英雄伝説 創の軌跡
【えいゆうでんせつ はじまりのきせき】
ジャンル
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ストーリーRPG
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対応機種
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プレイステーション4
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発売・開発元
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日本ファルコム
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発売日
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2020年8月27日
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定価(税込)
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通常版:8,424円 永久保存版:12,744円 ダウンロード版:7,590円
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レーティング
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CERO:C(15才以上対象)
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判定
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良作
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ポイント
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西ゼムリア大陸完結編 シリーズ初の複数主人公 豊富なやりこみ要素 次回作への伏線が多彩
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ドラゴンスレイヤー&英雄伝説シリーズ
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概要
日本ファルコムの二枚看板の一つ・『英雄伝説・軌跡シリーズ』の一作。
『閃の軌跡』の後日談に位置づけされる作品で、「世界大戦」の後始末や、クロスベル独立の顛末などが描かれる。
シリーズ初の複数主人公と、それを活かした「クロスストーリー・システム」が大きなポイントとなっている。
ストーリー(公式サイトより抜粋)
ここに終わり、ここに創まる――
帝国全土を蝕ばんだ災厄『巨イナル黄昏』。
英雄たちによって危機を乗り越えたゼムリアの地で、新たな因果が紡ぎ出され、そして、物語は“終点”へと向けて動き出していく。
新システム
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クロスストーリーシステム
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ロイド、リィン、《C》という、3人の主人公を任意に切り替えながら物語を進めていくシステム。それぞれのルートはチャプターごとに区切られており、同じチャプター内であれば自由にルートを切り替えて進めることが可能。チャプター内の各ルートを終盤まで進めることで物語が大きく展開し、次のチャプターへと進められる。
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ヴァリアントレイジ
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アサルトゲージを消費して行う特殊攻撃で、パーティメンバーが5人以上の時に使用できる。
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敵全体にダメージを与えつつ、BPとCPを大きく増加させる物理攻撃「ヴァリアントアタック」と、ヴァリアントアタックと同様にダメージを与えつつ、BP、EPを回復させる「ヴァリアントアーツ」、味方全員のHPと状態異常を回復しつつ、BPを増やす「ヴァリアントヒール」の三種類があり、いずれも劣勢を覆す切り札になり得る。
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真・夢幻回廊
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メインストーリーを進めていくことで進入可能になる、攻略型コンテンツ。『英雄伝説 空の軌跡 the 3rd』の舞台となった「影の国」に近い、やりこみ型のダンジョンで、現実世界で仲間になったキャラクターたちで自由にパーティを組み、ダンジョンを攻略していく。
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強敵を倒すことで「封印石」を入手でき、これを使用することで、従来の「扉」に相当するキャラクターエピソードやミニゲームを楽しんだり、貴重なアイテムを入手できる。さらに、金の封印石を使うことで、メインストーリーでは加入しないキャラクターも仲間に加えられる。
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さらに、発令されるミッションをこなすことで「幻夢の欠片」と呼ばれるアイテムを集められ、パーティの強化や、アイテムの入手などに利用できる。
評価点
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三人の主人公全員に、しっかりとした見せ場が存在している。彼らがそれぞれの立場から行動を起こし、それらが絡み合うシナリオが、主にシリーズファンから高く評価された。
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また、ローゼンベルク工房やノルドの監視塔など、過去作では物語の中で登場したものの進入できなかった箇所へ訪れることもできるようになった。
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The Day of Reindependence(ロイドルート)
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本作のメインとなるルートにして『零』、『碧』の真の完結編。『英雄伝説 碧の軌跡』のエンディングでわずかに描かれていたクロスベルの再独立が、いよいよゲーム本編で楽しめる。特務支援課とは何だったのか、独立で生じた歪みによる葛藤とロイドの原点が描かれていく。
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このルートの趣旨は、再独立を目前に控えながら、突如乱入してきたルーファス新総統に敗北し、散り散りになった特務支援課が、それぞれの立場からルーファスや彼の私兵である黒の衛士たちに反逆し、真の意味でクロスベルの自由を勝ち取るというもの。『英雄伝説 零の軌跡』の時点から描かれていた、強者の都合に振り回されてきた苦難の歴史に終止符が打たれる、実時間にして10年分のカタルシスが味わえる。
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『碧』において誤った方法でクロスベルの富国強兵を目論んだディーターやイアン、ヴァルドも再び姿を現し、彼らのその後も描かれている。また、空の軌跡の主役で、零の軌跡から幾度にも渡ってロイドたちと共闘してきたエステルやヨシュア、それぞれの仕事のためにクロスベルに赴任していたアリサやマキアス、トワなど、クロスベルとは別の舞台のキャラクターが多く加入するのも特徴の一つ。クロスベルの独立がいかに多くの人々に望まれているかがよくわかる展開となっている。碧から浮き彫りになり、次第に形骸化されてきた一面にしっかりと向き合い、捜査官として一段と成長を遂げたロイドが暴く『最後の真実』はトロフィーにもなっている。
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Lost Symbol(リィンルート)
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前作の主人公であったリィンの視点から展開されるルート。主にトールズVII組のメンバーで構成されているが、アリサやマキアスなど、一部のメンバーとは別行動となる。また、別ルートの主人公である《C》や、その仲間と一時的に対立することもある。
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このルートのキャラクターたちは、誘拐されたオリヴァルト皇子夫妻の行方を探すという目的で動いている。そのため、帝国における戦乱の後日談という側面が強く、途中まではクロスベルの独立に深く関わらないなど、ほかのルートと関係性は控えめとなっている。しかし、物語が進むにつれて「あるはずのないもの」が多く登場し、やがて前作における心残りが片付けられる結果へと収束していく。派手さ、名場面、印象に残ると言われるものが数多く存在する。ルートの評価こそ後述の《C》ルートに少し劣るが、リィンの人気の高さと次回作以降に繋がる伏線なども相まって、総合的には同等以上の人気を獲得している。
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前作のラストで鬼の力から解放されたリィンのその後に関しても、当然ながら語られる。多くのプレイヤーからは、鬼の力を失うことで弱体化してしまうのではないかと危惧されていたが、物語の終盤でそれが更なる強さを獲得するためのステップだったことが判明する。迷いを乗り越え、剣聖たる己を確固のものとしていく過程が丁寧に描かれていく。
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またリィンの戦闘シーンが全キャラクターの中で最も多く最新のモーションキャプチャーを唯一使われており、特にノルドの戦闘シーンは迫力のあるものに仕上がっていて、ファンから高評価を得ている。
余談だが、リィンは本編、エピソード、ミニゲームなどを含めると一番多く出番があり、今作でも最も重要なキャラクターとしてスポットが当たっている。特にエピソードなどを合わせると主役(主人公視点)を5回も務め、サブとしても多く出ている。前作同様に今作のエピローグの語り手も担当し、次回作の伏線を含む後日談にもレン同様に登場するなど、『界の軌跡』での再登場を示唆するものとなっている。
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The Miserable Sinners(《C》ルート)
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新生帝国解放戦線のリーダーである《C》が主人公のルート。かつて『閃の軌跡』に登場した《C》ことクロウ・アームブラストとは別人である。
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その正体は、前作まで敵として登場していたルーファス・アルバレア。かつてはその悪辣な所業から、プレイヤーから大いに嫌われていたが、本作での活躍によってみごとに汚名返上を果たし、その評価はかつてとは真逆のものとなった。激戦の末に世界を救った英雄となったリィンと地道な活動で自由を取ったロイドと異なり、飽くまで陰で動くイメージが強いが、それゆえに成し遂げられる要素も多い。本作における騒動の発端にして根源となった存在を暴けるのも大きな魅力。
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本作のヒロインにして、クロスベルで人気のローゼンベルク人形の最新鋭機であるラピスや、ゲーム内小説「3と9」の主役であるスウィンとナーディアが初登場。いずれも従来のキャラに負けないインパクトと魅力を誇り、物語の盛り上げに大いに貢献する。また、新規キャラ以外は、主人公のルーファスも含めてかつて敵対していたキャラクターのみで構成されており、ダークヒーロー的な要素を楽しめる。
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男性陣は、ルーファスやスウィン、アリオスと真面目な人物のみということもあり、仲間たちとビジネスライクな関係を維持しようとするが、人の名前に点数をつけようとするラピスや、新生帝国解放戦線を新生帝国ピクニック隊と改名しようとするナーディア、更に主の仇であるルーファスの行く末を何だかんだで見届けるデュバリィとそれら全てを俯瞰して観察するレンなどが加わるという、女性は対照的なまでに超マイペースな人物揃い。そのため次第に和気藹々としたやり取りを楽しめるようになる。ストーリーが進むにつれて戦闘後の掛け合いも変化していく。
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仲間たちとの交流で精神的に大きく成長するルーファスが、やがてロイドやリィンたちと協力して黒幕へと迫り、大陸統一を果たそうとする偽物のルーファスを否定するシーンは本作最高といってもいい大きな見どころの一つ。さらに、最後はルーファスだからこそできる方法で世界の危機を救うなど、紛れもなく英雄と呼ぶにふさわしい活躍を見せる。シナリオテキストが他のルートより良質なこともあり、後述する国勢調査では、三つのルートの中では最も高い評価を受けた。
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一作で完結している
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軌跡シリーズ自体の特徴として、前作までは一つの舞台を描き切るまで、最低でも二作以上のソフトをプレイする必要があった。
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本作では、複数の視点による展開という相違点はあるが、一つの物語としてきちんとまとまっている。ただし、前作までの要素を大きく引き継いでいるため、あらかじめシリーズ作品をプレイしたほうが楽しめる点は過去作と同様。
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また、前作までは絆システムでキャラクターそれぞれのバックグラウンドが描かれていたが、一周ですべてを鑑賞できないという難点があった。本作では、絆システムに代わって『The 3rd』で好評を得ていた扉システムが復活し、一周のプレイでほとんどの要素を鑑賞できるようになった。
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クロスベルの独立が描かれている
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『碧』の最後で帝国に占領されることが明かされ、それ以降、長きにわたってクロスベルが帝国の支配下にあったことから、ファンからは真の意味でのクロスベル独立を見たいという意見が以前から寄せられていた。
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今までが消化不良だったこともあり、本作におけるクロスベルの解放は、多くのプレイヤーの留飲を下げるものとなった。また、これに伴い、特務支援課や彼らの協力者の活躍も目立ち、クロスベル編のファンからは高い評価を得ている。
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多彩なプレイアブルキャラクター
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『閃の軌跡IV』のプレイアブルキャラクターは、アイネス、エンネア、ゼノ、レオニダスを除いてすべて続投。オリビエやアルフィン、エリゼなど、それ以前に使用できたキャラクターも、その多くが復帰している。
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また、ロイドが主人公ということもあり、『零の軌跡』、『碧の軌跡』で登場したキャラクターたちも、多数が参戦。ロイドたちにとって頼れる先輩の一人で、『碧』でスポット参戦したものの一時的に敵対したアリオスも、本作で初めてレギュラーキャラとして使用できる。その強さは『碧』に劣らず、ファン必見の性能となっている。
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さらに、10月1日に施されたアップデートで、シリーズ最強候補であり、屈指の人気キャラクターでもあるマクバーンが、限定的ながら初めてプレイアブルキャラクターとして使用可能となった。火焔魔人への変身も条件付きだが当然可能。最強の名に恥じない暴虐を発揮するが、見所は戦闘後の掛け合い。縁のある人間に対する台詞は人間味あふれるものとなっており、更なる人気を獲得した。
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真・夢幻回廊では、すべてのキャラクターをプレイヤー自身が編成することが可能で、原作でもあった「特務支援課」や「トールズVII組」のほか、エステル、ヨシュア、アガット、アリオス、フィー、サラ、トヴァルの「遊撃士協会チーム」や、ヨシュア、レン、シャロン、デュバリィ、クロチルダ、マクバーンの「結社チーム」、クロウ、トワ、ジョルジュ、アンゼリカの「先輩チーム」、ルーファス、ミリアム、レクター、クレアの「鉄血の子供チーム」、レクター、トワ、エリゼ、アッシュ、レンの「生徒会長チーム」などなど、共通点のあるキャラクターたちによる組み合わせを楽しめる。
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このほか、アップデートによって真・夢幻回廊で似たような特徴を持つキャラクターたちでパーティを組み、戦闘するというミッションが発令されるようになり、達成すると特殊な掛け合いを楽しめる。
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豊富なやりこみ要素
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加入メンバーの多さや、真・夢幻回廊の存在などから、本作は特に、ミッションやミニゲーム、アイテム収集など、ストーリー攻略とは異なるやりこみ要素が充実している。
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おなじみの釣り要素やカジノ、『閃の軌跡』シリーズで搭載されていたヴァンテージマスターに加えて、『The 3rd』以来となる「軌跡でポン!!」や『東亰ザナドゥ』の劇中劇である「魔法少女まじかるアリサ」を題材にしたシューティングゲームなど、多種多様なミニゲームを楽しめる。
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また、10月1日のアップデートによって、敵のレベルを50、もしくは100上昇させられるようになった。さらに、「Nightmare」を上回る最高難易度である「Abyss」に挑戦することも可能になり、歯ごたえのあるゲームを求めるプレイヤーにも好評を博した。
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更に、夢幻回廊の最上層から中心部へと突入できるようになり、その奥には予想だにもしない存在が待ち受けている。それを制することで、本当の意味で零・碧の軌跡の完結を迎えることが出来る。
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次回作に繋がる伏線が巧みに描かれている
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本作は、クロスベルの独立が主軸となっているが、帝国と比肩する力を持つ共和国に関する話題も多く語られる。
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結社の盟主や帝国宰相であるオズボーンに匹敵する才能とカリスマを備えたカルバード共和国新大統領「ロイ・グラムハート」の想像以上の暗躍や、サラ以来となる最年少A級遊撃士の誕生など、次回作以降に関わりそうな話題が多く提示されている。
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そして、極めつけとなるのは、10月1日のアップデートで追加された、完全クリア後に解禁される「創まりの先へ」。
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三つのエピソードで構成されているノベル形式のシナリオで、まずはリィン、レンの視点から共和国に関する現状が明かされ、次回作である『英雄伝説 黎の軌跡』への伏線となる要素が断片的に語られる。さらに、黎の軌跡のサブキャラクターであるエレイン・オークレールを主人公とした物語が展開される。
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これらのシナリオでは、「黎」のメインキャラであるヴァンとアニエスや、エレインのほかにキンケイド、シズナと言ったサブキャラクターもわずかながら登場し、期待を煽るものとなった。
かつて『空の軌跡』の主人公であるエステルの妹分だったレンが、黎のヒロインとなるアニエスの姉貴分となった点も、彼女の成長を示していると好評。
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モーションの改善
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『イースIX』で初めて取り入れられたモーションキャプチャーが、こちらにも反映されている。その甲斐あって、前作までは今一つと言われがちだったイベントでの演出が強化された。
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この要素は、主にリィンルートで多く見られており、中でも中盤で展開されるある人物との戦いは、高い評価を得た。
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高速モードの実装
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新作としては初めて「ハイスピードモード」が実装。これを使うことにより、戦闘やイベントシーンにかかる時間を大幅に短縮させられ、ストレスのないプレイを行えるようになった。
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攻撃アーツを選択する際に、敵の弱点となる属性がわかるようになった。
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これにより、いちいち敵の耐性を見ないで最適なアーツを選べるようになっている。
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名曲揃いの音楽
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もはや恒例と言っていいことではあるが、本作もファルコムの長所がふんだんに詰め込まれたBGMが楽しめる。
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戦闘BGMは、それぞれのルートによって変わっているほか、ボス用のテーマ曲も多彩。このほか、クロスベルの独立に関わるイベントで多用される「The Destination of FATE」なども高い人気を集めている。
賛否両論点
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声優関連
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新規プレイアブルキャラとなるラピス、スウィン、ナーディアは、いずれもシリーズ初出演となる声優が当てられており、演技も好評を博している。また、セルゲイやスカーレットの声優が変わっているが、こちらも違和感なく受け入れられているほか、前作で問題視されたクルトの演技も改善されている。
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一方で、ユウナの演技が、彼女の持ち味である元気のよさが削がれてしまっているという意見が見られた。前作におけるクルトと同様、今まではまったく演技に問題はなかったため、困惑したプレイヤーは多い。
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グラフィック関連
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モーションに改良が加えられたが、それはまだ一部にとどまっており、改善すべき部分は多い。また、ゲーム内のグラフィックそのものは過去作とさして変わらず、大手メーカーのゲームにはいまだ及んでいない。
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一方で、エンディングのグラフィックでは新しいエンジンが使用されており、普段のゲーム画面とは桁違いのクオリティを楽しめる。また、今後はこちらのエンジンも活用していくと明言されている。
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クラフト関連
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加入するキャラクターたちは、新クラフトや強化クラフトを修得しており、使い勝手が増している。中でもリィンとロイドは、代名詞と言える「神気合一」や「バーニングハート」が強化されることで、心身ともに一皮むけたことがはっきりとわかるようになっている。
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リィンのカットインは複数用意されており、前作のオズボーンと同じく、武器を構えつつ両手を大きく開くカットインも存在している。この点は、二人の関係を強調したものとなっており、大変好評。
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一方で、人数の多さによる弊害からか、クラフトの総数が少ないキャラクターも多い。『閃の軌跡』から強化版ではない新クラフトが加わったキャラも、特務支援課のメンバーと、レン、ユーシス、エリゼ、セリーヌ、ジョルジュ、レクター、クレアに一つずつのみと少なめで、リィン、クロウの騎神召喚や、新VII組の機甲兵召喚が使用不可能となっている。ただし、クラフトの総数が少ないキャラは、総じて性能が高いことが多いため、クラフトの数が少ない=弱いというわけではない。
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ロイドルート関連
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本作は最終的にはクロスベルが舞台となるが、一連の事件の真実がクロスベル由来によるものではない点が指摘されている。またストーリーの内容も他の2つと比べると新鮮味が余りなく、過去の焼き直しではないかとも言われている。
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ただし、前述した通り、『閃IV』での不満点として挙げられていたクロスベル独立の描写がなされた点は好評。
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テキスト
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《C》ルートや、前述した「創まりの先へ」のテキストは、キャラクターの個性が魅力的に描かれており、シナリオの質の高さも相まって、シリーズファンの間でも高評価を受けている。
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ロイドルートも主人公周りの描写が優れており、リィンルートの内容もまた、前作から大幅に改善されている。一方で、同じ言い回しの多用やキャラがセリフを言う度に笑うというような、過去のファルコム作品で見られた点も残っている。
問題点
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ダドリーの扱い
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『零』、『碧』の両方で仲間に加わったダドリーが、本作では加入させられない。ツァイトやガルシアなどのスポット参戦キャラ以外では唯一、プレイアブル漏れとなってしまった。
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ユニークなSクラフトや、似たような雰囲気を持つマキアスの登場があっただけに、残念なところ。せめて真・夢幻回廊だけでも使いたかったという意見が多く見られた。
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装備、クォーツの付け替えが面倒
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システム自体は前作までと変わらないのだが、プレイアブルキャラクターが増えた弊害により、付け替えが面倒になってしまっている。キャラクターごとに、着けた装備やクォーツを記憶する機能が欲しかったところ。
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パッケージ
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本作のパッケージに映っている女性は重要キャラの一人である「盟主」で、その正体に迫る展開なども期待されていた。しかし、実際の出番はほぼないに等しく、期待していたユーザーは肩透かしを食うことになった。
総評
西ゼムリア大陸の総決算と言える力作。豊富なミニゲームややりこみ要素など、『The 3rd』に通じる長所を多く備えるうえに、ストーリーが展開する現実世界と、育成要素がメインの真・夢幻回廊が両立されており、ボリュームは段違いとなっている。
三つの視点から楽しめる新システムや、それを巧みに生かしたシナリオ展開、クロスベルの真の独立や、数々のサブエピソードや育成要素、キャラクター同士の交流など、見どころは非常に多い。
『The 3rd』のシステムや、『零』『碧』のシナリオを好むファンには特におすすめできる作品。また、軌跡シリーズ後編と言える次回作『黎の軌跡』以降の伏線も多数張られているため、予習代わりにプレイするのもいいだろう。
余談
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本作は当初、ロイドとリィンのほかに、エステルを主役としたルートが実装される予定だった。
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しかし、リベール編はこれ以上描く要素が少ないため、開発が難航していたところ、新たに開発に加わった若手社員が《C》を主役にした物語を提案し、採用されたという。
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ロイドルートは零、碧の完結編だけあってやり残しのないように幾つかのシナリオが候補に挙げられていたという。うちの一つが、ロイドの兄であるガイ・バニングスを敵役としてクロスベル、特務支援課最大最強の壁として立ちはだかり、弟であるロイドと激闘を繰り広げるという内容もあった。だが進むにつれて、中の人が出演している某作品と被ったというエピソードがあったという。
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海の檻歌からの古株で、今までの軌跡シリーズのメインライターであった竹入久喜氏が、本作ではシナリオスタッフではなくディレクターとして参加している。
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2020年12月17日に、次回作である『英雄伝説 黎の軌跡』の発表がなされた。
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そして、その発表と同時に、ユーザーから様々な項目に関する人気を調査する『創の軌跡 国勢調査』が行われた。
それによると、好きなルートは《C》ルートで、好きなキャラクターはリィンがトップという結果になっている。
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2021年8月26日に、Nintendo Switch/Steam版が発売された。
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2023年3月以降、コトブキヤから「軌跡シリーズ」としてキャラクターのフィギュア化シリーズが発売するようになった。
最終更新:2025年03月22日 04:25