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LA-MULANA2

【らむらーな つー】

ジャンル 遺跡探検考古学アクションアドベンチャーゲーム*1
対応機種 PC(Steam)
PlayStation 4
Nintendo Switch
Xbox One
発売元 PLAYISM
開発元 NIGORO
発売日 Steam:2018年7月31日
Switch/PS4/XOne:2019年6月27日
・DLC「オアンネスの塔」
Steam:2022年1月23日
Switch/PS4/XOne:2022年9月14日
定価 Steam:2,480円
Switch/PS4/XOne:3,218円
・DLC「オアンネスの塔」
Steam:498円
Switch/PS4/XOne:無料アップデートで対応
プレイ人数 1人
レーティング CERO:C (15歳以上対象)
備考 初回特典:オリジナルサウンドトラック、メモ帳
ネットプリント:ゲーム内ダンジョンの白地図を印刷可能(税込480円)
判定 賛否両論
ポイント 相変わらず底意地の悪い高難度メトロイドヴァニア
演出面、ボリューム、ストーリーはパワーアップ
バトルバランスは大問題
「ムカつくけど面白い」か「ただムカつく」かはプレイヤー次第
LA-MULANAシリーズリンク
LA-MULANA / LA-MULANA2

概要

レトロな見た目と神話や古代文明をごった煮にした世界観、そして超絶高難度が持ち味のメトロイドヴァニア『LA-MULANA』の続編。
ラ・ムラーナの対となる新たな遺跡「イグ・ラーナ」を舞台に、前作主人公ルエミーザ・小杉の娘であるルミッサ・小杉の冒険を描く。
システム面ではほぼ前作を踏襲しつつ、一部の操作性改善とビジュアル面での増強がなされた。


あらすじ

ルエミーザがラ・ムラーナ遺跡の謎を解き明かし、盛大に破壊しつくしてから数年。
遺跡入口の集落で第7の子としての使命を終えたゼレプド長老は、ラ・ムラーナの観光地化計画を立ち上げ修繕を進めていたが、遺跡奥から魔物が出たとの報を受け、ルエミーザに調査を依頼する。
しかし現れたのはその娘であるルミッサ。彼女の狙いは父親の手柄を奪い取り、考古学者としての華々しいデビューを飾ることだった。

愛用の鞭を手に、案内板や顔出し看板が設置されたラ・ムラーナを進んでいくルミッサ。
逃げる魔物を追いつつ辿り着いたのは、かつてラ・ムラーナ住民たちの流刑地として使われていたもうひとつの遺跡――イグ・ラーナだった。


特徴

  • システムの大部分が前作からの引き継ぎとなるため、前作記事の「本作の特徴」セクションを参照いただきたい。
    • 特に主となるジャンル(ビューチェンジ型2D横スクロールACT)、アイテム分類、PCでのアプリ運用、温泉や妖精などのサポート要素といった基本的なルールはほぼ共通となる。
  • 異なる点として主に以下が挙げられる。それぞれ詳細は評価点として後述する。
    • ジャンプ制御の改善
    • ハシゴの昇降時、途中から掴む/途中で手を離すアクションの追加
    • NPCの立ち絵追加

主な登場キャラクター

  • ルミッサ・小杉
    • 日系4世の21歳。ウェーブがかった金髪のロングヘアと、父親を彷彿とさせるカーキのハットとジャケット、首元に巻いた星条旗のスカーフに胸の日の丸ワッペンが特徴。
    • ゼレプドからルエミーザ宛てに送られた手紙を勝手に開け、考古学者デビューを輝かしいものにするべく集落を訪れた。
  • ルエミーザ・小杉
    • 前作主人公でルミッサの父親。今回は操作パートは無し。
    • 年齢設定は36歳。ルミッサの年齢とやや計算が合わず、公式見解としても年上の妻の連れ子説、ショーンの隠し子説があるが、真実は不明である。
  • ショーン・小杉
    • 67歳。ルミッサの祖父、ルエミーザの父にあたる。
  • ゼレプド長老
    • ラ・ムラーナ遺跡の守人である「第7の子」と呼ばれる種族の長老。
    • 前作で役割を終えたかと思いきや、ラ・ムラーナを観光資源に新たな人生を歩んでおり、女性をはべらせるなど豪奢な生活を楽しんでいる。
  • ムーブルク
    • 「第7の子」の1人であり、前作のヒロイン枠。永い眠りについていた期間があるため齢3024歳であるところを、24歳で通している。
    • 前作のラ・ムラーナ崩壊に伴い使命を終えた後、流れの遺跡発掘ハンターとして方々を飛び回っており、見た目も民族衣装から現代的な衣装にイメージチェンジした。
    • 今作ではルミッサと別行動でイグ・ラーナ調査に当たっており、進行度に応じてヒントやアイテムをくれる。

評価点

前作からの改善点

  • ジャンプ中に若干後ろ方向へ制御できるようになった
    • 特徴として既に書いた通り、空中での制御が僅かだが可能になった。
    • 高低差のあるマップ構成、かつ限られたスペースでの精密操作を求められやすいゲームデザインのため、遊びやすさが向上した。
    • といっても自在に飛び回れるレベルではなく、決して難易度が下がったと言い切れるものではないが、リトライを何度も強いられる不愉快さは幾分軽減されたと言える。
  • ハシゴの途中着脱ができるようになった
    • 登り切る/降り切るまで手がハシゴにくっついて離れない前作からすると、かなり重要な変更点。
    • これにより敵の攻撃への対応もしやすくなり、マップの探索のスピード感が増した。
    • 多くのマップで、1画面内に複数の通路が積み上がり上下移動を要する構造になっているため、ゲーム中に占めるハシゴ昇降の時間は多い。例えハシゴ1本1~2秒の差でも、ゲーム全体で見れば数十分の差になる。
  • 重要なフラグを立てたことが視覚的にわかりやすくなった
    • アンクがフィールド内に出現した際、アンクのあるビューの方角に向けた効果線が入るような演出が追加された。
      • 前作ではアンクのあるビューに行って初めてSEや視覚的な効果が発生したため、今作ではフラグが立ったことがかなりわかりやすくなった。
    • アンクだけでなく、NPCが居住している部屋を出て直接何らかの変化を及ぼすといった例もあり、このあたりは前作から強化されたポイントだと言える。
  • チェックポイント追加による探索の簡便化
    • セーブポイントの「聖杯石碑」は今作でも続投だが、更に道中、チェックポイントとして「祈りの祭壇」が追加された。
    • 効果は以下の2つ。
      • 簡易セーブポイントとして、死亡時にここからリトライできる(ゲームを終了するまで有効)。
      • ファストトラベル先に指定できる(イグ・ラーナの全ての祈りの祭壇のうち、最後に触れた1つのみ)。
    • 上記の通り制約がある上、そもそも使用するためには特定のフラグアイテムを要するが、前作で感じられた探索の異様なハードルの高さはやや緩和された。
  • ガーディアン(フィールドボス)戦でゲームオーバーとなった際、アンク前から復帰するようになった
    • 前作では最後に触れた聖杯石碑から再スタートだったのが、ボス戦直前からの復帰となった。
      • 難易度の性質上、何度もボスに挑み、戦法をトライ&エラーで探し出していくシリーズであるため、かなりありがたい仕様変更。
      • このシステムについては前作でも2020年移植版で逆輸入された。

今作独自、または継続されている評価点

  • 「遺跡探検」「考古学」という設定にあるロマン
    • 未知の迷宮へと飛び込み、はるか何千年も前に遺された謎を読み解いて仕掛けを動かす、というのはやはりワクワクさせるものがある。
      • 前作同様、フィールドごとに趣向の凝らされた意匠や、調査時のコメントがそのムード作りにしっかり貢献している。
    • 最早手垢のつき尽くした設定だし、本作もキャラコンセプトやゲーム仕様はインディージョーンズや『魔城伝説II ガリウスの迷宮』の本歌取りではあるのだが、王道に全力で乗っかっている様は好ましい。
  • 前作を下地にしつつも、今作単体で楽しめる重厚な歴史ストーリー
    • 裏設定的に存在していた第1~第8の子といった設定が丸ごと活かされている。
      • 「子」とは、前作の重要キーワードである「母」が作中の長い歴史の中で生み出していった各時代ごとの人類のことであり、ルエミーザやルミッサは現生人類である第8の子にあたる。そしてイグ・ラーナには第6の子までが現在も各フィールドに住んでいる。
      • 前作でラグ・ラーナ遺跡が壊された際、「母」は自身の複製として生み出した第9の子をイグ・ラーナに移しており、それを倒すために各時代の子たちの問題を解決する、というのが今作の筋立てとなっている。
    • この設定のためNPCの量がかなり多く、見た目にもバリエーションが豊かになっている。
      • また、別途アイテムを用いればヒントとなる石碑に「どの世代が残した文章か」が付け加えられるため、それもまた物語の考察を助ける仕掛けとなっている。
    • 終盤の必須イベントに、大罪人としてイグ・ラーナの牢獄で罰を受け続ける第2の子に酒を振る舞うシーンがある。巨人である彼に酒を振りかけ、ルミッサ自らも酔っ払い、共に笑い、そして目が覚めた時には彼は朽ちており――という流れがセリフによらずキャラの動きのみで表現されており、作中屈指の名シーンとなっている。
  • ドット絵とリアルな立ち絵で表現されるNPC
    • 前作との比較とはなるが、本作から始めたプレイヤーでも魅力的に伝わりやすい要素であるため、こちらに記載する。
    • 前作ではNPCの住居に入ると初代『ゼルダの伝説』のような見下ろしビューとなり、NPCも2頭身のドットで表されていたが、今作では画面構成が変わり、リアル調に描かれた立ち絵も表示されるようになった。
      • 画面左側にセリフとドット絵、右側に大きくイラストが表示されるような構図となる。
    • 更にイラストは数コマのアニメーションもしており、NPCの表情やキャラクター性がより明確になった。
      • 特に金回りがよくなり美女をはべらせているゼレプド長老や、ムーブルクの年頃(?)の娘とは思えない寝姿などは視覚的にも面白い。
    • この立ち絵とドット絵について、メニューから図鑑形式でいつでも参照できるのも嬉しい。
  • 難易度に対してどこかゆるい雰囲気
    • 前作に続き、NPCとの会話や敵の雰囲気は力が抜けている。
      • すっかり金稼ぎに取りつかれた長老は「ほーれ、ワシの財布からこぼれる金でも拾えい」と言ってお小遣いをくれるし、ムーブルクも引き続きよく寝る&寝言キャラとして古代人とは思えないすっとぼけた口調を披露する。
      • 敵キャラの妙なファンシーさも健在で、雪ステージで雪玉をぽいぽいと投げてくる真っ白おばけの「イエティ」や、手足の生えた頭部に簡素な顔が書かれただけの「カバンダ」など、妙に癖のあるデザインが見られる。
    • 後述する通り、プレイヤーのモチベーションをすり減らすような仕掛けの多い作品だが、雰囲気の点で言えばかなり前向きに進めやすい。
  • 他のレトロゲーム・インディゲームから大量に投入されているコラボ店員
    • インディー界隈やKickStarterの縁から、および1980年代のゲームからのゲストとして、何人ものコラボキャラがイグ・ラーナ内の店員として登用されている。
    • これもまた前項同様に、難度面を除けば冒険を気楽にしてくれる要因となっている。
  • 値段以上の大ボリューム
    • 前作から2,000円程度高額になったが、ボリュームはフルプライス相当。
    • 広大な遺跡を何度も往復し、謎に行き当たり、手がかりを集め、凶悪な敵や罠にその身を蹂躙されながらそれらを結び付け、そして新たな謎にぶつかり……と骨太な謎解きアクションが待っている。攻略情報なしで挑むなら、50時間超えは見積もっておいた方が良い。

賛否両論点

  • それでもなお玄人向けな操作性
    • 前作からの改善点としてジャンプ制御の変更を挙げたが、とはいえ基本的に快適な操作性とは言えない。
    • 至るところで精密操作を要求されるが、その割に攻撃直後や着地直後に妙なウェイトが挟まるせいで、プレイヤーの思った操作が反映されない瞬間がままある。
    • 直進して足場から落下した(足を踏み外した)際は左右方向への制御が一切効かず垂直に落ちるため、ギリジャンの失敗が致命傷に繋がりやすい。
    • ルミッサの振るう武器が短く、当たり判定の大きな敵に対してはドット単位の接近を求められる。敵まで僅かに届かずもどかしさを抱く、悪く言えばちょうど不快な調整が絶妙になされている。
    • が、これこそがシリーズの特徴であり、意図してプレイヤーをふるいにかけている点でもある。
      • 素早く正確な操作をどれだけの精度でできるか、というプレイヤーテクニック(と根性)が如実に試されるバランスであるため、これに挑戦心をくすぐられるタイプなら逆に心地よい操作感と言える。
  • 相変わらず底意地の悪い罠
    • 遺跡内は悪意に満ちたマップ構成をしている。
      • ちょうど踏みやすい位置に落とし穴があり、落とし穴があればトゲがあり、ノックバックした先にちょうどスケルトンがおり、また吹っ飛ばされた先に大穴があり……と、ギャグにもならないようなコンボがそこかしこで発生する。
      • 罠による一発死もそこそこある。多量の骸骨オブジェクトで予告されているパターンもあるが、中には一見何の危険も無いのに天井が超高速で落下してくる箇所もある。ここまで来ると「死んで覚えろ」というより、急に癇癪を起こした製作者が横からコントローラーを奪っていったようなものである。
    • これに対して最早強いストレスを感じることは前提であり、「ストレスゆえに前のめりになってやめられなくなるか」「製作者の自己満クソゲーと見なすか」で本ゲームの評価が変わると言える。
      • 特にマップの罠によるミスは、後述するボス戦に比べれば原因が明確ではある。「死んだのは悔しいが進み方はわかったので次はクリアしてやる」と感じられたなら、本作を攻略する上でのスパイスとなり得る。
  • 尋常でなく散らばりすぎている手がかり
    • 前作に引き続き、とにかく謎と手がかりがとっちらかっている。「全マップ総当たり」は今作も健在。
      • 序盤こそ謎と手がかりがごく近い場所で一対一対応しているが、早い段階で情報が全然違うフィールドにあったり、複数のフィールドの情報を照らし合わせないと解けない謎が出てきたりと複雑化してくる。
      • 初見で意味がわからず放置していたヒントが終盤になって必要になり、「あれはどこに書いてあったっけ!?」となるならまだいい方。多くの場合は「何も心当たりが思い出せない」という事態に陥りやすい。何せフィールドが15種程度もあるので、到底覚えていられなくなる。
      • 解法がわかっても肝心の材料を得るため結局遺跡内を巡り直す場面も多々あり、人によっては時間の無駄と感じてもおかしくはない。
    • ただ、自分の推測が当たった瞬間の快感は、やはり何物にも代えがたい。
      • しっかりと自分なりに攻略メモを取り、テキストだけでなく遺跡内の意匠からも意図を読み取り、失敗や徒労を恐れず試行錯誤を繰り返した果てに謎解きSEが鳴った際の悦びは、相当に苦労が報われるものがある。
  • カッコいいが聞き疲れしやすいBGM
    • フィールドで流れる楽曲はエレキギターを前面に出したヘビーなロック調が多く、曲単体のクオリティとしては良い。
    • 一方で長時間聞き続けるような性質のものではないため、高難度なアクションと謎解きとを並行し、同じ通路を何度も何度も行き来するようなゲーム性においては疲弊しやすい。

問題点

  • ロード時間の増加
    • 前作からほぼ見た目が変わっていないにもかかわらず、フィールド間を移動した際のロード時間が約2倍に延びている。
    • 2倍と言っても2秒が4秒になったという話ではあるが、既に記した通りこのゲームは「各マップに散らばった謎を総当たりで照合する」ことが求められる。クリアまでに行う移動回数は100では利かない。
      • これが1000なら前作との差は2000秒=約33分。まあ合計と言うより、手がかりを探しているという焦りの中で待たされる時間としては少々嫌になる程度なのが問題である。
  • キーコンフィグの柔軟性がいまいち
    • 装備武器を順・逆で切り替えられるキーが、ポーズ画面でのメニュー切替キーと同期している。これらが別設定になっていないため、変更によって意図しない操作性になってしまう。
  • 聖杯ワープ(ファストトラベル)メニューのフィールド選択順が変えられない
    • 聖杯ワープメニューでは登録済フィールドのサムネイルが円形に並び、左右の操作でジャンプ先に切り替えるようになっているが、この回転方向と左右キーの対応が変えられない。
      • 右入力でメニューが右回転(時計回り)になるため、見た目にはより左側に並んでいたフィールドが選ばれることになる。これで問題ないという人にはいいが、そうでないプレイヤーにとっては操作ミスに、ひいては先述のロード時間の影響もあり合計8秒の待ち時間に繋がってしまう。
  • 待機を強要されるマップデザイン
    • 移動する足場や、狭い通路を往復する敵が多用されており、待ち時間が発生しやすい。
    • 10秒以上の周期のリフトもざらにあり、落下によるやりなおしや、マップ総当たりが誘発されるレベルデザインでは致命的。
    • 後半になるとゆ~っくり飛び回りながら、ゆ~っくり飛ぶ火の玉を吐いてくる雑魚敵が狭い通路を奥から迫ってくるようなビューもあり、やりごたえや戦略性ではなく、ゲームを思ったように進めさせてくれない不愉快さに繋がっている。
  • 初めて行ったフィールドでの聖杯石碑までの遠さ
    • 聖杯ワープ先の登録を行える聖杯石碑が、フィールド間の接続口から地味に遠い。
    • そもそもが一発死の危険性を伴う探検で、ゲームが進行するほど当然雑魚敵の攻撃は痛くなってくるし、トゲやマグマといったトラップも増えていく。その中で4分の1~3分の1程度の行程を経たところでやっと石碑が出てくる。
    • 石碑にたどり着く前に死亡すれば、勿論再開は前フィールドから。
      • 酷い例では、ダメージを受けるマグマの中をあえて泳ぎ、狭い通路の中で違う軌道で飛び回る敵を同時に対処し、斜め方向入力によるしがみつきを強要される空中アスレチックを越え、それぞれ自由なルールで飛び回る敵たちをかいくぐりながら20秒周期のリフトに乗り、そのリフトから左右に動く1ブロックの足場に乗り、落ちたら2ビュー下の毒水に突き落とされ、うまく越えても結局必ず毒水を水流に逆らって泳がされる(10発近く殴らないと倒れない雑魚2体付き)という道中からやり直しになるケースもある。
  • 何を求められているか全くわからない一部のボス戦
    • いざアンクジュエルを掲げ、ボスステージに移った瞬間、何もできずゲームオーバーとなるボス戦が2つ程ある。
    • 1つは「足場も無いのに突然強制スクロールが始まり奈落に落下させられる」(クジャタ戦)。
      • これは空飛ぶ船に乗って戦うギミックで、NPCとの会話などフラグを事前に立てないとその船がまず出てこないという仕掛け。
      • 何かが不足していることがわかりやすいし、近くにヒントがあるとはいえ、普通ならまずボス戦の開始すらさせないところだろう。
    • もう1つは「突然乗り物に乗らされるが、何を押しても一切の操作が効かず、僅か数秒後にボスに踏みつぶされる」(ヨルムンガンド戦)。
      • これはアイテムを使って乗り物にエンジンをかけ、走りながら戦うギミック。
      • アイディアとしては面白いが、「ヒントで示されるアイテム名と実際のアイテム名が違う」「ボス出現演出の直後であるため、操作が一切効かないことが何を意味しているのかわかりにくい」「ルミッサの乗ったものが黄色いカマボコ状の図形でしかなく、エンジンをかけるべき乗り物と認識しづらい」といったところから、ゲームの意図の不明さを起因とするストレスを受けることになりやすい。
  • 凝った演出と死にやすさが噛み合っていない
    • 上記のようなギミックボス含め、強敵には何度も死んで何度も挑むことになるが、ボス登場時の演出が毎回長い。
      • アンクジュエルを掲げた瞬間、そのボスをモチーフとしたレリーフが画面に重なって表示され、地形が変化しボスステージになる、というのは演出としては秀逸だが、この際、まともに行動できるまで10秒近い画面の静止演出が発生する。
      • そしていざバトルが始まってもボスが入場してダメージ判定が生じるまで、特に長いケースで更に30秒程待たされる。ゲームオーバーの度にいちいちこうした「最高にカッコいい演出」を見せられてもうんざりするだけである。
      • 前述の問題だって何度かトライ&エラーを試みれば意図が掴めてくるので、本来大した問題点ではないのだが、この欠点と合わさることで試行すること自体に抵抗感が生じやすい。
    • ボス戦以外にも、ニューゲーム時点でオープニングは特になく、最初の中ボスを倒してイグ・ラーナに入場した瞬間にタイトルロゴが出るという効果的な演出があるのだが、その後セーブポイントにたどり着く前に死亡したらこの40秒間の「大変素敵な導入演出」も含めてやり直しとなる。
  • ルームガーダー戦が単調
    • いわゆる中ボスにあたるルームガーダーも難敵揃いだが、少々「やりごたえ」とは趣が異なる。
    • 「ひっきりなしに動き回る」「ダメージを受け付けないタイミングがやたらある」「大きな図体でルミッサを壁際に寄せてハメてくる」というのが特徴。
    • これらを踏まえた上で、行動パターンがルミッサの立ち位置に完全依存している
    • そのため、敵の行動ルーチンがわかるまではただただ壁際で嬲られ続けるしかないが、わかった瞬間、決まった所に立っているだけで行動パターンを固定できてしまう
    • それで完封できる割にはHPが無駄に高い。駆け引きも何もなく、決まった場所に移動して攻撃を繰り返すだけの作業ゲーに成り下がる。
      • 例えば「ユニコーン」は足場が地面含めて2段しかない部屋での戦いとなり、通路を塞ぐ程の大きな体を回転させながら絶え間なく部屋中を移動し続ける。頭部にしかダメージが入らないのに頭の角はルミッサの武器よりリーチが長い、という隙の無い設計となっている。
      • ところがルミッサを地面端でしゃがませていれば、ユニコーンは3箇所の固定ポイントをぐるぐる回り続けるだけになるので、あとは5秒に1回近づいてきたところを殴ればいいだけである。1分半ほどかけて
    • 戦って楽しいという敵がほぼおらず、厄介な敵を退けた達成感というよりは馬鹿にされたような、「こんなんなら最初から絡んでこないでほしかった」という気持ちを抱かせるような、徒労感ばかりが先行する設計となっている。
  • 結局ゴリ押しが一番強い
    • そしてなんだかんだ言って「温泉に入って妖精連れてきたら楽勝」という調整がなされている。
    • 遺跡内に存在する温泉は、有料ではあるが入ってから数分間「HPが限界突破」「サブウェポンの弾数無限」と言った効果をもたらす。特に後者は最強武器の銃弾と合わせるとボス戦の時間を9割方カットできる。
    • 妖精は特定のポイントで呼び出せるお助けキャラ。いわゆるリジェネ効果にあたる回復妖精と、空中にいるボスすらお構いなしに攻撃してくれる武器妖精が強い。
    • ボスの攻撃力はかなり高く動きも素早いため、下手に避けようとすると却ってリズムを乱されやすい。各種恩恵を利用しつつダメージ覚悟で武器を振り回していたほうがスムーズである。
      • ゲームジャンル的には一触即発のボス戦というのは魅力になるはずだが、「いいから効果が切れるまでにサブウェポンをぶちこみまくれ」が推奨される本作においては、攻略法を考えるだけ無駄という印象は否めない。

総評

言い方を遠慮しないで良ければ、「マゾゲー」である。
さほど心地よくない操作性、面倒と難度をはき違えた謎解き、インパクト勝負で練り込まれていないボス群。
しかしその不愉快さこそがこの作品をプレイする原動力であり、あなたが「悔しくてやめられない」性質ならば、充実したプレイ体験が待っているだろう。
また、各フィールドごとの意匠や多彩なNPCのコンセプト、およびストーリーの大筋から得られる「考古学ロマン感」は本作の大きな魅力と言える。

勿論、ユーザビリティを全く分かっていないクソゲーだと唾棄するプレイヤーの存在を否定はできない。何なら最初は面白いと思っていたのに途中離脱した、ということも大いにある。
ただ、繰り返しになるが、そのムカつきが面白さと連動している。一見論理破綻しているが、本作においては「面白いクソゲー」という評価すら成り立つのだ。

プレイするならば、腕試しのつもりで覚悟をしておこう。


最終更新:2026年06月10日 22:27

*1 NIGORO公式サイトでの表示に基づく

*2 Steam版とコンシューマ版で差異あり