【ざ きんぐ おぶ ふぁいたーず いれぶん】
ジャンル | 対戦格闘アクション |
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対応機種 | アーケード(ATOMISWAVE) | |
販売元・開発元 | SNKプレイモア | |
稼動開始日 | 2005年10月26日 | |
判定 | 良作 | |
ポイント |
年号からナンバリングへ以降した本編初新基板『KOF』 悪夢の『KOF2003』から劇的な持ち直し 今までに無かったキャラ選出 スピーディーなマルチシフトバトルの完成型 新世界サウンド完全復活の良質BGM 史上最強のバッタゲーではある 今までにいなかったウザい1人弾幕STG状態のラスボス |
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KOFシリーズ関連作品リンク |
SNKのキャラクターが勢揃いするドリームマッチ対戦格闘ゲーム『KOF』シリーズの本編11作目。
前作『KOF2003』から始まった「アッシュ編」第二章。
これまでKOFは毎年リリースされていたが、開発期間が開いたことや、昨年の『KOF NEOWAVE』が番外編であったことから、
本作からタイトルの西暦年号表記を廃止し、これまでの『'94』~『2003』の本編を10作と数えてナンバリング表記に移行した(*1)。
『KOF NEOWAVE』に引き続いてATOMISWAVE基板に移行したことで、既に旧式ハードと化していたMVS(ネオジオ)で様々な制約を受けながら作られた前作に比べ、あらゆる面において完成度が上昇。ネオジオ以外の新基板で造られたKOFとしては初の本編(ナンバリング)タイトルとなった。
リアルタイムでチームメンバーの交代を行う「マルチシフトシステム」の問題点は軒並み解消され、スピーディーで爽快感のある格闘ゲームへと進化を遂げた。
『2001』と同様、珍しくインターフェースがシンプルなデザインに統一されたうえで、本作のデザインは明るくオシャレにまとめられた雰囲気に。
さらに驚きのキャラクター選出もあり、演出面でも久々にドリームマッチらしい賑やかさが戻ってきた。
オロチの封印の解除に成功した、謎の組織の一員、「無界」。その混乱に乗じ、「八咫の鏡」の力を奪ったアッシュ・クリムゾン。
それらは大会主催者でもあった神楽ちづるの負傷という結果をもたらし、前回のキング・オブ・ファイターズ'03は混乱の中でその幕を下ろした……。季節が巡り、時が流れ、今年もまたKOFの開催が宣言された。新たな顔触れを加えつつ、次々に明らかになってゆく参加者たち。
如月影二の復帰を筆頭に、初参加者ではB.ジェニー、ダック・キング、オズワルド、桃子、そしてエリザベート・ブラントルシュ。
鍛えぬかれた戦士たちは、かつてない秘密と脅威が渦巻く世界最高の格闘大会に何を求めて集うのか。
彼らを加えて、大会は例年以上に熱く盛り上がろうとしていた。華やかな格闘大会という、KOFの表向きの顔。それとは別に、裏側では数々の思惑が交差する。
「遥けし彼の地より出る者」と名乗る謎の組織は、これからどう動くのか?封印を解かれたオロチの力の行末は?
一角を欠いた三種の神器は攻勢に転じることができるのか?そしてアッシュ・クリムゾンの真の目的とは……。
キング・オブ・ファイターズXI、いよいよ開催。今、闘いの扉が再び開く。
前作以上に既存シリーズキャラのラインナップが強化され、『餓狼伝説』シリーズからダック・キングとB・ジェニー、隠しキャラとして『風雲黙示録』からショー・疾風と邪頭、『武力~BURIKI ONE~』から天童凱とズィルバーが参戦した。また前作ではCPU専用のラスボスの1人であった、アーデルハイドが今作にて(隠しキャラとはいえ)晴れて使用可能に。
本作では主に以下のような変更が行われた。
マルチシフトシステムがしっかりと練り込まれ、KOFの新たなチームバトルの形を完成させた良作。
比較対象が悪夢のような出来だった『KOF2003』だったことを考慮せずとも、単体のゲームとして評価できる点は随所にある。
対戦バランスに関してはかなり尖った面もあり、バッタゲーであることには違いないが、格ゲーの原点と言える純粋にキャラを動かしていて面白いという感覚が、確かに味わえるゲームである。
BGMを始めとする演出の出来も、概ね相変わらず素晴らしい。
なお後続作のチームシステムが従来通りのものに回帰した関係もあり、『KOF』シリーズ、ひいては流行り廃りの激しい格ゲーでも本作の息はかなり長い。
未だに「XI勢」と呼ばれる根強いプレイヤーも散見されることがその証左であろう。
+ | 参考動画 |
いい加減グラフィック全体を新たに作り直して欲しいという声に応え、次回作『THE KING OF FIGHTERS XII』では早くも使用基板を「Taito Type X2」に移行させ、グラフィックも全面的にリニューアルされた。
・・・のはいいのだが、グラフィックに力を入れ過ぎた結果「それ以外の部分が極めてお粗末」という本末転倒な事態となり、低評価を受けてしまった。
時代に合わせた描き直し自体は好評を持って受け入れられており、『KOF XIII』にも引き継がれた。
*1 過去にもネスツ編で「EPISODE ○」というナンバリング表記がゲーム内にあったが、そちらはドリームマッチである『'98』を抜かしたものとなっていた。
*2 当然、控えメンバーがいないときは使用できない。
*3 ストライカーシステムを採用していた過去作、『2000』と『2001』はそれぞれストライカーを召喚する際のコストとなるストライカーボムやパワーゲージを能動的に貯める手段があったものの、そのせいもあり永久機関が成立したりなどバランス面において問題が生じていた。
*4 開始早々に大技込のフルコンボをブチ込まれることさえあった。
*5 過去にドリームキャスト版『'99 EVOLUTION』や『2000』において、ストライカー専用キャラとしての登場はあった。
*6 ネスツ編キャラのアンヘルに近い特殊連携技と、非常にルートが多い順押し(デッドリーレイブ系)必殺技、背の小ささを活かした突進技等の小柄キャラらしさを持っている。ただしゲージなしでの崩し能力や体力・攻撃力には劣る。
*7 過去に『2000』においてジョー・ヒガシのアナザーストライカーとしての登場はあった。
*8 『武力~BURIKI ONE~』はコンパネの左側に配置されたボタンで移動を行い、右側に配置されたレバーで技を出すという特殊な筐体が使用されていたが、本作の凱も一人だけ基本操作が異なり、ボタンで移動・レバーで技を出すという独自仕様が採用されている。
*9 登場は前作からであるものの、前作ではCPU専用のボスの1人であり、家庭用を除いて使用不可能だった。
*10 余談の余談だが本作に登場する凱やズィルバーの出典である『武力~BURIKI ONE~』ではSNK入社1年目のヒロアキ氏が開発初期からメインデザインやモーションキャプチャーのアクターなどを務めている。
*11 前作の無界に続き、アッシュ編を通して登場する敵の組織・一族である「遥けし彼の地より出づる者」の1人。
*12 発射後に攻撃を受けても消えず、しかもロックする技や投げ技でもない限り簡単にこちらの技を中断させてしまう。
*13 『KOF SKY STAGE』のこと。2009年稼働開始で、ゲーム内容はKOFのキャラクターを操作する縦スクロールのオーソドックスな弾幕シューティングゲームとなっている。
*14 過去作にいた飛び道具を多数持つキャラだと『‘94』『’98』にいたラッキー・グローバー、ネスツ編にいた包が該当。また本作にいる邪頭も多くの種類の飛び道具を持っている。
*15 サムウェアホールを出されない限りループ可能。
*16 しかも開幕でガード方向にキーを入れていると高確率でファントムスフィアを出してくるため、初期位置からめくり大ジャンプD始動のコンボが決まる。
*17 似たような例として、『'96』のゲーニッツが挙げられる。
*18 基板の設定画面から店員が入力することで、タイムリリースによって解禁される要素を一度に全て解禁できるコマンドのこと。主に入荷のズレや営業時間などによって生じる、店舗間の通電時間の格差を解消するための救済措置として搭載、出荷開始から一定期間後にメーカーが発表・店舗側に通達する場合が多い。
*19 2人とも、本作にもいるショー・疾風と邪頭の出典でもある『風雲シリーズ』が出典。ただしカズウはストーリー上では故人な為(2人の兄・ゴズウとメズウがその弟カズウの敵を取るというストーリーになっている)、どのような設定や性能などを反映させたキャラにするのだったかは不明。
*20 ネオジオ初期のイメージキャラクター。「凄いゲームを連れて帰ろう!」のキャッチフレーズと同様、当時の広告では大々的に頻出していた。その他、看板キャラということもあってか複数のネオジオのゲーム内でも背景に度々カメオ出演しており、KOFでも過去に『2000』において、リョウ・サカザキのマニアックストライカーとして登場したことがある。
*21 声優は女性声優の小川時代女史が担当
*22 元々KOFにおける中ボス出身キャラは、神楽ちづる、暴走庵、裏オロチチームの3人、オリジナルゼロ、そして今となってはプレイアブル専門に出世を遂げたクーラ・ダイアモンドなど、一定の人気を得たキャラが多く揃っていた。
*23 モードチェンジはメイ・リー譲り、槍モードの異常なリーチは三節棍を使うビリー・カーンに匹敵といったところか。
*24 しかも槍モード時は簡単な永久コンボまである。ただしCPUは使わないのでご安心を。またプレイヤー使用時も本作の仕様として、セービングシフトでは簡単に脱出される。
*25 KDDIのMMBB(サービス終了)を使用していたが、これに限らずSNKプレイモア製のゲームは他社タイトルに比べて余りにも遅延が大きかった。
*26 タン・フー・ルーは後に『KOF XIV』にて最初から正式に参戦を果たした。