ドラかず のび太のすうじ大冒険
【どらかず のびたのすうじだいぼうけん】
ジャンル
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学習ソフト
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対応機種
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ニンテンドー3DS
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発売元
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小学館
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開発元
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ジュピター
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発売日
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パッケージ:2012年7月19日 ダウンロード:2014年4月3日
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定価
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4,571円(税別)
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セーブデータ
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1個
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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配信
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【Switch】2021年2月4日/1,125円
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判定
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良作
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ポイント
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学習ゲームの本気 単体のゲームとしても面白い マルチエンディング搭載
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ドラえもんシリーズ
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概要
小学館の「楽習(がくしゅう)ソフト」シリーズの第1弾として発売された算数学習ソフト。
シューティングを基本にしつつ、四則演算の学習もできる内容である。
ストーリー
いつもの通りテストがやってくる。のび太が珍しく学力をつけることを所望したので、ドラえもんは西部劇の世界に算数問題集を混ぜてお手製の世界観を用意した。
絵本入り込みぐつで入ってみると、そこはウルフ3兄弟が跳梁跋扈する退廃した世界だった!悪いウルフによる私刑や強制移住が横行し、市民は命の危機に瀕している。しかし流石は数学の世界、のび太は算数でウルフたちと戦っていくことになった。
ゲーム内容
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まずは難易度を12段階から選ぶ。その後ストーリーを読んだ後、ステージに入る。
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一般ステージでは下画面にウルフが次々現れるので、タッチして銃撃していく。
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茶色のウルフは約3秒、青色のウルフは約1秒経つとこちらに発砲する。発砲を受けるとダメージを受け、ライフがなくなるとステージセレクトに戻される。
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ドラえもんは「ころばし屋」「お医者さんカバン」のひみつ道具を持っている。
ころばし屋を使うと画面上の敵を一掃する。
お医者さんカバンを使うとライフが全快する。
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順調に進めていくと、途中で「けいさんドリル」が出現する。タッチすると上画面に計算式が表示され、下画面の敵に数字が出てくる。計算式の空欄に当てはまる数字の敵を撃っていくことになるが、この時間中は得点が増える。
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ボスステージでは上画面に計算式が表示されるので、答えを下画面に筆記する。相手より早く答えるとダメージを与えることができ、敵を倒せばクリア。
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ステージをクリアしていくと、数字書き取りなどの簡単なミニゲームが出現する。
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一度全ステージをクリアすると、「初めからけいさんドリルになるモード」「けいさんドリルが一切出現しないシューティング専門モード」が解放される。
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ステージ終了後、成績によって「ランキング」が発表される。モード別集計となっており、高得点を記録するとコレクションとしてひみつ道具が獲得できる。
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なおデフォルトの1位はのび太ではなく出木杉となっている。
評価点
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プレイ・学習意欲を上げる要素の数々
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上述の通りやりこみ要素が豊富であり、低い特典になってしまってもやり直しへのモチベーションが保たれやすい。
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ひみつ道具の助けを借りてもペナルティはないので、危険な状況になったらドラえもんに遠慮なく助けを求められる親切設計。決してヌルゲーではないが、子供向けにシビアすぎない絶妙な難易度となっている。
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そしてささやかながら設けられているのがマルチエンディング。学習ソフトでありながらストーリーがここまで作り込まれているのは珍しい。
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並一通りにクリアしてものび太は100点を取れず、もう一度西部世界に戻って計算をやってみることになる。100点を撮るには全ステージで四則演算を完璧にする必要がある。
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シューティングの楽しさ
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タルを破壊したり、道中のカンテラを打ち落としたり、転轍機を撃ってトロッコの進路を変えたりと、学習以外の面でもかなり作り込まれたSTGとなっている。
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通常プレイのほか、ガンマンモードでプレイすればかなりの爽快感が味わえる。
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ストーリー面
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ドラえもんの立場が不安定なのが惜しまれるが、それ以外の面ではTVスペシャル程度の結構な冒険ストーリー。オチもしっかりついていて「楽習ソフト」にふさわしいものに仕上がっている。
賛否両論点
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ステージ数が少ない
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実質全7ステージしかない。エンディングまではやや短い。
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とはいえ難易度が十数段階もあるうえに先述したマルチエンディングがあるため、周回プレイを前提とした数とも考えられる。年少者のプレイ意欲を考えればむしろこれくらいが妥当かもしれない。
問題点
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後の3作品と違い、セーブデータが1つしか作成できない。兄弟で1つのゲームを共用している場合は非常に不便。
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ミニゲームが非常に長く、全然「ミニ」ではない。問題数が多すぎて子供なら飽きてしまうだろう。
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ストーリー上仕方ないが、ドラえもんは遠くから見守っているだけで、映画にあるようなのび太と共闘する描写は皆無。しかも計算を間違うと「あーあ」と発言するなど、やや上から目線なのが不自然で不愉快である。
総評
学習ソフト・しかも子供向けと聞いて侮るなかれ、手を抜かずに学習面・ストーリー面ともに抜かりなく作り込まれたのが本作である。専門のシューティングゲームと比べると質は劣るが、それでもグラフィックやシステム面の作り込みは十分。不満点の多かった『ドラがな』の反省を生かした良作といえる。
学習しつつ、時々休憩としてウルフ達とのシューティング勝負を楽しんでほしい。
余談
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公式サイトでの発売表記は『ドラがな』『ドラえいご』『ドラちえ』『ドラもじ』が「好評発売中」となっている中、本作のみ「絶賛発売中」という表記になっている。
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2021年2月4日にNintendo Switchで本作単体のダウンロード版が配信され、パッケージで発売された『ドラえもん学習コレクション』にも本作が収録されている。
最終更新:2024年03月21日 20:44