マリオ&ソニック AT ソチオリンピック

【まりおあんどそにっく あっと そちおりんぴっく】

ジャンル スポーツ
対応機種 Wii U
発売元 任天堂
開発元 任天堂
セガ
発売日 2013年12月5日
※DL版は2016年1月8日に配信停止
定価 5,700円(税別)
プレイ人数 1~4人
セーブデータ 1個
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 良作
ポイント 体感性がより増加
オンライン対戦にシリーズ初対応
なぜか携帯機版の発売なし
マリオ&ソニックシリーズ


概要

2014年にロシアで開催のソチオリンピックを題材とした、マリソニシリーズ第4弾(冬季としては第2弾)。本作では携帯機版は発売されず、Wii U版のみとなった。


システム

  • 本作ではオリンピック15競技、ドリーム12競技が収録されている。
    + オリンピック競技一覧
  • アルペン滑降
    • Wiiリモコンを傾けてキャラクターを操作し、タイムを競う。
  • スキージャンプラージヒル
    • パワーをためてジャンプし、飛行中は風の「山」に乗って高度を維持。着地はテレマーク姿勢で決める。
  • モーグル
    • リモコンを振ってこぶで上手くターンし、ジャンプ中ではコマンドを入力して技を決める。
  • バイアスロン
    • スタミナを切らさないようにクロスカントリーをこなしつつ、射撃場ではジャイロ機能を使って5つの的を正確に撃ち抜く。
    • 『バンクーバー』では横スクロールアクションだったのに対し、後ろ視点の非常に本格的なものとなっている。
  • スキークロス
    • 操作方法はアルペン滑降と似ているが、4人同時滑走つキッカーが設けられている。キッカーでのジャンプをうまく利用しつつ、1位でゴールすることを目指す。
  • パラレル大回転
    • スノーボードで1人で滑降し、タイムを競う。
    • 『バンクーバー』ではスキー競技として収録されていた。
  • スロープスタイル
    • レールやキッカー、ボックスといったアイテムの置かれたコースを滑り降り、トリックでの得点を競う。
  • スノーボードクロス
    • スキークロスと同様、4人で滑って1位を目指す。
  • スピードスケート500m
    • キャラクターの手に合わせてリモコンを振って加速する(コーナリングは自動)。リズムが重要なスポーツ。
  • ショートトラック1000m
    • ↑とは逆に加速は自動で、プレイヤーはコーナリングを行う。
  • フィギュアスケート シングル
    • 演技中に現れるパフォーマンスをこなし、得点を競う。
    • 「ステップ」ではタイミングよくリモコンを振る。「スパイラル」では体勢が崩れないようにリモコンを保つ。「スピン」ではリモコンを回す。「ジャンプ」ではタイミングよくリモコンを振り上げる。「ウェーブ」ではリモコンをお手本通り上げ下げする。
    • 曲目は「タイスのめいそう曲」「ハンティング・ポルカ」「ワルキューレの騎行」「地上BGM:スーパーマリオワールド」「ウィンディヒル Zone1:ソニック ロストワールド」。『バンクーバー』にあった曲別の難易度設定は廃止されている。
  • フィギュアスケート ペア
    • 基本的な操作はシングルと同じだが、男女で手をつないでの2人プレイが原則。ただし1人プレイもできる。
      • なお現実の規定を厳守しており男性側は男性キャラから、女性側は女性キャラからしか選択できない。
    • 曲目は「ねむれる森の美女より ワルツ」「チャルダッシュ」「黒いひとみ」「メインテーマ:スーパーマリオランド」「ザ ワールド アドベンチャー:ソニック ワールド アドベンチャー」。
  • スケルトン
    • 種目は2人乗り。十字ボタン左右とA・Yボタンで2人の息を合わせて曲がる。
  • ボブスレー
    • タッチペンで操作。上手くキャラクターをタッチしてスピードを出していく。
  • アイスホッケー
    • キャラクター操作を次々に切り替えてパックをゴールに導く。
    • 『バンクーバー』ではキーパーを除いて2対2だったが、本作では4対4となった。
    • 2回戦方式だが1回戦は省略で、決勝のみプレイする。
  • カーリング
    • GamePadで本格的に作戦を練り、協力し合ってピッチングとブラッシングを行う。
  • + ドリーム競技一覧
  • ウィンタースポーツチャンピオンレース
    • スキー・スノーボード・スケート・ボブスレーの4種類がランダムで取り付けられるので、それに合ったコースを走って1位を目指す。
  • グルーブスノーボード
  • マリオワールド フィギュアスケート
  • ソニックワールド フィギュアスケート
    • 競技名は「ミュージカルフィギュアスケート」。操作方法はオリンピックのフィギュアスケートとほぼ同じ。物語仕立てのフィギュアスケートを4人同時に踊り、演技の完成度を競う。
  • ジェットコースターボブスレー
    • 4人同時に滑るボブスレー。『バンクーバー』のヒートアップボブスレーからさらに進化し、ジャンプ台や横スクロールのダイナミックな滑走となる。
  • ストリートアイスホッケー
    • 街中でアイスホッケーを行う。円形スタジアムの「メインストリート」、売り物のバナナが撒かれる可能性がある「マーケットストリート」、高低差のある「コインストリート」の3つのコートがあり、前半と後半で使い分ける。
    • 試合中には「ボーナスゴール」が発生することがあり、これを決めると3点ゲットできる。
  • ホールインワンカーリング
    • 2人1組で1人はストーンを投げ、もう1人はストーンの上に乗る。ゴルフの要領でゴールにストーンを運ぶゲームで、ゴールまでの投数が少なかったペアの勝利。
  • スノーメダルそうだつたまのり雪合戦
    • まずはライフルで雪玉を撃ち合いながら巨大な氷の玉を目指す。玉に到達するとそのプレイヤーが玉に乗っかり、その状態で自陣営にあるゴールを目指す。ただしライフルで撃たれると玉から落ちてしまうので、乗っている側も防衛の必要がある。ゴールするとスノーメダルが手に入り、その枚数を競う。
  • 爆走キラーぞりレース
    • キラー2機に引っ張られるソリを操作してレースをする。途中にはニトロチャージできるアイテムがあり、満タンに貯めるとターボで速度を上げられる。

ゲームモード

  • ワンマッチ
    • 好きな競技を1つプレイする。
  • メドレーガチバトル
    • 『バンクーバー』のラウンドマッチに相当。2〜5回戦で好きな競技を好きな順番で遊び、順位ごとの合計点を競う。また本作では「スピードメドレー」「レースバトルメドレー」など、ソフトにあらかじめ用意されたメドレーを遊ぶこともできる。
  • オールスターチャレンジロード
    • 1人用モード。全ての競技を1位で勝ち抜くことを目指すチャレンジモード。
  • アクション&アンサーツアー
    • 競技中に出されるクイズに正解することで稼いだポイントを競うモード。クイズといっても直前に表示された絵を覚えて答えるなど、知識の必要ないものがほとんど。
  • みんなでオンライン対戦
    • 「スキークロス」「スノーボードクロス」「ショートトラック1000m」「ウィンタースポーツチャンピオンレース」の4種目を世界のプレイヤーと競える。
    • 国ごとに順位が設定されており、自分が国籍を置く国の順位を上げることを目指す。
  • マリオ&ソニックTV
    • GamePadでのみ見ることができる、レコードに相当するモード。5つのチャンネルで異なる内容を見られる。
      • Ch1:マリソニ ニュース…レコード更新やオンライン対戦出場などプレイの年譜を表示する。
      • Ch2:マイヒストリードキュメンタリー…競技のレコードを表示する。支配率やプレイごとのスコアの伸び幅などかなり本格的に分析してくれる。
      • Ch3:パッと見! ランキング…世界1位のレコードと自己ベストを比べる。
      • Ch4:スペシャルチャレンジTV…ゲーム中で完了した様々な達成項目を見られる。達成すると未達成項目の条件のヒントを見られるポイントが得られたり、新しいBGMが解放されたり、Miiの衣装を獲得できたりする。全部で248個。
      • Ch5:今日のフレンドベスト…オンライン対戦を行なった回数やプレイ時間帯、累計プレイ時間などをフレンドとランキング形式で比べる。
  • プロフィールへんこう
    • 出場するMiiの衣装を変えたり、使用するスキー・スノーボード・ボブスレーの見た目を変更したりできる。
  • オプション
    • COMレベル、アドバイス表示の有無などを設定できる。

評価点

  • 競技のクオリティの高さ
    • 一部ドリーム競技を除いて後ろ視点に統一されており、臨場感が高い。またGamePadを使用できる競技ではGamePad側が一人称視点となり、スピード感が味わえる。
    • 全体として体感的・直感的な操作となっており、テクニカルな上達よりも勘と臨機応変さがものを言う良いゲームバランスになっている。既収録競技も違和感のない範囲で操作方法が変えられており、過去作経験者にマンネリを感じさせない。
    • ドリーム競技は総入れ替えされたが、『バンクーバー』の人気競技をリメイクしたものもある。
  • 演出の良さ
    • 全体としてテレビのオリンピック中継を意識したものとなっており、噛み合わせがよく高評価。
      • プレイヤー交代時や再競技時などにオリンピック中継さながらのカットインが入り、視点や選手紹介も本当にそれっぽい。
      • 新記録達成時は字幕スーパーのように画面上部に速報として表示される。
      • GamePadを使用しない競技ではGamePad画面でキノピオやペンギンたちが競技の解説を行っており、待ちプレイヤーが見ることができる。
    • 今作から一部の団体競技にて、特定のコンビで表彰台に立つと、特殊な勝利演出が見られるようになった。
      • マリオ×ソニック、ルイージ×テイルスの越境コンビやマリオ×ヨッシー 、ソニック×エミーなどファンならニヤリとしたくなるコンビが用意されている。
  • スコア表示の改善
    • スコア制の競技ではどの観点でどれくらいの評価が与えられたのか表示されるため、次へ繋げられる。
  • やはりぶっ飛んでいるドリーム競技
    • オリンピックとは似ても似つかぬとんでもないスポーツが魅力のドリーム競技だが、そのハチャメチャさは遺憾無く発揮されている。
    • 『バンクーバー』のファンタジー性重視に対して本作ではダイナミックさが重視されており、派手な演出の競技が多く楽しい。
    • ライフルで雪玉を銃撃し合いながら球乗りして自陣の穴に落とす」という競技などどのようなセンスがあれば思いつくのだろうか。
  • 全ての競技が最初から解放されている
    • やりたい競技のために難しい、嫌いな競技をプレイする必要がなくなったため好評。
  • オンライン対戦にシリーズ初対応
    • まだ4競技だけであったが、パーティツールとしてはかなり画期的な進化である。

問題点

  • フィギュアスケートの操作性に難がある
    • 「ステップ」はタイミングも速度も画面表示ではとてもわかりづらい。画面の速度と合わせてリモコンを振ってもミス扱いになることもあれば、適当に振っていてもパーフェクトになるケースもある。
    • 「スパイラル」に関しては謎が多く、机に置くなどしてリモコンを静止させてもコースがずれる。キャラをコース中央に留め置くのは至難の業。
    • ミュージカルフィギュアスケートでは4人が同時に動くため1Pと2Pは自キャラのコマンドの視認性が悪い場面が多く、ライバルの方で代用するしかないことまである。
  • パーティー性のあるモードがクイズのみ
    • 据置機版としては珍しく1人用のチャレンジが搭載されている割にパーティー要素は少なく、唯一それっぽいアクション&アンサーツアーも結局採点は競技成績である。これまでに比べると遊び方のバリエーションという面では劣る。
    • ただしこれは携帯機版が発売されなかったためにそちらの需要をカバーする目的であった可能性がある。
  • 1人かつ初回プレイでしか操作説明が表示されない
    • その割に1人プレイ用とマルチプレイ用の両方の解説が出るため、どちらかを捨てないとうまくいかない。
  • リプレイでは多くの効果音が削減されてしまう
    • 特にミュージカルフィギュアスケートなどが残念なことになる。

総評

Wii Uの機能をしっかり取り入れつつも、直感的で明快なシステムとして落とし込んでおり完成度が高い。臨場感も倍増しており、ソチオリンピックを家で体験するのにばっちりな良作となっている。
惜しむらくは携帯機での発売がなかったことである。これにより本作にもやや中途半端さが生じてしまうこととなったが、理由は全くもって不明。
本作を最後に2018平昌、2022北京と2大会連続でマリソニシリーズの冬季オリンピック作品がなく、ウィンタースポーツの体感ゲームとしては未だ価値ある1作である。

最終更新:2024年03月24日 11:19