二角取り: 鏡花水月
【にかくどり きょうかすいげつ】
| ジャンル | パズル |  | 
| 対応機種 | Nintendo Switch | 
| 発売元 | D3パブリッシャー | 
| 開発元 | オルジェスタ | 
| 発売日 | 2018年3月15日 | 
| 定価 | 509円(税込) | 
| レーティング | CERO:B(12才以上対象) | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 約500円の低価格帯パズルゲーム 普通の「二角取り」とゲーム性は結構異なる
 ご褒美イラストは数が多く美麗だが、あくまでCERO:B相当
 タッチ操作とキー操作の格差是正がやや不足
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概要
『地球防衛軍』やSIMPLEシリーズなどを販売しているD3パブリッシャーがリリースしたパズルゲーム。
同じ柄の麻雀牌を消すパズルゲームで、いわゆる「四川省」や「上海」と同様のものである。
ただし、単調にならないよういくつかギミックが追加されているのと、ご褒美イラストがあるのが特徴。
特徴・ゲームシステム
二角取りのルールについては特に変更点はないため省く。詳しくは外部サイト等を参照。
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本作は、麻雀牌を使ったパズルゲーム「二角取り」を扱ったゲームである。
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ただし、後述の制限時間やギミックの存在から、本作は通常の「二角取り」と遊び方はやや異なる。
 
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問題(CHALLENGE)は全部で140問。
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「角宿」「亢宿」など、中国起源の星天単位「二十八宿」をモチーフにした28人の中華風衣装のヒロインが登場し、それぞれに5問ずつが割り当てられている。
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28人のヒロインは、7人ずつ「東方七宿」「南方七宿」といった東西南北の4つの「エリア」に分けられており、それぞれのエリアが1つのステージの扱いとなっている。
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最終ステージや、完全クリアした際のスタッフロールなどは特にない。
 
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各問題は時計のマークが付いた「制限時間」の問題と、靴のマークが付いた「制限回数」の問題に分かれる。
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制限時間の問題は規定時間内に消せない「壁」以外の牌を全消しすること、制限回数の問題は牌の消去が規定回数内で黄金色の「ゴール牌」を消すことがクリア条件となる。問題クリアで次の問題に進める。
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各問題では、☆~☆☆☆までの3段階のクリア評価が行われる。
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画面上には、問題形式に応じて制限時間、または制限手数のゲージがあり、無くなると失敗となる以外に「☆☆」「☆☆☆」のボーダーが引かれている。ボーダーより上の時間・手数でクリアすることでその評価が貰える。どちらのボーダーも超えられなかったが、ゲージを残してクリアはできた場合は「☆」となる。
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各ヒロインには対応するイラストが1枚ずつ用意されているが、最初は大量のブロックに隠されている。そのヒロインの各問題をクリアすることで、評価の☆に応じてブロックが徐々に消えていき、対応する5問の完全クリア(☆15。3x5)でイラスト1枚が全開放される。
 
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次のエリア(7人)に行くためには、それまでの問題を全てクリア&一定の☆(高評価)を集める必要がある。
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それまでのエリアを全て完全クリア(1エリアにつき3x5x7で☆105個)していなくても、7割程度の☆を獲得していれば次のステージに進めるラインにはなっている。
 
 
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本作には、以下のステージギミック(特殊な牌)が存在する。問題によっては複数のギミックが併せて登場する場合もある。
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黒牌…消すことができない障害物。消せないのでクリア条件には含まれないが、牌の消去ラインを妨害する。
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アラビア数字牌…「1」「2」「3」のアラビア数字が描かれた牌。「1」→「2」→「3」の順番でしか消せず、前の数字を全て消し終わらないと次の数字は消すことができない。
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ロック牌…青/赤/黄色/緑の色が付いた鍵、または錠のマークの牌。鍵マークの牌1対を消すことで、同色の錠マークの牌が全て消滅する。2色以上同時に出現する場合もある。
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?牌…扱いとしては通常の牌だが、通常は「?」のマークが描かれているだけで、選択した時しか実際の牌の絵柄が見えない。
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宝箱牌…消すと後述のアイテムが1つ貰える。既にクリアしたステージでしか登場しない。
 
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ステージギミックに伴う本作独自のルールとして、どの牌も消せない状態になった場合は「シャッフル(SHUFFLE!)」となり、牌を消せるように配置が入れ替えられる。
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あくまでそれぞれの牌の配置を入れ替えるだけなので、新しい位置に牌が置かれることはない。
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本来の二角取りでは上記の「どの牌も消せない状態になった」場合はゲームオーバーであり、それを防ぐことが最大の目的となるが、本作では必ずしもそれを防ぐ必要はなく、むしろ何回かシャッフルが起きることが前提となっているような配置の問題も複数存在する。
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ただし、残った牌の位置自体が悪く、どう入れ替えても牌を消せないような状況になってしまった場合はゲームオーバー、失敗となる。
 
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プレイヤーを助ける機能として、3種のアイテムがある。時間制限のステージと、回数制限のステージで挙動が異なるものもある。
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ストップ…時間制限:制限時間が少しの間止まる。回数制限:手数が1回減らない。
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ボム…牌をランダムで1対消去する。
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ヒント…現在消せる牌のうち1対に枠線が付いて明示される。
 
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手数制限ではゴール牌を消すための手掛かりとして、時間制限では窮地からの脱出として役立つことだろう。
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これらのアイテムは、過去の問題を解き直していると出現する宝箱牌を消すことで1つランダム補充される。各アイテムは最大3個までストック可能。
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現在の個数はゲーム開始時から問題選択画面や問題挑戦中に画面下に随時表示されており、宝箱で補充しない限り回復しない。
 
評価点
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元々二角取り自体のルールはシンプルではあるが、道中にチュートリアル問題もあるので全くルールを知らない人でも遊びやすい。
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ステージギミックもいかに消せない牌を避けて繋げるか、ということを遊んでるうちに理解しやすくなるゲームデザインにはなっている。
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自力でどうしても解けない場合、アイテムにすがることもできる。
 
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ギミックや制限時間の存在により、本来の二角取りとは異なるアクティブな感触のゲームとなっている。
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本来の二角取りは、どの牌も消せない「詰み」を作らないように消していくことがとにかく重要となる、じっくり考える型のゲームである。
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しかし、本作の制限時間ありのルールではそんなことは言っていられず、そもそも多少の詰みはルール上シャッフルされて失敗にならないので、目に付いた消せる牌をとりあえず消すというのがメインとなる。上記の二角取りと比べると頭は使わないものの、どうしても地味だった元のルールと異なるアクティブさがあり、異なる魅力は出ている。
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手数制限のルールでも、上記の本来の二角取りというよりは、一般的な面クリア型パズルゲームの感触に近い。だが、二角取りの牌の消し方と合わさることで独自の面白さは感じられる。
 
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ご褒美イラストは美麗。
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500円とリーズナブルながら、全28枚もある。中華風美少女イラスト集+ミニゲームとして見るのであればかなり安いと言える。
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ちなみにあくまで中華「風」であって、CERO:Bなのでそれ相応の見た目である。
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16人のイラストレーターが参加しているが、アニメ塗り系・絵画系のような画風の差は明確にあるものの、違和感を覚えるほどではなく、悪い意味で目立つイラストも無い。
 
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ただし、イラスト全解禁となると難易度は一筋縄ではいかない。
 
賛否両論点
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CERO:CやDではなくB止まり(軽度)なので、エロに期待するとがっかりする。
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谷間が出ている、胸が大きめといったセクシー要素は物によってあるが、そうでないものも複数あり、セクシー系のものもそこまで過激さはない。
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ご褒美イラストもあくまで1枚絵レベルで、パズルゲームのおまけ的なものでストーリーやキャラクター等のつながりは一切ない。
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ただ、極端にエロ・美少女押しをすると純粋にパズルゲームとして楽しみたい層が手を出しにくくなるので、このぐらいでいいのかもしれないが。
 
問題点
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時間制限ステージ。
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クリアするだけならそれほどでもないが、最高の☆3クリアとなると制限時間が短く、☆3タイムオーバーも多々ある。
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ゲーム後半のステージはぎっちりと牌が並んでいるため、半分は隣接ペアなどの初期配置頼みの運ゲーになっている。
 
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キー操作とタッチ操作があるが、キー操作は1つずつマスを動かしていく必要があるため、速度面でかなり不利。
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カーソルの移動は左スティックのみだが斜め入力判定はなく、時間制限ステージでは焦りで操作が誤爆しやすい。一応情けとしてLボタン併用でカーソル速度上昇はあるが、更に誤爆を招いている。
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格差是正のために、コントローラー操作で牌を消した際には若干制限時間が延長される仕様があるのだが、それでもキー操作を選ぶとかなりしんどさは否めず、タッチ操作が推奨される。
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せめて斜め入力判定や十字ボタンでもカーソルが移動できるかキーコンフィグがあれば違ったのだが、斜め入力不可、十字ボタンはアイテム使用に割り振られておりキーコンフィグもない。
 
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ギャラリーモードが無い。
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せっかく28枚もイラストがあるのに、それぞれのヒロインの個別画面から1枚ずつ見ることしかできないのは若干不便。
 
総評
低価格で誰でも遊べるシンプルなパズルゲーム、というコンセプトは、広い世代が購入しており外にも持ち運べるSwitchと相性が良い。
制限時間やギミックの追加により、本来の「二角取り」とはやや異なる感触のゲームとなっているが、それを分かって遊ぶ分には問題なく、元ルールにない派手さは十分魅力となっている。
イラストもセクシー要素としては中途半端だが美麗ではあるので、ワンコイン(定価約500円)で買える微エロパズルゲーという価値はある。
余談
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2019年4月4日に発売されたSwitch用パッケージソフト『THE バラエティゲーム大集合 ~金魚すくい・カード・数字パズル・二角取り~』に同内容の作品がDL専売だった他3タイトルと共に収録されている。
 パッケージ版定価は、おおよそDL版定価の600円増しほど。
最終更新:2022年08月13日 02:15