アットウィキロゴ

ニチブツマージャンIII MAHJONG Gメン

【にちぶつまーじゃんすりー まーじゃんじーめん】

ジャンル 麻雀・パズル
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売・開発元 日本物産
発売日 1990年7月20日
定価 6,400円
プレイ人数 1人
判定 なし
ポイント ニチブツブランド麻雀がファミコンに初進出
麻雀アドベンチャー2本立て
麻雀の特性を生かした独自性の強い落ちモノパズルゲームを搭載
のっけから『III』のナンバリングがナゾ


概要

1990年7月に日本物産が発売した麻雀ゲームで麻雀のみならず、その特性を盛り込んだ落ちモノパズルも併載。
発売元は違うが対局のシステムは日本物産が開発を担当しナムコが1988年11月に発売した『ファミリーマージャンII 上海への道』(厳密にはその前作)からそのまま受け継がれている。
そのため『III』というナンバリングは、上記作品から受け継いでいると考えられる。


内容

対局のシステム

  • 前述の通り発売元は違うものの対局の画面構成や、それに伴う操作「チー」「ポン」「カン」「ロン」「ツモ」などは『ファミリーマージャンII 上海への道』からそのまま受け継がれている。
    • 和了れないのに「ツモ」「ロン」、テンパイしていないのに「リーチ」をかけた場合も「よくみてね!」というメッセージで拒絶されるのも同じ。
    • ローカル役も上記作品と同じ8種類が可能。
    • 相手との相対関係を無視して流局時テンパイならば1500点が入り、ノーテンならば1500点を失うのも同じ*1
  • ただし親の場合、ちゃんと1.5倍の得点が得られるようになった。

麻雀道場

  • スタンダードな対局で、対戦相手が8人用意されている。
  • このモードではルール設定「箱割れ」「食い断」「ツモ平和」「振聴罰」の有無が可能。
    • これは上記作品からそのまま引き継がれているものだが加えて本作はバッテリーバックアップがあるため、この時設定したルールは電源を切っても記憶されている。

Oh牌ピー

  • 麻雀牌を使った落モノパズルで感覚としては『キャデラック』(ヘクト)の麻雀牌版といった感じ。実は出回りこそ少なかったが1988年にACで稼働した同名タイトルのゲームが元である。
    • パズルで麻雀の役を作り上げて得点と翻数を稼ぐゲーム性。
    • 得点の後ろにある枠に囲われたマスにある2桁の数字はクリアーまでの翻数で、役を作り上げるとその翻数分が減っていき、これをゼロにするとクリアーとなる。
      • クリアーすると、ステージが1つ上がりステージ4ならばクリアーデモを挟んで上のランクに移行する。
  • 次々と供給される牌を組み合わせて役を作っていく。
    • 役を作ると得点と翻数が計算され、その列がまるまる消える。
    • このモード専用の特殊な灰として「リーチ牌」と「刀剣牌」がある。
      • 「リーチ牌」これを含めて14の牌のヨコ一列並べると待ち牌を教えてくれる(同時にこの牌は消える)。
      • 「刀剣牌」牌を1つ壊すことができる(上からのみ有効)。
    • 出てくる牌は、数牌はマンズ→ピンズ→ソウズ→マンズ(例・五マン→五ピン→五ソウ→五マン)でき、字牌は風牌ならば東→南→西→北→東、三元牌ならば白→発→中→白の順番にチェンジできる。リーチ牌と刀剣牌はそれぞれでチェンジできる。
    • 落ちモノパズルの基本的通り時間経過で落下するのだが、本作ではそれだけでなく上に移動させることもできる。
  • 画面上部に次に出てくる牌が「ネクスト牌」で時間経過でどんどん出てくる。厳密にはこの並びの一番左が次に出される牌。
    • それをフィールドに1つずつ設置して、ヨコ14枚の並びで麻雀の役を作ることで実際の対局と同じ得点が入る。
    • 前述通り落ちモノパズルにしては珍しく上に移動させることもできるのだが、モタモタしているとネクスト牌が左端まで詰まってしまい、ゲームオーバーになる。
    • もちろん、メインのフィールド内でも牌が落ちてくる箇所に、既存の牌が積みあがっていてふさがれている場合もゲームオーバー。
  • ランクは初級<中級<上級<名人の4段階あり、上位ほど初期配置の牌が難しくなり、クリアーまでに必要な翻数も増えていく。
    • ランクの下に「ステージ」という概念があり、これも4段階あり上位ほどネクスト牌が溜まるスピードやフィールドで落ちるスピードが速くなる。
  • BGMは「ポップス」「ラテン」「チャイナ」「サイレント」(BGMなし)から選択できる。

マージャンGメン

  • 日本物産が過去に開発した麻雀ゲーム『麻雀殺人事件』(1988年10月稼働開始)のようなゲーム性。ストーリーやゲームの流れは同社が1989年にACで稼働した脱衣麻雀、『麻雀Gメン'89 殺されたOL』がベースになっている*2
  • 容疑者、証言者を選んで対局し、相手の点をマイナスに追い込めば証言をくれる。
    • 最初から選べない者は、その人物の顔グラフィックはモノクロになっており証言などを経て情報を得ることで接触、つまり対局が可能になる(顔グラフィックがカラーになる)。
    • このように対局を繰り返して証言を得て犯人に近づいていく。
      • 証言を出し切った者は「証言終了」と出て以後、聞き込み(対局)の相手からは外れる。この状態にならない場合、その容疑者の次回以降の持ち点は2000点となる。
  • このモードでは自身の点数を消費して特殊な効果を得ることができる。それが以下の5通り。()内はそのために消費する点数。
  • ラストチャンス(1000)
    • 流局時にテンパイ(リーチは不問)ならば、最後に8つの牌から3つを引くことができ、その中に待ち牌があればツモとなる。海底撈月も成立する。
  • 相手の牌まる見え(3000)
    • 相手の手配が見える。
  • 恐怖のドラ爆弾(6000)
    • 配牌時に必ずドラが2つ以上含まれる。
  • ウルトラ念力ツモ(10000)
    • プレイヤーのツモが非常に良くなる。
  • 秘技つばめ返し(16000)
    • 仕込み手と入れ替える。
  • バッテリーバックアップにより、対局に入る前に「捜査終了」を選べば現在の状況がセーブされる。
    • ただし完全な形では保存されず、再開時はプレイヤーは10000点、各容疑者は初期時の点数に戻っている。

評価点

  • 同じ麻雀アレンジゲームでもナムコ発売の『ファミリーマージャンII』や後に発売される『ナムコット麻雀III』とは差別化され上記作品よりも麻雀そのものに重点が置かれている。
    • もっとも、これは好みにもよると思われるが源流は同じながらも、ちゃんと別物に感じられる。
  • メインのタイトルにも据えられている『マージャンGメン』の積み込みバランス。
    • 積み込みも得点を消費するという形から、そこそこの大役を狙わなければ取り戻せなかったりする点も上手くバランスを保てている。
    • また積み込んだからといって過信できない点も適度な手ごたえを維持できている。
  • 『マージャンGメン』のストーリーは2本立て。
    • それぞれが独立したストーリーで、まったく異なる性質の事件になっている。
    • 証言を聞き出すと、それが次のターゲットのヒントになっているなど、その追い方もわかりやすく、だんだんと事件の背景が見えてくる展開はアドベンチャー的な面白さがある。
  • 非常に独自性あるパズルゲーム「Oh牌ピー」。
    • 下記の通り難点も決してゼロではないが他のパズルとは一線を隔した本物の麻雀パズルである*3
    • 牌の変換もできるなど、過度な運への依存度も抑えられており麻雀さえ知っていれば初級からジワジワ慣れていける。
    • また「ネクスト牌」として次に供給される牌のスピードを設けることで、メインフィールドでは牌を上に戻せるといった操作も可能になり、落ちモノパズルの中でも独自な要素を盛り込んでいる。
    • 初期牌とランクのバランスも絶妙で初級は四暗刻が狙いやすい。
      • 慣れのない新しいゲーム性であるためモチベーションを保ちながら慣れることにも向いている。

問題点

  • Oh牌ピーの得点換算処理が遅い。
    • 麻雀のモードと同じスピードでカウントアップされるため、跳満などになるとその時間がかなり長くなる。
  • Oh牌ピーの「リーチ牌」はお荷物な一面もある。
    • 一応、テンパイ状態の中に入れれば待ち牌を教えてくれるが、別にリーチ扱いになるわけではない。
    • 元々麻雀の知識が必要なパズルなので待ちが何なのかは先刻承知だろうし、あまり意味がない。そこはせめてリーチ扱いの1翻を加えるなどがあった方がより麻雀要素が高まったと思われる。
  • 『ファミリーマージャンII』の難点「親なら得点が1.5倍になる」以外放置されている。
    • ニチブツといえば麻雀ゲームの名門なだけに、このあたりは前作時点でも問題視される部分だったため修正が必要だっただろう。
    • また複合役満は相変わらず無効。
  • 不完全なバックアップコンティニュー方式。
    • 点数は維持されないため、10000点を切ったらわざと調査終了でセーブすればインチキができてしまう。
    • それ以上の得点を持っているとパーになってしまうのは痛い。その状態ではうかつに中断できない。

総評

このタイトルでの登場は初ではあるが、実質『ファミリーマージャン』の系統を受け継いだゲーム性ということだが、そこは日本物産らしく麻雀自身の比重が重く置かれており『II』はもちろん後述のナムコ版『III』とも差別化されている。
既にアーケードで展開していた『麻雀殺人事件』のようなストーリー性のある麻雀、さらにそれを2本立てということもあり経験者でも新しいストーリーをたっぷり堪能できることだろう。
さらにパズルゲーム「Oh牌ピー」は麻雀の特性を活かしており、それもただ『キャデラック』の麻雀版というだけにとどまらず時間経過との戦いを湧き出てくるネクスト牌に担わせることで上に移動も可能になっているなど一般的な落ちモノパズルに見られない独自性まで兼ね備えている。
全体的には意欲的な要素が多いので麻雀に馴染みがあるなら存分に様々なゲーム性を楽しめる内容。
とはいえ、そんな斬新なパズルも麻雀を知っていないと始まらないという点は変わらないため誰でもウェルカムというわけにはいかないだろう。また落ちモノパズルにした割にはスコア加算が遅くてテンポが良くないなど目に見える難点もある。


その後の展開

  • 前述の通りナムコ発売の『ファミリーマージャン』のシリーズからナンバリングを引き継いでいるような本作だが、そのナムコもナムコで『III』にあたる『ナムコット麻雀III マージャン天国』を翌1991年3月に発売している。
    • この作品も開発は日本物産が行っており『ファミリー』という冠こそ外れているがナムコによる実質的な『ファミリーマージャンIII』であるため『III』が2つあるような歪なナンバリング構成になった*4。そしてこの作品を最後にナムコの『ファミリーマージャン』としての系譜は終焉となる。
      • この作品ではより細かいルール設定が可能となり、アレンジ麻雀ゲームはスゴロクに一本化されている。ただしバッテリーバックアップは持っておらずスゴロクゲームのコンティニューは前作通り麻雀牌の絵柄によるパスワード式を採用している。
    • 日本物産としての続編は1992年5月に『麻雀大戦』、同年12月にスーパーファミコンソフト『スーパーニチブツマージャン』を発売し、それまでの『ファミリーマージャン』とはまた違った正統派の麻雀ゲームとして独自にナンバリング展開をしていくことになる。
      • そういう意味では本作は『III』というナンバリングを冠しているもののナムコとは反対に実質的に1作目といえる立ち位置になる。

余談

最終更新:2026年03月01日 18:54

*1 2人打ちの場合、両者ともテンパイ・ノーテーンなら点数はそのまま、片方がテンパイだった場合のみノーテン側が1500点を払う。

*2 登場人物も一部改変されたものを除き共通

*3 『上海』や『落っことしパズル とんじゃん!?』は麻雀牌を使っているものの麻雀の知識不要でただ同じ牌をペア取ったり、蹴って穴に落とすだけなので麻雀の特性はゼロ。

*4 ただしナムコの『ファミリーシリーズ』は値段の安さもウリとしているため『ナムコット麻雀III』は4,900円とその定義に当てはまるのに対し本作は6,400円なので当てはまらない。