イースSEVEN

【いーすせぶん】

ジャンル アクションRPG
通常版

ダブルセット版

トリプルセット版
対応機種 プレイステーション・ポータブル
Steam
メディア UMD 1枚
発売・開発元 日本ファルコム
発売日 2009年9月17日(限定ドラマCD同梱版、通常版)
2010年3月18日(イースI&IIクロニクルズとのダブルセット版)
2011年3月26日(イースI&IIクロニクルズ、イース -フェルガナの誓い-とのトリプルセット版)
2017年8月31日(Steam版)
定価 限定ドラマCD同梱版:7,980円
通常版:6,090円
ダブルセット版:7,900円
DLセット版5,200円
トリプルセット版:9,240円
Steam版:2,480円
レーティング CERO:C(15歳以上対象)
廉価版 PSP the Best:2011年7月14日/2,940円
判定 良作
イースシリーズリンク


概要

  • 日本ファルコムの長寿シリーズ、『イース』シリーズのナンバリング第7作目。
    同社が『空の軌跡』シリーズなどの移植で足場を作ってきたPSPでの新規作品。
    • 以前から構想があった『アルタゴの五大竜』を元にしている。
    • キャッチフレーズは「終焉と創造の大地へ――」
  • ゲームシステム
    • パーティプレイの導入
      • 主人公のアドル固定+他2人の3人で編成でき、操作キャラクターはいつでもワンボタンで変更可能。
        操作キャラ以外は追従し自動で攻撃もしてくれるAI搭載。
      • パーティ内のキャラによって与ダメージ増加などの支援効果を得られる。
      • これまでは操作キャラは1人だけで、外伝的作品を除けばアドルのみだった。(一時的な同行キャラがいたことはある)
    • 味方の攻撃と敵の弱点には斬・打・射の三属性があり、敵に合わせたパーティ編成・交代が必須。
    • 更に回避、ガード及びスキル等の様々なシステムを搭載し、シンプルなARPGだったこれまでのシリーズから大きく進化した一作。

評価点

  • 7人の個性のあるキャラクターによるパーティプレイが面白い。
+ 使用キャラクター

上述の通りパーティはアドル固定+他2人の3人

キャラクター 武器 攻撃属性 得意距離 支援効果 備考
アドル 近距離 攻撃命中率上昇 イースシリーズ主人公。「赤毛のアドル」
後半からは打・射属性の剣も手に入り、唯一の属性切替可能キャラ。
攻撃モーションも3種の属性で全て異なる。
ドギ ナックル 近距離 与スタン値増加 アドルの相棒。通称「壁壊しのドギ」
全キャラクター中で最高の攻撃力を誇る。リーチは短いが出は早く、スキルも使いやすい。
アイシャ 中距離 EXTRA入手量増加 アルタゴ公国のお転婆公女。ツンデレヒロイン。
同じタイプのマイシェラと比べて手数と足回りで優れる。
エルク 双刃
※両端に刃のある剣
近距離 ゴールド取得量増加 森の集落《シャヌアの里》の里長の孫。村の掟に反抗的だが腕はあるガキ。
盗みスキルやバリアを張るEXTRAスキルなど若干変則系。
全キャラクター中最高スピードを誇る。
ムスタファ ハンマー 近距離 与ダメージ増加 砂漠の集落《セグラムの里》の里長。真面目なガタイも良い兄貴。
同じタイプのドギと比べて補助スキルも持つ。
攻撃スキルが微妙性能で「使いにくい」との意見もあり、彼自身は敬遠されやすいか。
マイシェラ
※杖を使った術
遠距離 被ダメージ減少 高地の集落《カイロスの里》の里長。目を常時閉じているが、風を察知することができ戦闘には支障ない。
誘導弾など変則的なスキルが多く、アイシャに比べると若干攻撃力・命中力寄り。
27歳でへそ出しルックという挑戦に惹かれる人は多い。
ガッシュ ハルバード 近距離 経験値取得量増加 『イースVI』から登場の「黒の傭兵」
符術のスキルやお供の妖精を呼ぶEXTRAスキルなども持つ。
格好つけて登場したり勿体ぶるが、結局のところそうでもない。パシリ

※ムスタファとマイシェラの支援効果はゲーム中の表記は逆になっている

  • AIが意外に優秀。
    • 連れている仲間も攻撃し、敵に攻撃されれば体力が減るのだが、下手な人ほど交代時にHPが全く減っていないことに愕然とすることになる。それくらい頭がいい。
    • 仲間が障害物に引っ掛かっても2秒程で操作キャラの近くにワープしてくる為、他のNPCを使うRPGよりも快適。
    • 操作キャラがスキルを使用すると仲間も同時に発動してラッシュをかけてくれる形になる。なおこの時の消費スキルポイントは操作キャラの初手の使用分のみ。
    • 副作用として、かなり段差のある場所などの敵に反応しやすく、攻撃しようとするができないままで固まることが結構ある。
  • フラッシュガードの秀逸さ。
    • 敵の攻撃に合わせタイミングよくRボタンを押しながらLボタンを押すことで、敵の攻撃を無効化できる。ヒットストップやエフェクト・SEなどの演出により、成功時の爽快感が高い。
    • ガードに成功すればSP・EXゲージを得ることができる。またガード後から一定時間ガード成功キャラの攻撃が必ずクリティカルになる。
    • どんな攻撃でも無効化することができ、連続でガードすることも可能である。反面、ガードに失敗すると通常より大きなダメージを受けてしまう。
      • このように、防御行動が攻撃行動に作用することから、戦略性が多いに増した。
      • フラッシュガードは全く使わずとも十二分にクリア可能。攻略に必須ではないがリスク・リターンとも大きく極めがいもある、という良要素。
  • 音楽は安心のファルコム印。熱い。
  • 戦闘ボイスは「無し」「アドルのみ無し」「全員あり」の選択が可能。
    • 『イースII』*1、『イースIII』のオリジナル版およびオリジナル版ベースの移植版、『イースIV』、『イースvs.空の軌跡 オルタナティブ・サーガ*2以外の喋らないアドルの配慮だと思われる。エンディングクレジットでも、アドルのみ声優名が記載が無い。
      • おそらくファルコムの開発スタッフがアドルのボイスを収録した模様。
  • 五大竜戦が非常に熱く、特に1、3、4、5番目のボスは非常に演出がいい。また、五大竜戦のBGMはファルコム主催のライブで生演奏が行われた。2chの人気投票*309年度新曲ランキングの1位を獲得した。
    • 但し、3番目のボスは見た目の風貌から、ネタボス(笑)扱いになっている。
+ ネタバレ・フラッシュガード、アドル使用でノーダメージで挑む五大竜3番目のネタボス戦、難易度ナイトメア

  • スタンとボスに対するRUSH。
    • 敵のスタン値を一定以上溜めると一時的に動かなくなり、大ダメージのチャンス。
      • またボス戦には「RUSH」というタイミングがあり、この時に強力なスキルなどで一定数値以上叩くとスタンに成功し、失敗すると大ダメージの攻撃を受ける。
  • ロードの短さを中心としたプレイの快適さ。
    • ディスクメディアを採用しているPSPではロードの長さが顰蹙を買うことも多いが、この作品ではまず「Now loading…」という表示を見ることがほとんどなく、数秒の暗転で済む場合が多い。10秒を超えるロードは皆無。
  • 他の近年のファルコム作品同様、難易度をイージーからナイトメアまでの4つから選択できる。
  • 致命的なバグなども見つかっていない。

賛否が分かれる点

  • 斬・打・射の属性による攻撃があるが、この中で斬の性能が優遇されている。
    • 射属性は打属性が弱点の敵に対してはどんなに攻撃力が高くてもノーダメージ。打属性も射属性が弱点の敵にはまともにダメージを与えられない。しかし斬属性は相性が悪くてもダメージ軽減で済む。
    • ただし、一番優遇されている斬属性でも、よほど攻撃力が高く無い限り相性が悪い相手には大したダメージを与えられないため、結局は各属性を一人づつパーティに組み込むのが理想となる。そのため斬属性のキャラクターが大きな優遇を受けているかと言えばそうでもなく、あえて言うなら、武器を変える事により各属性を使い分け可能な主人公のアドルが最も優遇されているキャラクターと言える。
    • とはいえこれも、パーティにアドルがほぼ必ず居る・3人で属性を3つ備えておく必要性から考えると、アドルの属性を変えられないと斬属性キャラが入れないなどの必然性故である。
  • ボタン操作が少し煩雑。慌てるとバトル中にスキルを使用したはずが、アイテム欄を開いてしまったりする。
    • スキルを出す操作はRボタン+△□×○ボタンのいずれか。Rボタンがちゃんと押せてないと↑のような事が起きる。
  • ストーリーはよくも悪くもイースらしい。テンプレ通りで重厚さに欠くとも言える。
  • ストーリーの作り込みが甘い為に、2~3名ほどストーリーから逸脱したキャラクターが存在する。
  • ストーリーの都合上、途中一時離脱や完全離脱するキャラクターが存在する(どちらも代理キャラクターが存在している)。
    • ただしそこまで不満は出ていないどころか、あるキャラに至っては歓迎される始末。このロリコンどm
  • ネタバレになるので深入りは避けるが、全キャラクターの育成は必須。
  • 「詰め将棋」とも言われるボス戦バランスは健在。死んで覚えるタイプのゲームが苦手な人は敬遠したほうがいいかも。
    • ただし『I』や『III』のような極端なものではなく、『VI』以降と同じく適正レベルから更に鍛えれば難易度の緩和も可能な範囲。
  • 予約特典が、本作どころかイースシリーズと全く関係の無いゲームである「『英雄伝説7』極秘設定画集」であった。
  • キャラクターデザインが『零の軌跡』や『SO4』等で知られるエナミカツミ氏に変わったが、それまでの画風とは異なるもののため、既存キャラの変貌ぶりに購入を避けているファンもいる。
  • スキルが良くも悪くもイースというかアドルには違和感が若干ある。一番突っ込まれるのが最終取得になるであろう「星方陣」。
    • 他に関してはまだ「剣技」っぽいが(それでも剣からオーラを出したり真空の弾を飛ばしたりする)、件の技は地面に五芒星の陣を描くように高速で攻撃し、最後に陣から光の一撃が発生するというもの。
      • ちなみにこれに対し「あれは半キャラずらし体当たり*4を高速でやってるんだよ」と返すのがネタとなっている。
      • 一応、設定上はアルタゴの武器には《竜気》という力が宿っており、それによりスキルが使えるということになっている。
        ある意味すべての武器が魔法の武器。

問題点

  • 『イースVI ~ナピシュテムの匣~』をプレイしていないと一部分からない場面がある。
  • ボスが出てきた!→いきなり戦闘 という説明不足なイベントがある。
  • クエストと合成の二つのシステムが殆ど蛇足。モンハン?
    • 特に最強武器、最強防具とパラメーター強化アイテムの素材のめんどくささはトップクラス。
  • クリア後のおまけがない。
    • いままであったボス戦のタイムアタックすら無い。
  • データがコンプリート出来ないという不可解仕様も存在する*5
    • ボス戦でしか登場しない雑魚敵も存在する。
    • チュートリアルを飛ばすと会えない雑魚敵も。当然以降で埋まるチャンスは無い。

総評

  • もともとはPCゲームメーカーであるファルコム。PSPでの続編には否定的なファンも少なくないが、ゲームとしての出来は良く、この作品のためにPSPを買う価値は十分ある。
  • 2010年RPGFan E3 2010アワードにおいてベストRPGを獲得した。 これはメーカー初の快挙である。
  • しかし、過去の構想*6を使い切っている事もあり、次回の新作が正念場といっても過言では無い。
    • もっとも、本来イースという作品は2作で終わるはずだった*7代物ではある。
    • 中国では2012年春にWin版がリリースされることがきまっている。

余談

  • 週刊ファミ通No.1092の『桜井政博のゲームについておもうこと』において、桜井氏がこのゲームを非常に褒めまくっていた。
  • このゲームシステムを使った『イースvs.空の軌跡 オルタナティブ・サーガ』が発売。が、こちらは対戦アクションとしては飽き易い凡ゲーになってしまった。
    • 本作の一部の楽曲やOPムービーが収録されている。イースSEVENで没になった曲が、この作品で採用となっている。
    • イースSEVENでネタキャラになっているとあるキャラクターがこのゲームの本編、ドラマCD込みで更にネタキャラになっている。
  • ファルコムのWindowsゲーム『ZWEI II』の未使用データに本作に関連のある物がいくつか含まれていた。
  • イースシリーズでは最もCERO判定が高いものになっている。他作品は流血や恋愛を示唆する要素のせいだが、本作では 拷問シーン が追加されているからである。逆に、前述の流血や恋愛シーンはほとんど見られない。
  • ファルコム純正イースでは、 唯一副題が存在しない 。一応冒険日誌によれば「アルタゴの五大竜」にあたるため、仮につけるとしたらこれが無難か。
  • ファルコムによる最後のPSP作品となった『那由多の軌跡』は、本作のエンジンを流用している。ジャンルもイースと同じアクションRPGであるため、よく比較される。

Steam版について

  • 2017年8月31日にSteamにて配信開始。発売元はXSEED。基本的な点は変わりがないが、以下のような変更点がある。
    • PCに合わせた解像度やフレームレートの設定が可能になり、高画質で楽しめるようになった。
    • キーボード・PCコントローラーに合わせて、エクストラスキル発動のボタンが独立化された。また、キャラ変更も逆順に変更することも可能になった。
    • 基本的にベタ移植なので、移植にあたって追加された要素などは存在しない。
      • また、日本語ボイスは未収録で、ボイスは英語のみしか収録されていない。違和感がある場合は、原作同様ボイスを消すことができる。
    • Steam実績の対応。一通りやれば大半の実績が取れる程度の難易度である。