本ページではPSP『悪代官漫遊記』とその続作『悪代官漫遊記 正義の刃』を取り扱う。



悪代官漫遊記

【あくだいかんまんゆうき】

ジャンル 時代劇コメディー双六ゲーム
対応機種 プレイステーション・ポータブル
開発・発売元 グローバル・A・エンタテインメント
発売日 2006年11月30日
定価 4,800円(税別)
レーティング CERO:A 全年齢対象
判定 なし
ポイント アドホック通信によりマルチプレイ可
悪代官シリーズ
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概要

悪代官』シリーズのスピンオフだが、トラップアクションだった本家と異なり、今作はモノポリーをアレンジしたテーブルゲームである。

ストーリー

  • 悪の限りを尽くしたために幕府に目をつけられた悪代官は息子たち(悪代官チルドレン)に家督を譲って隠居しようと考えた。
    しかし、悪代官チルドレンの間で家督争いが勃発。そこで、悪代官は息子たちを諸国に放ち、一番悪名を上げた者を後継者に指名することにした。

システム

マスの種類

  • 奉行所
    • スタート地点である。
    • 条件を満たす(Map上の城をすべて通過する)と、奉行所で給金が貰える。この場合、出目が奉行所を通過してしまうようなものであっても、強制的に奉行所で止まることとなる。
  • 縄張り
    • モノポリーのようにマス目を買い占め、そのマスに止まった他のプレーヤーから通行料と、悪名を得る事ができる。
    • 縄張りに建っている商店には種類があり、通常は商店の種類に因る特徴を感じないが、イベントによって「スギの価格が暴落」となるとスギ問屋の価値が下がるということがある。
  • お城
    • 大名が住んでいる。悪の大名が住む城に止まるとプレーヤーにとって良いことが起き、正義の大名が住む城に止まるとプレーヤーにとって困ったことが起こる。
    • ターン終了時のイベントによって、たまに 正義→悪、悪→正義と大名が代替わりする。
    • Map上のすべての城が悪の大名の居城となると、全プレーヤーの悪名の上昇量が通常の2倍となる。
      逆に、全ての城が正義の大名の居城となると、悪名の上昇量が通常の半分になる他、すべてのイベントマスが同心詰所に変わる。
  • 関所
    • 通過すると通行料を納めなければならない。徴収された通行料は関所にて蓄積される。
    • ちょうど関所に止まった場合、貯まった通行料を総取りできる。
      ただし、関所に正義漢がいて、戦闘になった場合は通行料を貰えない。
  • 同心詰所
    • 正義漢が待機しており、戦闘となる。
    • 自分で止まったときのみ、店でアイテムが購入できる。

キャラクター

  • 悪代官チルドレン
    • プレイヤーキャラクターである。能力に差はない。
      • 全部で8人だが、8人目は隠しコマンドですぐに使用可能。なんと メイド である。 声もおそらく同じ人が裏声で当てているが。
  • 悪徳商人
    • 村マスに初期配置され、プレイヤーが村マスに止まるか通過すると、パートナーとして付いてくる。
      悪徳商人を引き連れた状態で村マスに止まるか通過すると悪徳商人が村マスにとどまる。
      悪徳商人を引き連れたプレーヤーが他のプレーヤーを追い越すもしくは同じマスに止まる、すれ違うなどした時は、悪徳商人は当該のプレーヤーに乗り換える。
    • 様々な悪徳商人がおり、プレーヤーにそれぞれ固有の影響をもたらす。
      • 美人商人は、他プレイヤーの独占する「縄張りマス」に止まった場合に支払う費用を 50%offする。
        逆に馬鹿商人は30%upとなるなど。
  • 正義漢
    • 同心詰所におり、プレーヤーと戦闘する。
    • たまにイベントで関所にも出現する。関所に出現した正義漢は悪代官チルドレンと戦闘するまで消えない。
    • 数種類のキャラが有り、同心詰所に止まった時に出現するものは実際に出現するまで相手のキャラは判らないが、関所に出現した際は出現時点で何者なのかが分かる。
      • 正義漢という名前だが女子もいる。 主人公側のキャラとは違って ちゃんとかわいいグラフィックになっている。
    • 正義漢との戦闘に勝つと所持金が増え、悪名が上がる。
      負けると悪名が下がるほか、場合によっては所持金を減らされた上に、どこかの村へ島流しとなる。
      • 罠の数に余裕があったり、倒せそうなキャラが関所に出た場合には積極的に倒すなどの戦略も。

ゲーム終了

ゲームの終了条件には以下のものがある。終了後に精算が行われ、勝敗が決まる。

  • プレーヤーの破産
    • 1人でも破産者が出た場合、即ゲーム終了となり精算となる。
  • ボス出現
    • ステージ毎にボス出現までの正義漢の出現数がゲーム前から決まっており、規定数の正義漢を倒すと次に出現する。
    • ボス戦で勝っても負けてもゲーム終了となり、精算となる。
    • ボス戦においては、負けても罰則が逃れられるアイテム「人柱身代ノ助」は使用できず、負けると全財産、全悪名が没収となり、最下位が確定すると言っても過言ではない。
  • 規定ターン終了
    • 最終ターンがゲーム前から決まっており、上記条件を満たさずに最終ターンを終えた場合はゲーム終了となり精算となる。

清算

  • 報奨金
    • 正義漢を一番多く倒した者や、奉行所で給金をもらった回数が一番多い者、一番縄張りが多い者等に対して報奨金が与えられる。
  • 報奨金を加えた所持金と、総資産額、及び悪名を換算したモノを合算し、総計が多いものが勝者となる。

評価点

  • 肩苦しくなりがちなモノポリー風ゲームを運要素を強めにしてコミカルにパッケージした点。
  • 原作の要素を、詰め込めるだけ詰め込んでいる点。
    • パロディネタなどもあるだけでなく、本作の商人たちもどこかで見たようなネタが…移動が速くなる衝撃馬商人など。
  • すごろくであるので、携帯機には向いている点。特にPSPは電源を切ってもある程度は状態が保持されるため。

問題点

  • プレイ時間を調節できない
    • 最終ターン数などのゲーム終了条件を変更できず、プレイ時間を調節しにくい。
  • バランスの悪さ
    • ターン終了時のランダムイベントにて、その時点で悪名がトップのプレーヤにボーナスが支給される。
      • 1位と2位以下の差を広げるだけであり、意味がわからない。ほぼ勝負がついているような局面では萎える。
    • AIが一部局面で手強過ぎる
      • 移動では不利なマスでも平気で踏むくせに、誰かの土地が競売になると本領を発揮。全員で協力しているかのようにとにかく金額を吊り上げてくるので、プレイヤーが落札して得をすることは非常に少ない。

賛否両論点

  • 勝敗が分かりにくい
    • 精算の条件が込み入っており、プレイ中に僅差であった場合、勝敗の行方が読みにくい。
      • ガチガチのシミュレーションであるならともかく運要素の強いゲームであるので、勝敗の分からなさが対人プレイにおいてはある種のユルさになっていると感じる場合もある。

総評

戦闘イベントで悪代官らしさを残しているものの、その戦闘場面も先のシリーズのエッセンスはほぼ残っていない。
全般的に運要素が強いゲームであるが、ボス戦で敗戦した場合のペナルティが重すぎて、その点においてはゲームバランスを著しく損なっている。 そのバランスの悪さが一発逆転で面白いと感じられる人には向いている…かも。


悪代官漫遊記 正義の刃

【あくだいかんまんゆうき せいぎのやいば】

ジャンル 時代劇コメディー双六ゲーム
対応機種 プレイステーション・ポータブル
開発・発売元 グローバル・A・エンタテインメント
発売日 2007年2月22日
定価 4,800円(税別)
レーティング CERO:A 全年齢対象
判定 なし
ポイント アドホック通信によりマルチプレイ可

概要(正義の刃)

  • 本作では、プレイヤーは悪代官側ではなく、前作でボスキャラだった正義の側をプレイする。
  • 前作からわずか4ヶ月後に発売されているが、ルールの変更が多く、新作と言っても過言ではない変わり様である。
    • BGMなども丸ごとの流用ではなく、新作か、一部は本作専用に曲調がアレンジされている*1。それでいて、違和感のない仕上がりとなっている。

ストーリー(正義の刃)

悪代官チルドレンらが全国で悪の限りを尽くしていることに危機感を覚えた幕府は、正義の者を援助し、悪を駆逐する事にした。

システム変更点

キャラクター(正義の刃)

  • プレーヤーキャラクター
    • プレーヤーキャラクターには前作のボスキャラが使われており、本作の開発日数の短さもCGの使い回しによるところが大きいと思われる。
    • これまでのシリーズと異なり、「柳生十兵衛」「水戸黄門」などと実名をはっきり使っている。
      • なお相棒に「助さん格さん」まで登場するが、さすがに甘いものに目がないうっかり者は「七兵衛」となっている。
    • パラメータ
      • 体力、攻撃力、速さ、硬さがあり、ボードゲームにしては珍しく、各キャラクターごとにパラメーターが異なっている。
      • 水戸黄門は体力だけ傑出して 200 ある。
  • 相棒
    • 前作の「悪徳商人」のようなもので、水戸黄門でプレイしているから「七兵衛」が付きやすいなどということはなく、相棒の入れ替わり方は前作の「悪徳商人」のルールと同じである。
  • 悪党
    • 交戦マスに止まると現れる。
  • ボス
    • 前作のプレーヤーキャラクターである。

マスの種類(正義の刃)

  • 同心詰所
    • スタート地点であり、本作では各ステージに1つしか無い。
    • 条件を満たす(Map上の城をすべて通過する)と同心詰所で給金が貰える。この場合、出目が同心詰所を通過してしまうようなものであっても、強制的に同心詰所で止まることとなる。
    • 「同心にお金を渡す」というコマンドが実行でき、渡した額によって自分の全ステータスパラメータを上昇させられる。
  • 空き地
    • 私財を投じて慈善事業の事業所を建築できる。
      • プレーヤーが他のプレーヤーの所有する事業所に止まった場合、体力を消費して賃金を 得る
        事業所を所有するプレーヤーは名声のみを得る。
      • プレーヤーが自分のプレーヤーの所有する事業所に止まった場合、体力が回復する。また、そのマスの事業所に投資することも出来る。
      • 事業所を建てると、自キャラのステータスパラメータを強化出来る。なお、事業所の種類によって強化される値が異なる。
  • 交戦マス
    • ザコの悪党が出現し、戦闘となる。
      • 戦闘は前作と攻守入れ替わり、プレーヤーが悪党側の罠を予想して避けるものとなっている。
        罠はプレイ中にアップグレードされてゆく。
      • 戦闘で体力を減らした場合、前作では戦闘後に自動で全回復したが、本作では半分以下の体力となった場合のみ、戦闘後に自動で半分まで回復し、それ以上の体力は自力で回復する必要がある。
  • 道場
    • お金を払ってプレーヤーのステータスパラメータを上げることが出来る。
  • 奉行所
    • ゲーム開始時点からボスキャラが居る。本作ではこのマスにしかボスキャラが出現しない。
      • ボスキャラが何であるかはメニューの「情報」の「ボス」から詳細にわかる。
      • 悪人大名の住む城マスにて「調べる」イベントを成功させると「ボス」を別のキャラに変えることが出来る。
    • 出目が奉行所を通過してしまうようなものであっても、強制的に奉行所で止まることを選択できる。
      意図せずぴったり止まった場合でも、「うちいらない」を選べばボス戦を回避できる。
    • ボスキャラを倒しても、真ボスが現れる場合がある。ただし、連戦とはならない。

評価点(正義の刃)

  • ボスに自分のタイミングで挑めるようになった
    • 本作のボス戦は準備さえ整えられれば勝てる相手であり、さらにはボスのチェンジも可能となっており、かなりハードルが低くなった。
    • ボス戦に勝てば報奨金で一発逆転もあるため、積極的にボスを狙いに行く価値があることから、前作には無かった成長要素にも気を配る必要が出てきている。

賛否両論点(正義の刃)

  • お金の価値の逆転
    • 最終的に所持金が少ないほうが良いという、浄財の精神に目をつけたシステムが斬新である。
    • ただし、空き地の買い占めやアイテム購入にはお金が必要であり、破産すればゲームオーバーでもあるため、ゲーム自体の難易度を上げる要素となっている。
    • このパラダイムシフトによるものなのか、前作にあった関所マスが本作では廃されており、かつ関所に変わる新たな仕組みが取り入れられていないのはやや不満ではある。

問題点(正義の刃)

  • プレイ時間を調節できない
    • 最終ターン数などのゲーム終了条件を変更できず、プレイ時間を調節しにくい。

総評(正義の刃)

正義の側をプレーするという、『悪代官』シリーズのコンセプトをないがしろにした作品となっている。「黄門漫遊記」とでも名乗れば良いのに。
ただし、純粋なボードゲームとしては前作にあった理不尽さは減って前作よりは遊びやすくなっており、勧善懲悪な内容はお子様向けにもピッタリで、ルールも斬新なものがあるため、そこそこ遊べる出来となっている。

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最終更新:2024年05月21日 05:03

*1 もちろんそのままの物もあるが