新・ボクらの太陽 逆襲のサバタ

【しんぼくらのたいよう ぎゃくしゅうのさばた】

ジャンル 太陽アクションRPG
対応機種 ゲームボーイアドバンス
発売元 コナミ
開発元 コナミ
発売日 2005年7月28日
定価 5,229円(税込)
プレイ人数 1~2人
セーブデータ 1個(バックアップ用フラッシュROM)
判定 良作
ポイント GBAシリーズ最終作
重苦しくも完成度の高いシナリオ
過去作から削除された要素も多い
ボクらの太陽シリーズ
ボクらの太陽 /続・ボクらの太陽/ 新・ボクらの太陽/ボクらの太陽DS


概要

  • 『ボクらの太陽』シリーズの第3作にして、GBAシリーズ最後の作品。通称「シンボク」。
    サブタイトルにあるように、これまでの作品で完全に味方側の人物となったはずのジャンゴの兄、サバタが再び敵役に回っており、終始シナリオの鍵を握るキーキャラクターとなっている。

ストーリー

死の都「イストラカン」での冒険を終え、 太陽の街「サン・ミゲル」においても闇の一族「イモータル」に勝利した 太陽少年ジャンゴ だが今や、彼は何者かの手によって地下牢獄に埋葬、封印されていた……。

かつてその身に受けたヴァンパイアの血によって復活したジャンゴは、 太陽の使者「おてんこさま」と共に、 襲い来る「アンデッド」を退け、地下牢からの脱出に成功する。

イモータルの暗躍と、彼らが主と崇めるジャンゴの兄、暗黒少年「サバタ」……。 そして大いなる災厄、破壊の獣「ヴァナルガンド」……。 ヴァナルガンドを復活させ、世界を崩壊に導こうとしているのは、 本当にサバタなのか?

揺れる心を抑えつつ、棺桶バイクを駆るジャンゴ……。

はたして彼は、 最強の敵、兄サバタを相手に「太陽」を守りぬくことができるのか?


変更点

  • 武器
    • 太陽銃とソードの2種類となり、その他の武器は廃止された。
    • 太陽銃は攻撃属性を変化させる「レンズ」と攻撃方法や威力を変化させる「フレーム」、これら2つのパーツを組み合わせることで多彩な攻撃を行うことが可能となっている。
      • 戦闘以外にも、レンズ「アース」は太陽樹の根を成長させる用途にも使われ、フレーム「ボマー」はヒビ割れ箇所を爆破して通行可能にする用途にも使われ、前作に存在した「ヒーリング」や「ダイナマイト」の役割を担っている。
    • ソードは基本的に「長剣」「直剣」「曲刀」「刀」「大剣」の5つに分類され、剣毎に「縦斬り」「横切り」「突き」の3種を組み合わせた連続技が設定されている。
      • ソードには一部を除いて耐久値が設定されており、使い続ければいずれは折れて威力が下がり特殊能力が発揮できなくなってしまう。後述する太陽鍛冶を行うことで修復が可能であり、太陽鍛冶で好成績を叩き出せば耐久値を全快させることも可能。
      • ソード毎に装備レベルが設定されており、装備レベルが高いほど性能が高く、ジャンゴ自身がそれ以上のレベルに達していなければ装備できないようになっている。
      • エンチャント魔法が廃止されたことでソードに属性を自由に付加することが出来なくなっているが、ソード自体が持つ特殊能力を利用すれば属性攻撃を行うことはできる。
      • 前作で銃に分類されていた「ロックバスター」は今作ではソード扱いとなり、「大砲」という専用のカテゴリに分類されている。
  • アクセサリー
    • 頭・胴・腕・足の4つの部位に装備できそれぞれ様々な効果を発揮し、太陽鍛冶ではソードを変化させる素材になる。
      • 中には特定の4種を同時に装備することで特殊な効果を発揮するセットアクセサリーと呼ばれるものも存在する。
    • 太陽鍛冶では、それぞれに設定された「潜在レベル」に応じてソードが変化する。
  • 太陽鍛冶
    • 前作と同様に多種多様なソードを作成できるが、今作ではソードの強化素材は剣ではなくアクセサリーに変更され、特殊能力の継承は廃止された。
    • 変化の種類はランクを上昇させ連続技を変化させる「シフト」、装備レベルが5上のものになる「アップ」、装備レベルが10上のものになる「ジャンプ」、装備レベルが下のものになる「ダウン」、特定条件を満たした際の「チェンジ」の5つ。
    • さらにソード毎に設定された確率に応じて特殊能力がつくことがあり、その確率は素材にするアクセサリーの「潜在レベル」応じて上昇させることができる。
  • 魔法
    • ソル属性の攻撃ができるソルジャンゴに変身する「トランス・ソル」、ダーク属性の攻撃ができるダークジャンゴ に変身する「トランス・ダーク」、太陽スタンドに蓄積されているエナジーを消費して攻撃する「パイルトラップ」が加わり、従来のものは「ダッシュ」を除き廃止された。
  • バイクバトルの追加
    • 今作初登場の要素。新しいダンジョンへの移動や通信対戦等に用いられている。
      • カスタマイズによって好みの性能にすることができ、カラーリングの変更も可能。カスタマイズ用のアイテムの収集は、本作のやり込み要素の1つになっている。
      • ストーリー中では、新しいダンジョンへ初めて移動する際にバイクバトルが発生。自機を破壊されることなくゴールに到達することで、新しいダンジョンへ移動することができる。
  • 周回性とマルチエンディング
    • その周でのソルジャンゴとダークジャンゴの使用頻度とラスボス戦の内容に応じて、エンディングが4つに分岐する。
    • 2周目以降に進むとレベルとステータスはリセットされるもののそれ以外の装備品等はすべて引き継がれ、強くなった敵を相手に再度ストーリーを攻略しつつ1周目で入手できなかったアイテムを入手することができる。
  • ロックマンエグゼ6』と通信対戦ができる「クロスオーバーバトル2」モードの追加
    • 前作と『エグゼ5』でも、『エグゼ5』に登場するナビ「シェードマン」を敵とした「クロスオーバーバトル」が行えたが、今作では本作に登場するイモータル「伯爵」をどちらが早く倒せるか競うという物である。
    • このモードで得られる「クロスオーバーポイント」をとある場所で消費する事で未入手のバイクカラーかアクセサリーを入手できる。この方法でのみ入手可能なアクセサリーも存在する。

評価点

  • シリーズ総決算となる完成度の高いシナリオ
    • シナリオにおいては元々暗い雰囲気の漂うシリーズだが、本作はその中でも特に重苦しくシリアスなストーリーとなっている。
      前作で共闘したサバタが再び敵対することに始まり、劇中で語られる彼の境遇や心中、登場人物たちの身を挺した決死の戦い、そうした戦士たちの覚悟をものともしない黒幕の外道ぶり、碌に言葉も発せない獣のような存在でありながらも時折狡猾な一面すら覗かせるラスボス・ヴァナルガンドの不気味さなど、プレイヤーの心に重くのしかかる場面が多い。
      BGMについても物悲しい雰囲気のものが多く、特にサバタとの決戦の地である「白き森」「楽園」のフィールド曲、そしてサバタとの決戦時の曲は特に評価が高い。
+ エンディングについて。ネタバレ注意。

極めつけはエンディングである。
前述のとおりそれまでのプレイ内容に応じてエンディングは4パターンに分岐するが、分岐の如何によってはおてんこさまかサバタ、あるいはその両方が戦いの果てに帰らぬ存在となってしまう。初代からシリーズを支えてきたメインキャラクターの実質的な死亡シーンは、思い入れのあるプレイヤーにとっては非常に心苦しい。
カーミラに至っては(元々魂だけの存在とはいえ)どのエンディングでも決して救われることはなく、ヴァナルガンドを封印するために永遠に続く戦いに身を投じる結末となってしまう。こうなるとベストエンドであるはずのおてんこさまとサバタの両名が生存するエンディング(通称白A)でさえも彼女一人がヴァナルガンドの墓石として残される羽目になるため、とても物悲しい結末にも見えてしまう。

  • 無論ただ暗いだけのストーリーではなく、どれだけ絶望的な戦いであっても諦めずに戦い続ける限り、決して敗北は訪れないというシリーズを通しての姿勢は本作では特に強調されており、そうした過酷な戦いを乗り越えた際の感慨は非常に深いものとなっている。
    作中に登場する、「戦って戦って戦いぬいて・・その先に何が待っていようとも・・決してあきらめるな!」というセリフはまさにそうした姿勢を示す名言である。
  • 全体的にGBAシリーズの総決算を意識したシナリオであり、過去作の一場面が回想されるシーンが多く、過去作をオマージュしたセリフや場面も散見される。
    また、個々のキャラクターにおいても、特に初代に登場した人物については本作でピックアップされている者が多い。サブタイトルにまでなっているサバタはもちろんのこと、おてんこさまはソルジャンゴの影響もあり過去作と比較しても存在感が増して相棒としての側面が強調されている。
    イモータル側においても、伯爵などは自らの任務よりも自身の信念を優先する、初代のような完全なる悪役とは言い難い一面を見せている。
    そして初代では(少なくともジャンゴの目線からすれば)一介のボスキャラクターに過ぎなかったカーミラは本作では非常に重要な役割を担っており、実質的なヒロインと言える存在にまで昇格している。*1
  • 新キャラクター、未来少年トリニティはこれまでのシリーズにはいなかった三枚目キャラクターであり、序盤こそジャンゴの足を引っ張るようなウザさを感じる場面もあるが、実は彼自身も悲壮な過去を背負っており、そんな彼がジャンゴに心を開いていくまでの過程も本作のストーリーの見どころの一つとなっている。終盤、ジャンゴを助けるために危険を省みず宿敵に立ち向かうイベントは必見。
    • 余談だが、舞台が一新された次回作にて、直接の登場こそないものの存在が言及されている数少ないキャラクターであり、その世界観の形成に大役を担ったことが示唆されている。
  • 太陽銃のメインウエポン復帰
    • 前作ではストーリー中ほとんど使用できる期間がなく、またカスタマイズ要素等も削除され使い勝手の悪い武器となっていた太陽銃ガン・デル・ソルは本作では再び初代のようにメインウエポンに返り咲いている。無論レンズやフレームの付け替えも可能であり、初代のような敵に合わせたカスタマイズが可能。
      また、太陽銃・ソードと遠距離・近距離両方の武器がメインウエポンに据えられたのは本作が初めてであり、戦い方のバリエーションは過去作以上に増えていると言える。

賛否両論点

  • あまりにも強力すぎる「トランス」
    • エンディングの分岐条件にも直結する本作の最重要要素であるが、ソルジャンゴ・ダークジャンゴ共にあまりにも強力でバランスブレイカーとなってしまっている。
    • 高い攻撃力、ライフ/エナジーの回復力、そして何よりダークジャンゴのダークファングの発動直後、相手は硬直状態となってしまう点が凶悪で、その間に再度ダークファングを叩き込むことができる。これを繰り返すだけでほぼ全ての敵はハメ殺しできてしまう。
      なんとこの戦法、中ボスはおろかほとんどのイモータル戦においても有効であり、例えば2番目のイモータルであるフレスベルグ戦は正攻法ならば滞空しているフレスベルグに攻撃を当てるため太陽の根を成長させて足場を作りつつ、トリニティが風に流されないように適宜運搬するなどかなり手間の多い戦いとなるのだが、ダークジャンゴならば地上からでもフレスベルグに飛びついて攻撃できるため、戦闘開始直後にトランス・ダークを行って地上からダークファングを連発すれば10秒程で完封勝利できてしまう。
      ニーズホッグ第1形態などトランスが通用しない戦いもあるにはあるのだが、本作の多くのボス戦があっけないものとなってしまう要因である。

問題点

  • 過去作から削除された要素が多い
    • 本作におけるダンジョンはシナリオ上攻略必須の7つ+闘技場の8つしかなく、過去作に存在した寄り道ダンジョンに該当するアンデッドダンジョンは一切存在しない。
      前作の時点でアンデッドダンジョンは初代と比較して大幅に減らされていたが、流石に全くの0というのはいただけない。
      • このため初代における蒼空の塔、前作における夢幻街に相当するやり込みダンジョンはシリーズで唯一存在しない作品となってしまった。
    • また、本作ではフィールドマップの概念がなくなっており、ワールドマップから目的地を選択する方式となったため、ダンジョンの内外両面において広大なマップを自由に駆け回って探索する楽しみが大幅に削られてしまっている。
      • 同様にサン・ミゲルの街も歩き回ることができなくなり、行きたい施設をマップから選ぶだけになっている。
    • その他、蓄積太陽光に応じて成長する太陽樹など、シリーズではおなじみであったのに削除されてしまった要素は多く、過去作からのプレイヤーからするとかなり寂しい。
  • 前作の仲間が空気
    • 初代のキャラクターがピックアップされる一方、前作でジャンゴとともに戦ったサン・ミゲルの住人たちは本作では全くと言ってよいほどストーリーに関わらず、少なくともゲーム面においては単なる施設の運営役でしかないため、サン・ミゲルのマップ劣化も相まってかなり影が薄い。初代からジャンゴを献身的に支えてきたヒロインのリタなども例外ではない。
    • 一応、こちらから話しかければシナリオの進行度合に応じて今回の事件に関しての話を聞くことができ、特に前作でサバタと親交のあったキャラクターは彼を心配する言動を見せている。
      • 余談だが、本作における彼らの初登場時点ではジャンゴは彼らに関する記憶を失っており、当然そのことにショックを受けている者も存在する。
        その後、彼らはストーリーに関わることがないため最終的にジャンゴは彼らのことを思い出したのかどうかすら定かではない。よくよく考えると地味に酷い扱いである。
  • 周回制の仕様
    • 本作は再び初代のような周回制のゲームとなっているが、周回時にレベル・ステータスがリセットされてしまう仕様については批判が多い。
      参考までに、初代ではジャンゴ自身にはレベルの概念はなかったうえ、太陽銃レンズのレベルや命の果実により増加したライフは2周目以降も持ち越されていた。
    • このため、レベル99に達した際に取得できる称号「アデプト」を取得しようとするとその周の経験値だけでレベル99を達成する必要があり、かなり面倒なものとなっている。
      また、本作では自身以上のレベルのソードを装備できないため、前周で作成したソードをすぐに装備できないという弊害も発生している。
  • ダンジョンの冗長さ
    • 本作のダンジョンは過去作と比較して冗長で攻略が面倒なダンジョンが多く、前述の周回制の仕様も相まってダレてしまいやすい。
    • 特に「海賊の島」「暗黒城」の2つは顕著。前者はとにかくゴールまでの道のりが長く、1つ前のダンジョンである「白き森」と比較しても1.5倍ものマップ数となっている。
      道中でも落とし穴や難解なパズルなど、面倒な割に新鮮味にかけるギミックが多く、ストレスが溜まりやすい。しかもこのダンジョンに限って入口でのバトルドライブ後、ストーリー進行のために再び最奥まで行かなければならない。いったい何の嫌がらせか・・
    • 後者は初代にもラストダンジョンとして登場したダンジョンだが仕様はかなり変わっており、道中で8つものミニダンジョンの攻略を強制されるためやはりマップ数は膨大。
      特に厄介なのが複数の紋章ブロックを切り替えることでマップ構成を変えるギミックで、正しい順番でブロックを置き、マップを攻略しなければならないため、手当たり次第に挑むとかなり時間が掛かってしまう。
      道中のパズルも非常に難易度が高いものも複数あり、総じて手詰まりになってしまいやすい。
  • 前作と同様に『シンボク』同士の通信対戦を行う際には「通信ケーブル」、『エグゼ6』とのクロスオーバーバトル2を行う際には「ワイヤレスアダプタ」に付け替える必要がある。
    • これは前作と同じ仕様である。
  • 前作まで続いていたプレイヤーの育てたジャンゴ同士の通信対戦が廃止された。

総評

GBAシリーズ最終作にふさわしく、これまでの総決算というべき壮大なシナリオの完成度はシリーズ随一と言える。
しかしそれだけに過去作から劣化してしまった点も見受けられるのが非常に惜しまれる。
それでも過去2作で培ったノウハウは活かされており、ゲームとしての進歩が確かに認められる点も存在する。
不満点も少なくはないが、シリーズを語るうえでは決して欠かすことのできない一作であろう。


余談

  • GBAシリーズでは唯一、現実の太陽光に一切頼ることなくクリアまで進むことが可能な作品。
    手間こそかかるものの、ゲーム序盤から強制的に太陽ゲージを作り出すことのできるアイテムを個数制限なしに入手可能だからである。
  • 本作は赤城乳業ともコラボを行っており、各ダンジョンにてキャラクターとしてガリガリ君が登場し、回復アイテムとして使用できるガリガリ君ソーダを売ってくれる。
    さらに「当たりスティックが出ればもう一本」という点も再現されている。
  • 次回作の『ボクらの太陽 Diango&Sabata』は世界観・登場人物が一新され、ハードがニンテンドーDSに移行した影響か太陽センサーも廃止となった。