ジャローダはしんりょくよりもあまのじゃくでリーフストームを撃つ方が火力が出せるのであまのじゃくがメジャー。
エンブオーは反動技が多く、もうか型ではそのまま自滅するだけなので、最初から強化できるすてみのほうがいい。
翻りダイケンキはドダイトス同様活かしづらいシェルアーマー。
耐久はそれなりにないわけではないが、基本アタッカーに据えられるダイケンキに確定急所技を撃ってくる相手を想像しにくい。
なら耐久を活かしたげきりゅう+アクアジェットのほうがいいだろう。
ただしダイケンキにとって、その戦法がアシレーヌやエンペルト、オーダイルと
ライバルだらけというのも否定はできないが。
なお三猿だが、ぶっちゃけ御三家特性だとそれぞれジュカイン、ゴウカザル、ゲッコウガの劣化になりがち。
差別化できる技もそれぞれ習得可能だが、それらを活かそうとするとくいしんぼう型のほうがまともに動けるというジレンマを抱えている。
第六世代
ブリガロン:ぼうだん(砲弾技が当たらない)
マフォクシー:マジシャン(攻撃時に相手の道具を奪う)
ゲッコウガ:へんげんじざい(技を出す直前に、その技と同じタイプになる)/きずなへんげ(相手を倒すとサトシゲッコウガになる)
ブリガロンはしんりょくを発動しやすい能力傾向だが、ぼうだんのほうが発動機会は多いためぼうだんのほうが選ばれやすい。特にフシギバナや
ゲンガーといった特定のポケモンにはかなり強くなる。
マフォクシーはすべての技にどろぼう効果が附随すると考えれば強いのだが、
メガストーンやZクリスタル相手には不発になる上、自身がZクリスタルと相性がいいというマジシャンを活かしづらい環境ゆえ、もうかになりがち。
もうかを活かしやすい耐久性能があるのもマジシャン型の増えにくい理由。
ゲッコウガはへんげんじざいの効果が強力すぎるので第六世代時はへんげんじざい型が主流だったのだが、
第七世代でZクリスタルが登場したことで、忍者らしくみがわりで能動的にHPを削れるという強みもあって
ミズZでハイドロカノンをスーパーアクアトルネードにして打ち込み、その後素でもう一度ハイドロカノンというげきりゅう型が登板。
仕留めきれない場合にも特殊化した先制連続技のみずしゅりけんでとどめを刺すことができるので能動的にげきりゅうも採用されるように。
隠れ特性が強力なのにげきりゅうも採用される一線級のポケモンと化した。
第七世代
ジュナイパー:えんかく(自分の使う接触技がすべて非接触扱いになる)
ガオガエン:
いかく(場に出たとき相手のこうげき1段階ダウン)
アシレーヌ:うるおいボイス(自分の音技をみずタイプ扱いにする)
ジュナイパーの場合、くさよりも通りの良いゴースト技を撃つ機会が多く、場合によってはくさ技を切ることもあるため、物理主体ならえんかくが優先されがち。
ガオガエンの耐久は悪くないのでもうかの発動も狙えるが、
いかくの利便さに加え、とんぼがえりとの相性の良さもあっていかく安定。シングル・ダブル両ルールで99%の採用率を誇る。
いかく+ねこだまし+とんぼがえり・すてゼリフはダブルだと警戒必須クラス。
アシレーヌのうるおいボイスは、ほろびのうた・
りんしょう・ハイパーボイスをみずタイプ扱いにできるのが強み。ダブルで味方を巻き込まず戦えるようになる。
シングルでは相手の
やけどを治さずに済む程度であり、アクアジェットも覚えるのでげきりゅうのほうがいいだろう。
第八世代
ゴリランダー:グラスメイカー(場に出たとき場をグラスフィールド状態にする)
エースバーン:リベロ(技を出す直前に、その技と同じタイプになる)
インテレオン:スナイパー(急所に当てたとき、威力が1.5倍になる)
ゴリランダーはグラスメイカーからのグラススライダーコンボでトップクラスの強さに化けたので、しんりょくはマイナー。
エースバーンはリベロで第2のゲッコウガと化した要対策のシングル1位。
とはいえ、リベロエースバーンのおかげでもうか型も読まれにくくなったため、マイナー型とはいえ存在する。シングル一位のマイナー型なのでマイナーポケモンのメジャー型より遭遇率は高い。
インテレオンの場合、スナイパーを活かすには「きあいだめ」とピントレンズがほぼ必須な上、バトンタッチ以外だと紙耐久のインテレオン単体で気合い溜めをするというリスキーな運用が前提になるため、ダイストリーム+げきりゅうで火力押しをするほうが使い勝手がいい。
しかし激流型だと水技以外の火力が不足していて没個性っぷりを改善できないという切実な事情もあって、実戦ではハイリスクハイリターンなキョダイマックススナイパー型がメジャーであった。
専用技の「ねらいうち」がキョダイマックスや急所戦法と相性が良かったのも大きいか。
第九世代
マスカーニャ:へんげんじざい(技を出す直前に、その技と同じタイプになる)
ラウドボーン:てんねん(相手のこうげき・ぼうぎょ・とくこう・とくぼうランクおよび命中率・回避率ランクの変化の影響を受けない)
ウェーニバル:じしんかじょう(自分の技で相手を倒すとこうげきランクが一段階上昇する)
マスカーニャの場合、多彩な習得攻撃技を活かせるへんげんじざい一択である…と言いたいところだがSVからへんげんじざいが場に出た時の最初の一回しか発動しなくなったため、技を撃ち分ける運用において使い勝手が大きく悪化してしまっている。
こだわり系のアイテムならばへんげんじざいの欠点が気にならないが、それ以外のアイテムだとしんりょくが最有力となる。
専用くさ技の「トリックフラワー」が非常に高性能なため、しんりょくと組み合わせた際の爆発力が高いのも評価できる。
ラウドボーンはそもそもの種族値や技がこれ以上ないほど物理受けとして最適であるため、相手の
積み技を無視できるてんねんのほぼ一択状態にある。
使う度に特攻を上げる専用ほのお技の「フレアソング」ともシナジーがあるので、アタッカー運用であってもてんねんが採用されることが大多数。
ウェーニバルの場合、使う度に自分の素早さを上げる専用みず技「アクアステップ」で殴りながら全抜きを狙う戦法が強力なため、これと噛み合いがいいじしんかじょうがメジャーになっている。
とはいえ、みず技に頼りがちで絶妙な耐久力を持っているのでげきりゅうとの相性も悪くはない。