しんりょく/もうか/げきりゅう(ポケモン)

登録日:2020/08/29 Sat 17:29:06
更新日:2023/05/28 Sun 14:31:53
所要時間:約 15 分で読めます





HPが へったとき くさタイプの わざの いりょくが あがる。

HPが へったとき ほのおタイプの わざの いりょくが あがる。

HPが へったとき みずタイプの わざの いりょくが あがる。

本項目では、ポケットモンスターシリーズにおける「御三家」ポケモンの通常特性
しんりょく」「もうか」「げきりゅう」について解説する。
なお以下では総称として御三家特性とも呼称するが、一般的な呼称でない点に留意いただきたい。


概要

ポケットモンスター第三世代ルビー・サファイア」よりポケモンにはアクティブスキルの「わざ」とは異なる
パッシブスキル「とくせい」が登場し、シナリオから対戦環境まで大きく影響を及ぼした。
そんな中で、キモリ・アチャモ・ミズゴロウの3匹に与えられた特性がこのしんりょく・もうか・げきりゅうである。
漢字ではおそらく「深緑(しんりょく)*1」「猛火(もうか)」「激流(げきりゅう)」となると思われる。
その後、カントージョウト御三家にも与えられ(というかデータの都合上、RS発売時にはすでに与えられているわけだが)
以後第四世代以降も御三家にはこの特性が与えられることが定番となった。
ただし第五世代から隠れ特性が登場したこともあり、御三家だからといって必ずしもこれらの特性を持つわけではないことに注意。
第五世代では逆にヤナッキー、バオッキー、ヒヤッキーの隠れ特性がこのしんりょく、もうか、げきりゅうであり、
彼らが三猿という呼ばれ方以外に「準御三家」や「御三家のパチモノ」なんて呼ばれる所以である*2

効果はそれぞれ、HPが1/3を下回るとき、「くさ/ほのお/みず」技で攻撃するときのこうげき・とくこうが1.5倍になるというもの。
ピンチのときに強くなる、という少年漫画のロマンを体現したような効果である。
なお第四世代まではステータスではなく、わざの威力の方を1.5倍していたが、結果はほぼ同じである。

シナリオではこのラインに自然になることが多いため、かなり活躍しやすいうえ
RTAやTASではこのラインを維持しつつ高火力で押し切るのが常道の戦術になりつつある。
特にTASだと発動ラインまでは敵の攻撃を喰らい続けるのに、急に当たらなくなったりなんてのがよくある。
一方で対戦環境での扱いは後述の通り、結構コロコロ変わる。

対戦環境での扱い

第四世代まではそもそも御三家の特性はこれだけ(第一特性のみで第二特性を持たない)である。
当時からきあいのタスキみがわりなどでHPを削り、これで押し切るコンボは存在していたが、
その戦法が活かしにくい御三家もいるため基本御三家はステータスで選ばれることのほうが多かった。

しかし第五世代で隠れ特性が登場すると、比較的受動的にならざるをえないこれらの特性よりも、
能動的に発動しやすい隠れ特性を持っている場合はそちらが優先されるようになった。
とくにバシャーモ(かそく)やリザードン(サンパワー)など。

この傾向は第六世代でも続き、御三家特性を選ぶ場合は消極的採用、すなわち隠れ特性が御三家特性よりも使いにくい、
あるいはパーティコンセプト上採用しづらい場合に限られた。
例えば「爆発技を防ぐ以外に使い所がないしめりけよりもげきりゅうの発動機会が多い」ラグラージ
「受け出し以外ではほぼほぼほのおわざを撃たれないためもらいびを誘いにくい」バクフーンなんかは御三家特性を優先することになる。
HPが削れている状態でしか発動しない上、ちょっとしたことで瓦解しやすい御三家特性をメインに据えるというのは難しいからである。
例えばだいもんじやハイドロポンプは命中不安を抱えるし、
オーバーヒートやリーフストームは初弾はいいが3タテ性能はないし、
フレアドライブなんてした日には自分が死ぬ。
ハードプラント、ブラストバーン、ハイドロカノンは反動で動けなくなるし。
メガシンカを獲得した第一世代・第三世代の御三家の場合は元特性が死ぬから御三家特性無問題…ともいいがたく、
むしろ攻略本のハズレ枠扱いされたしめりけが優先度を上げる要素にすらなった*3

しかし第七世代に入ると、Zワザの登場もあり、能動的に採用するケースも現れる。
たとえばげきりゅう型特殊ゲッコウガ。ゲッコウガはもとより隠れ特性のへんげんじざいが非常に優秀だったため、
げきりゅう型の採用率は第六世代時は低かったのだが*4、第七世代ではみがわりで自らのHPを削りつつ
ハイドロカノンをスーパーアクアトルネードとして放つというタイプのゲッコウガが現れる。

第八世代ではZワザは廃止されたが、ダイマックスの登場でしんりょく・もうか・げきりゅうをある程度自発的に発動させることも現実的になり、
そのダイマックスによってロマン砲を一致高火力のダイソウゲン・ダイバーン・ダイストリームに変えられるようになった。
また、第一世代のキョダイマックス個体たちはキョダイベンタツ・キョダイゴクエン・キョダイホウゲキの効果が
天候・フィールド効果をもたらさない上、スリップダメージの優秀さからそちらが優先されるようになることで
結果として天候依存の隠れ特性より、単純な火力増大を狙った通常特性を優先するようになった(ダブルでは天候始動役+キョダイマックスでの運用も多い)。
消極的とはいえ採用理由そのものは増えてきているといえよう。


類似特性「むしのしらせ

特性「むしのしらせ」は、むしタイプわざに対してしんりょく・もうか・げきりゅうと同様の効果を発揮する。これも第三世代より登場。
くさ・ほのお・みず攻撃と比べ、むし攻撃は効果いまひとつになるタイプが多く、高火力のむし技「メガホーン」が使えるポケモンも少ないので、使い勝手はイマイチ。
所持者は「テクニシャン」を持つハッサム、「かそく」を持つペンドラーなど、他に使い勝手の良い特性を持っていることも多い。

対戦での使用率はお察しだが、唯一第七世代のウルガモスのみ「むしのさざめき」をZワザ化させて虫の知らせ「ぜったいほしょくかいてんざん」を使う戦法が強力で一定数採用されていた。

派生作品

アニメ

アニメにおいても「体力を限界まで消耗すると発動する」特性として表現されており、使用者は対応した色のオーラを全身に纏うなど演出的にもなかなかかっこいい。
しかし実は作中において発動した個体はあまり多くない。おそらくここぞという時にのみ使用できる特別な特性として描写されているためであろう。
実際に発動したのはサトシのジュカインハルカのバシャーモジュンエンペルトなど。
ちなみに「むしのしらせ」はサトシのハハコモリが発動している。

だがそんな中で一際異彩を放っているのがサトシのヒコザルである。
元々はシンジのポケモンであり、通常では考えられないほど強力な「もうか」でザングースの群れを一掃する姿に潜在能力を見出されゲットされたが、
シンジの元では一度も「もうか」を発動できず、最終的には捨てられてしまった。
その後引き取ったサトシの元で初めて「もうか」を発動。尻尾の炎が何倍にも膨れ上がるという明らかに尋常ではない力を発揮する*7が、
その力はヒコザル自身でも制御できず暴走する可能性が高い危険なものであった。
それでも諦めずサトシと共に成長した結果、ゴウカザルに進化後のナギサジム戦でついに力を完全に制御できるようになり、
最終的にはサトシが意図的に発動させた「もうか」でシンジのエレキブルを破るという切り札的な存在にまで昇格した。


ポケモンカードゲーム

ポケモンカードでは一部のポケモンに特性が記載されているが、ほとんどのカードは本家とは違うオリジナルの特性を付与されている。

そんな中で唯一、「XY BREAK」シリーズの拡張パック「破天の怒り」のメガニウムは本家と同様に特性が「しんりょく」となっている。
その効果も「残りHPが50以下ならワザダメージが+70される」というまさしく本家準拠のモノ。攻撃兼回復技の「グリーンフォース」と併せて主砲として使うには十分な実力がある。
しかし、拡張パック「超爆インパクト」のメガニウムの特性「そうじゅくハーブ」(自分のターンに1度だけ自分の手札にある2進化ポケモンを制約無視で進化させる)のほうが断然人気なので、しんりょくのメガニウムは影が薄い。


ポケモン不思議のダンジョン

特性の効果および習得ポケモンは概ね本家に準ずるが発動基準が1/4未満と低い。

主人公およびパートナーポケモンの候補の大半が御三家ポケモンのため、多くの人が目にするであろう特性。
不思議のダンジョンは基本的には多くの敵と対峙することになり、特に複数の敵を相手にする場合にはこの特性の発動頻度は高くなる。火力の上昇幅が大きめのため、ターン制の殴り合いでは非常に有効に働く。
ただし、特性の性能だけを考えるなら、ピカチュウの「せいでんき」やカラカラの「ひらいしん」、コダックの「ノーてんき」のほうが何かと便利。
また、不思議のダンジョンでは不意討ちや急な危険を対処する機会が頻繁に発生するため、HPが低い状態で無暗に行動するリスクは大きい(そうでなくとも一発KOの事故に遭いやすい『』なら尚更)。
この特性を積極的に発動させて火力アップを図る攻略法はあまり有用とは言えない。




かみのけが へったとき ウィキこもりタイプの ついき・しゅうせいりょくが あがる。

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最終更新:2023年05月28日 14:31

*1 なお、同じ読みの単語に「新緑」も存在する。意味はそれぞれ「深緑:みどりが濃い様」「新緑:(晩春や初夏の)若葉が瑞々しいみどり」のため、他の特性と照らし合わせると、前者の方が妥当と思われる。なお、中国語版では一時期「新緑」の単語が当てられていたようだが、現在では「茂盛」の字が充てられている様子。

*2 なお三猿は性別構成比が7:1などという点も御三家を強く意識している。

*3 相手の爆発を読んでラグラージに交代し、そのままメガシンカという芸当ができるからである。レアケース中のレアケースとはいえメガシンカするならげきりゅうはどのみち用がなくなるので、しめりけが生きる可能性が万が一でもあるならそのほうが上であるのは明白である。もっとも本当にレアケース中のレアケースなので、是が非でもしめりけというほどこだわられてはいなかったようだが。

*4 みがわりを覚えるため、げきりゅう型自体はげきりゅうヤタピなどもありえたのだが、みずしゅりけんが物理なのにゲッコウガの他のみずわざが特殊に偏りやすいため、みずわざ中心の構成が難しかった。他のタイプの物理技を入れるならへんげんじざいのほうがいいわけで。

*5 三猿は御三家特性が隠れ特性であり、ゲッコウガのきずなへんげが隠れ特性とはまた違う特別なものであるため、あえてこういう表現とする

*6 エースバーンが持つリベロにも同様の修正がされている。

*7 ロケット団のコジロウには「炎が生きてるみたいだ」と評された。