巨影都市

【きょえいとし】

ジャンル SFサバイバル・アクションアドベンチャー
対応機種 プレイステーション4
メディア BD-ROM1枚
発売元 バンダイナムコエンターテインメント
開発元 グランゼーラ
発売日 2017年10月19日
定価 8,200円(税別)
レーティング CERO:C(15才以上対象)
廉価版 Welcome Price!!:2019年2月28日/3,800円
判定 クソゲー
ポイント 多くの巨大キャラ・ロボ参加
クロスオーバー無し
アイレムゲー譲りのおバカ要素
ボリューム・システムなど問題多し

概要

  • 絶体絶命都市』シリーズを手掛けたアイレムの元スタッフが独立したグランゼーラとバンダイナムコの共同プロジェクトとして開発されたサバイバルアクション。グランゼーラオリジナルのコンシューマ作品としては処女作となる。
  • 『絶体絶命都市』が地震や洪水など自然災害からのサバイバルを描いているのに対し、本作は「巨影」という未知の巨大生物や巨大兵器の襲撃からのサバイバルSFアドベンチャーとなっている。
    • 特撮ドラマ『ゴジラ』『ガメラ』『ウルトラマン』やアニメ『パトレイバー』『エヴァンゲリオン*1』のシリーズから巨影が出演している。
    • 元々PS Vita版も予定されていたが、途中で中止が発表され、PS4独占タイトルとなった。

ストーリー

主人公はとある女性との待ち合わせ場所に急いでいた。だが、突如として謎の巨人が街に出現。巨人は街を破壊し始め、人々はパニックになる。主人公は待ち合わせていた女性=香野ユキと合流。二人は巨大な影=「巨影」の脅威から逃れるべく、都市からの脱出を目指す

ーこれは、ヒーローの物語ではない あなたの物語だー


システム

  • プレイヤーはまず、主人公の性別と立場(“会社員”、“学生”、“テンション高めの若者”、“主体性の無い若者”の何れか)を選ぶ。立場によって初期の服装と髪型が変わる。
    • また、本作のヒロインのユキもプレイヤーの選択で主人公との関係が変化する。“友人”、“大切な人”、“恋人”、“よく知らない人”の何れかを選択し、それに応じて初期の髪型や服装(カラーリング)が変わる。
  • 巨影からの逃走
    • 本作は「巨影」と呼ばれる巨大生物やロボットが暴れて、崩壊していく街からの脱出を目的とする。崩れる建物、巨影からの攻撃、巨影の戦いの余波を避けながら脱出する。
    • 『絶体絶命都市』のようなジャンプ、ぶら下がりなど『SASUKE』のようなアクションは無く、ダッシュと回避行動というリアルなアクションとなった。
  • HP
    • 主人公の体力を示す。ダメージを受けると減少し、ゼロになると死亡してゲームオーバーとなる。
    • 食料などの回復アイテムを使用するか、セーブポイントを調べると回復する。アイテムを多く入手できるのでゲームとしての難易度は低い。
      • 一方、『絶体絶命都市』同様、HPに関係無く即死する場面は多く、死にゲーの側面もある。HPがあまり重要ではないのも同じ。
  • ST
    • スタミナ。ダッシュ、緊急回避で減少し、時間と共に回復する。無くなると回復するまでの間、ダッシュや緊急回避ができなくなってしまう。
  • 回避行動
    • 立ち止まった状態だと伏せ、走りながらだとローリングを行う。機会は少ないが、伏せて転倒を防ぐという『絶体絶命都市』同様のアクションも可能。伏せた状態から移動すると四つん這いで移動できる。また、主人公の身に危機が迫ると音と共に□のアイコンが表示される事があり、このタイミングで□ボタンを押すと緊急回避が可能。所謂QTE。
  • 衣装
    • 主人公の服装は随所で入手可能で、いつでも着替える事が出来る。
    • 本作では衣装に応じてHPとスタミナに補正が付くようになっている。但し、ダメージを受け続けると衣装がボロボロに破損してしまう。破損した衣装は買い取り業者から有料で修理してもらう事が可能。
    • ユキも条件を満たせば服装・髪型の変更が可能。
  • KYOEI NEWS
    • 配信型ネットニュース。各エピソードごとのリザルトを担当しており、作中でとった行動によって記事が増えたり変化したりする。
  • 巨影メダル
    • フィールドに散らばっているメダル。リザルト画面で各種衣装やアイテムと交換することができる。3種類あり、物に応じて手に入る枚数が異なる。一番多く手に入るメダルを取ると何故か拍手と歓声が巻き起こる
  • 億万長者イベント
    • 絶体絶命都市で御馴染みの宝石女・竹辺幸からもらえる巨大エメラルドから始まる、資産を激増させることができるイベント。
    • 通常のプレイであれば精々数万から数千円で事足りるが、このイベントを進めると宝石、アパートの権利書、ビルの所有権など、わらしべ長者の如く資産が爆増していく。
    • 巨影の襲撃による大災害の真っ最中だと言うのに、ただの若者が億万長者に成り上がって行く様はもう「シュール」などというレベルではない。

評価点

  • 絶体絶命都市的なサバイバルアクションと特撮・アニメとの共演
    • 特撮の巨大な生物達が街に降臨して人々が混乱するという舞台設定は絶対絶命都市的な世界観によくマッチしている。
      • 過去の絶体絶命都市と違って多くのマップにモブNPCが多数登場する為、より現実感のある演出に仕上がっている。逃げ惑い、パニックに陥る人々は勿論、絶望して全てを諦める人、巨影にスマホのカメラを向ける若者など、実際に居そうなタイプのNPCも登場する。
    • 特撮・アニメキャラも人間目線でみると、悪も正義どちらも危険な存在、ということがよくわかる。
    • 倒れた仲間に手を貸して共に戦うウルトラ兄弟、ビルを飛び超えて駆け付けるEVA弐号機など、原作の雰囲気も再現されている。
      • パトレイバーからは通路に嵌って動けないパイロバスター、イングラムが格好良くビルに突入するもニュースにて市民から「危険だ」と苦情が出ていた事が明らかになる、と言った原作を彷彿させるコミカルな演出も。
      • ダダに倒された場合は主人公が人間標本にされる特殊なゲームオーバーになるという懲りよう。また、作中でダダが襲撃したのも原作と同じ宇宙線研究所である。
    • また下記の通り、全体的なグラフィックのレベルはPS4としては今一つだが、巨影達のグラフィックの再現度は高め。
      • 爆発や崩壊を掻い潜って進むアクションは迫力があり、この辺りは絶体絶命都市シリーズを手掛けてきた開発陣ならではである。
    • 特撮アニメ好きも、現代人の反応が分かるようになって変わった面白さがある。
    • 破壊されて行く街の惨状、犠牲になる人々が克明に描写される一方、外で巨影が戦っているのに仕事を続ける社畜達や、平然と営業する店舗など、どこぞのゾンビごときでは眠らない歓楽街のような逞しいと言うかおバカな演出も多数。
    • 巨影でも彼等と闘う軍人でもなくそのすぐ傍で逃げ惑う人々にスポットを当てた点は映画『クローバーフィールド』を髣髴させる。
  • 相変わらずのバカゲー要素
    • アイレム時代からの伝統のアホ選択肢も健在。女性キャラへのセクハラ発言や、バイクを見て「俺(私)にバイクを渡すとはいい度胸してるぜ」とイキり発言をしたり、現代の日本でで逃げたり*2*3、巨影をバッグに写真を撮る、など笑わせてくれる。
    • 特に、追っ手から逃げる際に動物、やかん、留守録などの声モノマネで切り抜ける展開はまさに声優の本気を見せてくれる。そして見事に騙される*4追っ手の様子もプレイヤーの腹筋を殺してくれる。
      • 留守電の真似をした場合は律儀に名前と要件を言うのも爆笑もの。しかも言い終わる前に「ピー」と返す主人公
    • KYOEI NEWSの存在もあり、随所に散りばめられた小ネタの回収をしていると笑い所には事欠かない。
  • 良質な主題歌
    • アイレム時代からお馴染みの飯田舞による主題歌、挿入歌はいずれも良曲。
    • 普段の飯田女史の曲というといずれも優しいメロディの穏やかな曲だが、OP曲「Shadow」は『チェインクロニクル』『Re:ゼロから始める異世界生活』などの曲を手掛けたHeart’s Cryとのコラボレーションによって、従来とは雰囲気の大きく異なるアップテンポ且つシリアスな曲調に仕上がっており、作品によく合っている。
  • 『絶体絶命都市』のファンサービス
    • 『1』の須藤や 『2』の篠原、お馴染みの宝石女など、シリーズキャラがカメオ出演している。
      • 「足が挟まって身動きが取れない高校教師」「兄殺しの容疑で追われる、手錠を付けた女」「女子トイレから出てくる変態教師」などいずれも元ネタを知っているとニヤリとさせてくれる登場の仕方である。篠原に至ってはバイトで怒られてしょんぼりする演出まで再現。
      • 『3』からはヒロインの咲のみが登場。他は印象が薄いからか。
    • 作中に「絶対安全都市*5」というゲームが登場するなど、シリーズファンを笑わせる演出も。
  • KYOEI NEWS
    • 章ごとのプレイヤーの行動がニュースとなり、第三者の目線で書かれる。本編には描かれない人物や設定など作りこまれている。
    • 真面目なニュースは勿論、全力でネタに走ったニュースも多数存在し、集める楽しみがある。ちょっとした行動でも思わぬニュースになる事が多いので、色々試してみたくもなる。
    • 記事も多く、内容も無駄に凝っている為、読んでいるだけでも楽しめる。このようにリザルト画面からなかなか進めないアクションゲームも珍しい。
  • コレクション要素
    • 衣装やアイテムなど多くの用意されている。おふざけ衣装やユキに水着姿で行動させることも可能。
    • 男女別の衣装は勿論の事、なんと今回は異性用の衣装を着る事もできる。女主人公で学ランを着たり、男主人公でセーラー服チャイナドレスを着たりなども当然のように可能である。そんな姿で臨むイベントシーンは最早笑うしか無い。
      • ステージ1からして、主人公が異性用の警官の制服を勝手に着込んで警官にツッコまれるサブイベントが存在する*6
      • ユキに着せられるのは女性用だけ*7なので、残念ながら男装はさせられない。
    • 衣装以外にも、帽子や手袋、眼鏡、付け髭などのアクセサリーも完備。
    • 同開発陣の『ポンコツ浪漫大活劇バンピートロット』や『パチプロ風雲録5』と同様、主人公の髪型も変更できる。今回は床屋に行く必要はなく、鏡のある場所ならどこでも変更可能。
  • カメラは三種類から選択可能
    • 主人公の背後からの視点二種類の他、主観視点にもできるのでそれこそ『クローバーフィールド』のような感覚のプレイも可能。
    • ボタン一つで巨影を見上げる“巨影カメラ”に切り替える事もできる。そびえ立つウルトラマンや頭上を飛んでいくモスラなどを真下から見上げるのは圧巻である。
  • イベントムービーで台詞送りが可能
    • 再プレイ時などで早く進めたい時でもいちいちイベントを全部見る必要は無い。また、選択肢までスキップする事も出来る。
  • 最終章においてのサプライズ
    + ネタバレ注意
    • 最終章に登場する巨影はウルトラセブンとパンドン。この二体が戦う。
      • 公式HPなどでの事前発表がなかったこの二体の登場は「うれしい不意打ち」であり、ファンを喜ばせた。

賛否両論・問題点

システム・ゲーム

  • ボリュームが少ない
    • シナリオを追うだけなら10時間以内で終わる。ステージ数は17と極端に少ない訳ではないが、一つ一つのステージがあまり長くなく、その長さにもばらつきがある。長いステージはそれなりに長い一方、短いステージはかなりあっという間に終わる。特に後半になるにつれて短いステージが増えてくる為、尻すぼみな印象もある。
    • ステージ10は二つのルートが用意されているが、片方は主人公の自問自答のみという、エヴァも真っ青な内容となっている。選択肢や長々とユキのキスするシーンなど演出は笑えるが、アクションは皆無でゲームとしての面白みは感じない。
    • 選択肢の多さの割にはストーリーはステージ10以外は一本道で、エンディングも一種類しか無い。最後のある人物の生死は選択肢で分岐するが、エンディングの内容自体に大きな違いは無い。
    • 選択肢で遊んだり、NEWSの記事を集めたりと二周目以降も遊べる要素はあるが、後述するようにクリア後の引き継ぎ要素・クリア特典が殆ど無い為、一周が短いゲームならではの周回プレイの楽しみは多いとは言えない。
    • 総合的には値段を考えるとかなり少ないボリュームである。特に本作は版権の影響か通常の商品より高めというのもある。
  • 周回要素がほぼ皆無
    • 今作は装備、アイテム、所持金、Mission&Episodeは全てリセットされ、引き継がれるものはCollection(KYOEI NEWS)の取得状況のみという寂しい物。ゲームプレイ面では実質、何も引き継げないに等しい。
    • せっかく豊富なネタ衣装が用意されているのに、それを二周目以降のゲーム開始時から着て遊ぶ事が出来ない。『絶体絶命都市』では衣装が引き継がれたのだが…。
      • また、主人公の初期装備は途中で入手は出来ないので、その周で選んだ立場の服装以外は手に入らない。道中で手に入る衣装は大半がフォーマル系やコスプレ系で、カジュアル系の衣装は初期装備以外では殆ど無く、そう言った服装でプレイしたい場合は辛い所である。KYOEI NEWSでは毎回ファッション誌がこれ見よがしに紹介され、初期装備限定のカジュアル衣装がPRされたりするので、欲しい人は尚更歯がゆい事に。
      • 後の『絶体絶命都市4Plus』でもこの仕様が引き継がれてしまった。
      • アップデート(ver.1.02)によって、巨影メダルは引き継がれるようになり、メダルと交換できる装備品に限り間接的に引き継げるようになった。交換の為にはステージ1をまずクリアする必要があるが。
    • クリア特典も乏しい。アップデート(ver.1.03)で新しい立場が選べるようになったりネタ装備が追加されたが、その位である。
    • チャプターセレクトもない。プレイヤーが自分の好きな原作の巨影が登場する章を何度も遊ぶというプレイを想定しておらず、キャラゲーとして非常に残念な事になっている。
  • グラフィック
    • 裸になった時にあばら骨が浮いて少々不自然。手も骨がかなりくっきり見える。
    • その他の人物や背景のモデリングは悪いという訳ではないが、PS4のゲームとしては今ひとつ。元々PSVとのマルチプラットフォームを予定していた影響もあるのだろう。
  • 処理落ち
    • PS4のゲームでありながら処理落ちが多い。特に大勢のソルジャーレギオンが多数登場する場面は動きが遅くなる。流石に『絶体絶命都市2 -凍てついた記憶たち-』のようにプレイに支障をきたす程ではないが、そんな所までシリーズの特徴を受け継いでどうするのか。
      • PS4 Proならスムーズにプレイできるが、処理落ち改善の為だけにPS4 Proを用意するのも…。
    • PSV版が開発中止になったのは、PS4でさえここまで処理落ちする内容をPSV用に最適化する事が難しかった為と推測されている。
  • ロードが長い
    • 各ステージ開始時のロードが長く、結構待つ事になる。その分、ステージ中は目立ったロードも無くプレイできる。
    • 問題は死亡時のコンティニューのロードも同じくらい長い事である。死に覚えゲーの側面もある本作でこのロード時間は致命的である。
  • ユキの着せ替えの場所が限られている。
    • 巨影も追跡者の気配も無い落ち着ける状況のみ、という事だが、その場所がゲーム全体を通して3箇所程度しかない。しかも予めある場所で選択肢を選んでいないとそれも不可能。
    • 『絶体絶命都市2』以来となる同行者の着せ替えだが、それを行える状況が限られているのは勿体無い。
  • 衣装が脆い。
    • 少し攻撃を受けるとすぐに破損してしまう上、回収業者も特定の場所にしか現れない為、無事な衣装で進めるのは難しい。
      • 敵の攻撃を一発喰らうのはおろか、転倒するだけでも破れる。どんな脆い素材なのか…。破れない攻撃と言えば人間のパンチ、キック程度。
    • 大災害の極限の状況で服がボロボロになっていく演出はリアルではあり、緊迫感が出ているが、お気に入りの衣装を綺麗なまま着続けたい人には困った問題である。もう少し耐久性があれば良かったのだが。
    • また、殆どの衣装は一段階破損するだけで上着部分が丸々無くなってシャツだけになってしまう。せっかく好きな衣装を着てもちょっとしたダメージで台無しになるのは勿体ない。
    • 尚、今回はヒロインも攻撃を受けるが、不死身なので死ぬ事は無い。残念ながら服も破れない。

シナリオ

  • ユキ
    • 今回のヒロインであるがその正体に賛否。
      + ネタバレ注意
    • 思念体
      • ユキの正体は「思念体」で、宇宙人とも言える存在。実は「巨影」を呼び寄せた元凶である。思念体は宇宙を彷徨う中で、ある星系に立ち寄った際に「影」と呼ばれる存在に襲われ、やがて地球へと逃げてきた。その後は「影」に追われて傷付いたことで能力が低下してしまった為、回復するまでの仮初の姿として、事故で死亡した「山村ユキ」という女性の残留思念を元にして彼女の生前の姿を借りた「香野ユキ」という架空の人間に変化。更に偶然通りかかった主人公の記憶を改竄して、自分を香野ユキと親しい者と認識させ、ボディーガード役に仕立てたのだった。
        • 主人公に驚異的な回避力などの特殊能力が備わったのも、思念体から力を与えられた為である。
      • エンディングは、思念体が自分の正体を明かした後、主人公を巻き込んだ上にユキの眠りを妨げてしまったことを謝罪し、同時に感謝の言葉を告げて再び宇宙へ旅立って行く、というものである。巨影もその後を追って全て地球上から姿を消す。
      • これにより、「行く先々で危険に遭遇するも、最後は必ず生還する」「一般人とは思えないスタントアクションを披露する」というこの手の作品の主人公のお約束に理由付けが出来ている。
      • だが、地球に避難した結果、何百人も死んだ上に、主人公を危険な目に合わせて、街が崩壊し数十兆もの被害総額を出したにもかかわらず、思念体が行ったことはただ謝罪するのみという対応はどうなんだという意見が多い。口調もどことなく上から目線なのも不満を助長する。
        • 主人公も「大切な人」の為に奮闘したにもかかわらず、その大切な人など最初からいなかったという不憫なオチ。一応、思念体とは別にオリジナルのユキ自身の意識も未だ存在し、主人公と本当に絆を深めていた事も語られるのだが、そうであってもそのユキは最終的に主人公の前から消えてしまう。散々死ぬ思いをしたのに全く報われない。エンディングの最後に「○○(主人公の名前)のその後の足取りは誰にも分からない」と表示されるのも不憫さを助長する*8
        • また、死者すら再現できる能力があるのだから、被害を修繕ぐらいできるのでは?という声も多い。
        • シナリオも一本道で、途中で見捨てるルートや選択肢があるものの、最終的にはユキを見捨てる選択は取れない事も不満の理由の一つと思われる。地球から去った後で巨影に捕まってしまえ、と思う人も居るかもしれない。
      • エンディングでは思念体による種明かしが入るが、ミスなのかわざとなのか生前の山村ユキもごちゃ混ぜにして「香野ユキ」と呼ぶ為、どちらを指しているのか分かり辛い。
  • W&Pコンサルティングの二人組
    • 作中に登場する会社「W&Pコンサルティング」は表向きは全うな会社を装っているが、その実態は兵器の流通、賄賂の仲介や邪魔者の排除・暗殺も行う犯罪組織である。主人公は序盤に偶然にもW&Pと癒着のある防衛関係の官僚との取引現場を目撃してしまい、W&Pに所属する武藤、柴田の二人組に命を狙われてしまう。そのため、各章に跨り何度も逃走劇を交わすこととなる。
    • 街がどんなに崩壊しようが、自分達の身に危険が迫ろうが、主人公がどこに居ようがお構いなしに追ってくる*9。特に直接主人公に攻撃してくる武藤(通称・モヒカン)は自身がギャオスに連れ去られようが平然と復活して追跡を続ける。『絶体絶命都市2』の秋元刑事も真っ青の粘着ぶりである。
    • 追跡中には上記のモノマネの他に選択次第では、逃げ果せた主人公が二人に「いえーい!かかって来いよ!」と挑発する、「あ!宇宙人だ!」と言って気を逸らした隙に逃げるなど笑える場面もあるのだが、問題はそれがシナリオの大半を占めてしまうこと
      • プロデューサーの塚中健介氏によると、こういった要素が無いと「ただ巨影から離れて近付かなければ済む話」になってしまうから、との事。意図は分かるが、そもそもシナリオ自体が長くないのにその頻度が高過ぎる為、「怪獣やロボットから逃げるゲームと思ったらヤクザから逃げるゲームだった」などと不満の声が集中してしまった。
  • なぜかガメラの影が非常に薄い。
    • ガメラのステージは4つ用意されているが、何れも人間サイズのギャオスやソルジャーレギオンから逃げるのがメインであり、巨大ギャオスやマザーレギオンといったガメラシリーズの敵巨大怪獣は本作に登場すらしていない
    • OPムービーではガメラがレギオン草体に攻撃するシーンがあるが、本編には無く、レギオン草体の爆発を止められずに終わる。
    • 『パトレイバー』のイングラムも似たような扱いではあるが、主人公達を火災現場から救うという見せ場が用意されている。ガメラにはそれすらないのである。
      • 一応、あるステージの最後では、主人公を追っているギャオスをプラズマ火球で攻撃するシーンがあるが、これは主人公を助けようとしている訳ではないので、ちゃんと避けないと主人公がガメラに殺される
  • 巨影と関わらないシナリオ
    • 巨影はあくまで背景程度の物であり、その足元を踏み潰されないように駆け抜けるシーンなどはあるが主人公のシナリオに直接関係することは少ない。言ってしまえばカメオ出演である。例外を挙げるなら主人公を直接狙うソルジャーレギオン、ダダ、ギャオスぐらいであろうか。
      • 本作は巨影が暴れる街でのドラマを描く物語である為、巨影は「舞台装置のようなもの」として使用されている。インタビューでも「原作のダイジェスト集にするつもりはなかった」と語られている事から、主人公達に関わらせないのは意図的であった模様。
    • また、巨影同士のやりとりも分からないまま終わる。これも「あくまで逃げる事が主題のゲームであり、一般市民に過ぎない主人公が戦いの行方など知る由も無いから」という理由によるもの。戦いの結果が知りたければ原作を手に取って欲しいとの事である。
    • しかし著名な作品から数々の人気キャラが出演している以上、もう少しシナリオに関わって欲しいという声も大きい。上記のシナリオ不足も原因の一つと言える。
    • 人間側のシナリオはまとまっているし、意外性もあるのだが、アイレム時代のゲームと雰囲気が似通っており、悪く言えばディレクターの九条一馬氏とシナリオライターの高は車氏のいつものシナリオである。本作を「怪獣やロボットの災害による絶体絶命都市」として見れば間違いではないのだろうが、『巨影都市』としての独自性は薄い。
    • 事前に公言されていた通り、巨影の戦いは原作が同じもの同士でしか起こらず、ゴジラVSガメラ、ウルトラマン対エヴァンゲリオンなど夢のクロスオーバーは一切ない。インタビューでは明確な理由は語られず、シナリオ上でも特に説明はない。
      • もしこの一点でも実現出来れば、ゲームの出来は別としても歴史的価値があったのだが…。やはり版権的に厳しかったのだろうか?
      • 因みに、「コンパチヒーローシリーズ」の一部の作品でゴジラVSウルトラマン、ドリームキャストのビジュアルメモリ専用ゲーム『モスラ ドリームバトル』と『ガメラ ドリームバトル』の対戦モードでモスラ対ガメラは実現しており、前例がない訳ではない。
      • 「そもそもクロスオーバーしないのならわざわざこれだけの版権の許可を得る意味は無い」という手厳しい意見もある。
  • 巨影の正体
    • 作中に登場する巨大生物・ロボット・宇宙人は一括して巨影(影)として扱われ、どれが本当の意味の巨影(ある存在を捕まえる為に宇宙から追ってきた存在「影」)でどれがそうじゃないのか分かりづらい。
    • レイバーはこの世界に元々あった事が作中の台詞から判るが、EVAや3式機龍(メカゴジラ)はニュースの記事などから地球上で建造された兵器であると辛うじて推察できる程度。ウルトラマンティガなどは人間を助けたり、人々のいる線路を壊さないように飛び越えたりと、原作通り正義のヒーローをやっている。
    • ターゲットを前にしても巨影によっては助けたりスルーしたりと行動が支離滅裂で、結局どれがエンディングで語られる「影」なのかが判然としない。
    • また、上記の通り巨影はあくまで舞台装置として用いられている関係上、本作の設定では多くが前述の「影」という事になっているのだが、原作ファンからしてみれば原作無視と受け取られる事もある。
      • クロスオーバー作品では世界観の辻褄を合わせる為に独自設定を付加する事は珍しくないが、本作の参戦作品はいずれも歴史が長く熱心なファンも非常に多い作品である上、クロスオーバー自体も無く、なまじ本作中でも原作再現シーンがある分、余計にそう思えてしまうだろう。
  • 相変わらず狙い過ぎの選択肢
    • 絶体絶命都市3 -壊れゆく街と彼女の歌-』に続き、女主人公の場合は「百合」を思わせる選択肢が満載。女主人公でもヒロインとの関係性で「恋人」が選べる時点で察せられるだろう。
      • ヒロインと絡む場面では毎度のように存在する為、頻度で言えば『絶体絶命都市3』より酷く、女主人公でのプレイは人を選ぶ事に。好きな人は良いが、耐性の無い人でもそんな選択肢にひたすら付き合う事になる。
    • それでも「嫌なら選ばなければ良い」で済んだ『絶体絶命都市3』に対し、今回はほぼそれ系しかない選択肢や、ストーリー中に女主人公でもヒロインと「カップル」呼ばわりされるシーンすらもあり、最早そうプレイする事を強制されているとすら思える場面もちらほらと。ニュースでも時折カップルと書かれる。
  • そもそも全体的に女主人公が女扱いされない。上記のカップルの件も含め、女主人公だと違和感のある展開が散見される。
    • ストーリー自体、男主人公前提の流れが多く、性別による展開の変化は無いし、ニュースの文章でも「若者」としか表記されない。ちゃんと女性として見てくれるのは精々、カレー屋の店主と終盤のあるシーンの人物ぐらいである。
    • 特にメインキャラの大塚は女主人公だろうと「彼女とデートか?」「お前たちカップルは」などと殆ど女主人公を女扱いしていない。百合好みか?
      • 一応、あるシーンの選択肢次第では「ここはお嬢さんがたの為に俺が偵察に行くとしよう」と語るので、全く女扱いしていない訳ではないようだが…*10
    • 成人女性を背負って巨影の戦いの真っ只中を突っ切るという、男性でさえきつい事を平気でやらされる。他にやれる人がいないからとは言え、やはり男主人公前提で話を作っている事が窺える。
    • 女主人公限定で、ユキと服の交換が出来るイベントがあるが、その程度である*11

総評

「『絶対絶命都市』と特撮・アニメのコラボ」と期待されたが、ボリュームは少ない上にそれを補う周回要素も薄く、更に処理落ちや長いロードとPSV版を中止してPS4独占タイトルにした割にはスペック相応に仕上がっているとは言い難い。
メインシナリオも期待された巨影や災害のシナリオよりも組織の二人組からの逃走劇が目立ち評判は良くない。
題材自体は魅力的だったし、この開発陣の作品らしくネタとして楽しめる要素は多いのだが、肝心のゲームの出来や主題に関して無視できない問題点が多く「良作」とはお世辞にも言えない。
全体的にAmazonやゲームサイトでも低めの評価を下され、特にクロスオーバーや巨影が関わるシナリオを期待した原作ファンには「巨影の無駄遣い」とまで言われる様になってしまった。
問題は多くともゲームとして破綻している訳ではないし、クロスオーバーは無くとも原作レイプも無いので、中古や廉価版にて安価で購入できる現在なら演出やネタを楽しむ為にプレイするのも悪くないが、ロードの長さは覚悟されたし。


余談

  • 過去の絶体絶命都市シリーズでは説明書の巻末に、その作品のメインの災害に対する災害マニュアルが掲載されていた。
    • それを引き継いでか、本作のWeb説明書には巨影の襲撃に際してのマニュアルが掲載されている。自然災害よりも圧倒的に遭遇する確率は低いだろうが、その時が来たら役に立つのではないだろうか。
    • また、公式サイトでは『空想科学読本』の柳田理科雄氏が、同作に登場するギャオス、イングラム、モスラ、そして崩落する建物からの避難方法を検証している。
  • 早期予約特典として、「絶体絶命都市を生き延びた伝説の人物の衣装」として『絶体絶命都市』『絶体絶命都市2』の主人公とヒロインの衣装*12をダウンロードできるプロダクトコードが付属していた。また、登場作品の原作の衣装(科学特捜隊やNERVの制服など)もダウンロード可能だった。
    • また、購入店舗毎のオリジナル特典(作中のコスチュームの別カラー版)、ダウンロード版早期特典のトロ&クロが登場するサブイベントなど、早期購入特典が異様なほどに充実していた。
    • 原作衣装はそのステージに登場する巨影に対応したものに自動で変わるため、任意の衣装に着替えることはできない。この仕様のため、初回プレイ時に着ているとそのステージにどの作品の巨影が登場するのかが巨影登場前から分かってしまう。
    • 無論、今となってはいずれも入手不可だが。
  • 1年後にグランゼーラから絶体絶命都市シリーズ最新作『絶体絶命都市4Plus -Summer Memories-』が発売された。鏡での髪型変更、衣装のデザイン、モブNPCが多数登場、金銭と買い物の概念、総資産など本作から受け継がれた要素・仕様が多い。
    • しかし本作の問題点はロード時間を除いて改善されていないばかりか寧ろ悪化しており、評価点すらも悉くスポイルされた劣化版のような作品になってしまっている。更に当該記事を読めば分かる通りシステム、シナリオ共に出来が悪く、これに比べれば本作の方がよほど良作に思えるだろう。
  • 本作の衣装の一部は同社の『マンガ・カ・ケール』にも素材として収録されている。
    • 本作冒頭で「二葉ほのか」というアイドルのブロマイドが買えるイベントがあるが、これは『マンガ・カ・ケール』の「第1話ジェネレーター」で作成される漫画の登場人物が元ネタである。
  • 作中に実在するカレーチェーン店「ゴーゴーカレー」が登場する。
    • グランゼーラは設立当初は石川県金沢市(アイレムのご近所)に本社を置いており(現在は野々市市に移転)、プロサッカークラブのツエーゲン金沢を応援・協賛したり金沢の名所を公式サイトで紹介したりと地元金沢市に密着した活動を行ってきた。その縁もあってか「金沢カレーの火付け役」こと『ゴーゴーカレー』の店舗が登場している。店員の制服も入手可能。
    • 同店で有名なメジャーカレー ワールドチャンピオンクラス」を主人公一人で二人前食わされるお笑いイベントが用意されているが、単なるネタとしてのタイアップだけではなく、ストーリーに関わる人物に縁ある店となっている。

*1 アニメ版『新世紀エヴァンゲリオン』ではなく『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』から。登場する使徒も新劇場版準拠。

*2 逃走用の乗り物を機動隊員から渡されるのだが、それが"オートバイか馬から選べ"という爆笑ものの超展開。機動隊員も平然と馬を提示し、主人公がそれを選んでも誰も突っ込まない光景は完全にギャグである。しかもオートバイより馬の方が遥かに速い。

*3 一応、馬の存在に理由付けはされているがそれもどこかおかしい。

*4 奇しくも、その追っ手のCVの奈良徹氏が過去に『パチプロ風雲録5』で演じたキャラも、同作の主人公のモノマネにあっさり騙されていた。

*5 導入部は『絶体絶命都市』そのままだが、地震は起きず主人公が新しい職場で暖かく迎えられ、これから住む街を満喫するだけという完全にネタに走った内容。そんな有様なので作中でも散々な評価をされている。

*6 着替えのチュートリアルも兼ねているが、それが「混乱に乗じて交番の扉をぶち破って勝手に制服を持ち出す」という発生条件なのもツッコミ所。

*7 女主人公の初期衣装か、主人公が所持している服の女性版を着せる形になる。例えば男性警官の服しか持っていなくても女性警官の服を着せられる。

*8 著書がベストセラーに輝いたり、悪事が暴かれて逮捕される他のキャラと違って、スクープとは無縁の平穏な生活に戻ったという事なのだろうが、もう少し良い書き方は無かったのだろうか。

*9 主人公の居場所が常に把握されている事については理由がある。

*10 ただ、その場合でも直後の発言に乗せられて結局主人公が偵察に行く事に。あっさり乗せられる主人公も主人公だが。

*11 男主人公だと膝枕をしてもらえる。その際の頼み方もまた笑い所。

*12 『1』からは須藤と相沢の服。『2』からは篠原と藤宮の初期装備。