キャプテン ED
【きゃぷてん えど】
ジャンル
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シューティング
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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発売元
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CBS・ソニーグループ
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開発元
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グラフィックリサーチ
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発売日
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1989年8月25日
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定価
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5,900円
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判定
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クソゲー
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バカゲー
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ポイント
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意味不明のシステムに唐突なミニゲーム スベりまくりのギャグ ボスグラフィックは意外と良好
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概要
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音楽ユニット「
生福
」プロデュースのゲーム。
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しかしその内容は稚拙なシューティング、唐突かつ意味不明なミニゲーム、理解不能なシステムで盛りだくさんという、良く言えば前衛的な試み、悪く言えばプレイヤー置いてけぼりの怪クソゲーのテイストを放っている。
ストーリー
「エド星」にその人ありと称えられる名宇宙パイロット「キャプテン
ED
」がいた。平和な日々を送っていたある日、彼の恋人が「キョウ星」の恐怖の大魔王に攫われてしまう。恋人を必ず助け出すと決意するキャプテンED。だがキョウ星へたどり着くには、七福神の助けが必要だったのだ。しかしその七福神も、大魔法によって七つの宇宙に幽閉されているという。七福神を解放し恋人を救い出すため、キャプテンEDは宇宙へと飛び立った。
特徴
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残機制ではなくエネルギー制の縦STG。ダメージを受けエネルギーが0になるとゲームオーバー。武装はショットと近距離攻撃用のハンマーのみ。
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地上は自機サイズのパネルがタイルのように敷き詰められている。それ以外にはガススタンドとコンビニがある。
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パネルは緑、黄、赤、青の4色のいずれか。このパネルの色は定期的に変わる。
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緑色を通っても何も起こらないが、黄色を通るとダメージ、赤色を通るとダメージ+通行できない。また青色のパネルをハンマーでたたくとアイテムやワープポイントが見つかる場合がある。
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ガススタンドとコンビニは、ハンマーで叩くと行くことができる。
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ガススタンドでは、お金を使ってエネルギーの補給ができる。
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コンビニでは様々なアイテムが買える。アイテムの使用はプレイ中どこでもできる。
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何故か貫通弾が「おにぎり」や「なっとう」等だったり、復活アイテムが「たまご」だったりしている。この世界のコンビニには、普通の食べ物はないらしい。
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7つの宇宙を巡っていく。全7面。
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それぞれの宇宙の名称は「オダワラ」「ハコネ」「ハマナコ」「アライ」「クワナ」「オカザキ」「オオツ」。この世界の宇宙は、東海道と深い関わりでもあるのだろうか。
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ワープポイントに入ると、「おつげワールド」「トラップワールド」「ボスステージワールド」のいずれかに行ける。
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おつげワールドではパスワードが聞ける。攻略のヒントが聞ける場合もある。
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おつげワールドでは、ヒントをくれる二人以外に坊さんが出てくる。この坊さん、「シのせかいはそんざいする」とか、霊界に迷い込んでいるような事を宣ってくれる。もちろん知っても何の役にも立たない。
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トラップワールドでは、4連続のハイ&ロー、金が増減する3×4のエリアを1分間ただ歩くピクニックらしきもの、音ゲーもどきのいずれかをやらされる。
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ボスワールドではボスが待ち構えているが、コンビニで「こっとうひん」を購入しないと入る事ができない。
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ボスを倒すと、「かみさまワールド」に行け、七福神を助けられる。
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ボスは魔王の配下らしく魔物っぽいのだが、中には何故か某聖飢魔IIモドキやら、スピーカー背負っているのやらもいる。ボスに音楽要素を出すにしても、他にやり方はなかったのだろうか。
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七福神にはそれぞれ自機をパワーアップさせる能力があり、乗せていると効果がでる。ただし4人までしか乗せられない。残りは途中で手に入る宝船に乗せる事になる。
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ただ七福神のはずなのだが、寿老人と福禄寿がいない。代わりにいるのは「生福」の生方則孝氏と福田裕彦氏。確かに助けた時点は「わたしは、じゅろうじん」というのだが、その後自己紹介しだすと「オレ、うぶかただ」とか言い出す始末。
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あげくに"レコード"買えと宣伝までやり出す。もっとも本作の時代、レコードはもう消滅寸前なのだが。
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さらに生方則孝氏と福田裕彦氏とあるこっとうひんが揃うと、「合体神 生福」なるものに変身する。この時、突然画面がコンサート会場に様変わり。そしてしょぼいFC音源の曲を長々と聞かされる。結構辛いものがある。
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「べんてん」「だいこく」「びしゃもん」が揃った時も、「合体神 三面大黒」となる。その濃い顔と演出もある意味必見。
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他の七福神も、当時CBSソニーに在籍していたミュージシャンをモチーフとしているらしい。
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ストーリーでは七福神は、それぞれ七つの宇宙に閉じ込められているハズなのだが、実際には全員同じ場所に閉じ込められている。一応閉じ込められている部屋はバラバラ。
問題点
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ころころと色が変わるパネルは、鬱陶しいだけ。
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パネルの配置は考えられておらず、横一線に赤色が並びどこも通れないなんて状況もよくある。ただ救いは、画面下に追い込まれてもゲームオーバーにならない事。
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また全7面なのだが、各面の違いはパネルに描かれているイラストだけ。出現パネルに傾向などもない。実質全1面しかないのと同じ。
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苦痛なミニゲーム。
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いきなりなんの脈絡もなく、場違いなステージに飛ばされる。
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ミニゲームのなかでも、音ゲーはもはや苦行。しょぼいFC音源でノートの表示もなしにやらされるものだからかなり厄介。かと言って無視していると、結構な額を取られてしまう。嫌々でも付き合わざるを得ない。
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ピクニックも金の増減がランダムなため、動き回ったからと言って得になるとも限らない。しかし、1分間減っていくタイムを眺め続けるのもまた苦痛。
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ハイ&ローは可もなく不可もなく平凡。
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ボス戦以外は超低難易度。
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ガススタンドが頻繁にある、エネルギー補給のアイテムの出現率も高いと、ダメージ復帰が簡単。さらに無敵アイテムもよく出る。敵の出現数も少ないので、ボス戦以外ではまずゲームオーバーにならない。STGの爽快感なんてまるでない。
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最終面ではファイナルゲートにかみさまを並べてほしいと言われる。しかも制限時間付き。正しく並べないとラスボスに会えない。ノーヒントなので片っ端から試すしかないが、適当にやって当てる程度の時間はある。
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そしてラスボス面だが、なぜかプレイキャラクターがキャプテンEDとなり、ゲームもサイドビューアクションになってしまう。動き回るボスの攻撃範囲は画面半分ほどあるので、ほとんど避けようがない。
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実は、適当にゴリ押ししていれば終わる。というかそれ以外戦いようがない。接触時の無敵時間がほとんどないので、状況によっては一瞬でやられる場合もある。
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ボタンレスポンスが劣悪。名前・パスワード入力時が顕著でボタンを軽く押しても文字が二重に入力される事が多く、パスワードコンテニューが苦痛。
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生福プロデュースの割に、サウンドドライバが悪いのかプログラムがへちょいのかとにかく音源がファミコンであることを差し引いてもチープ。
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やはり音楽ユニットプロデュースだからか、BGMが変わるアイテムなんかもある。もっとも変わったBGMもやはりへなちょこ。
評価点
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ボスのグラフィックは結構描き込まれている。大型キャラの割には動きもスムーズ。
総評
土台となるシューティング、ミニゲームが稚拙かつ意味不明で、結果的にクソゲーの印象を強烈に与えている。
ファン向けのサービス、あるいは狙ったバカゲーの位置づけだったのかもしれないが、プレイヤー置いてけぼりで展開が進んだり、登場するギャグをことごとく外していたり、生福のコアなファンですら頭を捻るような展開が終始続いていく。
スタッフが好き勝手に出したアイデアを考えなしに混ぜ込んだような、カオスなゲームとなっている。生福の二人は、一体なにを表現するつもりだったのだろうか。
余談
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生福とは1980年代後半に活動していた音楽ユニットで、CD「内容の無い音楽会」(本作の翌日8月26日発売)はカルト的な人気があることで知られる。
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ゲーム中で宣伝していたのは、おそらくこれのことと思われる。しかし「内容の無い音楽会」のレコード版は存在しない。レコード世代なので、単に気づかなかっただけなのだろうが。
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メンバーの生方則孝氏、福田裕彦氏は現在も様々な形で音楽界で活動。
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ネーミングの元ネタはディズニーランドにて上映していた3Dメガネ必須ムービー「キャプテンEO」(マイケル・ジャクソン主演)。
最終更新:2025年01月04日 07:44