エストポリス伝記II

【えすとぽりすでんきつー】

ジャンル RPG
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対応機種 スーパーファミコン
メディア 20MbitROMカートリッジ
発売元 タイトー
開発元 ネバーランドカンパニー
発売日 1995年2月24日
定価 9,980円(税別)
判定 良作
ポイント 『1』の100年前、先代の英雄を描いた前日譚
王道でキャラも魅力的なストーリー。前作以上に恋愛描写も特徴的
シンボルエンカウント制や謎解き要素によりダンジョン探索を改善
ボリュームややり込み要素も増え、一気にシリーズの代表作に
エストポリス伝記シリーズ


概要

『エストポリス伝記』シリーズの2作目。
時系列では前作『エストポリス伝記』の100年前にあたり、前作では「虚空島戦役」の英雄として語り継がれていた「マキシム」を主人公とした物語。

特徴

  • 戦闘
    • フィールドではランダムエンカウント、ダンジョンではシンボルエンカウント。エンカウントの頻度がひどかった前作の反省を生かして、本作のエンカウント率は抑え目になっている。
    • フロントビューだが画面手前にこちらのパーティーもドット絵で表示されており、パターンはあまりないが動く。
    • MPとは別にIPゲージという格闘ゲームの気力ゲージのようなものがあり、ダメージを受けると蓄積し、消費して装備品ごとに設定された特殊な効果を持つ技を発動可能。
    • 十字ボタンの上を押しながら決定ボタンで魔法、左+決定ボタンでアイテム、右+決定ボタンで防御、下+決定ボタンでIP技、ニュートラルに決定ボタンで通常攻撃。演出は飛ばせないがテンポは良い。
  • カプセルモンスター
    • 各地に封印(?)されている友好的なモンスターとして登場し話しかけると仲間となり、戦闘時には5枠目の仲間として一緒に戦ってくれる。だが若干不満も。詳しくは問題点で。
    • 総勢7体の個体が登場し、それぞれが異なる属性を持つ。通常攻撃と多くの特殊行動がカプモン自身と同じ属性を帯びている
    • 様々なアイテムを食べさせることで成長度ゲージが上昇し、最大まで貯まると上位の形態にクラスチェンジするという特徴を持つ。
      • 上位クラスになるほど安物のアイテムでは満足しなくなっていく。また、要求を無視して不相応に高いアイテムを与えると、喜んで食べるものの贅沢を覚えてしまい要求アイテムが高額化してしまうが、安いアイテムを与え続けることで贅沢を矯正できる。
  • 仕掛け満載のダンジョン
    • ゼルダの伝説よろしく、「アロー」や「フック」などの謎解き用アイテムを使った特殊アクションと、それらを駆使して解くダンジョンギミック群が大きな特徴である。
      • 「アロー」を使って届かないところのスイッチを押す、柱に「フック」を引っ掛けて溝を越える、「ボム」を受けるごとに変わるパネルの色をそろえるなど。もちろん単純なものばかりではなく、それなりに頭を使わないと突破できない仕掛けが数多くある。
      • ひときわ難しいギミックはクリアに必須ではなく挑戦が任意であり、詰まってしまわないように配慮されている。
        難問を解ければ強いアイテム入手など冒険への恩恵もあるため、解けた時の喜びもひとしお。
      • 更に、謎解き用アクション(アローなど)を敵シンボルに当てることで一時的に動きを止めることが出来る。硬直中に接敵すれば楽に不意打ちを取ることも可能。
      • 部屋に入った直後の状態に時間を巻き戻す「リセト」のアクションも用意されており、動かす順番が肝要な謎解きなどで手詰まりになってもすぐにやり直しが可能。
    • ダンジョン内はシンボルエンカウントであるため、先に雑魚敵を倒してしまえばエンカウントに煩わされること無く謎解きに集中できる。なかには雑魚敵のシンボルを利用して解くギミックも。
    • ボス戦前にはほぼ確実にセーブポイントが配置されており、序~中盤ならばセットで回復の魔法陣も配置されている場合が多く、「さすがに親切すぎる」との意見も少なくない。
  • やりこみ用ダンジョン「いにしえの洞窟」 
    • ストーリー中盤まで進めると挑戦できるようになる今作最大のやりこみ要素。前作の同名ダンジョンとは大きくルールが異なる。
      • カプセルモンスターも含めたパーティ全員のレベルが1からのスタート(出れば戻る)。
        侵入の度に全員が習得魔法の一切を忘れる、赤宝箱から魔法書を獲得すれば習得可能な仲間全員が使用可能になる。
        持ち込めるアイテムは10個のポーション(HP回復アイテム)と同ダンジョンの「青宝箱」から取得し持ち帰った装備のみ。
        入るたびに地形、敵、宝箱の配置と中身が変わる。階数は全99階。階を下る毎に敵が飛躍的に強くなる。
        アクションは草排除の剣振りのみ可。ごく稀に草の下にHP回復魔法陣が隠されている。
        途中脱出手段は地下21階以降の赤宝箱からランダムで出現する、専用アイテム「てんへのいのり」のみ。
        …といった具合に、外界とは一線を画すどころか、完全に別ゲー同然の高難度ダンジョンに仕上がっている。
  • 魔法まで忘れさせられ宝箱からの習得になる上、MP回復手段が限られており、浅層での魔術師系キャラはやや不利か(幸い今作に「魔法が使えなければ完全なお荷物」という仲間キャラは居ない)。
  • 持ち帰った青宝箱の装備はいずれも超高性能なものばかりで、いにしえの洞窟外でも存分にその強さを発揮できる。ちなみに「ガデスのつるぎ」「ひせき8種類*1」以外のすべての青宝品はこのダンジョンから持ち帰るしかない限定品。
    • いわゆる『不思議のダンジョン』系ローグライクゲームの雰囲気を模しているが、満腹度などはなく、戦闘は本編と同じ普通のコマンド入力式。そのためシステムやプレー感覚そのものはローグ系とはかなり異なる。
  • 20階を過ぎたあたりから青宝箱に化けた「ブルーミミック」が出現するようになる。本物との判別は難しく、強さもその階層ではトップクラス。
  • 深層ともなると本編では出番のなかった超強力な雑魚敵が行く手を阻む。膨大なHP、8回連続攻撃、超威力全体攻撃×2などなどまともに戦えば甚大な被害必至。深層ではなるべく戦闘を避けるのがセオリー。
    • 特にドラゴン系の面々はラスボスより危険と断言できるほどであり、装備も魔法も現地調達オンリーなので生半可なレベルどころか最高レベルでも苦戦は免れない。
  • 隠し要素「ドラゴンエッグ」と「エッグドラゴン」
    • 前作同様に今作も、世界各地の宝箱に散らばる「ドラゴンエッグ」という全8つの収集アイテムが存在し、
      8つ揃えて特殊NPC「エッグドラゴン」に全て渡すことで、4種のご褒美(沈黙耐性付きの強力な盾、能力や特定の属性の魔法を強化するアクセサリ、カプセルモンスターの餌、ドラクエで言うところのたねのセット)の中から一つを選択し貰うことができる。
    • 一度何かを受け取るとドラゴンエッグは再び世界中に散らばり、無作為に選ばれた世界各地の開封済の宝箱の中へ戻り、その宝箱は開封前の状態となる。
      世界中のダンジョンを探し回り、このドラゴンエッグを再び8つ集めて納品することで再度任意のご褒美を獲得可能。
    • そして今作では、この工程を4回繰り返すと「エッグドラゴンと勝負する!」が選択可能となる。今作最強の戦闘力を誇る裏ボスとして立ちはだかり、勝利すれば究極の性能のアクセサリと強力な武器が手に入る。
  • 「もういちど」と「おまけ」
    • 前作同様に、クリアデータがある状態で新規データ作成時に「もういちど」が選択可能。
      「もういちど」は戦闘で得られる経験値とお金が4倍にブーストされた状態でゲーム本編を最初から遊ぶモードである。
    • 更に今作は2回クリアで「おまけ」が出現。「いにしえの洞窟」単品を遊ぶことに特化したおまけモードであり、本編で一時加入扱いだったキャラも含む全仲間キャラの中から自由にパーティーを編成し挑戦できる。本編ではどうやってもいにしえの洞窟では使えなかったティアも連れて行ける。
      • なお、「もういちど」モード中でも前述のいにしえの洞窟内部での経験値・お金は通常(1倍)の獲得量になる。
  • 細かい仕様
    • 前作同様、誤って売りたくないものを売却してしまっても、中盤以降に訪れる「質流れ島」の特殊なお店で買い戻せる。
    • カジノが登場した。パチスロ、ブラックジャック、スタッドポーカーで遊べる。

評価点

  • ストーリー
    • 物語は、モンスター退治を生業としていた主人公がふとした切っ掛けから謎の女性に出会い、彼女の言葉に導かれて旅に出、道すがら目の前で起こる様々な地方の問題の解消していくうちに、世界を滅ぼす力を持った敵が現れ…といったよくある剣と魔法の冒険活劇である。
    • ただ本作はシナリオにラブコメ要素が含まれており、主人公とヒロインが中盤で早々に結婚、子供まで生まれてしまうのは中々に斬新だったかもしれない。
      • ラブコメ要素はプレイヤーの想定から一ひねりされた変化球となっており。人によっては(それまでのストーリーの流れから考えて)ヒロインに選ばれたキャラに違和感を感じるかもしれない。
    • 絶賛というほどではないにしろ、概ね好意的な評価を得ている。
  • ストーリー同様好みの入る部分ではあるが、サウンドの評価は概ね高い。
    • 特に通常ボス戦BGM「Battle #2」及び四狂神戦BGM「Battle #3」は高い評価を誇る。
    • サントラがやや高騰していたが、Iの楽曲を同時収録した「エストポリス伝記I・II -SUPER Rom Cassette Disc In TAITO Vol.1-」が2017年に発売された。
  • ダンジョンのみシンボルエンカウントとなったため、レベル稼ぎしたい時は部屋を行き来するだけで容易に戦闘することができ、謎解きに集中したい時は簡単に敵を避けることができるようになった。
    • フィールドはランダムエンカウントのままだが本作のエンカウント率は抑え目になっており、エンカウントの頻度がひどかった前作より改善された。
    • 逃走成功率は100%。手番が回ってくるまでに素早い敵からは攻撃を受けてしまうが、敵シンボルに触れてしまっても立て直しは非常に容易。
  • ダンジョンの謎解きはバリエーションが豊富で頭を使うものが多く、最後まで飽きずに楽しめる。
    • 前述したとおり、本作ではダンジョンに限りシンボルエンカウントとなっているため、じっくり考えることができる。
    • ただ、一度ダンジョンから出てしまうとまた解き直しになってしまうのが玉に瑕。
  • おまけダンジョン「いにしえの洞窟」がやり応え満点。
    • マップはランダムで生成され、拾える装備や魔法の内容も毎回異なるため、何回やっても新鮮な冒険内容となり飽きを感じづらい。
    • パーティ全員のレベルが1になる(魔法まで忘れさせられる)・持ち込めるアイテムが限られている・難敵が出現するため難易度は高いが、その苦労に似合う高性能なアイテムが手に入る。
      • 中盤から挑戦可能であり、潜れるようになった直後に通って高性能なアイテムを多く持ち帰ると本編のバランスが崩壊するのはご愛敬。
    • 本編だけではやや物足りないやりこみ要素を補って余りあるとの評判。「これ単体でゲームにできる」とも。
      • 実際に携帯アプリでいにしえの洞窟部分だけを切り取ったものが単独で配信されている。

問題点

  • 個性的な仲間キャラクターが主人公含め7人登場するが、本編ではPTメンバーがシナリオ進行度ごとに固定であり、編成の楽しみがない。(カプセルモンスターは除く)
    • 例えるならばFF4のように、最終決戦に臨む4人以外の仲間は一時加入のゲストキャラという扱いに近い。
    • 離脱する際にアイテムを装備したまま。復帰しないキャラに装備させておいたものはアイテム欄には戻らないが、その後「質流れ島」で売り出される(買い戻す必要がある)。
    • スタメンが必死で戦ってるのに控えメンバーは何をしているんだというRPGのご都合主義を避けたという捉えかたもできなくはないが……一応離脱するのにはちゃんとした理由がある。好きな男が別の仲間の女性を愛してしまったと知り、一緒にいるのが辛くなった。捨て身の敵の策略から仲間を逃がすため。環境への影響を顧みずに研究に没頭していた科学者が過ちに気付かされ、自然と共存した技術開発を行うためなど。
  • 終盤の回復魔法が強力すぎる。
    • 上級回復魔法「エスリート」は全体掛けしても回復量一人辺り300近くと、取得後しばらくはほぼ全回復、ラスボス直前でも一人が全体掛けに徹するだけで十分に回復が間に合うという凄まじい回復量を誇る。
    • 上級蘇生魔法「デルアル」は、戦闘不能の仲間をHPを2000回復しながら復活させる効果なのだが、なんとこれも全体掛け可能。全体掛けすれば蘇生確率こそ下がるものの、戦闘不能以外のキャラの傷も癒す全体500の回復魔法としても機能する。
    • 終盤に加入するアーティは素早さが高い魔法系キャラのため、ボスより先手を取る事も容易であり、単純な全体攻撃は一撃死しない限り上記の回復魔法を唱えるだけであっさり立て直しが効いてしまう。
    • 消費MPも相応に高いのだが、上記の通りボス戦前には大抵の場合セーブポイントと同時にHP、MP回復の魔法陣が置いてあるため、ボス戦でMPが切れる事はほとんどない。
    • ボスも状態異常などを絡めた戦法を取ってくるため一筋縄ではいかないが、回復に手数を割く必要があまりないため対応は比較的容易。複数体で現れ、強力な全体攻撃や即死攻撃、2回攻撃を連発してくる一部の雑魚敵の方が厄介と言う事も珍しくない。
  • 前作のオープニングが極めて珍しい意匠のもので、『2』の最終決戦=『1』のプロローグというネタバレ。
    • また、前作との辻褄を強引に合わせるためか「ライト」という魔法はこの時の演出のためにしか使われていない。
    • ただし、ラスボス撃破後に前作のオープニングに無いシーンが追加されている。前作のオープニングが仲間によって伝えられた話とするならば、追加シーンは伝える事の出来なかった主人公しか知らない部分と言える。
  • ラストダンジョンが演出重視となっているためラスボスを含めて難易度が易しすぎる。
    • 上記の『1』のプロローグでの無双感を忠実に再現するかの如く、ラストダンジョン突入直前に専用のイベント武器獲得という形で主人公に強烈な強化が施される。
    • その武器の性能たるや、特殊技が完全にバランスブレイカー(自身にHPMP完全回復+全能力大幅アップ+ステータス異常予防)と言える上に、その特殊技の発動に必要なIPゲージはラストダンジョンでは戦闘毎に自動でマックスになる。
    • 上記のイベント武器入手までゲームが進行すると、怒涛のイベントラッシュを経てラストダンジョン突入まで自動で進行し、ラストダンジョンに雑魚敵が一切配置されてない事も難易度低下の原因となっている。
      • 物語クライマックスに差し掛かると、エンディングまでセーブが出来ない仕様のため、主人公専用のイベント武器(と主人公専用の最強の盾)はラストダンジョンの外で持ち歩くことは不可能となっている。
    • 敵側の戦闘力も決して低い訳ではない。多彩かつ強力な魔法、こちらの攻撃を反射する技、複数の状態異常を一度にかける全体攻撃などまともに戦えばかなりの強敵だったのだろうが。
  • 「ドラゴンエッグ」と「エッグドラゴン」に関する不具合
    • エッグが世界中に散らばる処理の際に、エッグが入っていた宝箱だけでなく、今まで主人公が開けたことがある全ての宝箱からランダムで再配置先が決められる。この処理の厄介な点として、シナリオの都合で深部へ侵入不可能になったダンジョン内の再訪不可の部屋の宝箱が選ばれてしまう可能性があり、運悪くその宝箱が選ばれてしまうとイベント進行不可能に陥ってしまう。
      • ご褒美をもらう前にセーブし、再び集める時に再訪不可の部屋を含むダンジョン入口でダンジョン内の未開封宝箱の数を調査するアイテム「トレジャーソナー」を使用し反応したらリセット。という手段で一応対処はできる。
    • 戦闘時のエッグドラゴンのHPは65000以上と非常に高いのだが、アイテムを使うなりしてエッグドラゴンのHPを回復させてオーバーフローを起こしてしまえば極めて簡単に勝利できてしまう。早い話が『聖剣3』のブラックラビと同じ問題を抱えていた。
  • カプセルモンスターがあまり役に立たない。
    • まずカプセルモンスターには指示が出せない。倒されても戦闘ごとに完全復活して戦ってくれるという強みもあるのだが、強力な攻撃或いは回復技を使ってくれるかは運次第。
    • 基本的に回復・補助の対象として選べない。彼らを支援するには一部の装備品固有の味方全体に効果があるIP技(被ダメージで溜まるゲージを使用)を使わなければならない。
      • では基本能力が高いのかというと別にそれほどでもなく、良くも悪くも添え物程度の活躍になりがち。しかもステータスのGUTの低いカプセルモンスターはHPが減ると勝手に逃走してしまう。倒されるか逃げてしまった戦闘ではカプセルモンスターに経験値が入らない。
    • 様々な属性のカプセルモンスターがいるため、相手によってモンスターを変えて弱点を突ける…といった戦略性は確かにあるのだが、この作品の属性は相反する属性同士が互いに弱点を突き合う仕様となっており、大抵カプモンが殴り負けてしまう。
      • 例えば、炎体質相手には水攻撃で大ダメージといった状況でも水側が一方的に強いというものではなく、同時に水体質は炎攻撃で大ダメージとなる。
    • プレイヤーが使用条件の厳しい補助技で助ける前に力尽きるか逃走してしまうため、実際のプレイ中は2、3手動けたなら上出来といった感想となり、特にボス戦ではこの傾向が顕著である。
  • 前作とのシナリオの矛盾点が多い。
    • 前作では虚空島は何の前触れもなく現れたと語り継がれているが、本作では敵側の様々な破壊工作の後に現れている。
    • 前作ではマキシムの武器は二刀流なのだが、本作では一刀流である。
    • 前作ではガイの部隊に所属していたという老人が存在するが、本作ではガイが部隊を持っていたという描写は無い。
      • 但し、単体で見た場合本作のシナリオは良く纏っており、矛盾点を差し引いても良質なシナリオだという意見は多い。
      • 前作は約100年後の世界であるため、矛盾点についても年月の経過で伝承がやや歪められた結果と考えることもできる。

総評

オーソドックスなRPGながらも、良質なBGMや個性的なキャラクター、充実したやり込み要素で今でも根強いファンを持つ隠れた名作。


その後の展開

  • 実はこのシリーズは3部作の予定で、PSで『エストポリス伝記III ルーインチェイサーズ』が開発され、予告ムービーまで発表されていた。しかし当時版権を所有していた日本フレックスが倒産。その後再びタイトーに版権が移るも、開発は再開されずお蔵入りとなってしまった。
    • ちなみにその後、タイトーからGBCで『エストポリス伝記 -よみがえる伝説-』(舞台は初代からさらに約100年後)、GBAで『沈黙の遺跡 -エストポリス外伝-』(舞台は『II』から数年後)という外伝作品が2つ発売された。
      • GBC版『よみ伝』は当初発表されていた『III』と同じ時代が舞台の作品ではあるが、ストーリーはあくまでも外伝の域を出ない。
      • GBA版『遺跡』の方にはオリジナルスタッフは携わっておらず(アトリエドゥーブルが開発)、サントラでもシリーズから省かれている。しかし『遺跡』のみエストポリスシリーズで唯一Wii UへVC配信されている。
  • ここでシリーズは終わってしまうかに思われた……が、なんと2010年2月25日にDSでリメイク作『エストポリス』が発売決定(発売元はスクウェア・エニックス)。しかも開発担当は当時のオリジナルスタッフであるネバーランドカンパニー。ファンを狂喜乱舞させた。
    • 発売元がスクエニになったのは、エストポリスシリーズの版権を持つタイトーがスクエニの子会社になり、その後コンシューマー部門が「タイトーソフト」として分割、スクエニに吸収合併された為。
    • ちなみにシステムはアクションRPGに変更され、ストーリーは本作をベースに、キャラデザインなどを大幅にアレンジしたものに。
    • 発売後の評判は「シナリオはガッカリだが、ARPG部分は良作」というのが定説。
  • その後も2013年11月29日に開発元であったネバーランドカンパニーの倒産もあって、新作が出る見通しは立っていないが、何らかの形で3部作の完結編を望む声はいまだに存在する。

余談

  • 中盤頃に四狂神ガデスと戦う負けイベントがあるが、装備を整えレベルを多少上げれば戦法次第で倒せてしまう。勝利しても結局敵に吹き飛ばされてしまい負けた時と同様の流れになるものの、勝利すればガデスのつるぎという強力な剣が手に入るため、負けイベントの例として話題に挙がる事もしばしばある。
  • サントラにプレミアがついていたが、後にアレンジやGBで出た続編の楽曲も収録した新盤(06年サイトロン盤)が発売された。2017年にもクラリスディスクから新盤が発売されたが、こちらにはGB版の楽曲は収録されていないため注意。こちらはBGMの2ループ化、リマスタリングが行われており、サイトロン盤とどちらがよいかは比較が難しい。
  • CMがあったがマキシム(主人公)とセレナ(ヒロイン)が名前を呼び合いながらも引き裂かれていくというもので、有り体に言って意味不明。宣伝効果はあまりなかったと思われる。
    • なお当初は94年12月に発売予定で初弾のCMでもそう宣伝されていたのだが延期となり、95年2月版のCMはベースは同じながら演出が微妙に変わっていた。
  • 前作は『ニンテンドーパワー』のローソンでのソフト書き換えサービスのラインナップの1つに選ばれたが、続編のこちらは何故か選ばれないまま書き換えサービス自体が終了。もし選ばれていれば容量的に2作が丁度カートリッジ一本に収まる形になっていたのだが実現はしなかった。
  • 2009年発売の『スーパーロボット大戦K』のBGMに今作のBGM「地上を救うもの」が盗用されていることが話題となり、バンナムも盗作を認め公式に謝罪した。
    • 残念な事件ではあったが、今作のBGMのクオリティーの高さを物語っているといるかもしれない。
    • 偶然にも本件の直後に上記リメイク版『エストポリス』が発表されることになったため、怪我の功名的ではあるが本作の話題性アップには繋がった。
  • 2022年2月14日にTBSで放送されたテレビ番組『北京オリンピック 羽生結弦インタビュー&カーリング日本VS韓国』にて、羽生結弦選手が本作が自身の原点の作品であることを公表した。
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最終更新:2024年01月25日 08:18
添付ファイル

*1 みず、いかずち、つち、かぜ、やみ、なまず、カミュ、おおぐも