THE KING OF FIGHTERS XII
【ざ きんぐ おぶ ふぁいたーず とぅえるぶ】
ジャンル
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対戦格闘アクション
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対応機種
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アーケード(Taito Type X2)
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販売元・開発元
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SNKプレイモア
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稼動開始日
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2009年4月10日
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判定
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シリーズファンから不評
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ポイント
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KOF RE・BIRTH 十数年ぶりにドット絵をフルモデルチェンジ グラフィックの美麗さは特筆に価する しかしそれ以外の全ての要素がその犠牲に どう見ても未完成品 ライバルなど、いない(悪い意味で)
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THE KING OF FIGHTERSシリーズ
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概要
『KOF』シリーズの第12作。前作『KOF XI』から4年ぶりの新作。
前作で「『KOF』シリーズは年に1作ずつ」という伝統が崩れたが、今作ではさらに間が空いている(前作は2年ぶり)。主たる理由は後述。
『'98』『2002』の様に特にストーリーが存在しないドリームマッチ系のタイトルとなっている。
また、使用基板も前作で使われていたATOMISWAVEの終了に伴い、タイトーのWindowsベース互換基板である「Taito Type X2」に移行している。
久々の新作であったことと「刷新された美麗なグラフィック」という謳い文句を売りにしたことも手伝ってファンからの期待は非常に大きかったが、肝心の内容がグラフィック以外極めて不出来だったため、大きな不興を買うこととなってしまった。
特徴・システムなど
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全てのキャラドットを新規に書き下ろし。それに伴い技の構成が変わったキャラも多い。
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マルチシフトが廃止され、シリーズ伝統の3on3で一人ずつ戦うラウンド制チームバトルに戻った。
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その一方で本作ではデフォルトチームは存在しておらず、各キャラクターが個別にバラバラで参戦している。
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過去にも外伝作『熱闘KOF』や『MAXIMUM IMPACT REGULATION"A"』で同様のバラバラ参戦はあったが、シリーズ本編では初の事態だった。
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前作までの特徴だった試合中に交代するマルチシフト制は廃止され、超必殺技に使用するゲージも一本のみになるなど、全体的にシンプルな代物となっている。
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出場キャラクター
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アッシュ・クリムゾン
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デュオロン
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シェン・ウー
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草薙京
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二階堂紅丸
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大門五郎
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八神庵
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テリー・ボガード
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アンディ・ボガード
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ジョー・ヒガシ
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キム
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ライデン(『KOF』初参戦)
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リョウ・サカザキ
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ロバート・ガルシア
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ラルフ・ジョーンズ
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クラーク・スティル
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レオナ・ハイデルン
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麻宮アテナ
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椎拳崇
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鎮元斎
家庭用追加キャラクター
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本作特有の(他作では採用されていない)システムは大きく3つ。
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「クリティカルカウンター」
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体力ゲージ下にクリティカルカウンターゲージが存在し、攻撃を当てる/くらうで増加。MAXになると一定時間キャラが光り、その時に近距離強攻撃をカウンターヒットさせると発動。
この間、スローになった相手に対し、数秒間こちらが一方的に攻撃を当てられる。この時、相手はやられ状態が長く続き、かつ自分は自動で前に進んでくれるため、いろいろな技が簡単にコンボとして繋がってゆく。大元はCAPCOM製格ゲーのオリジナルコンボに近いシステムで、それに同社の『サムライスピリッツ零』及びそれのバージョンアップ版『零SPECIAL』にあった「無の境地」の要素を少し足した感じ。
また、発動後すぐに超必殺技を使うと演出が少し変わり、威力も大幅にアップする。本作の逆転要素。
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「相殺」
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強攻撃、必殺技、超必殺技が同時にぶつかると地上でも空中でも発生。
この後お互いが何も操作しないと自動でバックステップをして距離を取る。このバックステップはほとんどの動作でキャンセルすることができるため、そこに読み合いが発生する。相手の飛び道具に対しても相殺ができ、相殺→ダッシュで一気に距離をつめる、という芸当も。
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「ガードアタック」
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レバー後ろ+CDで使用可能。コマンド入力するとガードモーションを取り、相手の攻撃を受け止めるか一定時間経つとふっとばし攻撃を行う。
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いわゆる「当て身返し攻撃」に相当。先読みで使うものであり、相手の攻撃を普通にガードしてからの移行は出来ない。ガード判定は全身に出るものの投げには無防備な上、攻撃部分がガードやすかると反撃を貰う程度の隙がある。前作までにあった「ガードキャンセルふっとばし攻撃」をゲージを使用しなくて済む分リスキーにしたような性能。
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それ以外の点。
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パワーゲージは最大1本で、使い道は超必殺技のみ。今作では上記のガードアタックとの兼ね合いか、GCふっとばし攻撃もGC緊急回避も廃止されている。
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ふっとばし攻撃がコンボに組み込め、更に溜めることが可能。最大まで溜めると強制ガードクラッシュになる。
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投げのコマンドがボタン2つ同時押しになった一方で投げ抜けが廃止された。KOFどころか近年の格ゲーとしては不可解な仕様。
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通常技の近距離・遠距離の自動使い分けが無くなり、強のみレバー入れで従来の遠距離版が出せる。
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『龍虎の拳』や『サムライスピリッツ』のようにお互いが近づくと画面がズームになる。
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などKOFの中でも本作独自の仕様が多い。
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キャラの外見や技構成などは、おおむね「原点回帰」を意識したものが多い。
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例えば草薙京はすっかりお馴染みの『KOF'96』からの派生技重視の技構成ではなく、『'95』以前のオールドスタイル。
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また、麻宮アテナや椎拳崇は出典の『サイコソルジャー』を意識した衣装になった、という例もある。
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例外は八神庵で、彼は前作『XI』のチームEDで炎を出すことが出来なくなった事を受け必殺技が爪で引き裂く技中心の物となった。
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このためドリームマッチでありながら、何故か一人だけストーリーを踏襲している妙な事になっており、「作りかけの作品を資金調達のために体裁を整えて発売しただけでは?」という推測(「作りかけ」に関しては後述の「問題点」を参照)に信憑性をもたらした。
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服装も変更されているが、登場以来ずっと同じ服装だったのを変更されたために、原点回帰しているとは言い難い。
ファンの中には売れないホストのようだとの声もあるが…
評価点
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美麗なグラフィック。
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ドット自体はハイレゾ仕様でありフォーマットは一般的だが、業界最高峰の書き込みを実現している。スタッフがインタビューで自ら答えているように、甚大な手間と労力がかかっており、ゆえに稼動が遅れたとも。服のしわひとつ、筋肉の陰影ひとつまで描き込まれている。
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製作工程の大まかな流れはWeb上で公開されており、1人で作業すると単純計算で1キャラに1年4カ月もかかるという(参照)。
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かつてドット絵の雄として名高かった旧SNKの流れを汲むSNKプレイモアが、その意地を見せた形とも言えるであろう。
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KOFシリーズは初期作である『'94』で制作されたドットを修正しながら、『XI』まで実に10年以上も使いまわされて来た。更に新キャラもそれらの旧キャラのドットが基準となっているために、最近の作品では「背景は3Dなのにキャラのドット絵が古臭い」と言われて来たのもあり、長年の問題を解消したと言える。
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本作だけでしか聞けない郷里大輔氏のライデンの声。
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本作で晴れてKOFに初参戦を果たした餓狼伝説シリーズのキャラクター、ライデンの声は人気声優の郷里大輔氏が担当。ライデンは次回作『XⅢ』にも続投したが、郷里氏が翌年に死去した為、声優が変更されている。そのため彼のライデンの声は本作だけでしか聞けない。
問題点
端的に言うとグラフィックにかかった膨大な手間によって犠牲になったボリュームである。とにかく、美麗なグラフィックを作るだけで力尽きてしまった感がある。
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ドット製作の手間から来る「キャラクター数の少なさ」
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プレイアブルキャラクターはアッシュ編主人公チームにおなじみの面子を加えた20人で、隠しキャラクターやボスキャラクターなどはなし。
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詳細を言うと、『2003』主人公チーム、日本チーム、餓狼チーム、『'96』怒チーム、サイコソルジャーチームの面子に加え、庵、リョウ、ロバート、キム、ライデンを加えて20人。家庭用でエリザベートとマチュアが加わって22人。
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これは前作のデフォルト33人+隠しキャラ5人+ボス専用2人と比べると一目瞭然。一作目の『KOF'94』よりも少ない(家庭用追加キャラを含めても)。
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『KOF』シリーズは元々キャラ数の多さもウリなのに上記の様に人数ががくっと減っていることや、タクマや初代女性格闘家チームが未参戦で「量より質」とも言えないことなどを考えると、やはり寂しいものである。しかも下記のように他の部分でのボリュームの無さもそれを際立たせてしまっている。もっと言ってしまえば、10作以上も出ている本編で、一作目よりキャラの数が下回る事態となっているのだ。
技の数が多いなど1キャラごとの密度が濃いならば理解できなくもないが、本作は各キャラの技数などの密度も作りかけとしか思えない薄さであった(後述)。
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また本作からの新キャラクターも存在しないが、一応『餓狼伝説』シリーズのキャラであるライデン(ビッグベア)がKOF初参戦をしている。
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技モーション製作の手間から来る「技の少なさ」
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必殺技の多くが削られており、超必殺技に至ってはほとんどのキャラが1つのみと明らかに少ない。全体的に見て『'94』と同等の数と言ったところか。
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例えばクラークは必殺技が3つだが、そのうち1つは必殺技中に追加で入力するものなので実質2つになっている。
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技が多ければいいというわけではないが、取れる行動の数が近々の過去作に比して大幅に制限されるため面白みに欠ける。またこれも他の要素のボリュームがあって「技が少ない」だけであれば、シンプルなゲーム性を志したりリソースをあえて必殺技のモーションや調整以外に割り振ったものとして素直に見ることができるが、先程で記した通りそもそもプレイアブルキャラの時点でシリーズの平均数と一作目よりも下回っていることから解るように、すべての面でボリューム不足な本作では単に技の少なさ「も」力尽きた結果なのだとネガティブに捉えざるを得ない。
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『'94』〜『'96』、『'97』と『'98』のエキストラモードがベースでないにもかかわらずゲージが順番問わずたった1本しかストックできないことも、ゲージを消費する行動が超必殺技だけになったとはいえ、派手さに欠けたり、幅が広がらない原因になってるせいで評判が良くない。
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根本的な「"遊び"部分の少なさ」
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プレストーリーこそあるが、まずストーリーなどは存在しないし、当然キャラ固有エンディングなどない。ボスキャラなども存在しない、近年ではよくあった乱入キャラなどももちろんない。挑発も登場演出もないし、勝利ポーズもひとつだけ。中間デモは一応あるが、単にニュース番組風の絵面が流れるだけ。
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対戦ツールに特化した、といえば聞こえはいいが、やはり味気ないという意見が多かった。
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ちなみに、このニュース番組は『'97』と同じ「Satella News Network」で、コメンテーター?として隠れ人気キャラである『龍虎外伝』の不破刃が登場する。
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多くの要素を犠牲にしたグラフィック面に対する批判。
かつての『KOF』シリーズでは、キャラクターのドットは基本的に写実的な描き方であまりデフォルメがきつくなく、そういう意味では「リアル」であった。しかし本作では極端に誇張されたキャラクターが何人かいる。
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麻宮アテナは前作までから打って変わり非常に子供っぽい体形に。しかも足が少々太いため「ふとましくなった」という声も。これは先述の通り『サイコソルジャー』当時のキャラクターデザインの再現のため、原点回帰といえば原点回帰なのだが……。何故か、元気のあった表情もどこか困ったような顔付きに変わってしまっている。
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この画風の変化については、メインイラストレーターのおぐらえいすけ氏が「上からの強い要望でこうなった」と説明しており、実際におぐら氏が描いた、旧デザインかつサイコソルジャー風アテナのイラストも公開されている。
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ラルフ・ジョーンズとクラーク・スティルは従来から打って変わって極端に筋肉のついた体形に変貌し、腕の太さなど他キャラの胴ぐらいある。一応過去シリーズでもレオナが暴走した際に止められるべく鍛錬を積んでいるというストーリーがあったものの、肉弾戦を主体としたダイナミックな技を振るうラルフはともかく、クラークは「スマートな投げキャラ」という点が評価されている部分の一つだったため、ごつくなって「ありがちな投げキャラ」の見た目になったことは批判が強かった。
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これら3人や大門など、旧作より太くなったキャラが多いことと(後述するが)背景に度を超えた肥満体型の
デブモブキャラが多いことなどから、一部のユーザーからはアートディレクターのノナ氏(『KOF2001』や『KOF2002』のイラスト担当)の趣味ではないかとまで言われることもあったが、実際はこれも「上からの要望があった」との事。
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また、以上の変化が「今作で急に切り替わった」という点も考慮に入れるべきである。新しい造形をそれ自体で許容できても、今まであったキャラクターへの愛着が否定されかねない変化、とも言えてしまう。このデフォルメのきつさは、ここまで極端でなくとも全体的な傾向。
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似たような例だと、『2001』でアテナの髪型が急にベリーショートに変更された例があり、こちらも多くのファンから許容されたとは言い難い結果であった。
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一方でデザインの変化がいい方向になったキャラもいる。
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前述したとおり極端に衣装の変わった拳崇などは賛否両論と言ったところだが、構えをなくして皮肉屋な性格にマッチした立ち振る舞いとなったアッシュ・クリムゾンや、より軍人らしい衣装となったレオナ・ハイデルンなどはおおむね高評価。
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ステージ背景のグラフィックにも苦言が目立つ。
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特に指摘されたのが、所々キャラクターが背景と同化・陰や暗い所が邪魔をして極端に見づらい場所があるなどのプレイヤー視点の視認における調整不足が目立つ点。プレイにも支障をきたすせいで、無視できない点である。
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他にも、ステージの背景にいるモブの人間の多くが
デブ極度の肥満だったりと、明らかに極端すぎて、見栄えに華がないことも批判が集まった。『ぽっちゃりプリンセス』でやれ。
その他
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格闘ゲームとして重要な要素であるキャラクタ間のバランスは、ネットで検索すれば個人がやり込んで決めた様な論評はいくつか見つかるが、評価が固まるほど掘り下げられていないので実際のところは不明。
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家庭用の発売後も攻略関連は全く活気がなかったため、多くのプレイヤーからは「対戦を煮詰める理由を見出せないほど底が浅い」と受け取られたと捉えるべきだろう。
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とりあえず、最強キャラは万能かつ高性能な京、最弱キャラは攻め手が少なく防御性能が最悪のクラークという声が多いようだ。
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CPU戦について。
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一戦目からかなり強い。
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全体がタイムアタックになっている。タイムアタック形式はシリーズ唯一。
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通常は5回戦勝ち抜くとエンディングだが、1回戦ごとに勝利後1回だけタイムを測り直せるリトライが可能。
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前述したようにラスボスの類はなし。中間デモはきちんとあるものの、終始平穏なムードでニュースキャスターが淡々とレポートする調子である。
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ある意味では、悪の組織などの陰謀が一切関わって来ることがなく平穏無事に本来の「格闘大会」としてのKOFが完遂された初の作品とも言える。
総評
美麗なドットグラフィックで2D格闘ゲームを作るという心意気自体は挑戦的である。
しかし、その一方で肝心のキャラドット以外の中身の部分がとかく寂しいものになってしまい、外観面に苦心するあまりに中身がなおざりになってしまったことが目に見える出来栄えとなってしまった。
稼働中には「ドットは以前のままでいいからボリューム面をなんとかして欲しい」という声も多かった。しかもほぼ同時期に『2002』のリメイク作『2002 UNLIMITED MATCH(2002UM)』も発売及び稼働開始しており、こちらは本作とは対照的に歴代最多数のキャラを始めとした豊富なボリュームと完成度を誇っていたこともあり、そちらと対比され、そちらへプレイヤーが流れるケースも多く見られた。
あまりもの酷さにキャッチコピーの「ライバルなど、いない」をもじって「ライバルなど、いない(悪い意味で)」など揶揄されてしまう始末。
当然、稼動後も掲示板などでは批判が続出してゲームセンターから早々に姿を消してしまい、とどめとばかりに海外大手ゲームサイトの「2009年最も期待はずれのゲーム」にもノミネートされてしまった。
インカムが全く稼げずにゲーセンからすぐに姿を消してしまい、『餓狼MOW』や『ヴァンパイア』シリーズとも違って細々と遊び続けているコミュニティなども皆無であるため、対戦のためにわざわざこのゲームを選ぶ理由も存在しない以上、本作が対戦ツールとして復権する事はまずないだろう…。
その後の展開
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本作稼動から一年後、次回作『THE KING OF FIGHTERS XIII』が発売・稼働開始された。
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こちらはキャラのドットグラフィックの画風は本作と共通だが、本作の出場キャラは後述する家庭用追加キャラ2人も含め全員続投しつつキャラや技も増え、過去作の平均相応なボリュームに復活、アッシュ編完結作としてストーリーも搭載。
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本作から続投しているキャラのビジュアルにも一部細かいテコ入れが入っている。肥満体型な
デブモブばかりで華がない/視認がしにくい場所があるせいでプレイにも支障をきたしていた背景も、刷新/改善された。そしてシステムは概ね『2002』ベースのものに戻され新要素の追加もあった一方で、本作『XII』の新システムはクリティカルカウンターがパワーゲージとは別に発動コンボに必要なゲージが用意された事に影響を及ぼしたくらいしか受け継がれなかった。
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問題点もあるが本作における批判点に関しては改善を見せており、概ね「いつもの『KOF』」に無事戻ったと言える。
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要は「本作のいわゆる正当なボリューム増加/進化版の発売」によって、「本作がなかったことにされた」或いは「本作が未完成品扱いにされた」ということであり、メーカー自ら出来の悪さを認めたということである。
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極め付けは、(最終バージョンに限定しても)『XIII』は、家庭用版がパッケージ版に加えて各ハードやWindows PC(Steam)のネット配信でも販売されたり、アーケード版も基板単体版稼働の後に再度NESiCAxLiveにても稼働開始したりと触れる機会が多く提供された一方で、本作『XII』はそのような再発売やフォローが一切行われていない。この観点からも両者は明暗を大きく分けたと言える。
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また、ドット絵に手間暇をかけたのは長期利用を見越したものだと思われたが、次々回作の『THE KING OF FIGHTERS XIV』でフル3Dの2.5D格闘ゲームに移行したため、ハイレゾドットは『XII』『XIII』2作品のみの短命に終わってしまった。
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『XIV』ではフル3Dモデルに変更されているものの、本作及び『XIII』で批判されていたキャラクターの作風については『XI』以前の物に戻されている。
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同時に上述した通り好評だったレオナの衣装などは本作のデザインを引き継いでいる。
移植版
対応機種
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プレイステーション3 Xbox 360
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発売元・開発元
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SNKプレイモア
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発売日
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2009年7月30日
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判定
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なし
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定価
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7,140円
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レーティング
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CERO:B(12才以上対象)
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ポイント
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シリーズ初のPS3/360発売作 キャラクターが2人追加 ボリュームはフルプライス不相応
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特徴(移植版)
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基板変更されたAC版同様、シリーズ初のPS3/360にハード移行しての発売となった。
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追加キャラクターとして、『2003』『XI』に登場したエリザベート・ブラントルシュと、『'96』で死亡して以来お祭り作品にしか登場していないマチュアの2人が参戦したが……。
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エリザベートはともかくマチュアは唐突な選出、必殺技が2つのみと未完成としか思えないため、「次回作用の素材からとりあえず入れてみました」感が漂っている。
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ちなみに両者共、衣装が大幅に変わっている。エリザベートは
残念な事に胸が隠れてしまっているが凛とした立ち振る舞いにはマッチしている。マチュアは普通のスーツに眼帯とよくわからないものだが…。
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移植版発売の発表が行われた後、『KOF』シリーズオフィシャルサイトのトップページに『XII』の画風で描かれたK'と不知火舞のイラストが掲載されたため、この2人が追加キャラになるのでは?と予想する声が多かった。
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キャラ人気的にも妥当な線…だった筈なのだが、まさかの不参加に終わったために「あの絵は何だったんだ」と少なからず突っ込みの声が挙がっていた。その思わせぶりの度合いは有名サイトでも取上げられた程である。
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後にこの2人は続編『XIII』で参戦しているので、予定はあったが家庭用発売までに完成が間に合わず中止になった
、もしくは家庭用をエサとして似た構図のイラストだけ用意したと見るのが正しいだろう。
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次回作の家庭用でもアーデルハイドのキャラセレクト画面のバストアップによく似た構図のイラストが発売前に公開されたが、その後本編でストーリー上メインとして扱われているにもかかわらず結局キャラクターとしては追加されないという似たようなことが起こっていた。
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ギャラリーモード、ネット対戦等を搭載。ネット対戦の出来は当時のプレイモアクオリティで、コンボなどを決める事は可能だが、ラグを前提に動く必要があり、本来の読み合いは殆ど成立しない。
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進行不能バグも存在していたが、現在はパッチで修正されている。
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元が元なので、オンラインにはオンライン対戦のトロフィー狙いでマッチング後に放置するプレイヤーか物好きしかおらず、何より、主にキャラと技の数においてフルプライス不相応の少なすぎるボリュームのせいで、中古価格もすぐに下落した。
最終更新:2024年07月21日 21:00