沙羅曼蛇 PORTABLE/ツインビー PORTABLE
この項では『沙羅曼蛇 PORTABLE』と『ツインビー PORTABLE』の2作品をまとめて扱います(移植の方向性、評価点および問題点が似通っているため)。
沙羅曼蛇 PORTABLE
【さらまんだ ぽーたぶる】
ジャンル
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シューティングゲーム(オムニバス)
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対応機種
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プレイステーション・ポータブル
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発売元
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コナミデジタルエンタテインメント
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開発元
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M2
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発売日
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2007年1月25日
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定価
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3,980円(税別)
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廉価版・配信
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コナミ・ザ・ベスト:2008年3月13日/2,800円(税別) ダウンロード版:2009年7月30日/2,409円(税10%込)
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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良作
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グラディウスシリーズ
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概要(S)
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コナミのシューティングゲーム5本をまとめて収録した、PSP専用作品。内訳は以下の通り。
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AC『沙羅曼蛇』
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AC『ライフフォース』
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AC『沙羅曼蛇2』
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AC『XEXEX』
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MSX『グラディウス2』
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『沙羅曼蛇』『ライフフォース』『沙羅曼蛇2』は、デラックスパックの再移植では無く、ACからの完全移植となっている。
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また『XEXEX』は初出メディアから初の完全移植になる。
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本作の収録作品は『XEXEX』を除きグラディウスシリーズであるため、実質“グラディウスポータブル2”と言える内容となっている。
評価点(S)
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PSPというメディアが携帯機なので、連射による手ぶれで精密操作が向いていないのを考慮してか、全ゲームに連射ボタンを採用。
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元々フリント切り離し時のみフルオート仕様の『XEXEX』の連射ボタンは、実質フリント装着時専用といえる。
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往年の名作と誉れ高い『沙羅曼蛇』を始めとする『沙羅曼蛇』名義のグラディウスシリーズ作品に加え、『グラディウスII -GOFERの野望-』スタッフの手による隠れた名作『XEXEX』、MSXユーザーから絶大な支持を集めた『グラディウス2』が同時収録。
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『グラディウス2』はオリジナル版に加えて、滑らかなスクロールなどを実現したリファイン版も収録。
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更にギャラリーモードとして全作のBGMを聞く事が出来るモードも搭載。擬似サウンドトラックCDとしても機能。
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このモードではMIDIPOWER収録のMIDI音源アレンジや『沙羅曼蛇』及び『沙羅曼蛇2』の未使用楽曲も聞くことが出来る。
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ただ『沙羅曼蛇』の未使用楽曲は全体の一部しか収録されていなかったり、『SUPER MIDIPOWER』収録の『沙羅曼蛇2』アレンジが未収録なのが残念。
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ロードがゲーム起動・ゲーム選択決定後にしか挟まれない。
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つまり、ゲームを一度選んでしまえば他のゲームにしない限りはロードは無い。
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プレイ中に電源を切ってスリープモードに突入しても、自動的にスタートボタンを押したメニューモード、休憩モードに突入するのも地味に嬉しい。
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ほぼ完全移植。更に『グラディウス2』に至っては、背景のスクロールを自然な物にしたアレンジ版と、MSXのスクロールを再現した2バージョン収録。
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充実したオプション
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キーコンフィングでボタン設定ができる。ショットとミサイルを同じボタンに設定して同時発射することも可能。
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難易度や残機設定ができるほか、『グラディウス2』では「コナミのゲームを10倍たのしむカートリッジ」といったダブルスロットやキーボードを使った裏技も再現可能。
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更に隠し要素のエクストラオプションでは、スローキー、2周目スタート(『XEXEX』『沙羅曼蛇2』)、ダブルプレイ(1つのPSPで2人同時プレイ)など、様々な設定ができる。
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加えて、『XEXEX』ではステージ間のストーリーデモのみを再生する事が出来る機能も登載。
これでイレーネ姫のムフフなシーンや「私自らが出る!」のシーンもいつでも見られるぞ!
問題点(S)
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通信プレイでの2人プレイが不可能。
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これは他のポータブルシリーズでも同様の仕様になっている。本項目の2作に限り、ダブルプレイで一応協力プレイを再現可能。
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本作収録タイトルで協力プレイをしたいのなら、後にPS4/Switchで配信されたアーケードアーカイブス版沙羅曼蛇等の他機種移植版をプレイするしかない。
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携帯機なので画面が小さい。シューティングというジャンルである以上、画面の大きさとゲームバランスはイコールになりやすい。
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一応2000番以上のPSPならば別売りのケーブルを接続する事でテレビでも遊べる。
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だが外部コントローラー使用が不可能などの問題もありアーケード環境の忠実再現は出来ない。
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一部タイトルの再現性
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『XEXEX』の確実に1UPを出せるテクニックが再現されておらず、1UPの出現は全て運まかせ。
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その為、ACと同様の残機が多い状態でゲームを進めるには、オプションの残機設定をいじるしかない。
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沙羅曼蛇(ライフフォースも同様)の音源が少し再現されていない事がある。
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『グラディウス ポータブル』『パロディウス ポータブル』には搭載されている中断セーブ・ロード機能がない。
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本作とは開発元が異なるとはいえ上記2作にて好評な点であり、同じメーカーの名作シューティングのコレクションソフトであるため(特にパロディウスは同時発売でもあるため)比較対象にされやすい。これは『ツインビー POTABLE』も同様。
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特に『グラディウス2』は最初から最後までクリアする場合1時間近くかかるため、シューティングとしては長丁場なので中断機能があればより嬉しかったところ。
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その他
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デラパの再移植では無いので『グラディウス ポータブル』と違ってデラパ収録のムービーを鑑賞することが出来ない。
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解説書が薄く最低限の事しか書いていない。これは同時発売の『ツインビー POTABLE』及び『パロディウス POTABLE』でも同様。
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本作のパッケ裏で『沙羅曼蛇シリーズ』と書いてあるので、本当にグラディウスシリーズから独立されていると誤解されやすい。
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仕様が大きく違うXEXEXの海外版は未収録。また、有名な「おにょれ!」のシーンでクラウスの握りこぶしが表示されないという不具合も。
ツインビー PORTABLE
【ついんびー ぽーたぶる】
ジャンル
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シューティングゲーム(オムニバス)
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対応機種
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プレイステーション・ポータブル
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発売元
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コナミデジタルエンタテインメント
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開発元
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M2
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発売日
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2007年1月25日
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定価
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3,980円(税別)
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廉価版
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コナミ・ザ・ベスト:2008年3月13日/2,800円(税別)
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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良作
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ツインビーシリーズ
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概要(T)
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コナミの名物シューティングシリーズ『ツインビー』シリーズの5作品を収録した作品。内訳は以下の通り。
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AC『ツインビー』(以下『初代』)
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AC『出たな!!TwinBee』(以下『出たな!!』)
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AC『ツインビーヤッホー! ふしぎの国で大あばれ!』(以下『ヤッホー!』)
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SFC『Pop'nツインビー』(以下『Pop'n』)
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『ツインビーだ!! パワーアップアレンジ版』(GB『ツインビーだ!!』のリメイク)
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『出たな!!』と『ヤッホー!』はデラックスパックの再移植では無く、AC版の完全移植となっている。
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またデラックスパック未収録の『初代』と『Pop'n』は完全な新規移植となっており、『Pop'n』は初出メディアからの初移植になる。
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一方、同時収録のリメイク『ツインビーだ!! パワーアップアレンジ版』はいわゆる近年の弾幕シューティングに近いリメイクになっており、後のグラディウスなどのリバースシリーズの事実上の1作目という様な内容となっている。
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本作のゲームセレクト画面のライトとパステルのイラストは、『ティンクルスタースプライツ』や『どきどき魔女神判!』でおなじみの籐ノ宮藤森氏が担当。
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パッケージイラストはシリーズのイラストレーター/キャラクターデザインを担当したshuzilow.HAこと濱川修二郎氏の描き下ろしとなっているが、当時とは大分異なる画風となっている。
※以下本作のみの要素を紹介。
評価点(T)
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AC版のツインビーシリーズ3作品を全てと家庭用オリジナル1作を収録し、オリジナルゲームも収録したボリューム。
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特に『初代』は、ACに最も近い移植が高価で貴重なX68000版しか無かった為、家庭用でのAC版の練習が楽になった利点がある。
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操作がややこしくなるが『初代』と『出たな!!』には縦画面モード搭載。
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サウンドモードではMIDIPOWER収録の『出たな!!』のアレンジも収録されている他、X68k版『出たな!!』の店頭デモで流れていた初代のアレンジ曲や『デラックスパック』収録の『ヤッホー!』のフルボイスによるEDも収録というこだわりっぷり。
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ちなみに『沙羅曼蛇PORTABLE』同様、SUPER MIDIPOWER収録分のタイトルは未収録。
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『沙羅曼蛇POTABLE』同様のエクストラオプションでは、『出たな!!』で語り草となっている地獄の2周目からスタートするオプションや、各種タイトルのステージクリアデモのみを再生する機能も搭載されている。
やはりパステルちゃんの水着姿がいつでも見られる点は大きい
問題点(T)
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ツインビーシリーズのウリの「協力プレイ」が不可能。
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収録タイトルについて
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GB版『ツインビーだ!!』の原作は未収録。
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原作が小画面のモノクロハードのため仕方ない面もあるのだが、本作収録のリメイク版は上述のようにゲーム性が原作からやや改変されてしまっている。
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『ヤッホー!』は概要でも挙げてる通りAC版からの移植であるため、デラックスパック版のようにEDがフルボイスではなくなったので、後者をプレイした人にとっては物足りなく感じるかもしれない。
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評価点にもある通り、同作のEDボイスはサウンドモードに収録されているので、ある程度補完はされている。
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シューティングゲームとしてのツインビーシリーズの移植なので、『レインボーベルアドベンチャー』や『対戦ぱずるだま』等の非STG作品は未収録。
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その他
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解説書が薄い上、ライトやパステルらキャラクター達の紹介が載っていない。
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これは同時発売した2作でも同様だが、せめて主要キャラの紹介くらいは掲載して欲しかった。
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『沙羅曼蛇 PORTABLE』同様、中断セーブ・ロード機能は搭載されていない。
総評
どの作品も原作に忠実に移植されている。更に発売当時まで完全移植が無く、プレイ機会が限られていた作品も収録された事は評価に値するだろう。
名作レトロシューティングに触れたい人にお勧めできるソフトである。
余談
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前作にあたる『グラディウス ポータブル』及び、『沙羅曼蛇 PORTABLE』『ツインビー PORTABLE』と同時発売である『パロディウス ポータブル』の4作品中でPS Storeでダウンロード販売されているのは『沙羅曼蛇 PORTABLE』のみである。
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4作品とも廉価版も発売されたが、2010年代以降、どの作品もプレミアがついている。
最終更新:2024年05月27日 17:43