このページでは以下のタイトルを取り扱います。
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アーケード版『1943改 ミッドウェイ海戦』
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PCエンジン移植版『1943改』
1943改 ミッドウェイ海戦
【いちきゅうよんさんかい みっどうぇいかいせん】
ジャンル
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縦シューティング
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対応機種
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アーケード
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発売・開発元
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カプコン
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稼動開始日
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1988年7月
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プレイ人数
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1~2人
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判定
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ゲームバランスが不安定
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ポイント
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前バージョンよりステージ数4割減少 不自然に強化されすぎたショットガン いびつなステージ間難易度 一新されながらも高評価のBGM 思い切った機体デザイン変更も高評価
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カプコン19シリーズ
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概要
1987年にてアーケードにリリースされ、その新鮮なゲームシステムと完成度の高さにより人気を博した『19シリーズ』の二作目『1943 ミッドウェイ海戦』(以下『無印』)。『無印』ではいかに効率のいいアイテム回収をし、その場に見合ったショットを使いこなすかが攻略の鍵であり、当時のシューティングの中でも戦略性を要するゲームとして多くのプレイヤーに親しまれてきた。
今作はその1年後にリリースされたマイナーチェンジ版にあたり、あらゆる面で『無印』とは似て非なるパラレルワールドが展開される。そのためゲームシステムの説明は『無印』に譲る。
そのためリメイクや移植ではなくあくまで続編に近い新作として流通している。後年YouTubeで公開された制作者本人による動画解説(0:39~1:32,2:30参照)によれば、「追加生産された『1943 ミッドウェイ海戦』の一部が売れ残ってしまったため、在庫整理(と若手社員活躍の場を提供するため)の一環」として、難易度調整を行ったものをROM交換を経て『改』として流通させた(要約)」とプロデューサーの岡本吉起氏が明言している。
自機がシリーズの顔とも言える「P-38 ライトニング」から変更された事を筆頭に、艦船を除くメカデザインが一新されているのが最も目立つ変更点。
そのシステムを引き継いでリリースされた本作は確かに「改」の名をつけるに相応しいほど多くの変更点を伴ってはいたが、蓋を開けてみると『無印』より劣る部分や、あまりに尖りすぎた部分が生まれていた…。
メカデザイン変更について
少しでも史実要素を払拭しようと試みたためか、多くのメカデザインが大幅に変更された。
この点は『無印』や本作のコンシューマ移植版において、艦船の名前が三国志の武将のものに変更されている事などからも窺える。
自機デザインの大幅な変更
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自機は実在したアメリカ軍の双胴双発の戦闘機「P-38 ライトニング」ではなく、モデルと名称の明示されていない単発の複葉機に変更された。
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複葉機について概要を説明すると「非力なエンジンに適した主翼を持つ飛行機」であり、第二次世界大戦における戦闘機としては主流ではなかった。そのため史実らしい印象が大きく薄れる要因となっているが、この点はおそらくスタッフの狙い通りと思われる。
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複葉機ならではの特徴を活かして戦果を上げた機体や、純粋に高性能な複葉機が少数ながら実在していた点がポイント。兵器としての性能のみを考慮すれば、あながち荒唐無稽な選定とも言い切れない匙加減はとてもカプコンらしい。
敵機デザインの大幅な変更
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艦船を除き、ほぼ全ての敵機はデザインや配色が変更された。
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特にカプコンオリジナルの「亜也虎」は、『無印』における日本軍の(幻の)爆撃機「富嶽」を思わせるデザインから大きく変更されている。
問題点
本作の問題点は「ステージ数減少」「歪になった難易度バランス」に集約している。
ボリューム面
ステージ数の減少
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本作のステージ数は計10ステージである。これは『無印』の16ステージから約4割も縮小されてしまった数で、当然ながら『無印』からのプレイヤーからの不評を大いに買ってしまった。後述の難易度調整こそされているもののステージの内容自体は『無印』とほぼ同じ。しかもそのバランス調整にも難がある上に内容の削減を埋め切れるほどに至ってないため、単純に総プレイ時間が減少してしまうことになってしまった。
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削除されたステージには「ステージ1の「利根」」「ステージ13の「蒼龍」」「ステージ8の「飛龍」」といった史実のミッドウェイ海戦で重要な役割を果たす艦が含まれている。結果、エンディングで語られる4空母の内の2空母はいつの間にか撃沈された事になっており、「ミッドウェイ海戦」としては疑問が残る選定となっている。尤も『無印』でも「利根」や「飛龍」はリサーチミスにより史実とは大きく見た目が異なっていた。
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一方、カプコンオリジナルの巨大空中ボス「亜也虎」がボスであるステージは3ステージ丸々残っている。「海上ボスと空中ボスの割合を均等に近くする」事で展開の変化を大きくする(のと、史実要素を払拭する)試みであった可能性もあるが、それはそれで「ミッドウェイ海戦」というサブタイトルから考えると疑問が残る内容変更である。
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同じくカプコンオリジナルの大型機編隊「大飛龍」がボスであるステージは、2ステージから1ステージに減少。元々ボーナスステージ的な意味合いであった上にプレイ上のシチュエーションに幅を持たせるという観点では、1ステージ残すのは妥当なところか。
雑な難易度調整
以下の結果、簡単にしようとしたのか、難しくしようとしたのかがよくわからない「チグハグな」バランスと化してしまっている。
攻略するだけならレーザー、ショットガンを使うだけで済むが、それ以外の武器で挑む場合は敵の強化により『無印』よりも苦行を強いられることになる。
武器間バランス
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『無印』から武器の性能が見直されたが、「ショットガン以外は」どの武器にも使い道があった『無印』と比較すると武器の格差が広がり、後述の敵の強化とも相まってゲームバランスが大味となっている。なお『無印』の武器のうちマシンガン(オート連射)は削除された。
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【3WAY】前と斜め3方向に弾を発射。
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ボタンを押し続ける事でオート連射が働くようになるという、『無印』のマシンガンの性能を一部引き継いでいる。
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しかし高耐久の敵が増えた本作では完全に力不足となり破壊しきれない事が多い。一撃で落とせる雑魚相手ならば依然として強いので全く使えないわけではないが、ほぼ別の武器を取るまでの繋ぎになった。
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【シェル】真っ直ぐに威力の高い弾を発射。
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威力が通常弾の3倍に増加(『無印』では2倍)。さらには弱点であった弾速と当り判定も改善され、単体で見た場合だと使い易くなった…と思いきや、後述のレーザーと性能が被り且つ圧倒的に劣るため、せっかく強化されたのに使う場面が皆無になった。強いて長所を言えば「レーザーより少しだけ早く手に入る」「ボタン連射を必要としない」程度でそれ以上の長所は皆無。
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【レーザー】真っ直ぐに威力の高いレーザーを発射。
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『無印』では一部のステージでのみ使用できる隠し武器だったが、性能を調整されて標準装備となった。しかし依然として威力、弾速、連射速度の全てが異常に高く、さらには最大で3段階まで強化される為、非常に強い。
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その威力は適当に連射するだけでもボスを含め、ほぼ全ての敵があっという間に殲滅出来るほど。短所は「弾が消せない」「横からの攻撃に弱い」である。
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他の点の調整も意外と抑えめな方である。3段階目への強化に必要な隠しアイテム「招き猫」で得られるレーザーは『無印』のような超威力のレーザーではなく、少し威力が高い程度の物に収まった。しかもクリア後に没収される点もそのままなので、取るとかえって損をするようになってしまった。総じて『無印』からあまり変わっていないと言える。
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【ショットガン】敵弾をかき消す弾を扇形に発射。
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『無印』ではほとんど使えずに罠武器として敬遠されていたが、調整で一転して最強武器に。敵弾をかき消す能力はそのままに、射程が画面の約半分を埋めるほどに増加し、連射も出来るようになった。一律、通常弾と同じだった威力は正面以外の弾が通常弾の2倍、正面に放つ一回り大きい弾に至っては3倍と強化され、火力不足も解消。このため、レーザー以外の武器の立場はほぼなくなってしまい、極端な話、ゲーム開始時直後からショットガンだけを取り続けていれば問題がないほど難易度が低くなってしまったことにより、武器の使い分けという戦略性が消滅させてしまった。
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ショットガンの威力が高まった結果、攻撃力が敵の耐久力を上回ればショットが貫通するという仕様が適用され、大抵の雑魚は放ってきたショットごと粉砕出来る為、この点でも強さが際立っている。このためショットガンを連射するだけで敵弾が消え、避ける必要も無く勝手に敵が破壊されるという状態に。『無印』では緻密なパターンを組み立てなければ攻略不可とも言われるほどの強敵だったラスボスとその護衛艦隊でさえ、非常にあっけなく撃沈できる。
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但し、この表現は誇張ではないものの「ゲーム内容や敵のパターンをある程度以上把握したプレイヤー」からの感想だと思われる。当然ながら雑魚のバックアタックには無力であるし、ボス敵(特に亜也虎と後半の戦艦各種)の弾と撃ち負けてダメージを受けることはあるので、その点は注意されたし。
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中盤以降、道中に敵との体当りでエネルギーを消費し、ボス登場寸前でエネルギーがほとんど無い時に、撃ち負けた1回の被弾でミスになると言うケースもある。
敵の強化
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一撃で破壊できない敵の耐久力が上がっており、通常弾(or 3WAY)ではまともに戦えないほど硬い為、必然的にレーザーかショットガンのみを使用する事になり、ゲーム展開が単調化した。
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また、大型機のアルゴリズムが強化されており、特攻機の発射に加え、画面上に長時間残りショットガン以外では破壊できない炸裂弾を撃ってくる。
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エネルギー全快アイテムである「弥七」の数が激減し、基本的にエネルギータンクに格下げされている。
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この為、「亜也虎」ステージは『無印』よりもかなり難易度が上がっている。
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最終面付近になるとこの調整は行われずに前作と同様のアイテム配置になる。
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サイドファイターの耐久力が大幅に低下し、必ず一撃で破壊されてしまうようになった。もっとも出現/取得回数は『無印』よりも多いのが救い。
その他のバランス面
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前作同様、パワーアップが難しい。
Powに弾を打ち込むことでパワーアップ効果を変えなくてはならないため、プレイヤーは敵や敵弾に注意しつつ集中して弾を打ち込まねばならず忙しい。しっかりパターンを組まないと、弾を連射しすぎて欲しい効果を取り損ねてしまい、思った通りのパワーアップを取る事はできない。
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敵機に体当たりされた時のダメージも大きい。
前作同様、1度でも中型機とぶつかるとエネルギーのほとんどを失い、一気に持ち直しが厳しくなる。ステージによっては横や後ろから敵機が体当たりしてくる局面もあるので、そのような場面は出現パターンを覚えていないとあっという間にゲームオーバーになってしまう。
評価点
演出面の強化
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ステージが進む度に朝焼け→昼→夕暮れ→夜などと背景が変化していき、大きく代わり映えするようになった。
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敵艦撃沈時のデモ絵が『無印』の「普通の空色をバックに撃沈する」から「暗めの背景をバックに爆発炎上しながら轟沈する」に描き直され、迫力が増した。
ゲーム性の強化
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『無印』では、一部のアイテムが固定で出現していたが、今作ではほぼ全ての出現アイテムが自由に変化させられるPowアイテムになっている為、攻略の自由度は高くなった。また、サイドファイターもPowアイテムから出現する為、使用機会が多くなった。
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旗艦を完全に撃破した際、『無印』では艦橋が爆発していたが、今作では船全体を覆うほどの爆発に変更された。『無印』同様、爆発を撃ちこむ事でスコアが上がっていく。のでスコア稼ぎが熱くなった。
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さり気なく、艦橋の爆発のみ当たり判定が残っているので、うっかり接近していると巻き込まれて、撃墜される事も。主砲を破壊した際も当たり判定を伴う爆発が出現するようになったので、こちらも注意すべし。
一新されながら高評価のBGM
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BGMがほぼ一新され、単なるバージョン違いでは済まされない作り込み。
『無印』のBGMも非常に評価が高かったが、本作のBGMも『無印』に引けを取らないクオリティである。
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一部のBGMやジングルは『無印』のアレンジだが、重厚さと渋さを伴ったアレンジとなり、多くを占める新規曲の雰囲気に自然に溶け込んでいる。これらは『ソンソン』『エグゼドエグゼス』等の主だったタイトルのBGMを担当した河本圭代氏によるものである。
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特筆すべきはラスボスの艦隊戦。『無印』には無かった、威圧感に満ちた専用BGMが用意されており最大最後の戦いに華を添えてくれる。
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元々、本作である1943改全ての曲自体は出来ていたものの、当時のプロデューサーが全てボツにしたためサウンドチーム全員で曲を作り直した……と言う経緯があった事を作曲者の1人である藤田晴美氏が明かしている。
総評
『無印』の完成度が高いため、同じシステムを共有している本作もそこまで劣悪な完成度ではなく、上記のショットガンもアイテムを無視すればそれ相当の難易度でプレイ可能である為、決して遊べないゲームでは無い。
特にシューティング初心者には『無印』と比べてワンコインクリアが目指しやすくなったプラスの面もある。
しかし、マイナーチェンジで変化した点は、精々「グラフィック」「BGM」「少しの難易度調整」と少ない上に、更に難易度調整の結果、かえってバランスが悪化してしまった点が目に付く。
さらには特に理由もなくステージが削減されたためにプレイ時間が減少した上に、『無印』ではあまりの強さに伝説となったラスボスもショットガンの性能のチート化により容易に攻略が可能となった為にクリア時の達成感も薄くなってしまった。
結局、本作はプレイヤー側からもオペレーター側からも受け入れられず、あまり多く出回らず、マイナーな存在として影を潜める形となってしまった。
移植作品
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単体ではPCエンジンに、ナグザットによってアレンジ移植されている。
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また8機種にて、オムニバスソフトの中の一作として収録された。こちらはアーケード版改のほぼ完全移植である。
【SS/PS】『カプコンジェネレーション~第1集 撃墜王の時代~』に収録
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【PS2/PSP】『カプコン クラシックス コレクション』に収録
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【PS3/Xbox360】『カプコンアーケードキャビネット』に収録、全てのタイトルの購入の必要あり
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【Switch/PS4/XboxONE/Win】『カプコンアーケード2ndスタジアム』に収録
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余談
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本作で削除されたステージは移行しないように設定されているだけで内部的にはデータとして存在している。
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該当ステージの削除に伴い「艦隊戦B」が未使用BGMとなったが、PCエンジン版やオムニバスのサウンドテストなどで視聴する事が出来る。
1943改
【いちきゅうよんさんかい】
ジャンル
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縦シューティング
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対応機種
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PCエンジン
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メディア
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4MbitHuカード
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発売・開発元
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ナグザット
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発売日
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1991年3月22日
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定価
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7,200円
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プレイ人数
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1人~2人
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判定
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良作
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劣化ゲー
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シリーズファンから不評
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ポイント
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ゲームバランス上の不満をほぼ完全に改善 ショットガン一本では厳しくなった 本気すぎるオリジナルステージの存在
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カプコン19シリーズ
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ナグザットSTGシリーズ
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概要(PCE)
アーケード版『1943改 ミッドウェイ海戦』稼動開始から2年9ヵ月経て、まさかのPCエンジン移植。
ちなみにPCE版では「ミッドウェイ海戦」のサブタイトルはつかず、タイトルは『1943改』のみである。
当時のPCEには様々なアーケードシューティングが移植されていたのは確かなのだが、なぜ高評価な原作『1943 ミッドウェイ海戦』ではなく、不評に終わってしまった『改』の方が移植されたのかについては現在もシリーズの謎として、度々ファンの間で話題となる。
本作は基本的には丁寧なゲームバランス再調整を施されたアレンジ移植であるが、原作であるAC版を知るプレイヤーが見れば驚愕必至のオリジナル要素の数々は最早、伝説的。
単体のゲームとしての完成度は高いが、「移植とは何か」という点から考えさせられる一作となっている。
大きな変更点
元のAC版が1988年のゲームとはいえ、PCE版のスペックで完全移植をする事は厳しいためか大きなアレンジ化がされている。
大きな変更点としては、原作の10ステージのうち3ステージが削除され、その代わりにPCエンジンオリジナルステージがラストの方に4ステージ追加され全11ステージ構成となった。
これにより、結果としてAC版よりも1ステージ増加した事になる。
また、ボスの名称のほとんどがFC版を踏襲して三国志の武将のものに変更されていたり、一部演出に変更が見られるなど、外見上もある程度の相違点がある。
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名称は変更されているもののグラフィックはAC版から持ってきた為に、「キョシュウ」という空母なのに「赤城」の着艦識別文字の「ア」が残っている、ミスと思わしき部分もある。
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BGMもAC版とは異なる配分をされており、亜也虎IIIとガンリョウ(大飛龍)の戦闘BGMが入れ替わっているなどの差がある。
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同時に、チョウコウ(AC版の「伊勢」)ステージの艦隊戦にAC版で没となった「艦隊戦B」が使用されているといったアレンジも加わっている。
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本作でもステージの削減に伴いゲーム中に使用されないBGMは存在するが、テストモードで聴く事が可能。
オリジナルステージ
PCE版を語る上で欠かせないのは何といってもオリジナルステージの存在だろう。
ステージ7にて待ち構えるAC版のラストに該当するボスを倒すと、本来単発の複葉機であるはずの自機の空きスペースにオーバーテクノロジーなジェットエンジンが2つ搭載されるイベントが発生。
ここでまさかの機体強化がなされる事となる。
そして、第二次世界大戦が舞台だったはずの戦場は、何故か突然SFシューティングと化し、当時の水準では「本当に19シリーズか?」と思える『19XX THE WAR AGAINST DESTINY』を先取りしたような派手な世界観に豹変するのである。
しかも困った事に、AC版ステージよりも、凄く熱くて面白いステージ揃いであり、ここにきてテンションが急上昇してしまうという現象に遭遇してしまう。
メインであるはずのAC版ステージが箸休めで、オリジナルの方がメイン…といわんばかりに。
実際、オリジナルは各ステージの道中、ボス共に専用BGMが用意され、敵も大半がオリジナル。
ACの移植にもかかわらず、明らかにオリジナルの方に力が入っている妙な作りとなっているのだ。
評価点(PCE)
ゲームバランスの改善点
ゲームシステムは原則としてAC版基準だが、ショットについては高速フルオート連射が標準搭載された(オプションでOFFにもできる。)。
武器の種類ごとの大きな格差も再調整や高速フルオート連射の影響で是正されており、気軽にプレイしやすくなりつつ、総合的な難度がAC版よりかなり下がった。
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ショットガン
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AC版の代名詞ともいえた武器だが、性能が僅かに弱体化。
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相変わらず強力ではあるが、「適当にショットガンを撃っていれば終わり」という大味な戦法は通用しなくなった。
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レーザー
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こちらも相変わらず強力ではあるが、貫通能力が裏目に出る場面が散見されるようになった。
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扱いやすいものの、一概に「スーパーシェルの上位互換」とは言い切れなくなっている。
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3WAY
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AC版ではハズレ武器だったが、高速フルオート連射により大幅強化された。
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横画面になった影響がプラスに働いた武器でもあり、無印以来の選び甲斐がある武器に返り咲いている。
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スーパーシェル
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こちらもAC版ではハズレ武器だったが、やはり高速フルオート連射との相性が抜群。
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接射時の瞬間火力の高さがレーザーとの違いで、単純な下位互換とは言い切れない。
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初期ショット
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高速フルオート連射に助けられる形で、そこそこ以上の性能に強化されている。
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AC版では「武器の切れ目が命の切れ目」とも言えたが、体勢を立て直すには十分なだけの強化がされた。
その他、「全滅させるとアイテムを出す「赤水編隊」の出現数が増えた(1度に2編隊出現することも)」「敵機に体当たりされた時のダメージ量が減った」「武器アイテムの使用時間カウントが28秒→32秒に延びた」などの細かい難度緩和点も多い。
問題点(PCE)
AC移植の体を成していない
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本作はゲームバランスの改善やオリジナルステージが追加された事で評価を得ているが、純粋にAC版の移植としてみると、オリジナル再現度は微妙になってしまったと言わざるを得ないだろう。
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内容を見れば全ステージを移植する事も不可能ではなく、サウンドテストを見る限りオリジナル版のBGMも全て揃っているのだが、AC版のステージが削減されたことによって没になったBGMが出てしまったり、BGMの配分が意図的に変えられているせいで違和感が感じられるようになってしまった。
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特にオリジナルステージの存在はあまりにも世界観が変貌していて、忠実を求める原作ファンにとっては蛇足も甚だしいと思われているのも事実である。
総評(PCE)
オリジナルステージがあまりにも輝いているせいで「1943改の移植である必要性」自体が薄く、
「オリジナルステージを延長した完全オリジナル作で作った方が良かったのでは?」という声も多く聞かれる。
そういう意味で、移植としては微妙、オリジナルとしては良好、という複雑な位置付けにある一作ではないだろうか?
もちろんAC版ステージも完成度が高く、丁寧に移植した上で遊びにくい部分が全面的に改善された良調整なのだが…。
余談(PCE)
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オリジナルな内容にアレンジされたFC版『1943』と異なり、本作のEDはAC版の物とほぼ同じである。
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画面のレイアウトが異なる、英文がAC版の物の前半部分のみ、全て大文字で書かれる、
「Japanese」が「ENEMIES」に置き換わる、等がAC版と異なる。
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その為、タイトルからは省かれたものの本作の戦闘はAC版と同じミッドウェイ海戦という事になる。
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「U.S.NAVY」と明記されている上にアメリカ国旗も掲揚されるので
自軍側の国がアメリカであることも分かる。
もっともAC版を知るプレイヤーにとっては最初からその認識だったと思われるが…。
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本作と同じ19シリーズの『19XX THE WAR AGAINST DESTINY』では、亜也虎改や列車戦といったPCE版オリジナルステージに似たシーンが登場し舞台も未来の戦争なのだが、本作との関連性は一切不明。
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19XXの更に次作『1944 THE LOOP MASTER』では、前半戦終了時に本作オリジナルステージ突入イベントを彷彿とさせる「サイドファイターがオーバーテクノロジーな兵器を搭載したものに変更される」というダイレクトな強化イベントが発生する。
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いずれにおいても本作後半におけるSFシューティングらしいテイストを自然に継承している為、本作が19シリーズの転機となっていると言って差し支えないと思われる。
最終更新:2025年02月06日 17:28