香港
【ほんこん】
| ジャンル | パズル |  | 
| 対応機種 | ファミリーコンピュータ ディスクシステム | 
| 発売元 | 徳間書店 | 
| 発売日 | パッケージ:1990年3月23日 書き換え開始:1990年4月6日
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| 定価 | 2,980円(片面) | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | シンプルさがウリとはいえ単調すぎて盛り上がりゼロ クリアするだけなら簡単すぎて作業
 かといってハイスコアを目指すのも頭打ち
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| ファミマガディスクシリーズ | 
 
概要
当時発行部数トップを誇ったファミコンゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』(ファミマガ)創刊100号を記念して発売された『ファミマガDisk』第1弾。
コンセプトは「簡単だけどハマるゲーム」という形でMSX専門誌『MSX・FAN』誌の1988年3月号に掲載されていた投稿プログラムを移植したもの。
本作は『上海』に対抗したようなタイトルで、麻雀牌を用いたパズルゲーム。
MSX版ではスタンダードなピラミッド型のみだったが、FC版は10の配置パターンが用意されている。
内容
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画面上に積み重ねられた麻雀牌(字牌のみ)を、東→南→西→北→白→発→中→(再び東)の順番ですべて取っていく。牌の下に牌がまったくなくなると、上の牌が落下してしまいゲームオーバーとなる。
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牌の積まれ方はヘックス状のように、上下は半分ズレた形になっている。
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普通に考えれば、簡単に崩れてしまいそうな、1枚ずつの牌が半分ずつズレて10枚積まれていても不思議と崩れない。
 
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全部の牌を取るとクリアとなる。
 
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このような形なので、上から取っていく方がクリアも簡単だが、上や横が塞がっている状態で取る方が得点が高くなる。
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20点、40点、80点、160点、320点の5通り。
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上と横に牌がない場合は最低の20点。1つずつ増えるたびに1ランクずつ上がり、上と横が全部塞がっている(4枚)のを取ると最高の320点。
 
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因みにゲームオーバーになる条件の場合は、順番を無視してどの牌でも取れるので、どのみちダメな場合は1つでも得点が高くなるものを取った方がトク。
 
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失敗してもバックコマンドがあり(最大10回まで)、1手前に戻ってやり直せる。
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タイムトライアルのモードがあり、3分、5分、10分と時間を決めてチャレンジできる。
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コンストラクションモードがあり、自分で好きな配置図を作成できる。
問題点
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ゲームと言うより単なる作業。
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上から取っていけば、簡単にクリアできる。
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縦・横・高さの概念があった『上海』と違って、横と高さしかなく積まれた牌の上下関係を深く考える必要もない。そのためクリア自体に達成感が感じられない。
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一応スコアの概念があり、上や横が塞がっている牌を取るとリスクがある分、高い得点が得られるとはいえ、上限が決まっているので今一つやりがいがない。
 
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面構成は10パターンとまんざら少なくもないのだが、これほど単調なゲーム性をカバーできるほどではない。
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クリア時は朱雀のような鳥の一枚絵だけでは、喜びも沸かない。
 
 
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アイテムのようなものがない。
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この当時のパズルにはよくあった、救済やオプション的なアイテムがあって単調を排する要素として変則的なものを一味加えたようなものがあったが、それすらない。
 
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タイムトライアルもあまり燃える要素にはならない。
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単調すぎる上に『テトリス』のように、とことんスコアを突き詰められるわけでもない。
 
評価点
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初心者に優しくヒントコマンドがある。
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とはいうものの、この通りのゲーム性なので不要だが…
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はっきり言えば何もないのだが、強いて挙げればやっとこれぐらい。
 
総評
いくらシンプルさがウリとはいえ、ここまで単調ではもはやゲームをしている感覚がまるでない。
容量の少ない片面ディスクとはいえ、それを考慮して数年前これと同等クラスだった頃のゲームでも、いろいろと変則的な要素を持ったパズルゲームはあったので光るものが全く感じられない。
ファミマガの名を冠したことで話題にはなれども、いかんせん内容が乏しすぎる。強いて有効な使いどころを挙げるなら、本当にゲームに全く触れたことがないような人の退屈しのぎぐらいだろう。
その後の展開
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同年8月11日にゲームボーイへの移植版が発売された。
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その後『ファミマガDisk』シリーズは第6弾まで登場した。
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コンセプトからパズルゲームが圧倒的に多く、第1弾の本作は残念な出来だが以後ジワジワと進化していく。
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本作『香港』のみパッケージソフト版が発売されたが、第2弾『パニックスペース』以降は書き換え専用になった。
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当時『ファミマガ』誌上で読者からゲームアイデアを一般募集する公募企画「ファミマガディスク大賞」が開催され、本シリーズのうち半分はこの入選作品を製品化したものである。
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この経緯から全て「ファミマガディスク大賞」の応募作品だと勘違いされることもあるが、第1弾『香港』と第2弾『パニックスペース』のみ上記のように『MSX・FAN』の投稿プログラムコーナー「ファンダム」の掲載作品が出典である。
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また、第5弾については投稿作品ですらなく、コンパイルとのタイアップ企画として登場した『ぷよぷよ』である。
 
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因みに、最後となった第6弾『じゃんけんディスク城』(1992年12月22日発売・書き換え専用)はディスクシステムそのものでも最後のタイトルとなった。
 
余談
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上記の通り『ファミリーコンピュータMagazine』創刊100号を記念したものであるため、当該号(1990年第7号・4月6日号)に載せられた。
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自社の看板であり、その誌名を背負ってのソフトということで巻頭から6頁を割いて大々的に紹介していたが、これを見てもやはり単調さしか伝わってこない。
 
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本作はファミマガの売上ランキングで初週はなんと80位と惨憺たる結果だった。
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編集部も擁護のしようがない結果に順位だけをしれっと機械的に発表し、一切のコメントを控えていた。
 
香港(GB)
【ほんこん】
| ジャンル | パズル |  | 
| 対応機種 | ゲームボーイ | 
| 発売元 | 徳間書店 | 
| 開発元 | オニオンソフト | 
| 発売日 | 1990年8月11日 | 
| 定価 | 2,900円 | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | 多少は改善があるものの元が元だけにカバーしきれず | 
 
概要(GB)
3月に発売された上記ディスクソフト『香港』(以降「FC版」と表記)のゲームボーイ移植で8月11日に発売された。
ゲーム自体はFC版から引き継いでいるが若干アレンジがされている。
大元のFC版はファミマガの名を冠していたがGB版では特にファミマガの名前はパッケージにはなくゲーム中でも一切出てこない。
変更点(GB)
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Aモード
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時間無制限で変則ピラミッド型(上2段を切り取った形)。
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レベルパターンの選択はできない。
 
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Bモード
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Cモード
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時間を制限時間を3秒・5秒・10秒・20秒から選択し時間内に取れないと、取ったはずの牌がランダムに復活する。
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裏を返せば詰みに陥ったとしても、待っていれば取れる牌が出てくるので脱却できる。
 
 
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ゲームオーバー条件になる牌を取ってしまうと牌が落下する演出がなくなった。
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FC版では取るとゲームオーバーになる牌なら順番を守らなくても取れたが、GB版ではその場合でも本来取るべき牌でなければならない。
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ヒントコマンドはBボタンを押すことで、次に取れる牌を自動で指定してくれる。
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複数ある場合は、そのうちの1つのみカーソルを合わせて、もう一度Bを押すことで次の候補にカーソルが移動。
 
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クリア時のグラフィックがかわいい女の子になった。
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グラフィックはハードの性質上チープになったとはいえ充分そのかわいさが伝わる。
 
香港ブロック
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タイトル画面でABを押しながらスタートをすると「香港ブロック」という隠しゲームが遊べる。
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三元牌がブロックとして並んでおり、それにボールを当てて壊していくブロック崩しのゲーム。
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このゲームはボールは3つ落とすまで続く。
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全部のブロックを壊し切るとまた最初からのエンドレスなスコアアタックスタイル。
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ただし、このゲームのハイスコアなどは記録されない。
 
 
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本来のパズルゲームに戻りたいならば、電源をOFF→ONで再起動する必要がある。
問題点(GB)
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元々のゲームシステムそのものの改善はないに等しく作業的なゲーム展開は変わっていない。
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折角搭載したCモードの新しいゲーム性も、作業感が強いものになっている。
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詰まないように考えて取らなくても、時間が経過すれば取れるようになるためより適当なプレイを助長している。
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また、これを利用すればハイスコアもたやすいため、これもこれで作業感が強い。
 
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上記の方法でスコア稼ぎをやりすぎると終了時のスコア計算が正しくされなくなることがある。
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もっとも、それ以前に上記のようなことができるゲーム性そのものが問題ではあるが…
 
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おまけのゲームのようなものなので、それほど気にする必要はないのかもしれないが「香港ブロック」も、時折ボールがすり抜けたり、当っていないブロックが壊れたりと作りが雑。
賛否両論点(GB)
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ヒントコマンドが使いやすくなった。
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FCでは、その場所を見せてくれるだけで取るにはカーソルをいちいち自分で合わせなければならなかったが、その点操作はスムーズになった。
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もっとも、そのおかげでより作業感を増している節がある。
 
 
評価点(GB)
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クリア時のグラフィックは良化している。
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FC版ではこれといってそそられない鳥のような絵だったが、かわいい女の子のグラフィックになったことでクリアの喜びが大きくなった。
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しかもA・B・Cそれぞれで3パターン用意されている。
 
 
総評(GB)
元々作業感の強いゲームだったことから、それをそのまま引き継いでいるためやはり単調すぎるゲーム性は相変わらずで新しく追加したモードCも、最大の欠点だった単調さの改善には至らず。
とりあえずクリア時の女の子のグラはかわいいのでクリア特典が良くなったというぐらいしかなくFC版とは五十歩百歩。
余談(GB)
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上記の通りFC版はファミマガ本誌で7号のみながら6頁も割いていたいたのにGB版は発売元の徳間書店のソフトでありながらまったくガン無視だった。
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12号(6月22日号)の別冊付録「パズルゲームずるずる大全」でも載っていたのはFC版のみ。
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裏表紙でも紹介されているのはFC版の方でGB版の近日発売の情報すら載せられていないありさま。
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実質的な移植でほとんど変わらないということもあるのだろうが、自社ブランドからの発売だというのにあんまりな扱いである。
 
 
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ファミマガではその後1990年19号(10月5日号)での別冊付録『ゲームボーイファン』で上記の隠しゲームを含めて裏技が紹介されていた。しかし本誌で扱われることは最後までなかった。
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隠しコマンドは下記3通り。
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Aとスタートなら「サウンドテスト」。
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Bとスタートなら「Aモードクリア画面の女の子」が見られる。
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AとBとスタートなら隠しゲーム『香港ブロック』へ移行。
 
 
最終更新:2024年02月25日 15:58