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※サークルによるパブリッシングのSteam版については割愛。

フィズとにじいろの星

【ふぃずとにじいろのほし】

ジャンル 2.5Dドット絵アクション
対応機種 Nintendo Switch
発売元 Forever Entertainment
開発元 にじいろドラゴン
発売日 2025年7月10日
定価 1,200円(税込)
プレイ人数 1人
レーティング IARC 3+
判定 良作
ポイント どこか懐かしさを感じるドット絵とBGM
2Dの壁をドット絵で越えた「立体保護区」
100%クリアはヒントなしでは困難
一部人を選ぶ表現あり


概要

同人サークル「にじいろドラゴン」が開発した、こどものドラゴンたちが主役のアクションゲーム。
2.5Dドット絵アクションの名のとおり、2Dのドット絵をベースに一部エリアで奥行きを持たせる構成になっており、懐かしさと新しさを兼ね備えている。
BGMもMIDI音源とそれをアレンジしたものとが選べ、その雰囲気はさながらゲームボーイアドバンスのアクションゲームのよう。
また、一部キャラクターはX(旧Twitter)で募集したゲストNPCとして登場し、同人サークルによる制作であることを強調させている。
一方で元が同人サークルによる創作であるがゆえか、一部人を選ぶ表現が含まれている。


あらすじ

(ニンテンドーeショップより引用)

宇宙のどこかにある星、惑星ロンガ。ある日、この星で暮らすこどものドラゴン「フィズ」は夢を見ました。

それは、世界がモノクロになり、全ての生き物が動かなくなってしまうという恐ろしい悪夢です。

目を覚ましたフィズは、その内容が未来に起こりうることだと、突然目の前に現れた全知全能のドラゴン「タオンガ」から告げられます。

そして、未来を変えるためにはフィズ、タオンガをはじめ、合計七匹のドラゴンが力を合わせ 世界に散らばるオーブを守らなければならないというのです。

それを聞いて決意したフィズは、世界を守るため、仲間を探しに行く冒険へと出発するのでした……。


特徴

  • 本作は7つ存在するステージが3つのActに分かれており、仲間の能力を駆使しながらゴール地点にあるオーブを回収していくのが主な流れ。
  • 基本的に各ステージの最初に新たな仲間が加入し、仲間によってできるアクションと個性が異なっている。アクションが解禁される順番が固定の『ロックマン』と言えばわかりやすいか。
    • 操作できるキャラは全部で6匹。仲間はHPとSPを共有しており、SPを消費することで必殺技を発動できる。
      • また、各ステージの拠点で待機しているドラゴン「タオンガ」は、そのステージの特徴に応じたアドバイスや、話しかけた時の操作キャラに応じたコメントなどを話してくれる。
        + 主要ドラゴンの一覧
      • フィズ(右下アイコンの上段中央)
        • 最初から操作できる、主人公ポジションのキャラ。イメージカラーは水色。
        • 攻撃ボタンでハンマーを投げることができ、敵に近づいて連射すればそこそこのダメージソースにもなる。
          • ハンマーの連射は空中でも有効なため、1発当たりのダメージこそ小さいが空中戦の適性もある。
        • 必殺技「すりぬけハンマー」は地形を貫通するハンマーを投げる。が、威力こそ普通のハンマーの2倍ではあるものの、乱発できるほど燃費がいいわけでもないため影が薄い。必殺技のチュートリアル役と割り切るべきか。
        • 総じて、必殺技こそ使いどきに困るものの性能としては主人公らしいオールラウンダーと言える。
        • ちなみにチュートリアルステージには彼の家があり、ベッドで休んでHPとSPを満タンにすることができる。
      • ソラコ(右下アイコンの下段左)
        • ステージ2「クッキー砂漠」で加入する、最初の仲間。イメージカラーはオレンジ。
        • 黄色いブロックを直接壊せるが、ジャンプ力が他の仲間より低く、素の機動力はあまり高くない。
          • 身長も他の仲間より低いが、それが活かせる場面があるので小柄なことはメリットとなっている。
        • 水辺のエリアで本人から言われるとおり水が苦手で、足がついていて口呼吸ができそうな深さでも溺れてダメージを受けてしまうが、電撃によるダメージに耐性がある。
        • 必殺技「ドリル」は必殺技ボタン+上下左右のいずれか入力した方向にきりもみ回転で攻撃する技。発動中はザコ敵や電撃トラップに対して無敵になれるほか、彼にとっては空中での機動力を上げる貴重な手段でもある。
          • ただし、レーザー光線のギミックや後述する石化攻撃などは防げず、水の中に突っ込めば溺れるし、マグマや毒の水などの即死地形に突っ込んでもアウト。
          • また、本質は攻撃よりも機動力の向上であるためか、大柄な敵には多段ヒットはするものの一撃当たりの威力自体は通常攻撃と同じで、探索・ギミック用寄りの必殺技と言える。
      • リーファー(右下アイコンの下段中央)
        • ステージ3「マッチャ樹海」で加入する、弓使いの仲間。イメージカラーは緑。
        • ジャンプボタン押しっぱなしで滞空して落下速度を遅くできる能力を持っており、これを求められるギミックや隠し要素もある。
        • 攻撃ボタンで弓を構え、離すと赤い×マークに向かって矢を放つ。単発での威力は他の仲間の通常攻撃より高め。
          • また、1本の矢で複数の敵を倒すとボーナスとしてコインが増える。HP・SPの回復こそしないものの残機は増えやすくなるので覚えておくと便利。
          • しかし矢を放てる角度は自分と並行から上斜め45°までで、弓を構えた状態で向きを変えることはできないほか、射程範囲外の敵に対しては無力かつ、角度をつけて放つには多少のタイムラグがあるというデメリットもある。
          • また、照準の赤い×マークが届く範囲は限られているため、ターゲットが離れすぎていると狙いが付けづらくなる。
          • 照準も自由に動かせるわけではないため、中途半端な角度にいる敵を狙うのはとても苦手。
          • そういう仕様もあり、ステージ3のボスのように機敏に動く敵や瞬間移動するボスなどが相手ならばフィズのハンマーの方が総合的なダメージが大きくなることも。
        • 必殺技「回復の祈り」は即座にHPを回復できる技で、回復量の調整こそできないもののSP回復ポイントで実質HPも全回復でき、ボス戦でも重宝する。SP満タンなら事実上HPが2倍になるとも言える。
          • 消費SPはHPが満タンになるだけの量で、SPが十分あれば回復しても余りが出るが、逆にSPが少ないとHPが回復しきらずにSPがゼロになってしまうため、乱用はできない。
          • また、HPが満タンの状態ではそもそも必殺技の発動すらできない。誤操作防止という面ではありがたいが。
        • 弱点として、攻撃ボタンで弓を構えてしまうためダッシュができない。ボス戦までの道中は他の仲間に任せるのがベターか。
          • もう一つの弱点として、足が地面についてない状態では弓を構えられない。ゆえに、空中戦はとても苦手。
          • 一方で同じ高さにいる敵は狙い撃ちしやすいため、対空戦よりは地上戦の方が得意と言える。
        • ソラコと同じく小柄だが、ダッシュができないので滞空能力も考慮すると一長一短といったところ。
        • 余談だが、刺さった矢は瞬間移動などをされない限り刺さりっぱなしになるため、とあるボス戦では虐待とも言えるほどに追い打ちをかけられ、またとあるステージではよく怒られないなと言わんばかりに矢を刺すことができる。
      • リュトロン(右下アイコンの上段左)
        • ステージ4「ベリー火山」で加入する、火属性の仲間。イメージカラーは赤。
        • 固有能力として3段ジャンプができ、空中での機動性に長けている。
          • また、通常攻撃と必殺技で緑のブロックや植物といったギミック・敵などを燃やすこともできる。
        • 必殺技「ファイヤーボール」は前方に広範囲の火炎弾を放つ技だが、燃やすだけなら通常攻撃で十分、燃費も悪い、必要とする場面が全くない、と「すりぬけハンマー」以上に影が薄い。
          • とはいえ威力は多段ヒットすることもあって最強クラス。燃費さえ悪くなければ特にボス戦で活躍できそうなだけに惜しい。
        • マグマに浸かっても即死しない耐性があるが、ダメージ自体は受けるうえにそれを活かせるのはステージ4のみなのであまり意味はない。
          • 逆に水辺ではソラコと同様に簡単に溺れるうえ、ソラコよりもダメージが蓄積する速度が速い。
          • なお、物を燃やす能力で吊り橋なども燃やすことができる。これが鍵となる隠し要素もあるので溺死に気をつけながら色々と試してみるべし。
      • キューマ(右下アイコンの下段右)
        • ステージ5「フロート島」で加入する、水属性の仲間。イメージカラーは青。
        • 水中における機動力は最高クラスで、水中でのみ通常攻撃が衝撃波になる特殊能力がある。
          • 助走をつけたダッシュはサーフィンのごとく多少の敵なら蹴散らすことができ、水面を素早く移動することもできるため、まさに水のエキスパート。
        • 必殺技「水陣」は水面を一定時間自分のいる高さまで上下させる技……なのだが、これ単体でダメージを与えることはできないほとんどギミック用の技。
          • しかも消費SPは最大の100で、地面に足をつけた状態でないと発動できず、発動には数秒かかる。
          • 幸いにもこれを必要とする場面では必ずSP回復ポイントがあるため、SPが足りずに詰むことはないが、やはりほぼギミック用であることは否めない。
          • 実はとあるボス戦で仲間の能力とギミックとを駆使すれば一撃必殺のコンボに繋げられる……が、リスクが非常に高いので素直に攻撃した方が楽だろう。
          • なお、水がない場所では発動しないほか、さすがにマグマや毒の水は上下できない。できたところでメリットは全くないが。
          • ちなみにこの必殺技だけスティックかボタンを下に入力し続けることでも発動できる。発動準備のポーズが伏せの状態に近いからか。
        • 彼の弱点は電撃によるダメージで、良くて致命傷、後述のエクストラモードではHP満タン以上のダメージを受けて即死なので要注意。
      • ルーベル(右下アイコンの上段右)
        • ステージ6「キャンディポリス」で加入する、最後の仲間。イメージカラーはピンク寄りの紫。
        • 固有能力は糸を使ったワイヤーアクションと、毒に対する耐性。毒の水に浸かっても死なないのは彼女だけ。
          • 攻撃ボタン押しっぱなしで糸を放ち、スイッチや動く壁、天井などにぶら下がることができる。
          • 一応攻撃にも使えるが、ザコ敵に当ててものけぞりが全くないため戦闘能力は最低クラス。
          • 糸は地形に表示される小さな照準に向かって放たれるが、糸が地形に届かない場合は照準は表示されない。
        • ワイヤーアクション中はぶら下がりながら必殺技ボタンでSPを20消費してジャンプができる。
          • しかし加入時期の遅さと操作の難しさ、そしてSPを消費するからか、必要とする場面はほとんどない。が、使いこなせれば楽になる場面は一応ある。
          • 一方でワイヤーアクション自体は最終盤でとあるNPCに会うための必須アクションなので、100%クリアを目指すならワイヤーアクションに慣れることは避けて通れない。
  • タオンガはあくまでアドバイザーだからか、操作することはできない。が、終盤では単なるアドバイザーの域を超えた役割を果たすことになる。
  • 基本的にそのステージでの収集要素はその時点で加入している仲間だけで全て収集できるため、取り逃しがなければ前のステージに戻る必要はまずない。
    • なお、セーブに関してはほぼオートセーブなので、万が一のトラブルがあっても最後に入ったエリアの入口まで戻される程度で済む。
      • 逆にミスして残機が減ったことをなかったことにはできないが、元々残機が増えやすいゲームバランスなので妥当なペナルティと言える。
  • 本作は基本的には2D横スクロールアクションだが、独自の要素として各ステージのどこかに「立体保護区」と呼ばれるエリアが存在する。
  • 操作方法と視点こそ通常の2Dのエリアとほぼ同じではあるが、ステージに奥行きが存在し立体感が表現されている。
    • ステージが円筒に貼り付けられたような構造になっており、左右がループして繋がっている。
  • なお、システム面(特にキューマの水陣)の都合上か全ての立体保護区で必殺技が使えなくなっている。
  • 本編の進行度合いによって、サブゲーム2つとエクストラモード、タイムアタックモードが解禁される。
    + サブゲームの紹介
  • ソラコのさかなつり
    • 「!!」マークが表示された瞬間にボタンを押し、釣り上げた魚をタイミング良くボタンを押してキャッチするサブゲーム。
      • 早い話が「刹那の見斬り」。一応魚をキャッチするまでが一連の流れなので差別化はできている。
    • 釣り上げる魚(とボタン入力の猶予時間)はレベルとフェイズによって異なり、高レベルかつ後のフェイズほど釣り上げる猶予が短くなる。
      • 最初はレベル1しか選べないが、本編の進行度合いによって順次レベル2、レベル3が解禁される。
      • 釣り上げやキャッチに失敗するとソラコがかわいそうなことになる。また、レベル3のフェイズ3で釣れるのは……?
  • リーファーと大きな葉っぱ
    • 上から降ってくるターボン(敵)を矢を放って射貫くサブゲーム。
      • わかる人にわかる例えで言うなら、横にも攻撃できて足場が復活しない「PYORO 2」。
      • ソラコのさかなつりとは違ってハイスコアが記録されるので、やり込むのもまた良し。
  • エクストラモードはストーリーやムービー、隠し要素に変化はないが、敵のHPと受けるダメージが増加する、などといった点で異なるいわゆるハードモード。
  • タイムアタックモードは順当に進めていけば最後に完全解禁されるモードであり、同時にこのゲームの最終的なやり込み要素とも言える。
    • タイムアタックモードはノーマルモード、エクストラモードのどちらかを最初からクリアまで通しでプレイするモードで、ゲーム内でもRTA*1向けのモードとうたっている。
      • 通常のプレイではフィズだけの状態からのスタートだが、タイムアタックモードに限っては「みんなあつまれ」モードとして最初から仲間が全員揃った状態でスタートすることもできる。
      • 難易度選択と開始時の状態はそれぞれ区別されるため、合計4種類のレギュレーションでの最速タイムが記録される。
      • このモードではミス後のリトライ用以外でのオートセーブは一切されず、タイマーは画面左下でほぼ常に動いている*2
      • どうしても休みたい場合はHOMEメニューを開いてスリープ状態にするしかないが、タイマーは止まってくれないため、タイムアタックという目的としては痛い事故となる。
    • タイムアタックモードをクリアした際には、スタッフロールの後にリザルト画面が表示され、タイトルメニューのタイムアタックモードの各項目に最速タイムが表示される。
      • リザルト画面には各ステージの各Actでのラップタイムのほか、画面右上に達成率が表示されるので、いわゆるany%クリアや100%クリアにも対応している辺りに細かい配慮が感じ取られる。
      • しかし、タイムアタックモードでの100%クリアは正攻法で挑もうとすると恐ろしいほどの高難易度になる。詳細は問題点にて。
      • なお、ラップタイムはオーブを手に入れた際の画面左下の表示でも確認可能。
  • また、本編で一度見たムービーを観賞したり、あるアイテムを入手することでサウンドテストモードが解禁される。
    • こちらはネタバレ防止もあってか、まだそこまで到達していないムービーやBGMは一度見聞きするまで視聴できない。
  • 他にも、オプションでゲーム内の言語を日本語と英語に切り替えたり、画面のレイアウトをスーパーゲームボーイのように画面フレームをそのステージのイメージイラストにする、などができる。
    • BGMの音源を切り替えるのもオプションの項目に含まれている。
    • 音源は「SC-88 Pro」「NOSTALGIC」の2種類があり、前者は同名のMIDI音源の再現、後者はそれをアレンジしたBGMにできる。
  • バージョン2.0.2のアップデートで、オプションの項目に刺激の強い演出の一部をマイルドな表現にできる「MILD MODE」が追加され、後述の人を選ぶ表現に抵抗があるプレイヤーへの配慮がされた。
    • 具体的には特殊な攻撃を受けた時専用の顔グラフィックのほとんどが通常のダメージの顔グラフィックに統一、意味深な骨といった残酷な連想をさせる表現の大半がオミットされる、など。
      • ただし、一部の敵の攻撃を受けた際のキャラクターのアニメや効果音、セリフなどはそのまま。

評価点

適度な難易度とリトライしやすいシステム

  • 本作はコインが多めに配置されており、100枚集めることで1UPとなるため、寄り道しながらプレイしているとサクサク残機が増えていくバランスになっている。
    • また、コインはHP・SPの回復にもつながるため、拾っておくに越したことはない。
      • 一方でエクストラモードでコインを拾うとSPは回復するがHPは回復せず、1UPしてようやくHPが少量回復するという、難易度調整の一環となっている。
      • ただし、即座に1UPするアイテムを取ってもHP・SPは回復しない。これはノーマル・エクストラどちらのモードでも同様。
      • 残機があるので当然ゲームオーバーもあるのだが、前述のとおり残機がサクサク増えるうえにコンティニューのペナルティもコイン全没収&残機3からリトライ、と比較的軽い。
      • 状況によってはイベント時などのセリフに変化があるので、余裕があればわざとミスしてみるのもまた面白い。命は投げ捨てるもの
    • タイムアタックモードは当然遠回りすればタイムロス、1回のミスもタイムロスとなるので、純粋にプレイヤーの腕前が試されるやり込み要素となっている。

様々なプレイに対応した隠しセリフ

+ ネタバレ注意
  • ステージ3の隠しボス「プレーン」に飲み込まれた後に話しかける、電撃やマグマによるダメージなどで何度もミスしてからタオンガに話しかける……など、細かいところに隠しセリフが用意されている。
    • 前者は後述の賛否両論点にも関わってくるのでやや人を選ぶものの、ちゃんと6匹分の感想とリアクションが用意されているのでその手の趣味がある人にとっては嬉しい……と思われる。
    • 後者は純粋なお叱りの言葉なのだが、ちゃんとセリフが用意されている辺り芸が細かい。
      • ただし、プレーンとの会話は何度でも見聞きできるが、タオンガのコメントは一度しか聞けないので、何度も見返したい物好きな人は画面保存機能などで撮っておくといい。
      • なお、タイムアタックモードでは会話の履歴も含めてゼロからのスタートとなるので、時間と手間を惜しまないのであればデータを消さずともタオンガのコメントは何度でも聞ける。

ラインナップと懐かしさの両方に力の入ったBGM

  • 前述のとおりBGMは1曲につき2種類のバージョンが用意されているのだが、特に「NOSTALGIC」はさながらゲームボーイアドバンス時代のアクションゲームを彷彿とさせるアレンジとなっており、文字通り「ノスタルジック」な雰囲気を味わえる。
    • さらにBGMのラインナップも豊富で、各ステージのActごととステージボスに個別のBGMが用意されているという豪華な仕様。BGMの使いまわしもジングル等を除いてもかなり少ない。
      • もちろんこれらのBGMはサウンドテストモードでじっくり聴ける。
    • 特に最後のステージのBGMはシチュエーションも相成って冒険の終わりを感じさせる演出になっている。
      • ネタバレになるので具体的には書かないが、初代『ドラゴンクエスト』のダンジョンに近い演出と言えば伝わるか。
      • プレイヤーの操作と連動した演出の為か、残念ながらこの演出はサウンドテストモードでは再現されない。

賛否両論点

今一つ活かしきれていない「立体保護区」

  • 立体保護区ではドット絵を基礎にしながら奥行き・立体感を表現しており、懐かしさと現代的な演出が絶妙にマッチした斬新な表現でプレイしていて楽しいのだが、その弊害も存在する。
  • 立体保護区は左右がループして繋がっているためリーファーの矢を放つと反対側から飛んでくる、なんてことも。この性質を利用する仕掛けがある一方で、下手すると自分の放った矢が自分に刺さってしまう。
    • ノーマルモードでは矢が自分に刺さってもノーダメージだが、エクストラモードではしっかりダメージを受ける。……自業自得とはいえ矢が刺さりっぱなしになる姿は見ていて痛々しい。
  • 必殺技が使えないという兼ね合いもあってか、ボス戦では全く使われておらず、ラスボス戦も例外ではない。
    • 演出自体はかなり熱い展開なだけに、最後の最後で2.5Dアクションであることを強調してほしかったところ。

画面スクロールとリトライの仕様による弊害

  • 基本的に「画面がスクロールしない=そこは壁になっている」と解釈できるのだが、一部のステージでは「画面がスクロールしてくれれば楽だったのに」と思わせる場面がある。
    • これで困るのはやはりミスするなどしてリトライする時。ミスするとそのエリアに入ったところからやり直しとなるので、いくらリトライが容易とはいえ通れるとわかっていても通れないとなるとストレスがたまること必至。
      • 逆に壁になっていると思わせて実は隠し通路になっていた、という場面もあるため、怪しい場所は調べるに越したことはない。中にはよくこんなところに仕込んだなと思わせるような隠し通路があることも……。
    • アクションゲームではおなじみの強制スクロールもあるが、そちらは直感的に「画面外に出る=ミス」と理解できるのでそこまで理不尽ではない。
      • とはいえ、「残機が増えやすい=リトライしやすい」ということもあってこういった面でバランスを取る必要があるのは否めないだろう。

人によっては不快になり得る表現

  • 簡単に言うと、捕食*3や石化などの表現。
    • 前者は専用の顔グラフィックや一部キャラクターの感想が用意されており、ステージ3以降に登場する緑色の敵に捕食されて死んだ際には、リトライ時に意味深な骨が転がっている。
      • しかも骨に至っては同じ場所で捕食されて死ぬたびに増えていく。
      • 捕食されているのはドラゴンとはいえこどもなのだが、IARCによる審査には引っかからなかった模様。
      • 捕食攻撃についてはステージ3の途中まで事前警告が全くないため、初回プレイではよほどのことがない限り捕食の洗礼を受けてしまうだろう。詳細は問題点にて。
      • ちなみにステージ3のとある場所ではわざと捕食されることで侵入できる場所があり、大量のコインと仲間同士の会話が用意されている。完全な寄り道要素なのでスルーするかコインを回収するかはプレイヤー次第。
    • 後者はとあるステージでのみ見られる特殊な攻撃でのリアクション。
      • この攻撃でミスすると通常のミス*4とは違って無言、高さによっては落下の衝撃で体が砕けるという無惨な姿に……。
    • なお、捕食・石化どちらも同じ死に方を繰り返すとタオンガからの特殊なコメントが「一度だけ」聞ける。
      • 特に捕食についてのコメントはある意味必見。もっとも、何度も捕食されないといけないのだが。
    • これらの表現は前述のとおりセリフとキャラクターのアニメ以外はマイルドな表現にできるので、苦手ならオプションで回避するのも手。
      • ただし、HPが少ない時の顔グラフィックはどうしようもない。ダメージをなるべく喰らわないようにするか、早めの回復を心がけるしかない。
    • プレイヤー側のリアクションではないが、とあるステージのボスは倒しても画面外に退場しないので追い打ちができてしまう。
      • 本人も言うとおりいくら追い打ちしても何もないが、リーファーの矢で追い打ちするといくらでも刺せるのである意味虐待要素とも言える。
    • もう一つの虐待要素として、ソラコとリュトロンは「主要ドラゴンの一覧」で述べたとおり、水に落ちると溺れてしまうのだが、水さえあればたとえ拠点だとしても溺死させられてしまう。
      • 溺死に対するタオンガのお叱りの言葉や溺れている間の専用顔グラフィックも用意されている……が、彼らの気持ちも考えてほどほどに。
      • ちなみに他の仲間とタオンガは一切溺れることがない。キューマの水陣でタオンガを水没させても何もないのであしからず。アドバイザーが溺れたらそれはそれで面白い気もするが

謎の多いサブイベント

  • とある条件を満たした状態でフィズの家のベッドで休むと、ちょっとしたイベントがあるのだが、その内容については謎が多い。
    + ネタバレ注意、一部白塗り
  • Switch本体の内部時計が午前1時台になっている状態でベッドで休むと、謎のNPCが現れてHPとSPを上限の3倍まで回復してくれる。
    • その回復量はゲージにもしっかり反映され、画面右下にあるキャラアイコンの上段がほぼ隠れるほど。
    • このイベント自体は条件も相成って隠しイベントとも言えるのだが、そのNPCは一切名乗らないうえにスタッフロールにも登場せず、イベントを見たからといって達成率が101%になったりするわけでもない。
    • 一番容姿が近いNPCは「 タソガレ 」が該当するが、イベント後に改めて会ったからといって何か追加イベントがあるわけでもなく、容姿が近いだけで別人の可能性もある。
      • その結果、「何の目的でHPとSPを上限突破するほど回復してくれるのか?」「何故午前1時台限定なのか?」「そもそも誰なのか?」といった謎が浮かび上がり、作中での説明も一切ないため消化不良となってしまっている。
    • とはいえ、最速でチュートリアル終了後からイベントを発生させられるうえ、条件さえ満たしていれば何度でも回復してくれるのでありがたいNPCであることは間違いない。
      • ただし、フィズの家に入った時点でHPとSPの両方が本来の上限以下まで減っていないとベッドで寝ることすらできなくなるので注意。
    • また、コインやSP回復ポイントなどによるHP・SPの回復は、上限突破している方に限り一切無効化され、奈落への落下や緑色の敵による捕食完了などは上限突破していても即死するので注意。
      • なお、HPが上限突破している状態でなら、エクストラモードでキューマが電撃トラップに触れても即死しないという珍しい光景が見られることもある。それでも2回触れればアウトではあるが。

問題点

クリアまでのプレイ時間はやや短め

  • 前述のタイムアタックモードがある時点で察せるとは思うが、ゲーム本編のボリュームとしては令和時代のゲームとしてはやや控えめ。
    • 一応寄り道要素や完全クリアも含めればボリュームはある程度増すが、それでもがっつりプレイ時間を確保すれば2~3日程度で完全クリアできてしまう程度のボリューム。
      • とはいえ開発元が同人サークルなので大手の開発スタジオと比較するのは酷というものだろう。

初見ではまず引っかかるであろう捕食攻撃

  • 具体的には、ステージ1から登場する野ウサギとステージ5のボス、そして隠しボスが該当する。
    • 野ウサギは見た目からは敵であることが想像しにくく、油断して距離を詰められるとあっさり捕まってしまう。
      • 一応捕食までのラグはあるのでレバガチャで脱出はできるが、耐久力がありひるみにくいこともあってステージ1の時点ではなかなかの強敵。
    • ステージ5のボスは第2形態の時に突進攻撃を受けると画面外で捕食されてしまう。しかも生々しいそしゃく音とともに……。
    • 隠しボスはこちらのジャンプに合わせてジャンプしてくるという、初見では回避が難しい戦法を仕掛けてくる。
      • しかもダメージを与えるとともに回復するといういわゆるドレイン攻撃もしてくる……かと思いきや、捕食されたのをわざと放置すると何故かこちらのHPがゆっくりと回復していく。……そこまでしてもっと味わいたいのか。
      • 隠しボスは条件を満たすと後のステージで強化版と戦えるのだが、その時の捕食攻撃はわざと放置していると某乱闘ゲームの某スーパードラゴンの如くタマゴにされて解放される。
      • タマゴから脱出した際の演出もある意味人を選ぶものだが、本当にわざとのレベルで放置しないと見られないのが幸いか。
    • 他にも捕食してくる敵はいるが、耐久力に差はあるもののどれもザコ敵かつ仲間やNPCからの警告がされるので、初見でもそれなりに対応はできるだろう。
      • ちなみに捕食されるとは言ってもさすがに流血や部位欠損といった露骨過ぎるグロテスク要素はない。精々ステージ5のボス戦でのそしゃく音と画面左下の顔グラフィック、意味深な骨ぐらい。

とあるキャラクターの出現条件

  • 100%クリアを達成するにはただクリアするだけでなく、各ステージに隠されているアイテムを集めるのと、各地に点在するNPCと話さないといけないのだが、そのうちのNPC2匹は出現条件が設定されている。
    • 具体的には「アカツキ」と「タソガレ」が該当するのだが、その出現条件はほぼノーヒント。
      + その出現条件、ネタバレ注意
    • どちらもSwitch本体の内部時計が関わっているのだが、「アカツキ」は「午前」に、「タソガレ」は「午後」に出現する。
      • しかし、このNPCはストーリーに関わってくるわけでもなく、ただ収集要素のアイテムをもらえるだけのキャラである。
        • つまり、「アイテムが隠されている部屋に入り」「片方からアイテムをもらった後に」「わざわざもう一度同じ部屋に入って」「内部時計がたまたまもう片方の出現条件と一致」しないといけない。ここまでがノーヒントなのである。
        • インチキではあるが、内部時計をいじれば素直に待たずとも簡単に出会えるのが救いか。
  • 一応スタッフロールで「出会えてないNPCは姿が暗くなっている」程度に示唆されているのだが、何の前情報もなく両方に出会えたプレイヤーはかなりの強運だと言えるだろう。
    • あるいは、エクストラモードでたまたまもう片方のNPCと出会って勘付く可能性もあるだろうか。
  • 「アカツキ」と「タソガレ」以外の収集要素については、基本的に怪しそうな場所を調べれば見返りがあると言ってもいいのでそこまで難しくはないだろう。

タイムアタックモードでの100%クリアの難易度

  • タイムアタックモードでの達成率が上がる条件は本編と同様となっており、記録としては残らないが100%クリアも目指せる。
    • しかし前述のNPCの「アカツキ」と「タソガレ」が原因で、タイムアタックモードでの100%クリアの難易度を恐ろしいほど高くしている。
+ ネタバレを含むため前述のNPCの出現条件を先に読むことを推奨
  • 前述の「アカツキ」と「タソガレ」の出現条件が関わってくるのだが、タイムアタックモードで100%クリアを目指す場合はアクションの腕前だけでなく開始時刻を考慮して挑戦する必要がある。
    • 内部時計をいじらないのであれば、アイテムを受け取ってから部屋に入りなおすまでの間に正午、または日付変更をまたぐ必要があり、早すぎて待ちぼうけを食らうならともかく、万が一間に合わなかった場合は……。
    • タイムアタック挑戦中でもHOMEメニューは開けるため、100%クリアは内部時計をいじるのを前提としているのかもしれないが、視聴者がいるRTAでHOMEメニューを開くのは競技として非常識であり、ましてや競技中に内部時計をいじるのはRTAとしては不正な手段であろう。
      • これが原因で一斉にスタートする100%クリアRTAは事実上成立しない。待ちぼうけでタイムロスして足並みが揃うか、間に合わずにリタイアかの2択となるため、競技としては致命的な問題と言える。
  • RTA向けのモードを用意しておきながらRTAでの100%クリアが困難になっているとは、何とも皮肉である。
    • 一応99%クリアなら一斉にスタートしたとしても実力勝負に持ち込めるが、100%クリアと比べて中途半端であるのは否めない。
      • それならば純粋なRTAになるany%クリアの方が競技としては適切か。

ボス戦でのSPの使い道

  • 前述のとおりリーファーは立体保護区以外ではいつでもSPを消費してHPを回復できるのだが、このせいでボス戦でのSPの使い道がほぼ一択となってしまっている。
    • 他の仲間の必殺技は戦闘とほぼ無関係なものはともかく、攻撃技はダメージソースとしては燃費が悪く使いにくい。
      • 一方でリーファーの必殺技は直接かつ即席でHPを回復できる手段のため、どのボスに対してもSPの有効な使い道となる。
      • キャラ切り替えの際に隙がほとんど生まれず、ピンチの時に素早く体勢を立て直せるのも大きい。
    • ではリーファー加入前はどうかと言うと、どのボスも通常攻撃だけで攻略できる程度の強さなので問題にならない。
      • そもそもリーファー加入がステージ3開始と同時とそこそこ早いのも拍車をかけている。
      • リーファーの必殺技自体が難易度調整の一環かもしれないが、それならば他の仲間の攻撃技の性能を上げてもよかったのではなかろうか。
      • とはいえ、前述の隠しボスはほぼノーダメージでの攻略を求められるので、がむしゃらに突撃せず敵の動きを読むスキルを求められるのもまた事実である。

ラスボス戦の仕様

+ ネタバレ注意
  • ラスボス戦はこれまでのステージを元にしたフィールドでオーブを解放しつつ、本体にダメージを与えていくという展開となっている。
    • そのうちのステージ5を元にしたフィールドはキューマのサーフィンで通り抜ける必要がある場所があり、サーフィンに失敗すると電撃トラップで致命傷を負ってしまう。
      • SPを温存して必殺技の「水陣」を使えば楽に進める……はずがなく、元々の水面の上下に電撃トラップが設置されており、ソラコでの強引な突破も無理があるため、やはりサーフィンは必須アクションとなっている。
    • 戦闘中に一度でもHPが尽きると戦闘開始からやり直しなので、サーフィンのアクションが苦手だと何度もやり直すことになってしまう。
      • そのうえ、エクストラモードではキューマが電撃トラップに触れるとHP満タン以上のダメージを受けてしまうので尚更失敗は許されない。
    • 特にタイムアタックモードでは大幅なタイムロスとなるので、シチュエーションも相成って緊張感はピークに達するだろう。
    • こればかりはサーフィンのアクションに慣れるしかない。幸いにもほぼ同様のトラップがステージ5の時点で出てくるので、そこで練習して慣れておくといい。

総評

ドット絵で構成されたフィールドとボリューム満点のBGMはどこか懐かしさを覚え、かつ2.5D要素という現代的な技法が上手く合致した、ゲームボーイアドバンス時代を彷彿とさせるアクションゲーム。
完全クリアまでの時間は令和のゲームとしては短めではあるものの、その中に同人サークルならではの演出やかつての名作ゲームを意識した要素が含まれており、それがまたノスタルジックさを引き立てている。
一方で同人サークル制作であるがゆえに人を選ぶ要素はあるが、後のアップデートである程度改善された。
事前情報なしでは難しい隠し要素があるのは残念ではあるが、それも含めて平成中期の携帯ゲームの雰囲気を体感できる。
最終的なやり込み要素のタイムアタックは、一斉にスタートする形式は目標次第では無理があるものの、クリアタイムはしっかり記録されるので、ある程度自由な日程で挑戦してリザルト画面を共有し合うという手もある。
まとめるなら「令和のゲーム機でほぼ当時の感覚のまま遊べるゲームボーイアドバンスの新作ゲーム」といったところか。


余談

  • フィズの家の屋根は上手くジャンプすれば乗ることができる。ゲーム開始時は何もないが、チュートリアルを終えてから調べてみると……?
  • ステージ2の地名は「クッキー砂漠」なのだが、ステージ1と2の拠点でのタオンガのアドバイスでは「オレンジ砂漠」と呼ばれている。
    • 英語版ではステージ1の拠点でのタオンガのアドバイスの地名が「Orange Desert」、それ以外の表記では「Cookie Sands」となっていることから、恐らく仮の名称を修正し忘れたものと思われる。
  • ステージ6のとあるNPCは話しかけると体が少し大きくなるのだが、そのエリアから移動するまで大きさは元に戻らず、いくらでも巨大化させることができる。
    • 「キノコケーキ」を食べて大きくなる辺り、何を元ネタとして意識しているかは大体想像がつくだろう。
  • ラスボス戦に突入した後にポーズ画面を開くと、「ゲームをつづける」「広場にもどる」「タイトルにもどる」の選択肢が「ゲームをつづける」「世界を救う」「がんばる」になるという、どこかで見たような選択肢になる。
    • アクション強化などといった成長要素や使い捨ての回復アイテムもなく、残っているのはラスボスを倒すことのみなので、全力でエンディングを掴み取るべし。
      • ラスボスに負けた場合は元の選択肢に戻るが、ここまで来て撤退するとなるとあまりにも締まらないので、残機が許す限り挑戦し続けたいところ。
    • 一方タイムアタックモードでは選択肢は変わらない。リタイアできる権利とラスボス戦のシチュエーションが矛盾するからだろうか。
  • 本編の進行度が序盤の段階でタオンガのとある特殊セリフを聞くと、まだ加入していない仲間が会話に登場するというバグがある。

最終更新:2026年01月14日 12:13

*1 リアルタイムアタック、「現実世界の時間単位でのプレイ時間」の短さを競う競技

*2 例外はエリアの読み込み中やAボタン+Bボタンでスキップできるムービーの再生中ぐらい

*3 vore(ボア、丸呑みするシチュエーションに対する嗜好)とも言う

*4 やられセリフとぐるぐる目で白旗を持った顔グラフィック