パワプロクンポケット1・2
【ぱわぷろくんぽけっとわんつぅー】
ジャンル
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野球ゲーム
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対応機種
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ゲームボーイアドバンス
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メディア
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64MbitROMカートリッジ
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発売元
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コナミ
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開発元
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コナミコンピュータエンタテインメントスタジオ (ダイヤモンドヘッドプロダクション)
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発売日
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2004年7月29日
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定価
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3,980円 (税別)
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プレイ人数
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1人~2人
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レーティング
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CERO:全年齢対象
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判定
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なし
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ポイント
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野球パートを『6』に準拠したリメイク版 グラフィックは概ね向上したが育成難度も上がる システムの変更上強くなった野球マスク
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パワプロクンポケットシリーズリンク
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概要
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GBで発売された『1』『2』をGBAでリメイクした一作。
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発売時期は『6』と『7』の間であり、野球の仕様等は『6』がベースである。
特徴
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『1』の「極亜久高校編」をクリアすると『2』の「モグラーズ編」がプレイでき、それもクリアすると「戦争編」が遊べる。
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『1』は投手を経験点で育成する仕様になった。
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『1』はバランス調整によって育成難易度が高くなったが、『2』はむしろ易化している所もある。『6』で使えた『盗塁技』も引き続いて使える。
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実在プロ野球選手の登録データが2004年4月時点のものになっている。
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『2』サクセス最後に発生する可能性のある凡田との殴り合い「男の闘い」は凡田の体力が減っていくと攻撃が激しくなる仕様が無くなっており難易度がかなり下がっている。
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「戦争編」は回復〇の体力回復量増加や、後半のツキの上昇量増加が無くなったが、魚雷・爆撃ミニゲームで弾が一発しか飛んでこなくなるなど緩和されている部分もある。
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呪い島の安全地帯が削除された上に地雷配置が完全にランダムになったため難易度が上がっている。
評価点
ハード変更による改良点
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GBAで最も野球パートの完成度が高い『6』がベースとなり、原作と比べて野球パートが大幅に強化された。
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練習時のケガ率が下がっており、育成がしやすくなっている。
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回復コマンドの体力回復量が増えた。
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病気の治療の成功率が上がった。
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彼女の好感度が数値で見えるようになった。
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アルバム閲覧モードやミニゲーム練習モードもある。
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グラフィックやBGMがGBA相応に進化している。オリジナル版からのイメージも特に崩れていない。
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GB版には存在しなかった超特殊能力が貰える。
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GB版には存在しなかった特殊能力取得用のイベントが追加された。
『1』の評価点
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彼女候補の好感度をいつでも確認できるようになった。
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各キャラの個別能力アップがテキストに表示されるようになった。
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全仲間の能力アップ時にパワー、スタミナ、コントロール以外もAランクまで伸びるようになった。
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荒井三兄弟が送球○を取得するようになった。
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仲間評価に応じて試合中の味方の能力に補正が付くようになった。
『2』の評価点
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コーチの視察イベントで投手は「いろいろ見せるぞ!」の選択肢が追加され、野手は「バッティングを見せるぞ!」を選んだ場合の内容が変化した。
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『5』の秋キャンプ開始時や、『6』の20日ごとに実力テストのような点を稼ぐイベントが発生し、能力が足りなくてもプレイヤーの実力でアピールをできる仕様になった。
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仲間6人のパワーアップイベントが追加された。
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縁日で野球道具アイテムの取得が可能になった。
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転生時に名前やポジション等の変更が可能になった。
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味方の耐エラーが上昇するようになった。肩力がGB版より1多く上昇するようになった。
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投手はスタミナとコントロールが上昇するようになった。
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その分、投手は一部の野手能力しか上がらなくなった。野手はパワーの上昇値が減った。
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「貧乏暇なし」はおまけモードの場合、1000点を取ってもミニゲームが終了しなくなりハイスコアを狙える仕様になった。
賛否両論点
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『4』以降のサクセスの仕様を引き継いだため、仲間評価、タフ、ツキ、血の気、プレッシャーの増減がやる気に影響し無くなった。
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『1』は野球マスク等の強敵は野球システムのリメイクにより能力相応の苦戦をするようになっている。
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オリジナル版に存在した試合前の演出がカットされている。
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武田のミニゲームはBGMが廃止になったかつストップウォッチの計測を開始するタイミングが手動ではなく自動になったため原作より少しタイミングが取り辛くなっている。
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開発者インタビューによれば「BGMがない方が緊張感が出て良いと思ったので今作とリメイクの『R』では故意に抜いた」とのこと。
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数字がデジタル表記になったため、原作よりもタイムが見づらい。
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三鷹のミニゲームは、原作よりカップの移動が派手になっており、ボールとサイコロを見失いやすくなっている。
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一部キャラの後日談の分岐が無くなった。
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三鷹が一流大学に進学する。水原がアメリカの大学に進学する等。
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『2』はGB版とは異なり3年目の試合でも1・2年目の試合のBGMが流れるようになっている。
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日本シリーズに勝利した際の演出がGB版と異なる。
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戦争編で200週を達成した際のエンディングデモのイラストが変更され、主人公以外のキャラがユニフォームを着ている。また、エンディングデモ挿入時にGB版で流れたファンファーレが流れなくなっている。
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『2』のスタッフロールのBGMが『1』と共通化されており、GB版のBGMがリメイクされていない。
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ところどころで『6』のBGMの使いまわしが目立つ。
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『2』の転生回数ボーナスが大きく下がっている
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回復○・×の効果がなくなった。
問題点
『1』の問題点
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元々シリーズの中でも育成難度が厳しい『6』を引き継いだせいか強い選手を育成できない。
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初期ステータスがGB時代に比べて低い上に仲間の能力アップバグにより難易度が上がっている。
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作中のイベントの体力やタフの増減を、GB版の半分ほどにされており、増減幅が少ない。
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そのためタフや体力を高い値で維持するのが難しい。
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この仕様により強い選手を作るにはケガをする通常練習をするより、ケガをしない練習イベントが発生し続ける、極亜久高校にうろつき続けるのが最適とされている。
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GB版より仲間評価を上げにくい
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GB版はどの練習でも必ず上がったが、本作ではノックやスピード練習でしか上がらなくなっている。
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やる気が高いと上がりやすく下がりにくくなる仕様が無くなっている。
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チームメートの能力の上がり方もGB版より悪くなっている。
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GB版は「チームメイトの能力アップ」が発生した場合、全員の能力が均等に上がったのに対し、能力が上がるキャラと上がらないキャラがランダムでばらけるようになっている。仲間評価をカンストさせても能力が上がらない仲間がいるほど。GB版は仲間評価が一定以上ならば確定で全仲間の能力アップが発生した。
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味方の野手は、試合などで「仲間の野球能力が上がった」と味方全員の能力アップが発生した場合、パワーの代わりに肩力が上がってしまう致命的なバグがある。
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そのためパワーの上昇は個別能力アップでしか起きず、初期能力からパワーが1も上がらない仲間が多く存在する。
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パワーはヒットの打ちやすさに直結するためヒットが非常に打ちづらくなっており難易度上昇に拍車をかけている。
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そのくせ肩力は最大値が15のためあっという間にカンストしてしまう。
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また、このバグが無かったとしてもGB版よりもパワーの伸びは悪くなっている。
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投手の場合はパワーの代わりに球速が上昇する。
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そのため爽快感がなくなったという評価も。世間評価さえあれば甲子園で優勝せずとも「クリア」自体は出来るのが救い。だがアルバムには甲子園優勝やドラフト一位が条件のものが多く大きな山場となっている。さらに今作はリセットをすると世間評価が下がる仕様のため、リセットしすぎるとドラフト一位を取れなくなってしまうため下手にやり直しはできない。
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選手登録後にサクセス終了時のチームで対戦ができる仕様が無くなっている。これにより対聖皇学園後の味方の能力アップが無意味になっている。
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二年目の大東亜学園戦では仲間の調子が下がるのだが、GB版では味方全員が赤トンボ学園戦同様に不調となったのに対し、なぜかGBA版では絶不調になる。
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試合面では『6』同様にGB版と違って自由に選手交代ができず、せっかく仲間にした三鷹を試合で起用出来る場面が無かったり、想定外のキャラをスタメンにされたりとストレスが溜まる仕様になっている。
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三鷹はGB版では登板優先度が最も高かったが、リメイク版では「3」以降のアレンジチームでリリーフエースとして登録されている仕様を元にしたのか登板優先度が最も低くなっている。
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なぜか平山の初期能力が弱体化し、カーブの変化量が1になった。
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GB版では対戦モードで使用できたライバル校が対戦モードで選択できなくなった。
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彼女候補の四路智美を攻略すると「ムード×」と「寸前×」を取得するようになった。
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また『3』以降に登場した超特殊能力を普通の彼女と交際して入手出来ない。超特殊能力を入手するには「野球超人伝」をもらうしかないが、これをくれるのは紀香のみ。
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アルバム集めは彼女キャラのイベントを筆頭にランダムイベントに依存する内容が多く試行錯誤が必要である。
『2』の問題点
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原作と同様転生を前提とした育成システムとなっている。
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GB版より難易度は下がっているものの、転生なしでは強い選手が作りにくい仕様を引き次いでいる。
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愛など一部の彼女キャラはGB版と同様攻略のし辛い仕様になっている。
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ひと月に複数回連続でデートに誘うと高確率で「恋の病」になる。凡田にデートを見られると仲間評価が激減するといった仕様もそのまま。
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アルバム集めの難易度が高い。
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GB版と同様転生をしないと見ることができないアルバムが存在する。そのためアルバムをコンプリートさせるにはGBA本体とカセットが2つずつと通信ケーブルが必要である。
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3年目の最後にゲームオーバーになった場合のバッドエンドが5種類存在するが、どれが出るかは完全にランダムになっている。
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そのため、バッドエンドをコンプリートさせるにはわざと3年目にゲームオーバーになるという苦境を延々と繰り返し5分の1で目当てのバッドエンドを発生させる必要がある。
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バッドエンドを条件で分岐させるなどの改善がGB版からされていない。
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ドミオのパワーアップ、アルバム取得には非常に運が絡む。
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ドミオが真剣白刃取りに挑戦する連続イベントだが、イベント発生率がそこまで高くないにもかかわらず、必要なイベント数が多い。
さらに最後のイベントに成否判定が存在し、ドミオが真剣白刃取りに成功するかはランダムである。もちろん失敗するとアルバムの取得はできずに終わる。
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表サクセス
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試合はGB版とは違い、3年目でも選手の交代がプレイヤーは出来ない。
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凡田をパワーアップさせるとメインポジションが捕手になるバグがある。捕手になっても投手枠に登録されているが、投手としては起用できない。COMが凡田を起用しようとすると進行不能が発生しリセットせざるを得なくなってしまう。
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倉刈をパワーアップさせると外野起用されやすくなる。しかも正外野手のドミオを差し置いてまで起用され易い。『7』以外のGBA作品はサブポジションの性能が悪いため、パワーアップさせない方が良くなってしまう。
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冬野が登場しなくても試合で「ムード×」が発動する。
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『3』から登場した超特殊能力もあるが入手条件が「野球超人伝」のみ。本作では転生を何十回も繰り返す事を除けば紀香と交際した時のプレゼントでしかもらえない。だがそのリスクは計り知れない。ぶっちゃけ殺されかねない。
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また、超特殊能力は「野球超人伝」取得時のみしかもらえず、「野球超人伝」所持中に転生をしても超特殊能力は取得出来ない。
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味方の能力上昇が『4』〜『6』の仕様になっためドミオのパワーが伸びなくなった。
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戦争編
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黄熱病にかかるとツキの代わりにミートが下がる致命的なバグがある。
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黄熱病が治るまで毎週ミートが下がり続けるため、かかってしまうとミートが必ず最低値になってしまう。
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「キレ○」を取得できなくなった。
総評
パワポケ初のリメイク。『6』をベースにしており野球の完成度は上がったが、様々な点で選手育成が難しくなってしまった。
とはいえ、GBソフト2本分+αを遊べ、GBA相応に進化した点もまた多い。
その後の展開
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2021年11月25日にNintendo Switchで『パワプロクンポケットR』が発売。
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『1』『2』がベースとなっている。実在球団・実在選手名は架空のものに置き換えられている。
余談
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『6』をベースに作られた今作だが、
『6』と通信できてしまう
不具合がある。
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残念ながらヒット後の処理に誤差が生じて最終的にフリーズする。仕様ではなく不具合と記したのはこれのせい。
最終更新:2024年06月25日 23:40